ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム 作:しゅみタロス
ラブライブ予選の前日、スクールアイドル部、いや今はもうこの呼び名の必要はない。
呼ぶならそう、アクアと黒猫団の双方は新幹線に乗って東京へと向かっていた。
ダイヤ「ジュンヤさんがつけてくれたグループ名、とても素晴らしいですわ!!」
仁乃介「最初は陸に任せたんだがどれも玉砕してジュンヤに泣きついたわけだ。最初から任せておけば良かったのに本人が無茶振りするから……」
千歌「その結果があの山盛りの駅弁って事?」
机を見れば何箱も積まれた駅弁をやけ食いする陸がいた。
陸ガツガツゴクッ「今日はいつにも増して食いまくれるな。ご当地の駅弁ほど目にしない物が沢山食えるからな」
ルビィ「あんなに食べて大丈夫かなあ」
ジュンヤ「言っとくけど陸ほどの食いしん坊はこの程度で体壊すような事無いから大丈夫だよ。一度も風邪を経験したことのないぐらいだから」
ダイヤ「ええええええええ!!風邪にかかった事無いって……」
ルビィ「一体どんな体の構造してるんですか!!」
陸「あ~お前ら顔が近い、それとここ新幹線の中の食堂車だから出来るだけ大声出すな」
そう言いつつ陸は駅弁の包み紙を開けるとある話を語り始めた。
陸「因みにラブライブについてちょっと調べた時に、その後のラブライブに影響を与えたミューズの先導者の話を知っているか?」
するとダイヤはズバリ答えた。
ダイヤ「勿論存じていますわ、若くしてミューズを勝利に導き、ラブライブの運営から王として迎え入れられた男子高校生。現ソニッカーズギタリスト兼ボーカルの……」
机のメンバー「心咲護!!」
そして語られるのは……王の記憶……
秋葉原 ビル7階
心咲「あれから5年、気が付けばあの日から随分過ぎたな……」
赤峰「あの頃の栄光、まだ恋焦がれてるのか?」
心咲「あの時以上の事は求めてませんよ、今はラブライブの王としての責務をこなすだけです」
心咲は缶コーヒーを開けると赤峰に語り始めた。
心咲「始まりは、あの春の日。穂乃果ちゃんと再会して舞い上がっていたけど、運命の悪戯は俺を笑って引きずり込んだ。ラブライブを目指して南さんと園田さんと最初のスタートを、その後に加入した小泉さん、星空さん、西木野さん。部室を提供してくれた矢澤先輩、俺達の活動にフォローを入れてくれた東條先輩、スクールアイドルのダンスを最前線で教えてくれた絢瀬先輩。気が付けば仲間が増えていて、楽しかった」
陸「共に活動をする中で、心咲を巡る恋もあったそうだが……結果的に幼馴染の穂乃果を選ぶと決めていた。ハロウィンライブで生舞台に参加して心咲自身がマイクを取った時は多くのファンの前で自分がバンドとして舞台に上がる事を胸に歌った。その後ラブライブ本戦に出場、アライズを下して勝ち上がったミューズと心咲の存在は最早語る必要もないレベルだった。
心咲・陸「そして、王としてその存在を確立させた」
千歌「ラブライブの王様、心咲さんは本戦に来るんだよね!!」
ダイヤ「勿論ですわ、今回はテレビの生放送にMCとして登場予定なのでスマホの生配信録画しておきましたわ♪」
陸「とりあえず、ペンライトと大漁旗その他応援グッズも用意しておいたぜ。いつでも突入可能だ」
仁乃介「大漁旗は俺が2週間かけて作った代物だ。客に邪魔にならない程度で小型化したから安心してくれ」
千歌「陸君、私頑張るから応援してね☆」
陸「あ、ああ……応援するけど顔を少し近づけるのはよしてくれないか?」
すると食堂車からあの二人が入ってきた。
梨子「あら、キスの途中だった?」
陸「き、きききききッ」
千歌「そそそそう言うのじゃないよ、ただ私は……」
顔を赤く染めてテンパる二人を微笑みながら梨子は楽しんでいた。
そして集はあるサイトをメンバーに見せて席に着き、語り始めた。
陸「そのサイトは確か……」
梨子「DDSの公式サイトよ」
千歌「DDS?」
集「DDS、通称ディスク・ドール・シンフォニクス芸能事務所。心咲護の活動の拠点であり、多くのスクールアイドルが在籍するラブライブ運営委員会の系列事務所だ」
心咲「ラブライブに優勝したあの後、俺はその後もラブライブの運営に呼ばれ、1年を重ねて人材発掘部のオーディションを受けつつ自分の才能を完全な物にした。その後にあなたが言った才能あるラブライブの出場者の芸能活動を支援する夢。それに俺はついていく事を決めて、今あるこの場所こそ……」
集「円盤人形の旋律者、ディスク・ドール・シンフォニクスと言う訳さ」
梨子「ラブライブで活躍する大多数の人がここからのスカウトを受けているの」
ダイヤ「心咲さんはやはり偉大な人ですわ」
ルビィ「ソニッカーズの音楽ならスマホに入ってるから後で聞こうよ~」
アナウンス「間もなく、この電車は東京駅、東京駅に到着します」
東京駅の改札口を出た、アクアと黒猫団はここで別れる事となる。
竜太郎「東京キターーーーーー!!」
花丸「キターーーーーーーーずらーーーー!!」
ルビィ「ほら、行くよ。黒猫団とは別のホテルだから」
すると陸は千歌に声をかける。
陸「千歌、これがお前にとって、力になってくれると思う」
陸が渡したのは絆と書かれたプレート付きの熊のぬいぐるみキーホルダーだった。
千歌「可愛い!!これどこで買ったの?」
陸「買ったんじゃない、作ったんだ」
千歌「え?」
すると陸は手袋を外す。その手は沢山の絆創膏で皮膚を覆っていた。
陸「不器用な俺だから、こういうのは初めてやったんだけど。うまく出来なくてこの有様。でも千歌が絆を信じて頑張れるように、少しでも力になりたかった」
その言葉を聞いた千歌は身体が熱くなっていた。
陸も平気な顔をしているが内心恥ずかしがっていた。
キャリーケースをを握りしめてサムズアップをした。
陸「頑張れよ、きっと大丈夫だ。会場で待ってるぜ」
やたら大胆な事をしたと思い、顔を赤くしつつ黒猫団の下に向かった。
千歌「ありがとう」
去って行く陸の後ろ姿に千歌は心拍数が昂っていた。
しゅみタロス「ラブコメの波動を感じる。どうもありがとうございました。」