sign of mirage   作:YESマン症候群

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第35話 準備①

名前呼び騒動から2日後の今日、2-1のホームルームにて。

 

先生「はい、今日のホームルームは文化祭の配役決めね。体育祭と同じく実行委員を各クラス1人決めないといけないんだけど...やっぱりこうなるわよね」

 

前回同様やっぱり誰もやりたがらない"実行委員"。

 

この通り、誰も立候補する人はいない。

 

あまりに予想通りすぎて、先生ため息ついちゃってるし。

 

ちなみに生徒の方はお察しの通り、大半が先生から目を逸らしている。

 

で、一方の俺はというと、一切下を見ることなく、何なら先生の方を堂々と向いている。

 

なぜなら、俺が実行委員になる可能性は低いと見立てがついているから。

 

先生「体育祭の時に実行委員をやった中井君とクラス委員の山崎君、高海さんは除くとして、他にやりたい人はいる?」

 

そう、1度代表として何かの役をやった人は以降の役回りを免除されるっていうルールがあると思っていたからだ。

 

そしてそれは案の定ここにもあったようだ。

 

透「どうよ真司、これが"高みの見物"ってやつよ」

 

真司「なるほどね。当てられないっていう安心感すごいね」

 

透「だろ?このためにクラス委員やったっていっても過言じゃないからな」

 

真司「策士じゃん」

 

透「まあな」

 

俺と透が話してる間も誰かが立候補することはなく、ただ時間が過ぎてゆく。

 

見かねた先生が困り果てていたその時、彼女が静寂を破った。

 

千歌「はいっ、私やります!」

 

静かだった教室にその声はよく通り、皆の視線が千歌に集まった。

 

先生「うーん、自主的なのは凄く嬉しいんだけど、高海さんはクラス委員やってるしなー」

 

「先生、高海がやりたいって言ってるんだからやらせてあげたらいいんじゃないですか?」

 

「本人の自主性を尊重してあげるべきだと思います!」

 

「高海のやりたいっていう気持ちを無下に扱うのは良くないと思います!」

 

先生「それはあなた達がやりたくないだけでしょ!」

 

これは誰にでも分かる、全くもってその通り。

 

先生「どうしよう。...でも誰もいないしなぁ。でもなぁ...。うーん、ごめん高海さん、お願いしてもいい?」

 

千歌「やってみたかったので嬉しいです!ありがとうございます!」

 

先生「というわけで、実行委員は高海さんね。」

 

「よっしゃぁぁ!」

 

「高海ナイス!」

 

「高海が適任だと思ってたんだよ!」

 

「仕事きっちりこなすし、信頼も厚いしな!」

 

おい待て、それ俺の時にも聞いたぞ。

 

先生「ただし!」

 

喜んでいた生徒はビクッとする。

 

突然の先生の張り上げた声に思わず俺まで驚く。

 

先生「他の人は高海さんを最大限サポートすること!OK?」

 

「それはもちろんですよ先生!」

 

「あったりまえじゃないですか!」

 

「クラス一致団結でいきましょう!」

 

先生「本当、調子いいんだから。...高海さん、ごめんけどよろしくね」

 

千歌「はい、任せてください!」

 

その後の役割と出し物決めは割とトントン拍子で進み、この日のホームルームは長引くことなく終わった。

 

 

その夜、FINEにて

 

 

真司『皆、文化祭何やるの?』

 

マリー『マリーとダイヤは理事長と生徒会長だから実質実行委員かなー 』

 

かなん『 私はクラスの屋台の手伝いだよ。焼きそばやる予定だからみんなで来てね〜 』

 

曜ゝ『 果南ちゃんの焼きそば美味しそう!皆で一緒に行こっかな!」 』

 

かなん『おいで〜』

 

かなん『曜と梨子はクラスで何するの?』

 

桜内『 私達はポテトとたこ焼きをやるの』

 

ヨハネ『...今こそ私の出番ね』

 

桜内『 言っとくけどあんなものは作らないからね! 』

 

ヨハネ『 あんなものじゃなくて、堕天使のな・み・だ!』

 

黒澤ダイヤ『まあまあ、そのくらいにしておきましょう』

 

真司『で、1年生は何やるの?』

 

マル『マル達はカフェをやるずら』

 

ルビィ『やるのはちょっと恥ずかしいけどね...』

 

真司『まあ、3人一緒のクラスだし、心強いでしょ』

 

ヨハネ『堕天使ヨハネがいる限り、何も心配はいらないわ!』

 

真司『善子ちゃんもクラスの人に受け入れられてるみたいだから安心だね』

 

曜ゝ『何かあったの?』

 

