ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム   作:しゅみタロス

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第20話 天使の世界

ラブライブ本戦 会場

 

千歌「大丈夫、今の私なら……」

 

本番30分前に千歌はどうしてもセイントスノーに自分の答えを伝えたかった。

千歌は出場者用のフリースペースでセイントスノーの二人を待つ。

そしてその時は訪れた。

 

理亞「私達を呼び出すなんて、三流が負けでも認めたのかしら?」

 

千歌は鋭い視線でセイントスノーに宣言した。

 

千歌「私達は確かに三流かもしれない、でも、以前の考えは全部捨てたよ」

聖良「それは、私たちに勝てないと思って逃げるためですか?」

千歌「違う、今の私のアイドルとしての理由は……私自身が輝くために歌う事。それが今の私の意味だから」

 

セイントスノーは鋭い視線で千歌を見つめると静かに呟いた。

 

理亞「三流から少しマシになったみたいね。簡単に潰そうと思ったけどそうはいかないと思った」

聖良「自分の為にアイドルをやる。その心は認めましょう。でも、勝つのはセイントスノーであることは変わりませんが……」

 

すると聖良は手を伸ばして千歌に言葉を掛けた。

 

聖良「形勢逆転を、期待します」

 

千歌は聖良の手を握り、互いを見つめ合った。

 

理亞「そろそろ、私たちのライブの時間よ」

聖良「行きましょう、私たちのステージへ」

聖良・理亞「全ては心咲先生の理想の為に……」

 

ホール内 観客席 天井ホール

 

ジュンヤ「これから優勝候補のセイントスノーのライブか」

カガリ「乗り越えるべき彼女たちの演技をよく見ておかないと」

 

陸(千歌……)

 

そして始まるセイントスノーのライブ。一方でホールの特設ステージでは……

 

???「なあ、心咲。今回のセイントスノーの楽曲提供したのお前だろ。何で嬉しそうにしないんだ?」

 

ソニッカーズのベース担当、桐島歳(きりしまみつぎ)

 

???「心咲先輩はこういうの無言で見るのが普通なんですよ。きっと自分の与えた演技はしっかり見るタイプなんですよ」

 

ソニッカーズのドラム担当西条智樹(さいじょうともき)

 

心咲「……」

 

心咲は言葉を発さずにヘッドホンに指を弾きながら映像を凝視した。

 

ステージにセイントスノーが立つと同時にエレクトロソングが鳴る。

歓声に変わるステージでスタイリッシュなダンスと歌詞が響き、さながら近未来的なライトの光が二人を照らす。

そのパフォーマンスの全ては心咲自身が手掛けただけあってアイドルと言う枠の広さを観客に見せつけた。誰もが感じるその感覚は……

 

新時代そのものだった。

 

セイントスノーのライブ終了後、その実力を見せつけられたアクアは身体が震えかけるが彼女の言葉でそれを止めた。

 

千歌「怖いのはわかる。でも、ここからが私たちの本当の闘い……必ず、成功させよう!!」

 

お互い覚悟を決めて、ライブの準備を始めた。

 

カンカンッ!!

 

千歌「えっ、誰?」

 

扉を開けるとそこには二人のスクールアイドルが立っていた。千歌はこの人を覚えていた。

 

千歌「貴方はセイントスノー前のライブの‥‥‥」

???「千歌ちゃんですよね?少し、話せませんか?」

???「きっと、あなたの力になれると思います」

 

二人の言葉を聞いて、千歌は話を聞くことにした。

 

???「それじゃあ、改めて、私は竜ヶ池高校アイドル部のシンフォニクス候補生、坂倉レイ」

???「最王学園のアイドル部、シンフォニクス候補生の香野 翠(かのみどり)です」

千歌「それで、話というのは……」

レイ「セイントスノーの事で落ち込んでないかなって思って」

千歌「確かに、でも私はそこまで……」

翠「自分の為に歌う、あなたの意味は正しい」

千歌「えっ……」

レイ「セイントスノーが目指した物をあなたが追いかけることは無い、私だってここまで来るのに案外苦労したんだよ。そしてようやく私も自分の意味を見つけた。千歌ちゃんも見つけたアイドルの意味を大切にするべきだよ」

