残念すぎる昨今
いつになったら落ち着くのだろうか・・・
夕暮れの公園で、園児たちが遊ぶ姿を
ほほえましくみつめる璃乃
それを見た後輩の田村美奈子が「璃乃先輩。そんなにガン見してたら、怪しいですよ」
と声をかける。
「え?子供が好きだから子供を見ているだけで怪しいの???」
田村は腕を組みながら言う
「今どきのご時世は、運動会でも受け付けしてネームプレート頭からかけて
出席するんですよ。だって、変態が一眼レフカメラもって盗撮したり
するじゃないですか。高学年の女子を狙って」
「ねえ?一眼も持ってないし、そこにいるのは園児でしょ。それ
みてて何が悪いのよ?」
「だって、知り合いがいるわけじゃないでしょ?赤の他人が
見てるっていうだけで怪しいんですよ」
「知り合いいるよ。あのブルーのTシャツ来てる子、お隣さんだもん」
「そうなんですね。でも、怪しいです。親とか親戚じゃないんだから」
「親とか親戚ってどうしてわかんのよ?」
「園児の先生たちが、璃乃先輩を知らないからですよ」
「知ってるよ?お隣さんと一緒にお迎えとか行ったりしてるから。
ほら、あそこの背の高い先生は、未希先生っていうんだよ」
「え!?そうなんですね・・・じゃ、まあ・・・
先生たちも知ってるなら・・・・」
「まったく!なんでもかんでも怪しい呼ばわりしないでよ!
確かに李衣紗たちの体育祭を外からみてたときは、怪しいかも?
だけどさ・・・男子高校生とかいるから」
「ほら!やっぱり先輩怪しいじゃないですか!」
「どうしても私をそうやって怪しい人にしたてたいのね?」
やりとりを聞きつけて近寄ってきた圭太が声をかける。
「りーちゃんが怪しいって?なら、俺なんか
李衣紗がクラス対抗の練習してるときに、外のフェンスに
へばりついてたぜ?めちゃくちゃ怪しいじゃん」
「君キャラは全校生徒が知っているから、怪しい以前に
可笑しいんだよ」
圭太の大きい背中をボン!とたたきながら田村は大笑いした。
「確かに・・・怪しいというのは、身元が分からず
行動の目的もわからない場合に言うからね。
圭太の場合は、鼻の下をびろーんと伸ばして、よだれたらしながら
みてるから、目的も人物もバレバレだもんね。
怪しいというより、可笑しいから、みんな
温かい目で見守ってくれるもんね?」
璃乃も激しく田村に同意しながら笑っていた。
「なんだかしんねーけど、今ってなにかやると
すぐにあやしーとか、言われっから、俺よくわかんねーけど
俺は怪しくないぜ?」
鼻の穴を膨らませながら、圭太がドヤ顔をする。
「「知ってる!!!」」
田村と璃乃が同時に反応した。
「そういえばさ、隣のおっちゃんとカラオケいったときに
『まちぶせ』っていう昭和の歌を歌ってて
それきいて、タイトルからまじやべーじゃん!って思ったよ。
なんか陰にかくれてじーっと見てるとか
彼女いるやつ狙って奪ってやるって言ってるとか
おいおいおいおい!!!って突っ込みどころ満載でさ」
「だねーーーー。昭和のままの感覚でいると
まずいことが多いね。コメンテーターとかも
それで地雷振んじゃってるしね」
ワイドショーのネタを思い出して、璃乃は空を見上げながら付け加えた。
「純愛っていうカテゴリーが、今じゃストーキングチックに
なっちゃうってのも、なんだかなーだよね。
だから、恋愛しない若者とか増えちゃったりとか
妙齢になっても結婚したくないって人もいたりとか
どんどん人口も減るわけだよね・・・・」
梨乃が続けようとすると田村が遮った。
「私は結婚しますよ!」
「誰に宣言してんの?」
圭太が左眉を上げながら尋ねる。
「え?誰に・・・てことないけど・・・・
圭太のいとこ・・・元気?」
「え?パリピのこと?
しらねーよ」
璃乃が驚いて尋ねる。
「あれ、田村ちゃん、なんで茂呂道君のこと知ってるの?」
「え?あ・・えと、それは・・・まあ、そのう・・・」
目が泳ぐ田村。
「おれ、仲なんかとりもたねーかんな。
自分で行けよ」
一本気な圭太は気を利かせようという気もない様子だ。
「取り持つとかしらないけど、アイスぐらいは
奢ってあげるよ?」
みえみえの下心を表す田村を見ながら璃乃も笑う。
「モノではつられねーからな!!!!
パリピにもの好きいるなあってそれだけは
言っておくからよ!」
ぶっきらぼうだが、優しさ満載の圭太に
璃乃は心癒されていた。
世の中大変ですが
少しでもストレスフリーに
免疫力だけは下がらないようにしたいですね
夏休みも明日で終わり。
やっと日常が戻ってきます。