ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム   作:しゅみタロス

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第22話 少しでも君に近付けたら‥‥‥

クリスマス 当日

 

デパートのケーキ屋さんにて……

 

陸「並んでもう1時間40分、流石は人気店。かなり並ぶな……」

 

メッセンジャーバッグを背負い、ケーキ屋に並ぶ陸は前回話した通り、千歌の家に泊りに行く途中である。

朝10時に家を出てかれこれ1時間はずっとケーキ屋の前で立ち往生していた。

 

陸「デパートのケーキ屋さんは間違いだったか、でも今更店変えるわけには……」

 

時計の針が12時を指す頃、ようやく陸にタイミングが回ってきた。

 

陸「よし、予定通り。ショートケーキもちゃんと買えた!!」

 

陸はケーキの箱を受け取り、1200円を支払ってデパートを後にした。

 

陸「すっかり昼になっちまったな。この際だし近くのピザ屋で済ませるか」

 

陸はピザ屋に入るとモッツァレラオリーブのピザとオニオンリングを注文した。

ピザを食しつつ、千歌にラインを入れる。

 

陸「だいぶ遅くなった……」

 

午前の間はケーキの購入で終わる事となった。

 

千歌の自宅 十千万

 

千歌「まだかなあ……」

 

ラインの既読があるものの千歌にとって何より嬉しいのはここに陸が来る事。

その為に自分の部屋に陸の為の布団を用意したことだった。

と言うより今の千歌はにやけ顔が止まらなくなっている。

 

千歌「今夜陸君にナニをシようかなぁ、あんな事やこんな事を……」

 

下心が全開になっているのはさておき隣の梨子の自宅では……

 

梨子の自室

 

善子「何でよりによってクリスマスにこんな盗撮じみた事を……」

巧「鞠莉先輩が二人の様子をカメラに収めろって冗談じゃないだろ」

梨子「今頃皆楽しいだろうなあ」(´;ω;`)

集「じゃんけんで負けたのが僕たちとはついてなかったね」

 

そう言って集はカメラをセットしてマイクを繋げた。

 

集「いつでもOKだ、良く見える」

 

午後1時

 

陸「失礼します」

???「ようこそ、お待ちしてました。陸君♡」

 

高海志満(たかみ しま)千歌のお姉さん。

 

陸「志満姉ちゃん、一年ぶりですね」

志満「陸君も大分変ったね、大人びてる」

陸「いえ、そんなことないです。未だにただヤンチャやってるガキですから……」

???「おお、十千万防衛隊隊員一号!!よく帰ってきた」

 

高海美渡(たかみ みと)2番目のお姉さん。

 

陸「懐かしいな、その呼び方」

美渡「いい男になったじゃん、相変わらずドクペは好き?」

陸「今晩飲むなら付き合いますよ、隊長」

美渡「よっしゃー!」

千歌「ちょっと待って!!」

陸「ああ……」

 

陸は千歌を怒らせたと思い、顔が青くなる。すると千歌は……

 

むぎゅっ!!

 

陸「!!」

 

身体を密着させて千歌は視線を陸に向ける。

 

千歌「付き合うのはこっちでしょ。何のために呼んだか分かってる?」

陸「ご、ごめん……」

志満「あら、陸君は千歌ちゃんのお気に入りかしら?」

美渡「若いっていいわね、見ていて面白い」

陸「す、すみません。俺そう言うのじゃないんで。あとこれ、デパートのショートケーキです。良かったら食後に……」

志満「ありがとう、今晩はクリスマスだから頑張っちゃうわよ」

美渡「それじゃあ、お二人とも幸せな時間を。部屋は千歌と同室だからよろしく」

陸「えッ!!俺千歌と一緒の部屋なのか!!」

千歌「付き合うって言ったの陸君でしょ。今日は私と二人だけで色々な事やってもらうから」

陸「わかってるけど、部屋で何をするんだ」

 

千歌は最初に陸につけたオーダーは……

 

千歌「陸君の膝の上に私を乗せて頭を撫でてほしい」

 

陸 ピシャア!(「甘えモード全開!!)