翠「私も、千歌さんが今ここにいるように私にもここに意味を見出してステージに立った。セイントスノーが目指すアイドルは私と違う。純粋に自分の為に歌う、シンプルだけど誰にも負けない強い、自分だけの想い。その真っ直ぐさに心を打たれました」

レイ「千歌ちゃん、今から始まるライブ。自分が思うようにやってみなよ。応援する」

翠「私も千歌さん信じます。セイントスノーを超えるような素晴らしいライブを期待します」

レイ・翠「頑張って、千歌ちゃん!!」

千歌「レイちゃん、翠ちゃん、ありがとう!!」

 

二人の理解者が背中を後押しして、千歌は本当の意味で前に進む決意をした。

 

そんな様子を現場に居合わせた心咲は満足気な顔でその場を後にする。

 

心咲(ラブライブにおいて最も大事な物。その多くは共に夢を追う仲間が支え合い、そして一つの答えと意味を手にすること。俺はその世界で意味を探す少女たちを導く事が出来ればいいと考え、赤峰社長と共にディスク・ドール・シンフォニクスを立ち上げた。夢を追う高校生たちの王として、俺がそれを指導して見届ける。これまでのラブライブで誰も勝てなかったセイントスノーを超える逸材、人々は新たな女神を求めてる。アクア、果たして君たちは新たな時代にふさわしい、伝説となれるかな?)

 

心咲はその言葉と同時にヘッドホンを頭に被り、ソファーに腰をかけた。

 

心咲「見せてもらうか、アクアの出したアイドルの意味を」

 

そしてアクアのステージが始まった。

サイリウムが点灯し、ステージは静かに光を帯び始める。

黒猫団も息を飲み、その光と同時にアクアはその姿を現した。

歓声は大きく広がり、アクアのミュージックが流れ始める。

 

千歌「これが、私たちのライブ!!」

 

その言葉と同時にアクアによるパフォーマンスが始まった。

スカートがなびき、あざとさやドキッとするようなアイドルのしぐさと歌のフレーズはアクアらしい可愛さを強調したものだった。

それぞれに色があるようにライトもメンバーにスポットが当たる度にそれに合わせた色が輝く。

 

千歌(わかってきた、感じる。今のこの瞬間を楽しんで、アイドルとして多くのファンの前で、歌ってる。これが、スクールアイドルの楽しさなんだ!!)

 

観客席

 

カガリ「陸、嬉しそうな顔をしてるね」

陸「魅せてくれるな、あれが本当の……アイドルとしての千歌か」

 

仁乃介は大漁旗を大きく広げる。

 

仁乃介「ここから大一番だぞ!!」

 

ラストのパートに入ると会場全体のボルテージが最高潮になる。

それに応えるかのように最後のパートを綺麗に歌い上げる。

 

静かに曲が終わりを告げ、アクアはマイクを握り締めて会場全体に伝えた。

 

アクア「皆、ありがとーーーーー!!」

 

ワアアアア!!

 

最後の言葉を感謝で締めくくり、アクアのライブは幕を下ろした。

 

 

その後、観客による投票タイムの最中、陸は投票を終えてその場を立ち去ろうとした時にあの人物が声をかける。

 

心咲「黒猫団の、海道陸さんだね」

陸「し、心咲……護……さん」

心咲「動画を見させてもらった、アクアをここまで宣伝していて、実に面白い動画を作ってくれる。興味深いと思ったよ。特にカメラのセンスは実に素晴らしい」

 

陸「ありがとうございます、動画を見てくれるとは、何て言ったらいいか……」

心咲「それで、君に一つ提案がある」

陸「提案?」

 

心咲「ディスク・ドール・シンフォニクスで、芸能写真の仕事をやってみないか?」

 

陸「お、俺が、ディスク・ドール・シンフォニクスの……」

心咲「いくらでも考えていい、答えが決まったら、ここに連絡してくれ。待ってる」

 

心咲はメモを渡して、仕事に戻った。

 

そして……

 

アナウンス「これより、投票結果発表と優勝式を行います」

 

全体が静まり返ったと同時に会場は緊張感が漂っていた。

 

アナウンス「今期ラブライブ本戦、投票結果は……」

 

多くの苦難の先に待っていた、望んでいた真実とは……

 

 

 

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