検査を受けたメンバーは
秩序を保った状態で
自宅会食を開催していた
「おい、今は緊急事態中なんだから
大声だしてんじゃねえぞ!」
久しぶりにメンツがそろったので
興奮気味につい声が大きくなってしまう輩。
「にしてもさ、俺らって医学系だよな」
圭太が昔と変わらない笑顔のまま
鼻の穴をふくらませながら言う。
「
本人が臨床検査技師って、その道じゃね?」
「ながはなぁ~。やんちゃなようで
根がまじめだから、きっちり勉強しなさったな」
行成も仲間たちを誇りに思っているようだ。
「でもさ、璃乃が日本に残って看護師になるとはな。
高校卒業したら、留学するとおもってたよ。」
細い腕を伸ばしながら、永斗が答えた。
「だって行こうと思ったら、パンデミックになっちゃったじゃん?
こういうときは日本にいるに限るんだよ。
しかも、看護師資格とってから、外国行って
国際免許とったっていいんだから」
「こうやって、おれらが会って懇談できるのも
医療系が多いから、陰性証明付きで堂々とファミリー会食
できるんだもんな。感謝だよな」
圭太は今日これなかった日南田の母も看護師であることを
思い出していた。
「行成、
かあちゃんが入院病棟にまわされちゃって
ほとんど家にいない状態だから、主婦みたいな
かんじだって李衣紗にきいたぞ」
「そうなんよ。李衣もさ、中央病院で
見習いしてるけど、日南田ママにはほとんど会えないって言ってた。
私は研修で李衣と会ったけど、勤務先は離れてるから
李衣にも日南田ママにも会えてない」
今はわだかまりもとけ、心から李衣紗を慕い
思いやっている璃乃。
「あ!このあいだゲーセンで
なーにやってんだか・・・こんな時に」
「え???親と兄の目を盗んでそんなことしやがってたのか!
あいつら・・・今日帰ったら、お仕置きだ!!」
行成は弟たちの行動は把握していたが、友達の手前
怒ったふりをしていた。
「まあ、羽目をはずしたくなるんでしょ。私だって
仕事中はさ、じみぃーな医療用マスクしなくちゃだから
こうやってオフのときは、かわいいのしたくなんのよ。
仕事柄、ネイルもできないしさ!」
「おしゃれしたいんだったら、なんで看護師になったんだよ!」
圭太が突っ込む。
「おしゃれはいつでもできるけど、看護師バリバリやれんのは
やっぱいまでしょ。40過ぎたら、出世して日勤になるからね。
学校の保健室勤務でもいいかな。会社とかの常駐員でもいいな。
そしたら、ネイルぐらいはできるもんね!」
「璃乃、おまえ、進化したな。
ちゃんと、いろいろ考えてんな」
永斗も璃乃の変貌ぶりに関心していた。
「そりゃあいつまでも、鼻垂らしてたあんたたちみたいに
幼くないんだよ!女子の方が大人になるの早いの!」
「ま、たしかにな。男子はいつまでもガキだよな・・・
強がったり、かっこつけたり。
とくに圭太は永遠の小学生だからな」
「うっせ!行成だっておとなっぽなふりしてるけど
この間だって、庭でラジコンやってただろ!!!!!」
「あんな圭太。ラジコンは大人程楽しむんだぜ?
テクいるんだからな」
「はいはい、行成大臣はいつもそうやって、かっこつけて
くださって、そいういうところも、無邪気でございますねっ」
圭太と行成の相変わらず無邪気なやりとりを
居合わせたメンバーも懐かしそうに眺めていた。
その頃、日南田と
せめて小説内だけでも
楽しい仲間とわいわいしていたいですね
もうちょっとの我慢。
おともだちと一緒に
おいしいお食事できる日を
夢見て。