 

陸は頭がショートしかける。しかし千歌の要望は必ず応えねばならない。

 

陸「わかったよ、千歌がそれを望んでるなら……」

千歌「来て、私の部屋を案内するから」

 

陸を引っ張っていく千歌は何やら嬉しそうだった。

 

千歌の部屋

 

千歌「えへへ~」ニコニコ

陸「千歌を撫でるのって何気に初めてなような……」

千歌「何言ってるの、中学時代に私の胸にダイブしたのに」

陸「その話掘り返すのやめろよ」

千歌「今ならいいよ」

陸「は?」

 

すると突然千歌は陸を押し倒す。

 

陸「どういうつもりだよ!!」

千歌「今の方が中学の時より大きいと思うよ。触ってみる?」

 

服のボタンを外し、胸の谷間を大きく見せる。すると突然……

 

美渡「二人とも、ご飯できたよー」

千歌・陸「はひッ!!」

美渡「お楽しみだったみたいねぇ」

陸「違う、こ、これは……」

美渡「大丈夫、今の内にここの後継者作るのも良いと思うから」

千歌・陸「忘れてーーーー!!」

 

そして夕食へ

 

陸 ガツガツ「うめェ、流石は旅館の夕食だ!!」

美渡「昔から陸はよく食べるよね~」

志満「おかわりも沢山あるから好きなだけ食べてね」

陸「それじゃあ、白米もう一杯いいですか?」

 

千歌「……」(何であんなことしたのかな……)

 

夕食後

 

陸「1年ぶりの旅館の風呂、この温泉の香りも懐かしく思えるな」

 

ボディソープで身体を洗い流し、シャンプーで頭を洗って湯船の方に振り向くと……

千歌「洗い終わった?」

陸「なっ!!何で千歌が男湯にいるんだよ!!」

千歌「今日は利用者誰もいないから大丈夫」

陸「でも、一緒に入るのは問題だろ。第一女子高生でアイドルと一つ屋根の下も十分ヤバイし」

千歌「入ろうよ、言う事聞いてくれんだよね?」

 

陸はこの言葉が刺さり、二人で湯に浸る事となった。そんな中、陸は千歌に尋ねる。

 

陸「なんかさ、今日の千歌……大胆に見えるな」

千歌「私でも同じこと思ってた、私でもやってる事、自覚無いんだ」

陸「じゃあ、押し倒したのは……」

 

バシャァ!!

 

陸「うわ!!」

 

突然お湯をかけられた。千歌は不機嫌そうに陸を指摘する。

 

千歌「陸君って何にも気付いてないんだ。ここまでしてるのに何で察せないのよ」

陸「一体何の……」

 

千歌は陸に迫り、身体を抱く。

 

千歌「私はね、陸君が他の誰かに取られるのが嫌なの。陸君は私だけをただ見ていてほしいだけだから……」

陸「千歌……」

 

千歌の本心を聞くと陸は少しためらいつつ、こう答えた。

 

陸「俺なんかが、千歌の……」

千歌「見て、陸君!!」

 

陸が振り向く外には……

 

陸「雪か……」

 

夜の景色に雪が降り始めた。

 

千歌「明日、雪が積もったら、一緒に遊びたいな……」

陸「それもそうだな」

 

陸は外を眺めつつ千歌の手を握り締めた。

 

陸(もし俺が千歌と付き合ったら、俺は……支える事が出来るのか?)

 

一方隣の梨子の家

 

集「まさか、俺達の為にチキンとケーキを差し入れてくれるとは。千歌の姉さんに感謝だな」

巧「映像取れたし、そろそろ戻るか」

梨・善子「その映像はこのごちそうの対価だけどね」


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