ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム   作:しゅみタロス

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第24話 レンズの先の本音

冬休みが終わり、皆が学校にため息をつきながら通う頃。

陸は海沿いにカメラを向けていた。

今日は天気予報で晴天であり、富士山が綺麗に見える日でもある。

 

陸「良いシチュエーションだ」

 

陸はすぐにシャッターを切ると、写真のアルバムを確認する。

 

陸「後で千歌に渡してやるか……」

 

そしてふと気づく。

 

陸「何で今……千歌に渡そうって考えたんだ」

 

渡す相手ならいくらでもいるはず、なのに何故千歌なのか。

陸は無意識に千歌の名前を頭に浮かんだ事に謎を感じる。

 

陸「ダメだな、迷惑かける未来しか見えない」

 

千歌と付き合ったら自分が千歌に迷惑をかけてしまう、それは分かってた。

でも陸の中では安心できる言葉があった。

 

陸「力になりたい、か……」

 

若干それを信じるべきだと思う。

千歌が自分を支えてくれると考えると自分はただ臆病になってるだけだと感じていた。

 

陸「そろそろ、決めなきゃならない。俺の気持ちについて……」

 

陸はポケットからココアシガレットを取り出して口に咥えた。すると……

 

ジュンヤ「ここにいたのか、半日とは言えスタジオに戻らないから」

陸「心配かけたか?すまねえな。ここの海沿いの公園、富士山が良く見えるんだ。どうしても写真欲しくってさ」

ジュンヤ「道理でGPSの表示が変な位置で止まってたわけだね」

 

ジュンヤは陸に紙袋を渡す。

 

陸「昼ごはん、まだだったよね。ベーコン・ポテトサンドと紅茶持ってきたよ」

陸「悪いな、頂くぜ」

 

サンドをにかぶりつき、紅茶を飲む陸の顔にチーズソースがついている。

 

ジュンヤ「口汚れてるよ」

 

ハンカチで口元を拭かれると陸はツッコム。

 

陸「そういうのは男が女にやるもんだぜ、変に誤解を招くぞ」

ジュンヤ「ごめん、そう言うつもりじゃないけど陸って案外そういうの初心だと思うから分からないかなって」

陸「そもそも恋愛経験ゼロの俺は千歌の考えはある程度分かるけどちゃんとそれに応えられるか……」

ジュンヤ「陸って案外本心とかガラスみたいだよね、すぐに壊れそう」

陸「言われたくなかったな、それ……」

 

ジュンヤは陸を見て密かに伝えた。

 

ジュンヤ「頑張れ、陸」

 

一方でスタジオでは

 

ルビィ「ジュンヤさん買い出し遅いね。桃ゼリー早く食べたいな」

花丸「ポテチのバターはちみつまだずら~」

竜太郎「花丸ちゃん、パン食べながら言うセリフじゃないぞ」

アラタ「連絡付いたよ、今、陸を見つけたらしいから買い出しと一緒に連れて来るって。今スタジオに向かってるよ」

ルビィ「じゃあもうすぐだね!」

 

東京 ディスク・ドール・シンフォニクス事務所。

 

赤峰「心咲君、ここの所仕事を背負い込んでないかな?」

 

事務所の机でグラスにウィスキーを注ぐ。

 

心咲「確かに、家に帰れないのは不満です。後俺は酒飲めないから」

赤峰「まあ、飲んでみたまえ」

心咲「少しだけですよ」

 

グラスを手にウィスキーを飲むと……

 

心咲「ってこれ麦茶じゃん。前と同じ引っ掛けですか……」

赤峰「無理に酒を進めるつもりは無いと前に言ったんだがね」

心咲「せめてコップはグラスにしないでください。後ロックの氷も紛らわしいから」

赤峰「まあ、細かい事は気にせず、折角朗報持ってきたんだからさ」

心咲「朗報?」

 

赤峰は週刊雑誌を取り出し、開くとそこに記事が載っていた。

 

心咲「アクアの優勝を心咲護が祝福、新世代のアイドルを見抜いた王の素顔……か」

赤峰「雑誌メディアも大きく彼女たちを注目している。うちの事務所に一人でもメンバーが来れば大きな効果になるんじゃないかな?」

心咲「確かに、アクアは俺たちにとっても大きな高校生芸能の逸材に見える。ただそれは彼女たちが明確にそれに目を向けられるかも大きな問題だ」

赤峰「君は高海千歌をその世界に誘おうとしたんじゃないかな?結果は?」

 

心咲はそのことについて笑みを浮かべて答えた。

 

心咲「俺は彼女の事について、大きな理由を知っている。その理由はきっと高海さんにとって無くてはならない大事な物。俺は高海さんのスカウトする以前にその人物に誘いをかけたんだ」

赤峰「あの、カメラの少年。黒猫団の海道陸君だね」

心咲「以前そのことについて彼から返信が来た。ディスク・ドール・シンフォニクスのカメラスタッフとして所属する事が決まり、高海さん本人もついていくらしい」

赤峰「流石じゃないか、きっと大いに高校生芸能に貢献してくれるよ!!」

心咲「若者の未来と夢を応援し、それを見届ける。王として彼らの手を握っていくのは当たり前ですから」

赤峰「それと、君にもう一つ。伝えたい事ある」

心咲「他にも?」

赤峰「3月の一週目だけ、君に休暇が許された」

心咲「休暇!!一週間の!!」

赤峰「これを機に、少しは家族との時間を過ごしてはいかがかな?お子さんも今年入園式じゃないか?」

 

心咲は余りの嬉しさに電話をする。

 

心咲「久しぶり、穂乃果ちゃん」

穂乃果「護君、やっと連絡取れた~仕事は?」

心咲「それよりも聞いて、3月の一週目。帰れるよ、家に」

 

心咲の一年の始まりに光が照らされた瞬間だった。




しゅみタロス「ここの所、時間が取れてない。忙しい。どうもありがとうございました。」
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