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Aqours一行はバスの中で席が近い人同士で話をしつつ、到着を待っていた。
鞠莉は隣の果南に小さい声で話しかけた。
鞠莉「ねぇ、果南。最近中井君の事で思うところがない?」
果南「別に特には無いけどなぁ」
鞠莉「中井君との間にちょっとした壁を感じることない?私とダイヤなんか未だに理事長、生徒会長って呼ばれるし、話す時は敬語だし」
果南「言われてみれば確かに。でも、話し方とかは人それぞれだし..,」
鞠莉「いや、このままじゃだめよ果南。中井君にも私たちと本当の意味で打ち解けてもらわないとね」
果南「でも、それって実際にどうするの?」
鞠莉「今から中井君にFINEで私たちを名前で呼ぶように伝えるの。ダイヤには秘密でね。中井君に名前で呼ばれた時の反応が面白そうだし」
果南「最近ダイヤは中井君と話す時楽しそうだしね。これで確かめてみるのも面白そうだね」
鞠莉「そうと決まれば早速作戦実行よ」
そう言って鞠莉はスマホを操作し始めた。
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なんかさっきから松浦先輩と理事長がチラチラこっち見てくるんだよなぁ。
生徒会長と隣同士で座るのに少し緊張している俺が変な顔にでも見えるのかな?
それを見られるのはちょっと嫌だけど...
でも、生徒会長と話すのは苦ではないかな。
むしろ楽しいくらいで。
お堅いイメージが強い生徒会長だけど、意外と話しやすいし、色んな表情を見せてくれる。
あ、意外と...ってのは失礼かな?
そんなことを考えている時にポケットから振動が伝わってきた。
ん?
理事長からグループ招待の通知?
しかもメンバーは松浦先輩と理事長と俺の3人。
招待するのを俺と生徒会長で間違えたのかな。
とりあえずメッセージを送ってみよう
ダイヤ「どうかされましたか?」
真司「すみません、通知がきてしまって」
ダイヤ「そうでしたか。私にお構いなくどうぞ返信なさってください」
真司「じゃあ、失礼します」
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真司がグループに参加しました
真司:招待する人間違ってません?
俺じゃなくて生徒会長だったのでは?
マリー:it's a Guilty !
真司:え?
マリー:私たち3年生に対して敬語はノンノン!
あと、私たちを呼ぶのも名前で呼ぶこと!
その代わり私たちも下の名前で呼ぶから
真司:何かと思えば唐突ですね...
じゃあ、「さん」付けでいいですか?
かなん:私たちと真司君の壁がある気がするって鞠莉が言うから呼び方変えようってなったの
急にごめんね
あと、まだ敬語になってるよ
それと、どうせなら「さん」付けじゃなくて、呼び捨てで呼んだらどうかな?
真司:「鞠莉」、「果南」、「ダイヤ」って呼ぶってこと?
それって3年生に対して馴れ馴れしくない?
マリー:それを無くすために今連絡したのよ?
頑張って慣れてほしいわね!
真司:が、頑張るよ...
ちなみにダイヤは誘わなくて良かったの?
かなん:それは大丈夫だよ
私たちから伝えておくから
真司:わざわざ別に伝えなくても最初からグループにいればいいんじゃないの?
マリー:真司とダイヤがお互いに下の名前で呼ぶってなって、いきなり隣同士だと変に緊張するでしょ?
私たちなりの配慮よ?
真司:なるほど
それは盲点だった
ありがとう
いや、これって俺が礼を言う必要あったのか...?
なんか2人に丸め込まれてる気がする...
マリー:細かいことはいいの!
じゃあそろそろ着くからまた後でね
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果南「よくダイヤを誘わない理由サラッと言えたね。ナイスじゃん」
鞠莉「聞かれた時は少し焦ったけどね。これで準備完了ね!」
自分が3年生2人の思惑に巻き込まれていることを知らない真司は、3年生を名前で呼ぶことに1人悶々としているのだった...。
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ようやく旅館に到着したAqours一行は、バスを下り旅館の中へと進む。
旅館と言うだけあって「和」の雰囲気がすごい。
盆栽とか小さめの池に
女将「小原鞠莉様ですね。お話は伺っております。どうぞこちらへ」
案内されたのは大部屋だった。
襖を開ければさらに広くなる。
なんともくつろげそうな部屋である。
後で俺もこの部屋に来てみよっかな。
そう思う真司だったが...
女将「宿泊にはこちらの大部屋をお使いください。備え付けてあるテレビや急須はご自由に使っていただいて構いません。お布団は皆さんの夕食の際に準備致します。その他ご不明な点がございましたら、旅館の者にお伝えください。それでは失礼致します。」
皆これからの合宿を楽しみにしてる感じだけど、俺は1つだけ疑問が...
真司「すみません、僕の部屋はどこでしょうか?さすがにここで寝泊まりするのは良くないと思うのですが...」
女将「大変失礼致しました!小原オーナーからは大部屋1部屋でいいと聞いておりまして...。すぐにお部屋をご用意致しますので少々お待ちください。」
そう言うと、女将は足早に去っていった。
千歌「えー、中井君別の部屋なの?せっかく来たんだからみんなと一緒で良かったのに...」
真司「いやいや、女の子9人いる中で男の俺が泊まるわけにはいかないでしょ!」
『真司、間違っても変な気を起こすんじゃないぞ』
頭の中で不本意にも父親の言葉が浮かんでしまった。
千歌「別に中井君がいても大丈夫だと思うんだけどなぁ」
千歌と真司以外の8人が首を縦に振る。
鞠莉「まあ、真司になら『何をされても』OKデース」
鞠莉はわざと「何をされても」と強調した。
同じ部屋、男女、泊まる、これらのワードから導き出されることは...
さすがの俺も恥ずかしくなってきたタイミングで女将さんが来てくれた。
女将さんナイス!!
皆はまだ女将さんに気づいてないようだから、今のうちに移動することにした。
果南「鞠莉、冗談は程々にね」
曜「それよりも鞠莉ちゃん、さっき中井君のこと呼び捨てにしてなかった?いつの間にそんな仲に?」
鞠莉「それは...秘密デース!」
善子「ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃない」
花丸「マルも気になるズラ」
皆がそんな会話で盛り上がっているのとは裏腹に顔を紅潮させっぱなしだった人が2人いたとかいないとか。
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