sign of mirage   作:YESマン症候群

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第30話 珍しい組み合わせ

夏休みが明けてから1週間が過ぎた。

未だに夏休みボケが抜けきっていない。

今日もボーッとしながら授業を受け、あっという間に放課後を迎えた。

いつもならこの後部室に向かうけど、今日は違う。

今日は全学年の体育祭実行委員が放課後に集まる日だ。

集合場所は2階の空き教室。

そこは集まりやちょっとした物置によく使われる。

荷物をまとめた真司は早速その教室に向かう。

 

集合場所に着くと既に何人か集まっていた。

その中に知り合いは2人だけ。

1人はもちろん生徒会長のダイヤ。

もう1人はここにいるのが珍しい人物。

少しからかってやるか。

 

真司「まさか堕天使である君がここにいるとはな...。珍しいこともあr...」

 

善子「こんにちは〜中井先輩。堕天使だなんて急にどうしたんですか〜?本当に変な先輩なんですから〜。あはは...」

 

せっかくいつもの調子に合わせたのに何故か善子ちゃんに手で口を塞がれた。

 

真司「なんで口塞ぐんだよ」

 

善子「ここじゃ私は堕天使じゃないの!だからここでこの話はしないで!

 

善子ちゃんからタメ口で話されるのは少しだけ違和感がある。

彼女だけじゃなく、ルビィちゃんと花丸ちゃんもタメ口で会話するようになった。

というのも、少し前に

俺と3年生の距離は縮まったけど1年生とは微妙な距離感じゃない?

との話があり、せめて敬語はやめようとのことだった。

ルビィちゃんと花丸ちゃんはまだぎこちなさがあるけど、善子ちゃんに至っては全くそれがない。

まあ、元々敬語使うようなイメージなかったし、むしろ想像していた通りっていう感じがする。

さて、脱線話はここまでにして...

 

真司「別にAqoursの皆にその事認めて貰えたんだからいいんじゃないの?別に隠したりしなくてもさぁ」

 

善子「ちょっと、声が大きいわよ!それに察しの悪い先輩ね。Aqoursでは良くても大多数の人には引かれちゃうでしょ!

 

真司「わかったわかった、悪かったよ」

 

善子ちゃんは人の目を気にしているようで、ここでは"一般人モード"で過ごすつもりらしい。

 

ダイヤ「あのー、お2人共着席していただいてもよろしいですか?」

 

善子・真司「え?」

 

気づけば他の学年は全員揃っていたようで後は俺達待ちだったらしい。

一言謝罪した後、話が始まった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ダイヤ「それでは、今日はここまでにします。次回の集まりに関しては後ほどメール等でお伝えしますわ。」

 

今日の集まりが終了し、一斉に解散する。

真司はダンスの練習をするために屋上に向かう。

そろそろ大会の開催通知があるだろうし、1日でも休むと身体がなまりそうで心配なのもある。

今回はちゃんと屋上使用の許可を取っているから、そこにいてもなんの問題もない。

外は段々と暗くなりつつある。

今日は時間があまり無さそうだから軽く練習するだけにする。

着替えるのも面倒だし、着替えなくていいか。

制服のまま、基本ステップの練習をする。

 

限られた時間で練習をこなし、そろそろ終えようとしたその時。

 

ガチャ

 

ドアが開いた。

 

真司「あれ?善子ちゃんじゃん。なんでここに?」

 

善子「善子じゃなくてヨハネよ!...私は忘れ物を取りに来ただけ。」

 

さっきまで善子だったのにここではヨハネなのね...。

ついそう思ってしまった。

辺りを見回すと、善子ちゃんの忘れ物であろう水筒が1つ壁際に置いてあった。

真司はそれを取って善子に渡す。

 

真司「はい、これ」

 

善子「ありがとう。先輩はこんな時間にダンスの練習でもしてたの?」

 

真司「そうそう、大会に向けてね。てか、なんで水筒がここに?朝練でもしてたの?」

 

善子「昼休みにここでお弁当食べてたんだけど、その時に忘れちゃったのよ。」

 

真司「ここで食べなくても教室で食べれば...」

 

ひょっとしてあのキャラのせいで一緒に昼ごはんを食べる友達がいないとか?

これは聞いてはいけなかったのかもしれない。

 

真司「善子ちゃん、ごめ...」

 

善子「違うわよ」

 

少々食い気味に否定された。

 

善子「どうせ一緒に食べる友達がいないとか思ったんでしょ?」

 

真司「嘘!?なんでわかった!」

 

善子「言われなくてもなんとなくわかるわ。あと、今日はたまたまここで食べただけだから。いつもは教室で友達と食べてるわよ」

 

真司「善子ちゃんのことだからいつもボッチで生活してるのかと思ってたよ」

 

俺は冗談混じりに話した。

 

善子「誰がボッチよ!全く...それより、練習はまだ続けるわけ?もうだいぶ暗いけど」

 

真司「いや、今日はもうやめとくよ。練習時間少ないけど、仕方ないね」

 

善子「貴重な練習時間中に邪魔して悪かったわね」

 

真司「ごめんごめん。そういうつもりじゃないんだ。今日は集まりがあったから仕方ないって話。」

 

善子「そう?ならいいんだけど」

 

真司「さて、荷物持ったし帰るとしますかー。善子ちゃんも今から帰る?」

 

善子「そのつもりよ」

 

真司「じゃあ、途中まで一緒に行くか」

 

善子「そうね」

 

2人は屋上を後にした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

真司「なんで実行委員やろうと思ったの?」

 

帰り道の途中でさっき気になったことを聞いてみた。

 

善子「単純な話よ。誰もやりたがらないからクジで決めることになってね。結果はこの通り。私って昔からついてないのよね」

 

そう言いながら、善子ちゃんはため息をつく。

 

真司「くじかぁー。俺も運がなかったのかもしれないな。クラスメイトの中から推薦されてしまったわけだし」

 

善子「それはついてないわね...」

 

真司「じゃあ、俺達はついてないもの同士、お互いに頑張ろうってことで!」

 

俺は拳を前に突き出した。

よくある拳同士を軽くぶつけるやつ。

善子ちゃんが俺のやりたいことを理解してくれなかったらちょっと恥ずかしい...

 

善子「そうね」

 

善子ちゃんは拳を軽くぶつけてきた。

どうやら分かってくれたらしい。

 

バス停に着くも、次の便まで少し時間があったからそれまで話をしていた。

内容はゲームとかAqoursのこととか通学面倒臭いねとか他愛ない事ばかり。

そうこうしている内にバスがやって来た。

あっという間にバスが来たような感覚になる。

 

善子「バスが来るまで待たせて悪かったわね」

 

真司「別に気にしないで。善子ちゃんと話すの楽しかったし」

 

善子「私も楽しかったわ。じゃあ、気をつけて帰りなさいよ」

 

真司「ありがとう。善子ちゃんもね」

 

善子ちゃんがバスに乗りこむと、少ししてからバスは進み出した。

バスを見送ると、真司も帰ることにした。




何とか1週間ほどで更新できました!
お気に入りにしてくださった方はもちろん、ここまで読んでくださっている方々が自分のモチベに繋がってます(笑)
本当にありがとうございます!←しつこい


今回も最後まで読んていただきありがとうございます!
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