桜の咲く頃   作:coltysolty

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また別れの季節になりました


季節は巡って

今年はやっとこどもたちの顔をみながら

送り出してあげられる

 

苦しかった3年間も

今となってはいろんな思い出となった。

 

李衣紗は保健実習でお手伝いに行った

小学校を訪れていた。

 

先生これ!

 

子供たちは思い思いのメッセージを込めた

折り紙製作を李衣紗に手渡した。

 

一人、また一人笑顔で挨拶をかわすと

胸にさしていた花を李衣紗に渡してくれた。

 

災害に遭って転校してきた子、感染が長引き

入院してしまった子、両親が仕事を失って転校して行った子

この3年でいろんなことの縮図が

1枚のアルバムに収められていた。

 

願ったことがやっとかなった。

こどもたちの笑顔を直にみながら

送り出すことができますように

 

ひとりひとりの人生を

しっかり歩んでいけるよう

周りの大人がサポートして

巣立っていけますように

 

日々の願いは現実となった。

 

数日前に李衣紗は不思議な夢をみた。

大きな木々が茂っている森への坂道を

息を切らしながら登っている夢だ

 

大木に茂っている葉っぱは

ゆっくり揺れているが

笑顔のように見えた。

 

木漏れ日がまぶしく

瞬きしながら上り坂を力強く

歩いている

 

そこで目が覚めた。

 

不思議な夢だったが

妙にリアルだった。

 

気になったので夢占いを調べてみると

 

「明るい未来に向けて、願いが叶います」

 

と書かれていた。

 

今頃、圭太達もきっと新しい生活に向けて

歩んでいるだろう。

 

そんなことをふと思った時に

マナーモードのスマフォが反応した。

 

あけおめことよろ!

 

は?なに、今頃・・・

 

感極まった涙が一気にひっこみ

笑いの涙に置き換わった。

 

念願のバイトが決まったと

連絡してきたのは圭太だった。

 

こどものときから表現することが

好きだった圭太は劇団の仕事を

手伝いたいと言っていたことを思い出した。

 

(なにこれ・・・私にお祝いしてほしいってこと?)

 

返事に戸惑い、すぐには返せないと

卒業式と送る会を終えてから帰りの電車の中で

ゆっくり返信することにした。

 

おめでとう

ひさしぶりだね

みんなはどうしてる?

せっかくだからみんなで

会わない?

 

既読にはなったが

返信はすぐには来なかった。

 

もしかしたら圭太は

李衣紗と二人だけで会いたかったのかもしれない。

もちろん李衣紗も望まなかったわけではないが

久しぶりに二人だけで会うことに

気まずさを感じていた。

 

すると日南田からの着信があり

すぐに切れた。

電車を降り、ホームのエスカレーターを登り切ったところで

折電を入れた。

 

あ、今電話もらったんだけど?

 

おーーーーー!りー!

ひさしぶりー!

 

と、お気楽だが力強い声が聞こえた。

 

久しぶりにみんなで会おうか?

 

李衣紗の返信を受けて、圭太が日南田に

連絡を入れたようだ。

 

なつかしさとこそばゆさが入り混じり

李衣紗は深呼吸をしてから

スマフォの画面をスライドした。

 




二人の間で揺れる
李衣紗は
果たしてどんな反応を示すのでしょう?



時間が流れても
人は変わっても
思いは変わらなかったり
気持ちは変わっても
心は通じていたり

人間って不思議な生き物ですね
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