心が寒いときは
いつも温めてくれて
ふかふかのお布団みたいな
おじいちゃんの手のひらは
おおきくてなんでも直してくれる
魔法使いみたいな
私の宝物
一泊での墓参りを終え
春日部親子は自宅に戻っていた。
「あそこで、圭太や李衣紗に会うとはな・・・」
日南田は一人でぶつぶつ呟きながら
コンビニに向かっていた。
「おい、チビ!邪魔邪魔!」
後ろから小突かれる日南田。
「うっせーなーーーーー
ガリデカ!」
日南田をみつけるなり
からかってきた永斗に日南田が膝蹴りを食らわす。
「おめーに言われたくねーんだよっ!
ちっさくて見えなかったぞ」
「てめえなあ、無駄にひょろでかで
足早いからっていい気になってんじゃねえぞ!」
「お前も小っこいけど足だけは速ぇから
忍者みたいに、いっつもどこいるか
わかんねよな?」
「おまえ・・・」
「あ!永ティと日南ティ!」
永斗と日南田のじゃれあいを見て
微笑みながら李衣紗が声をかけてきた。
「あ、李衣紗・・・そういえば・・・
パソコンつかってんのか?」
日南田が問いかけると、永斗が怪訝な顔をしながら
日南田の顔を覗き込む。
「おまえ、なんで知ってんだよ・・・・」
「このあいだね~あそこでね~
李衣ちゃんと会ったんだもんね~」
永斗が片方の眉毛をあげ、めがねの上から
睨みつける。
「おいしかったね!あ、そうだ。
おばさんにお礼言っててね。凛々子さんにも!」
「いや~。たいしたことしてねーけど
李衣ちゃんが喜んでくれるなら、アタシもうれしいわ~。
俺の凛々子も喜んでたぜ」
永斗が日南田のひじをどつきながら
耳元でヒソヒソつぶやく。
「なあ、なにおいしいとかって?」
「んー。話すと長いんで、省略!」
「省略ってなんも言ってねーじゃねーか!!!」
永斗がイラっとしながら、日南田に突っ込む。
「えっとね、永ティが貸してくれたパソコンを
圭太が持ってきてくれたんだけど
そこで、日南ティとおかあさんと、マネージャーの凛々子さんに
バッタリ会ったの。
それで、おばさんにご馳走してもらったんだ。
永ティも呼べばよかったね・・・・
でも、塾とか忙しいかなーと思って
連絡しなかった。
ごめんね!今度は永ティにも連絡する!」
「お、おう・・・・それで、パソコンは
ちゃんと使えたか?」
「うん!ありがとね!
きれいで、やさしい言葉をさがして
おじいちゃんにプレゼントしたかったの。
自分で書いてイラストも描いて
色つけて、絵本みたくして
おじいちゃんにあげたら
すっごく喜んでくれて
元気になったって。永ティと圭太のおかげだよ!
永ティにもお礼しなくちゃ。
何がいい?」
「役に立ったなら、いいけどさ・・・
あれ、使ってないから、なんだったら
しばらくもってていいぜ。パソコンも使って
もらってたほうが助かるんだよな。放置してると
セキュリティのアップデートも時間かかるしさ」
李衣紗のまっすぐな感謝の言葉に
照れながら、思いやりを示す永斗。
「え!永ティ、いいの?あんな高価なもの
借りてても・・・」
「別に高価じゃないし。ソィッチ買うのと
あんまり変わんないんだぜ。マフオクで手に入れたやつだし。
じいちゃんも、おまえから絵本とかもらったら
うれしいだろ。また、作ってやれよ」
「永ティ!!!!」
李衣紗は永斗の手をにぎりながら
大喜びした。
「礼は圭太に言えよ。俺は貸しただけ。
必死になって、おまえの助けになろうとしてんのは
あいつだからさ」
永斗は圭太の気持ちを知っていたため
自分はしゃしゃりでるべきじゃないと
心の奥底で思っていた。
その頃、圭太は李衣紗の祖父に
元気を出してもらおうと、
古い道着を使って、財布を作っていた。
真夏のよーだと思ったら
肌寒くなったりで・・・・
皆さま、お体には
くれぐれもお気をつけください・・・・