ようやく合宿3日目です(笑)
スマホのアラームで目を覚ます。
時刻は朝5時。
外から朝日が差し込み、寝起きには少々きつい。
今日は合宿3日目。
昼過ぎまで練習したら帰る予定だ。
今日も昨日と同じく、6時起床の後、朝食を済ませて7時半から練習が始まる。
6時まではまだ1時間程あるものの、寝るわけにもいかないなんとも微妙な時間。
じっと待つのも暇だったので、練習着に着替えて海に行ってみることにした。
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朝方の海は涼しかった。
たまにくる潮風も心地良い。
波が一定の間隔で押し引きする。
何の変哲もない海の風景に真司は見入っていた。
聞こえるのは波、風、鳥の鳴き声。
ぼーっとしているだけでも心が洗われるようなそんな感覚。
サクッサクッ
これまでとは違う音がだんだんと近づいてくるのがわかる。
千歌「中井君、おはよう!」
真司「高海さん、おはよう。随分と早起きだね」
千歌「ちょっと早く目が覚めちゃって。何となくここに来てみたんだー」
真司「俺も同じだよ。暇だったから来たって感じかな」
千歌「そっか」
2人の間に沈黙が訪れる。
そして数秒後。
千歌「海ってさ、すごいと思わない?」
唐突に高海さんが聞いてきた。
真司「すごいって何が?」
千歌「こんなに広くて、こんなに青い。海を見てたら悩みなんかちっぽけに思えてくるんだー。これってすごいと思わない?」
真司「俺もさっき体感してたよ。海には音があって、匂いもあって...。まるで不思議な力でもあるかのような。言葉にしようとすると難しいけどね。」
千歌「そうそう!だから千歌は海が好きなの」
高海さんはどこか誇らしげだった。
真司「そういえば、さっき"悩みがちっぽけに思える"って言ってたけど、高海さんにも悩み事があるんだね」
千歌「そりゃそうだよ!千歌だって人間だし」
真司「いや、高海さんいつも笑顔で明るい人だから、悩みなんてこれっぽっちも無いのかなーって」
千歌「それって千歌のことバカにしてる?」
真司「そんなことないよ!笑顔で明るいっていいことじゃん!」
千歌「ほんとにそう思ってる?...怪しい」
真司はふとスマホで時間を確認する。
真司「ほら、もう朝ご飯の時間だし旅館に戻ろ!」
真司は走り出した。
千歌「あっ、逃げた!待てコラー!」
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それからは昨日と同じことをした。
朝食の後にストレッチ、体幹トレーニングなどをしてそれからランニング。
唯一違うことといえば、夕方に帰るために早めに練習を終えたことだ。
明日からはいつも通り学校で練習の予定。
地区予選は残り1週間ほどに迫っている。
俺にできることは少ないけど、彼女達の力になりたい。
決意を改める真司だった。
練習が終わり、帰宅の準備を始める。
この3日間、旅館や小原家の人たちにはお世話になりっぱなしだった。
せめてものお礼として、部屋を綺麗にしようと思った。
"来た時よりも美しく"
その一心で、部屋の掃除をした。
大体綺麗になったところで、荷物を持って9人がいる部屋に向かった。
真司「開けるよ?」
中からいいよと返事があったので中に入る。
部屋の邪魔にならない場所に9人分の荷物がまとめられ、帰る準備はできているようだ。
真司「遅れてごめん」
鞠莉「別に気にすることじゃないよ。私達も少し前に準備できたばっかりだしね!それじゃあ、全員揃ったから、let's go home !」
旅館を出る時、旅館の人達が最後まで見送ってくれた。
真司「何から何まで本当にお世話になりました。皆さんにはなんとお礼を言って良いか...」
女将「とんでもございません。私達は皆様が快適な時間を過ごして頂くためにしてきただけですから。私達のおもてなしが皆様にとって良いものであったならば幸いです。宜しければ是非、またお越しください。」
真司「本当にありがとうございました!」
9人「ありがとうございました!」
真司「また来ます!」
女将「はい、お待ちしております」
旅館の人達に別れを告げ、Aqours一行はバスに乗り込んだ。
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帰りのバスの席は行きと"ほぼ"同じ席になった。
決めたのはダイヤだ。
乗り込む際に帰りのバスの席順を決めてなかったことに気づいたが、バスの運転手の人を待たせるのも迷惑なので席は行きと同じで...という風になった。
で、"ほぼ"っていうのは俺とダイヤの席の真後ろなんだけど...。
果南「3日間の合宿もとうとう終わったね」
鞠莉「そうね!あとは学校で本番まで練習するのみデース!」
そう、この2人が俺たちの真後ろにきた。
行きは誰も座っていない席だったので、他のメンバーと被ることは無かったけど...。
ダイヤ「2人とも何故ここにいるのですか?果南さんと鞠莉さんの席は隣でしょう?」
鞠莉「いいじゃない、元々ここには誰も座ってなかったわけだし」
バスが動き出してしまったため、今更移動するわけにもいかず...
ダイヤ「今移動するのは危ないです。仕方ありませんので今回はこのままでいきましょうか」
バスでの移動の間、4人で色んな話をした。
幼い頃、よく鞠莉を連れ出して遊んだことや3人でスクールアイドルをしていた時のこと...。
果南「千歌達がスクールアイドルを始めた時は驚いたよ。まさか私達もまたスクールアイドルをやることになるとはね...」
ダイヤ「そうですね。今こうしてスクールアイドルができているのは真司さんのおかげですわ。」
真司「そんなことないよ。俺はただ誘っただけで、最終的にやると決めたのは皆だしね」
ダイヤ「確かに決めたのは私達ですが、真司さんの誘いがなければ3人がこうしてスクールアイドルをすること、ましてや他愛ない話で笑い合うことすら叶わなかったでしょう。当時の3人は互いに近いようで遠い存在でしたから...。ですから、あれもこれも真司さんのおかげですわ。」
果南・鞠莉「「ふーん」」
ダイヤ「なっ、何ですか。2人してニヤニヤと」
鞠莉「2人とも仲良いな〜と思って」
ダイヤ「ま、まあそれは学年は違えど同じスクールアイドル部ですし?仲が良いのは当然ですわ。ね?真司さん?」
真司「う、うん。普通なことだと思うけど?」
鞠莉「それだけじゃないんじゃな〜い?真司には私達の過去まで話してたし。頑なにあの時のことを話そうとしなかったダイヤがねぇ?」
果南「真司君には私とダイヤだけの秘密まで話してたしね」
ダイヤ「今日の果南さんと鞠莉さんしつこいですわよ?ほら、もう着きますからこの話はここでお開きです」
鞠莉「仕方ないから今日はやめとくけど、今度はそうはいかないからね?」
バスを降りると、それぞれが自宅に向かって歩きだす。
地区予選はもう目前まで迫っている。
できる限りのサポートをして、彼女達のステージが最高のものになればいいな...
そう思いつつ、真司は帰路に着いた。
果南の真司の呼び方を「真司君」に改めました。
それに合わせて、合宿1日目(3)で果南が呼んだ時も訂正しました。
呼び捨てよりもこっちの方がしっくりくる気がしたので(笑)
今回も最後まで読んていただきありがとうございます!
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