ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム 作:しゅみタロス
花丸「キターーーーーーずらーーーーーー」
竜太郎「あ、でも出番が無い‥‥‥」
花丸 ガクッ!!
竜太郎「まあとりあえずスタート!!」
「まさか本当に6人集めるとは大したものデース」
「私はこの部活の件は断固反対だったのですがどうして条件付きで了解したのですか?」
ダイヤの目の前にいる彼女、小原鞠莉は一瞬口籠り、それをはぐらかす様に返す。
「それはシークレット、特に私情でOKしたわけじゃないデース」
「あなたのそのジョークの裏の本音を洗いざらい話してほしいですが……」
「細かい事は気にしないで。後は私の仕事なので」
「分かりました。それでは失礼いたしました」
部屋を後にするダイヤを見送りつつ、鞠莉は席を立つと校庭で部活に励む生徒を見つつため息をついた。
「私はいつまでこんな罪の意識を抱えたままなんだろう。決別すると分かってた物を認めるなんて……何なんだろう?この分からない感情は……」
黒澤家
「ああ……」
ダイヤが帰宅して鞄を置き、遊びに行って不在のルビィの部屋を掃除しようと考えた。
だが黒猫団アイテムに支配された部屋は見方によってはオタク部屋そのものだった。
ポスターにタペストリーにサイズの合わないオフィシャルシャツ、ぬいぐるみや写真集などが部屋を染め上げ、ダイヤは月のお小遣いがこのアイテムたちにつぎ込まれていることを実感した。
「まあ、これもルビィの楽しみと思えば……耐えられる!!」
大事な妹の趣味を受け入れてとりあえず掃除機をかけ始めた。
大切な妹のアイテムも傷つけないように埃を払い掃除を終えたダイヤの笑顔は爽やかだった。
「これでルビィも喜びますわ!!」
部屋を後にする予定だったがダイヤは本棚にある写真集を見ようと手をかけた。
「あれ、この本だけすごくせり出してる」
不自然に本がせり出した部分は奥に小箱が置かれていた。
ダイヤは本を全部取り出して小箱を手に取った。
「大きさと形状からして宝石箱のようですが……」
恐る恐る箱を開けると小さなビンとルビィの大好きな黒猫団の風間ジュンヤの写真が入っていた。
「このビンの中身、何かの葉っぱ……」
ダイヤは嫌な予感を感じていた、ルビィが悪い輩から危ない薬を買った事を想像してしまい、ビンを開ける手は震えていた。
だがその正体は簡単に分かった。
開けたビンの中から甘い香りを感じ、ダイヤはこの香りから正体を察した。
「これは、アールグレイ……紅茶の葉……」
紅茶の葉に気づき、安心するダイヤはそっとビンの蓋を閉めた。
そして一緒に入っていた写真を見たダイヤは写真を裏返す。
「こ、これは……」
写真の裏が地図になっている。そして住所と黒猫団スタジオの名前が記されていた。
「まさか……」
そこから翌日の事、ダイヤは生徒会の仕事を理由に写真の場所を訪れる事にした。
「ルビィ、お留守番よろしくお願いね」
「行ってらっしゃい、お姉ちゃん」
そして一人になったルビィは部屋に向かい、小箱からあのアールグレイの紅茶を取り出してリビングへと向かった。
「ジュンヤさんから貰った大切な紅茶、飲める時が来た!!」
ティーカップセットを用意してルビィは一人で紅茶を嗜もうとしていた。
そして黒猫団スタジオに向かうダイヤは街に出ると地図の通りの道を進んでいた。
「こんな路地裏を通るなんて、一体どういうルートなのでしょうか?」
路地裏を抜けると住宅街に着く。
これにはダイヤも驚きだった。
「路地裏の先にこんな住宅街が……」
地図を見直して目的の場所を確認する。
「あそこですか……」
たどり着いた一件の住宅、場所も地図と一致してダイヤは黒猫団スタジオがここであると確信した。
ダイヤは恐る恐るインターホンを鳴らす。
ピンポーン!
