読んでくれたら作者が嬉死します。
ある時、自分が空っぽなことに気づいた。
それは唐突に、しかしまるで自分の人生を画面越しに見ているかのような錯覚。
何をしても熱中出来ずに手を止めてしまう。
そして自分に問う。
面白いってなんだ?
三年間着こなした学生服を身にまとい、俺は自分の部屋を見渡す。そこはベッドと机はあるものの、生活感というものはどこに落としてきたのやら、驚くほど何もなかった。
「ケイ、荷造りは終わったの?」
中学生としての最後の日、俺は卒業式を迎えるとともに、引越しの準備をしていた。なんでも父の転勤のせい...だそうだ。母さんは俺を心配してか荷造りの確認をここ最近毎日してくる。
「あんた、やることを後回しにして結局終わらないんだもの。全く誰に似たのかしら?」
「さぁ」
「ま、いいわ。終わらせたんでしょうね?」
俺は先ほどの部屋を思い出す。
「ああ、あとは机とベッドだけだ」
「そう、ならいいわ」
「今日にはこの家を出るから、卒業式が終わってから忙しくなるわよ」
卒業式と引越しが被るなんてそれは計画を後回しにした証拠ではないだろうか?
「お友達にちゃんと別れを言うのよ?」
「大丈夫だ」
なぜなら、特別挨拶をしないといけない友人など、俺にはいないから...
すんでのところで飲み込んだ言葉は発されることはなかった。母さんを心配させないために代わりに出たのは。
「ちゃんとしてくるから」
という、精一杯の嘘だった。
つつがなく終わった卒業式、俺は誰とも会話せずに家路に着いた。気づけば目の前には自分の家があり、何か思うところはあるか少し考えてみても大した感想はでてこなかった。そもそも物に対する執着心などは毛ほどもない俺にとってはそれは当たり前のことだった。
ドアを開け玄関に入ると段ボール箱がそこかしこに積み重なっていた。
「あんたの部屋はもう片付けたわよ」
俺の部屋の前にも段ボール箱が2つあった。どうやら母さんが家具を分解してくれたようだ。
「あんたにやらせてもめんどい...って言うだけだろうしね」
たしかに。俺の母さんは俺よりも俺に詳しい。そんな気がする。そういえば、新しい家はどんな所なんだろう?
「そういえば、新しい家ってどんな所?」
少し気になる。何か面白い場所でもあるといいが。俺の質問に母さんは待っていましたと言わんばかりに両手を広げた。
「きれいな海が見える高台よ!」
と、目を輝かせながら俺に自然の良さを語り始める。それを横目に俺は、坂がしんどくなければ良いが...とおもうばかりだった。
1000文字以上投稿するの難しいです。