「おい、永斗、PC貸してくんね?」
「あ?圭太?なに、いきなりコールしてきてんの?」
「急いでんだよ」
「PC貸すってさ、おまえ簡単に言うけど
俺だって使ってんだよ」
「おまえ、前に使ってねーのあるって言ってたじゃん」
「使ってねーってか、使えねーから使ってねーんだよ。
文書作成、表計算、プレゼン、どれも期限切れ。
改めてインストールするなら金かかるし。
ゲームするにもスペック足んねーし。
動画だって遅ぇーし。
ネット観れるだけ。でも、そんなら携帯あるから
ほんと、使えねぇ」
「ネットつながるってことは、ネット観れんだろ?」
「あたりめーだろ。ブラウザ立ち上げて
文字と画像見れるぐらいだよ」
「それで充分なんだよ!
「おまえ、携帯変えたばっかりだろ?
ネットもサクサク見れるって言ってたじゃん。
なにすんだよ?」
「おれじゃねーよ!」
「誰だよ?」
「え?・・・・・・と、ともだち・・」
「ともだちぃ~?どこの誰?俺しってんの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「言わなねぇーと貸さねぇぞ。
安いもんじゃないからな。壊されたらたまんねぇーし」
「壊したりしねえよ!あいつは!」
「だから、その『あいつ』って誰だよ?」
「り・・・・・ぃ・・・・・・s」
「はい?」
「りだよ、りぃーーー!」
「李衣紗?」
「ああ・・・・」
「なーんで、李衣紗がお前にパソコンの相談すんだよ?」
「オレはパソコンには詳しくねぇけど、
人脈だけはあんだよ!だから、りーは、俺にきけば
すぐに手配してくれると思ったんだよ」
「ふぅん・・・李衣紗なら、貸してやってもいいぜ
でも、なに調べるんだろな?」
「そこは聞かないでやってくれよ」
「おまえ知ってんのかよ?」
「だいたいは見当つく・・・・・」
「なんかオゴれよ?」
「あ、ああ!もちろんだ!」
「なんか訳ありなよーだからな。
理由は聞かないことにするよ。
今から取りにこいよ。WIFIのやり方は
わかるよな?WEPキー入れるだけでつながるから」
「おう!ありがとよ!今から取りに行く!」
圭太は自転車で永斗の家に向かった。
永斗からPCを受け取ると、圭太はすぐに
李衣紗に電話を入れた。
「李衣紗?あ、オレ。PC借りれたぞ。
どこに持っていけばいい?」
「あ、じゃあじいちゃんの病院近くのココ。
MAP送るね。」
圭太は李衣紗から送られた地図データを頼りに
パソコンを届けに向かった。
圭太の恩人であるじいちゃんに恩返しがしたい。
その思いでいっぱいの圭太。
李衣紗はじいちゃんにメッセージを送りたくて
心を込めた「言葉」と「画像」を探すために
PCを使いたい、きれいな写真をみつけて
それをプリントアウトして、メッセージを手書きしたい。
家にWIFIはあるけど、李衣紗本人は
パソコンを持っていないから、圭太に相談した李衣紗だった。
地図が示していた場所に到着すると
圭太は入り口をくぐった。
「失礼しまーす。ここで待ち合わせしたんですが・・・
・・・・・え!!!!日南田!おまえ、なんでここにいるんだ?」
「圭太ぁ?おまえこそ、なんだ?」
圭太が李衣紗から指定された場所は
日南田達が訪れていたレストランだった。
言葉は相手を傷つける凶器にもなるし、
ほっこり薬にもなる不思議な力を持つものですよね。
李衣紗はきっと、素敵な言葉をみつけて
大好きなおじいちゃんにプレゼントしたかったんですね。
果たして今の李衣紗の願いとは・・・・?