ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム 作:しゅみタロス
ライブまで後2週間を切った頃、仁乃介と曜の二人はカガリの実家の駄菓子屋に来ていた。
仁乃介「カガリ、ラムネ2本頼むわ」
カガリ「今持ってくるね、200円そこに置いといて」
ラムネを待つ間、曜は店内のお菓子に目移りしていた。
曜「懐かしい、記憶にあるお菓子がいっぱいある~」
仁乃介「チョコレートバット、野球部時代の青春だな。一本ぐらいなら奢ってやるぞ」
曜キラーン「奢ってくれるの!!お願いします!!」
仁乃介「俺じゃなかったら、多分誘拐されるタイプだぞ」
カガリ「お待たせ、ラムネ2本。それとまだ買う物あるかな?」
仁乃介「チョコレートバット、2本頼む」チャリン
仁乃介は代金の60円を渡す。
仁乃介「それじゃあ、店の外で頂くぜ」
カガリ「ごゆっくりどうぞ」
店の外に出るとラムネを開ける。
曜「ああああああああ!!」
仁乃介「零れちゃったね、でもこれが醍醐味だから」
二人はラムネを口にすると仁乃介が曜に話を振る。
仁乃介「陸と千歌の嬢ちゃんの事なら心配ないと思うが、何が不安なんだ」
曜「ちょっと、急に何でその話題!!」
仁乃介「触れたらまずい話だったか、これは失礼」
顔を赤くしてカタカタしている曜を見て仁乃介はニコニコしている。
曜「一番心配なのは陸君だよ、ああ~なんですんなり受け入れないのかな。自覚出来てるんだから余計にじれったい!!私の中じゃこんな見てて落ち着かないのは初めてだよ」
チョコレートバットの袋を破り、荒くガリガリとリスのように齧る曜を見て仁乃介は諭す。
仁乃介「気持ちは分かるが、これは本人の問題だからなあ。陸の場合は受け入れる以前に恋愛に弱い事と不器用なところの2点が引っ掛かって思うように事をうまく運べない。それさえどうにかできれば陸はある意味で普通の恋する男子なんだけどな」
曜「恋愛になると明らかに初心過ぎてこっちも疲れるんだけど。後カメラに逃避しちゃう癖もメンドイ……」
仁乃介「カメラの先しか見ていない陸ならではの世界って奴か?」
曜「陸君って異性を意識してないのかなあ」
仁乃介「本人に聞いて確かめるほかないか。俺の方から陸の相談に乗るから、まあ落ち込むなよ」
曜「「ありがとう……」
すっかり萎えてしまった曜を見た仁乃介は心の中で「この話、振るべきじゃなかったなあ」と少し罪悪感を感じていた。
そんなこんなで数日後、学校帰りにクレープ屋で陸にクレープを奢る事を条件に陸と話し合いの場を設けることが出来た。
陸は嬉しそうにカスタードのクレープを頼み、テラス席で話を始めた。
陸モグモグ「それにしても、クレープの奢りは感謝するが……話す以前に曜が落ち着いてないな。俺に話あるとは……そう穏便な話じゃ無さそうなのはわかる。何が言いたい?」
陸はクレープを飲みこむと仁乃介もある程度陸の事を分かった上で話を始めた。
仁乃介「陸、お前にとって千歌の嬢ちゃんはどういう存在のなのか?それをお前に聞きたい」
「!!」
物凄い動揺の仕方をする、陸は思わず黙ってしまった。
曜「答えて、陸君。もう気付いてるんだよね?」
陸は少し考えて本音を口にした。
陸「俺みたいな男が……千歌と付き合ったら苦労すると思ったから。今まで否定してきた。でも心のどこかで千歌の優しさを求めていたのは本当だ。表に出さなかったけど……」
仁乃介「やっぱり、不安だったのか?」
陸「ははっ、不器用な俺についてたらきっと気を使わせると思ったからさ。どう見ても支えられる男に見えないだろ。性格的に……」
曜「そんなどうでもいい理由で恋心否定してたの?」
陸「こんな事人前で話すのはこれが初めてだよ。カッコ悪いな、俺の本心」
曜は陸の本心を聞くとどこか嬉しそうな顔で肩を叩いた。
曜「陸君は確かに不器用で付き合ったら苦労するかもしれない。でもお互いのそういうダメなところを支え合うのも恋愛なんだよ。だから恋をしている自分自身に胸を張っていいんだよ」
仁乃介「素直になれよ、ウブな少年。一度きりの初恋を大事にしろよ、勇気が欲しいなら一発背中叩いてやる」
陸は初めて感じた優しさに心が軽くなり、席を立つ。
陸(まさか、助けられる羽目になるとは……でも、悪くない)
陸「仁乃介、手加減なしで頼む。一発後ろからかましてくれ」
仁乃介は手に力を込めて拳で背中に一発叩き込んだ。
ドゴォ!!
陸「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……」
曜「ちょっと、陸君大丈夫!!」
渾身の一発が陸の背中に直撃してその場にしゃがみ込む陸に曜が背中をさする。
陸「一気に目が覚めた、これで前に進める……受け入れられた。あいつへの想い……」
仁乃介「俺は応援するぜ、陸の好きなようにやればいい」
陸「だが、その前にやる事をやらないとな」
力の宿った瞳で陸は宣言する。
陸「ラブライブで勝つぞ、俺の想いはこれが終わらない限り、伝えられない。必ず……」
自分の心を受け入れた陸は新たな想いを胸に前に進み始めた。
その頃、ラブライブも本戦に向けて動き出していた。
東京 秋葉原
???「いよいよ始まるか、今年はどんな伝説を見せてくれるのか楽しみだねぇ」
謎の男の後ろではあの人物がコーヒーを嗜んでいた。
???「一番楽しそうですね、赤峰社長。」
赤峰「そういう君こそ、今回のラブライブでは生放送を仕切るんだろう。君がラブライブ運営部に申し込んだんじゃないか」
???「王としてラブライブの参加者を見守る、それが俺、
心咲護としてのやり方だから」
しゅみタロス「心咲君キターーーーーーーー!!どうもありがとうございました。」