ラブライブリスタートシリーズ エンジェルパーティータイム 作:しゅみタロス
千歌「いきなり某特撮番組のテロップが!!」
陸「気にするな」
第1話 本当の自分自身に出会う為
卒業式後の誰もいない教室、一人デジカメを向けてシャッターを切る。彼は学校周辺の思い出の場所をカメラに収めていた。
彼の名は海道陸、元写真部だった。
彼は写真部の部室に足を踏み入れると自分の名前の彫られたトロフィーに触れる。そして寂し気な声で呟いた。
「もう、ここに来ることは無いんだな……」
陸は部室に涙を流しながら伝えた。
「ありがとう、さようなら」
その後学校を出ると一人の生徒が立っていた。
「気は済んだ……」
「もう大丈夫、悔いは無い」
「良かった」
陸の親友、高海千歌、陸の事を心配してずっと待っていてくれていた。
二度と行くことのない中学に別れを告げて去っていく。
陸は目に哀しさを宿していた。
帰り道にとある自販機の前で飲み物を買うと陸は片手でカメラを操作していた。
「陸君は本当にカメラ好きだよね。どうしてそんなに傾倒するの?」
陸は千歌の質問に笑顔で答えた。
「カメラってのはタイムマシンなんだよ」
「タイムマシン?」
「人に過去を思い出させてくれる。時代、場所、時間、過去の自分、それを残すことのできる物がカメラだと思う。だから面白いんだよ、今を残すことが」
「タイムマシン……悪くないと思う。じゃあ流星苑高校でも写真部なのかな?陸君は?」
「残念だけどそれは無理、流星苑高校は写真部無いんだ」
「じゃあどうするの?」
「仲間とやりたかった事をやる、動画配信をやりたいんだ」
「動画配信、楽しみにしてるよ」
「ありがとう」
すると陸は千歌にカメラを向ける。
「笑ってみなよ、千歌の笑顔を残しておきたいんだ」
そして千歌の笑顔にシャッターを切るとお互いは再会を約束して別の道を歩んでいった。
それから高校に通い1年が過ぎた春の頃。
浦の星女学院、千歌たちの通う高校では新入生の部活勧誘で賑わっていた。
その中に……
「みなさーん、スクールアイドル部に入部お願いしまーす」
「一緒にラブライブを目指そう、ヨーソロー!」
千歌はスクールアイドル部なる部活を作っていたが部員は全く来なかった。
挙句の果てに……
「どういうつもりですか、非公式の部活に勧誘活動とは」
生徒会室でお説教を食らっていた。
「千歌さんも曜さんも一年間言い続けましたがそんな夢みたいな部活をわたくしは認めるつもりはありません。いい加減頭を冷やしてください」
とある公園の木陰の下
「こんなの無いよぉ~申請却下されるし頭を冷やせって言われるし」
「まあ確かに普通じゃ考えられないよね、でも私も乗ったからにはやり遂げたいし」
紹介が遅れたが千歌と一緒にいる彼女は渡辺曜。
千歌とは幼馴染で中学時代に陸と同じクラスに在籍していた。
「こっちはうまくいかなくてどうして陸君たちはあんなに大ブレイクしてるんだろう」
「黒猫団の活躍場所は何かと優遇されてるよね」
そう言いつつ曜はスマホで黒猫団のチャンネルを見ていた。
「曜ちゃん相変わらず好きだよね、仁乃介君の事」
「野球部で有名だったからね。こうして黒猫団で活躍してるのも陸君との仲の良さだよね」
説明しておこう
火流院仁乃介、黒猫団のメンバーで曜と仲が良かった野球部員。
黒猫団のチャンネルではスポーツアイテムや健康食品を扱ったレビューに登場することが多い。
「それよりこれからどうする?もう八方塞がりだけど?」
「諦めたくない!!絶対にスクールアイドルになるんだから負けたりしない!!」
「そうだよね!!私も手伝うから頑張ろう!!」
そう意気込む中で公園に飲み物を買いに来た二人が目についた。それは紛れもなく……
「陸君!!」
「仁乃介君も!!」
カメラと買い物袋下げたかつての親友だった。
思わず二人は駆け寄った。
「陸君、久しぶり!!」
「仁乃介君おひさ~」
「おお!千歌じゃん!!」
「曜の嬢ちゃんまで、1年ぶりだな」
その後
「なるほど、つまり千歌たちはスクールアイドルを目指して頑張っているが挫折しまくってるって事か」
「それに引き換え陸君たちは大ブレイクして今や沼津の人気者。雲泥の差だよね」
「でも曜の嬢ちゃんは簡単そうに言ってるけど俺たちは一年前まで挫折してた時期もあったんだぞ。今ほどうまく行って無かったんだからあんまり甘く見てほしくないな」
「ごめん、仁乃介君。そういうつもりじゃなくて……」
「謝る必要ないって、経験者だからこそ言える言葉だから」
「それなら今の千歌に一つピッタリな言葉がある」
「おっ!久しぶりだね。陸の格言」
「ある人が言った、大事な事を成し遂げたいなら光と同時に挫折、即ち闇を受け入れる事。凄まじき苦悩は人に力を与え、やがて究極となる。だから今の挫折は無駄じゃない。挫折を感じないで成し遂げられることは何も無いから」
その言葉に千歌は勇気が出た。そしてリクはこう付け加える。
「苦しい時があったら俺に頼ってもいいんだぜ。力になるから」
「ありがとう、もう少し頑張ってみる」
「その意気だ。頑張れよ」
すると曜はある事を思いつく。
「ねえ、少し提案があるんだけど?」
「何だ急に?」
「黒猫団と私達スクールアイドルで同盟を組んで、コンビを組んだら面白そうなんだけど、どうかな?」
「千歌、どうする?」
「賛成だよ、面白くなりそう!!」
すると陸は千歌に聞いた。
「千歌は誰と組む?」
千歌は陸に笑顔で答えた。
「勿論、陸君と一緒に」
「じゃあ俺は曜の嬢ちゃんとだな」
「よろしく、仁乃介君」
ここから先、新たな物語が始まるのだった。それは誰も知らない新たな女神たちの伝説。
しゅみタロス「陸の格言の意味はお察しください。どうもありがとうございました。」