真司『詳しいことは知らないんだけど、体育祭の時に善子ちゃんの友達が堕天使ポーズしてたから、上手く馴染めたんだなーと思って』

 

千歌『えぇ!?そんなことあったの?善子ちゃん、なんで教えてくれなかったの?』

 

ヨハネ『そんなこといちいち言うわけないでしょ!』

 

マル『一時期あのポーズがクラスで流行ったりしたんだよね』

 

ルビィ『そうそう、逆に善子ちゃん困ってたよね』

 

ヨハネ『あーもう、この話はおしまい!で、中井先輩と千歌は何をするの?』

 

桜内『あ、逃げた』

 

真司『俺達のクラスはお化け屋敷をやることになったんだよねー』

 

マリー『それはなかなか楽しそうね!果南とダイヤを連れて一緒に行こうかしら』

 

かなん『気が向いたら行こうかな』

 

黒澤ダイヤ『私は実行委員の仕事が忙しいので遠慮しておきます』

 

マリー『何よ、2人ともつれないわねぇ。ダイヤに関してはそんなに当日忙しいことなんてないでしょ?』

 

マリー『さてはダイヤ、怖いのね〜?な〜ら、仕方ないから果南と行ってこよ〜っと』

 

黒澤ダイヤ『誰も怖いなんて一言も言っていませんわ!いいでしょう、行こうではありませんか!』

 

真司『鞠莉がまたダイヤを煽ってるよ...』

 

桜内『鞠莉ちゃんってダイヤちゃんを焚きつけるの上手よね』

 

ヨハネ『そういうのは軽く流すのが1番なのよ』

 

マル『@ヨハネ』

 

ヨハネ『...それ何が言いたいのよ』

 

マル『何でもないズラ〜』

 

 

終始賑やかなAqoursのやり取りが夜遅くまで続いたのはまた別の話...

 

 

 

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役割が決まってから数日後の放課後、2-1皆で準備を進めていた。

 

透「とりあえずは設営に使う資材を集めるとこからしようか。机の移動は前日にやろう。」

 

「小道具とかはもう作っちゃっていいの?」

 

透「もちろん!バンバン作ってくれ!飛び切り驚くようなものを頼む!」

 

「了解!」

 

「俺達は適当に使えそうなもの倉庫から取ってくるわー」

 

透「おう!頼んだ!」

 

「山崎君、マネキン塗っちゃいたいんだけど、どこにあるか分かる?」

 

透「すまん、まだマネキンが届いてないから、それまでは保留で。届いたら好きなようにやってくれて構わない」

 

「おっけー。それなら私達も他の小道具作ろーっと」

 

改めて見ると、透って皆に信頼されているんだなって思う。

 

クラスの何でも屋って感じ。

 

聞けば答えが必ず返ってくる、みたいな。

 

透「真司、どうした?背中に何かついてたか?」

 

俺の方に振り返った透はそう言った。

 

真司「いや、何でもないよ」

 

透「そうか。んじゃ、俺達も準備すっか」

 

真司「了解」

 

俺も準備に取り掛かろうと、辺りを見回すと教室に千歌がいた。

 

実行委員の仕事もあるんだから、そっちを優先してくれていいのに。

 

「千歌ちゃん、そんなに手伝わなくてもいいんだよ?実行委員の仕事もあるんでしょ?」

 

千歌「ううん、いいの。千歌がやりたいからやる、それだけだから。」

 

「そうか。高海も何かあったら俺達に遠慮せず言えよ?手伝うからさ」

 

千歌「うん、ありがとう!」

 

 

 

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透「皆、今日はありがとう!毎日ではないけど、今後も集まってもらうことがあると思うから、その時はよろしく!以上、解散っ!」

 

「しゃー、帰るかー」

 

「外はもう若干暗いねー」

 

「なんかこうやって学校に皆残ってるの、なんか好きやわー」

 

「わかるー。普段とは違う感じというか、特別感というかね」

 

「なぁ、どっちが早く昇降口まで行けるか競走しようぜ。今なら人いねーし」

 

「負けた方はジュース奢りな、よーいスタート」

 

「あっ、ちょっ、お前ずりぃぞ!」

 

「まーた、あの2人馬鹿なことしてるよ」

 

「いいよいいよ、放っとこ。さっ、私達も帰ろっか。千歌ちゃん、一緒に帰ろー」

 

千歌「ごめん、別の教室に忘れ物したから取りに行ってくる!先に帰ってて!」

 

「わかった!じゃあねー」

 

放課後の作業が終わった皆は、各々教室を出ていった。

 

真司「俺らも帰ろっか」

 

透「だな」

 

 

 




ここまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございます!
数々にお気に入りも頂いて、嬉しい限りです。
これからもよろしくお願いします!


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