「ん?」
中にいたジュンヤはモニターを見ると首をかしげた。
「大和撫子?」
ガチャ
「やあ、僕の家に何用かな?」
「ジュンヤさん……」
「追っかけのファンと言う訳でもなさそうだけど……」
「あの、この家に私の妹が来ませんでしたか?」
「妹?」
「はい、赤髪の……」
「赤髪……彼女、ルビィちゃんの事かい?」
「やっぱり」
「確かにここを訪れてるよ。スクールアイドルの皆と」
「じゃあ、少し話を聞かせてほしいんですが……」
ジュンヤはそれを快く受け入れてダイヤを招き入れた。
「話をするならぜひ上がって行って。いい紅茶をごちそうする」
スタジオ兼リビングに入ったダイヤの前で紅茶の葉を火で燻す。
その香りはルビィの持っていたアールグレイと同じだった。
「やっぱり、ルビィの部屋にあったアールグレイ」
「ああ、ルビィちゃんこの紅茶をすごく気に入っててね、本来は僕の一族しか手に出来ない特別な物なんだ。ルビィちゃんに確かティーカップ4杯分渡したかな」
「ジュンヤさんってルビィから聞いた話によればイギリス人のハーフだと」
「音楽家の家系でね。ファンガリオンと言う貴族の生まれなんだ」
「ファンガリオン交響楽団のあれですか!!」
「勿論、僕は後のファンガリオン交響楽団の後継者でもあるんだ」
「その人がまさかスマチューバーやってるんですね。驚きです」
「紅茶が出来た、ここからゆっくり僕たちの事について話そう」
ジュンヤは黒猫団とスクールアイドルの事についてダイヤに全部話した。
千歌とは同じ中学の卒業生である事を知ったダイヤは黒猫団と千歌たちの関りについて少し理解を深めた。
自分が拒否したスクールアイドルへの思いにも触れることが出来、千歌やルビィの心を知ることが出来た。
「事情は分かりました。つまり黒猫団はスクールアイドルの宣伝の立場であるという訳ですね。」
「それじゃあ、ダイヤ先輩」
「せ、先輩って……」
「いや、僕より年上なら先輩じゃないかな?」
「それもそうですけど……まあいいですよ、呼んでいただいて」
「少し質問をさせてくれるかな?」
「はい」
「ダイヤ先輩は今後スクールアイドルとして活躍したりするのかな?ルビィちゃんがいるなら一緒にやってそうなんだけど?」
余りにも唐突な入部の質問に一瞬、身体に電流が走った。
「ごめん、何か気に障る様な事言ったかな?」
「いや、ちょっと悪い物を思い出して……」
「まあ、ダイヤ先輩の事も考えて問い詰めるつもりは無いから」
「はい、そっとしておいてくれるとありがたいです」
そして帰る時間になり、ダイヤはジュンヤに頭を下げた。
「お話、ありがとうございました」
「僕も楽しかった。来てくれてありがとう」
「また、訪れても良いですか?」
「勿論、ルビィちゃんと二人で遊びに来てね」
「それでは、失礼しました」
ジュンヤはダイヤを見送った後、リビングで食器を洗いながら今日の夕飯の献立を考え始めた。ジュンヤを顔はいつも以上に嬉しさに満ちていた。
その頃黒澤家では
「ピギィ!!ジュンヤさんの家に行ってきたの!!」
「ごめんなさい、実は部屋を掃除したときに紅茶と地図付きの写真を見つけてしまって」
「じゃあ、スクールアイドルの事も」
「はい、全部聞きました」
バレると考えてなかったルビィは帰りの遅さの元凶を突き止められ、この世の終わりの様な顔をするのだった。
だが意外にもダイヤの対応は優しかった。
「ルビィ、いい友達と出会いましたね。」
「え?」
「ジュンヤさんの家が楽しかったのなら、今度は私も仲間に入れてください」
「もっと、怒るかと思った……」
命拾いしたルビィは思い出していた。
ここ2週間ジュンヤさんの家でゲームやったり、トークしたり、ジュンヤさんに晩御飯ごちそうになったり楽しいことだらけだった。
「今度はお姉ちゃんと一緒に……」
ルビィは楽しそうだった。
しゅみタロス「次回は果南ちゃん登場です。どうもありがとうございました。」