それではどうぞ!
「ごめんけど、スクールアイドルなんてやらないよ」
「どうして...。果南、この人達と一緒ならきっと...」
「いや、私はやらない。もう私は帰るから」
果南が去ろうとした時
「私が知ってる果南はそんなに臆病じゃなかった!」
果南が立ち止まって振り返る。
何か言いたそうな表情をしていた。
しかし、何も言うことなく再びこの部屋を去ろうとしている。
真司はお互いの想いが届きそうで届かないモヤモヤ感に耐えられなかった。
鞠莉の事情も果南の事情も知っていたから。
「待ってください!理事長、松浦先輩は臆病ではありません!全てはあなたを思ってのことなんです!」
松浦先輩は驚きの表情だった。
そりゃ、俺がそんなこと知ってたら驚くか。
2人だけの秘密を破って申し訳ないけどここで言うしかない。
「生徒会長、いいですか?」
生徒会長は頷いてくれた。
「理事長、2年前のラブライブ地区予選での出来事を覚えていらっしゃいますか?」
真司はあえて質問した。
「...ええ。覚えているわ」
「あの時、松浦先輩と生徒会長は歌うことができなかった。そうですよね?」
「わざわざそんなこと2人の前で言わないで」
これは2人に対する理事長の配慮だろう。
さて、ここからが本題だ。
「実は2人は「歌えなかった」のでは無く、「歌わなかった」のです」
「どうして...そんな...」
鞠莉は驚いた様子だった。
真司はダイヤから聞いた話を鞠莉に話した。
それを聞き終えた時、鞠莉の肩は小刻みに震えていた。
「まさかこんな形でバレることになるとはね。まあ仕方ないか。後輩くんの言う通り、私達はわざと歌わなかった。」
「なんで言ってくれなかったの?なんで勝手に2人でそんなことしたの?」
「後輩くんもさっき言ったけど、全ては鞠莉のためだよ。もし...」
「私はそんなことしてほしいとは言ってない!」
「そんなこと...?ダイヤがどんな思いで歌うことを諦め、鞠莉のことを優先したかわかって言ってるの?ダイヤは...」
「果南さん、やめてください!」
「ごめん、つい...」
鞠莉の動きが固まる。
あの時ダイヤは生き生きとした目で語っていた
『夢の舞台はすぐそこにある』と。
果南は落ち着いた様子で語っていた。
『3人でもっと先の景色を見てみたい』と。
「ごめん、果南、ダイヤ...。私は2人の夢を...」
「鞠莉さん、顔を上げてください。悪いのは私達の方です。遅かれ早かれ、このことが知られるならば初めから鞠莉さんに言えばよかったのです。私達がそうしなかったせいで随分と長い時間を棒に振ってしまいました。
鞠莉さん、果南さん、また1から始めましょう。空白の2年間を取り戻すために...。」
「さあ、果南さん」
ダイヤは果南に手を差し伸べる。
「ダイヤがそう言うなら、もう一度...」
果南はダイヤの手を取った。
スクールアイドルをやりたいという意思の表れだった。
2人は視線を交し、何かの合図のように頷く。
「さあ、鞠莉(さん)、スクールアイドルをまた3人で始めよう(ましょう)!」
鞠莉の頬を涙が伝う。
「果南、ダイヤぁぁぁ、私はその言葉がずっと聞きたかったの...」
鞠莉はそのまま2人に飛び込んだ。
鞠莉が落ち着ついてから、ダイヤは真司をみて見てこう言った。
「中井さん、改めまして、私達3人でスクールアイドル部に入部させていただいてもよろしいですか?」
「もちろん喜んで!皆、せーのっ」
「「「「ようこそ、Aqoursへ!」」」」
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3年生が新たに加わり、部員は10人となった。
それから間もなく、Aqoursの新曲が完成した。
曲名は「未熟DREAMER」
これまでは作詞を高海さんが担当していたけど、今回は3年生の希望で3年生が作詞をすることになった。
歌詞は彼女達の体験が強く反映され、すれ違う思いが曲中に描かれている。
この曲を学校で披露したところ、生徒はもちろん、地元の人達も大勢来てくれた。
Aqoursの知名度が少しずつでも大きくなっているのをしみじみと感じる、そんなライブだった。
そして、次の日...
「よっ!」
「透、おはよう」
「真司、昨日のライブめちゃくちゃ良かったぞ!お前、いつの間にプロマネージャーみたいになってんだよ」
「え?俺が?別に大したことしてないと思うけど」
「いやいや、初め3人だったAqoursを9人に成長させて、ライブも何回か成功させてんだから大したもんだろ」
「誘ったのは俺だけど、ライブを成功させたのはAqoursの9人だよ。俺はサポートしてるだけ」
「おっはよー!」
教室に声が響く。
「おお、高海じゃねぇか。昨日のライブ最高だったぞ!」
「ほんと?そう言ってくれると嬉しい!次も頑張っちゃう!」
「次のライブっていつやるんだ?」
「まだ決めてないけど、今新曲の準備中なんだー」
「まじ!?昨日新曲披露したばかりなのにか。めっちゃ楽しみだわ!そういえばあの曲...」
透と高海さんは授業が始まるまで話っぱなしだった。
真司も一言、
「ライブ良かったよ」
とか声をかけたかったが、2人が楽しそうに会話しているのに水を指すのも悪いと思い、話しかけるのをやめた。
その時の真司は気づくことができなかった。
度々向けられる千歌の視線に。
やっと3年生の勧誘ができました(笑)
くどい文章だったかと思いますが、ここまで読んでくださりありがとうございます!
どうかこれからもよろしくお願いします!
最後まで読んていただきありがとうございます!
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