日南田と李衣紗は・・・
「大丈夫ですか?お名前言えますか?」
目の前に倒れていた女性に声をかける李衣紗。
「おい、意識はあるのか?」
心配そうに女性の顔を覗き込みながら
日南田が李衣紗に話しかける。
「反応がない。日南田、すぐに救急車呼んで。
その間、私は救命処置するから」
「お、おう。あ、119ですか?
今・・・・・・」
数分後に救急車が到着する。
状況報告を素早く済ませ、李衣紗は
一緒に車に乗り込んだ。
日南田には現場に残ってもらい、倒れている女性の
関係者が現れたときに連絡するように頼んだ。
病院に到着し、救急班に状況を説明し、
連絡先を確認した。
女性の所持品から、どうやら隣町の小学校の教師であるということが
わかった。
その頃、日南田は現場で李衣紗からの連絡を待っていた。
すると、30代ぐらいの男性が現れ、誰かを探しているようだった。
「あの・・・もしかして、このぐらいの髪の
小柄な女性をお探しですか?」
日南田は男性に話しかけた。
「え?そ、そうですけど・・・何か?」
怪訝な顔で男性が答えた。
「あの、さっきここで女性が倒れたんですけど
僕の友達が看護師で、救急車呼んで一緒に乗っていったんです。
病院は、坂の上にある江南病院です。」
「え?????本当ですか?」
「あ、今、電話入ったんでちょっと待ってくださいね。
うん・・・名前は、角沢真奈美さん?」
「あ、角沢です、はい、僕の妻です」
男性が日南田に近づきながら声を上げた。
「今、女性の旦那さんと変わるから待って」
日南田は自分の携帯を男性に渡した。
男性は近くに車を止めていたので、日南田と一緒に
江南病院に向かった。
血圧が下がり貧血を起こしていた女性は
数時間して意識が戻った。
「赤ちゃんにもお母さんにも命に別状はありません。
今日、1日入院して安静にしていれば、明日には家に
戻れます」
医師の言葉にホッとした表情で、男性は待合椅子に座りこんだ。
「よかった・・・何かあったらどうしようかと思って
生きた心地がしなかったよ・・・
それにしても、どうもありがとう。見ず知らずの人を助けてくれて。
この恩は一生忘れません。
御礼をさせていただきたいので、連絡先を教えてください。」
「いや、そんなこと大丈夫ですよ。
当たり前のことしただけですから。
それより、奥さんお大事にしてください。
旦那さんもびっくりしたでしょうから、きっと
疲れてますよ。二人とも休んで大事にしなくちゃ」
「若いのにしっかりしているね。奥さんの教え子たちも
君のように育ってくれたらいいなぁ。
問題のある子がいてね、いつも奥さん、その子のこと
気にかけてたから、最近食欲もなくって。
コロナが収まったら、子供たちとピクニック行くって
張り切ってたんだけど・・・」
「大丈夫っすよ!俺もそのぐらいんとき
相当ヤバかったんで!でも、支えてくれた人がいて
その人のおかげで、道を踏み外さずに済んだから。
きっとその子も、奥さんの思いが伝わってますよ!」
「ありがとう!本当にありがとう!
奥さんにもそのこと伝えるよ。
いつか君たちと飲みたいなあ。だから
やっぱり連絡先教えてくれないかい?」
「あ、そういうことなら、ぜんぜんおっけーっすよ!
ぜひぜひ落ち着いたら、会いましょう!」
「ああ!うちに遊びにきてくれよ。
奥さんが育児している間、私が料理するから!
これでも野外活動では、料理担当なんだよ」
「旦那さんも先生なんですか?」
「ううん。これでも裁判官だったりするよ」
「およっ!国家公務員~!!!すげぇな。
おれ、警察官志望なんです」
「そうか!君のような子が警官になってくれたら
世の中から犯罪が減るよ!応援するよ」
「あざっす!!!!がんばります!」
自分にとって大切な人達。
李衣紗や凛々子、そして母を守りたいと
密かに思いを馳せていた日南田だった。
<深層心理で願っていることが叶ってしまう李衣紗の思いは・・・>
パンデミックもそろそろ
さよならしたい時期ですね。
どんな状況にあっても
しっかりと自分自身を見つめて
進んでいきたいですね
心の支えになってくれる
友や家族はなにものにも代えがたい
大切な宝物であります