ソードアート・オンライン 〜瑠璃色の痕跡〜 作:☆さくらもち♪
SAOでは衝撃的ニュースによって震撼していた。
1つはSAOでの高嶺の花として崇められている《閃光》の異名を持つ、血盟騎士団の副団長であるアスナの交際及び結婚。
その相手はSAOでトップクラスの戦力を持つ《黒の剣士》キリト。
妬み嫉みはあったものの、もう一つのニュースにより上書きされていた。
《絶剣》と呼ばれ超絶美少女でありながら最強クラスの剣戟を繰り出すユウキは低層から上層まで高い人気を持っていた。
アスナとは親友関係であり、所属ギルドはなく、ソロプレイヤーとして活動していた。
そんなユウキが結婚をいつの間にかしていたことが判明。
日時は明らかにされなかったものの、プレイヤーが気になった相手。
謎の階層攻略者として一時《攻略組》が追っていたプレイヤー。
名を《幻想者》として呼ばれ、最悪最凶ギルドの《笑う棺桶》の単独討滅を成し遂げたSAO最強の対人プレイヤー。
その正体はルカ。
幼いながらも人目を惹く容貌の持ち主だった。
目立つのを嫌うルカだが、ユウキというSAO美女に数えられる相手と結婚し、元々の腕前から取り上げられることは時間の問題だったのだろう。
結果としてルカはソロプレイヤーでありながら《攻略組》所属ではないものの、階層攻略者として参加をしていた。
無論ユウキも同様に。
「では……今回の作戦会議を開始したいと思います」
第七十五層のボス攻略会議。
クォーターポイントと呼ばれる二十五層毎に異常な程の強力なボスが待ち構えていた。
事実、二十五層では《軍》と呼ばれる《アインクラッド解放軍》が壊滅的状況になった。
五十層では、攻略ギルドとして名を持っていた《聖竜連合》も致命的な打撃により手を引いた。
クォーターポイントとして最後になるだろう七十五層はこれまでとは比べ物にならないと予想されていた。
「まず、七十五層のボス部屋の偵察部隊。団長によってその調査がありましたが、偵察部隊が壊滅したと報告を受けています」
その告げられた情報に会議に参加してきている攻略者はその情報に驚愕していた。
今までであればボスの見た目や攻撃方法を誘い出してからボス部屋からの撤退をしていた。
だが、偵察部隊が壊滅ということは撤退が出来なかったということになる。
「これを踏まえて、七十五層ボス及び、これ以降のフロアボスでは《結晶無効エリア》として考えていくことが重要になるでしょう」
「なら、回復結晶は使えない。ポーションの準備が必要だな」
「そうなります。出来る限りの回復手段としてポーションの在庫は多い方が良いでしょう」
生き残るため、死なないため。
その方法は様々だが、1番の回復手段だった《回復結晶》が使えなくなるのは攻略プレイヤーとして痛手だった。
《回復結晶》にも種類があり、オーソドックスな《回復結晶》は対象者のHPを8割即時回復する。
《全回復結晶》は対象者に降り掛かっている状態異常と対象者のHPを全回復する。
そして《治癒結晶》は対象者及びパーティーメンバーのHPの自然回復速度を上げる。
様々な効果をもたらす結晶アイテムは今までの階層攻略において重要なポジションを持っていた。
最も危険な時に緊急時で使える回復アイテムはとても有効であり、命の保険にも繋がっていた。
バフと呼ばれるステータス上昇もほとんどが結晶によって付与されるものが多い。
それらがボスフロアに入った瞬間使えなくなるために、入る前に使った分しか恩恵を得れない。
「今回の相手は未知数です。下手な攻撃は危険でしょう」
「ならアタッカーは減らし、タンクを増やすしかないということだな」
「ええ。アタッカー役の人でも実力者だけが可能かと」
慎重に重ねられた会議の結果。
ダメージソースとしてキリト、ルカ、ユウキ、アスナが基本的なダメージ役となった。
「決行日は一週間後とします。集合場所は第七十五層の主街区の転移門前。なにか質問などはありますか」
「ないようです。それでは以上とします。お疲れ様でした」
解散を告げられるとルカとユウキは自分たちの家へと帰っていく。
「ユウキ」
「んー?」
「……なんでもない」
何がが変だと感じたユウキだったが、それを指摘出来るほどの違和感ではなかったために気にしなかった。
だが、ここで気づくべきだったのだろう。
自嘲めいた、どこか危なげな雰囲気を出していた。
ユウキ達の家に大慌てで焦りながらやってきたのは、キリトとアスナ。
2人が見たのは、大泣きするユウキの姿。
本来ならばずっと傍にいるルカの姿はない。
そしてユウキの前にはルカが嵌めていたのだろう結婚指輪が置かれていた。
フレンド探知も、配偶者探知も、スキル的探知も。
何もかもを断たれてしまったユウキ達に行方をくらませたルカの姿を探すのは困難だった。
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『ごめんなさい。
多分、君は泣いちゃうと思う。
だけどこれは君の手を借りる訳にはいかないから。
今の僕に君の物だと示す指輪は相応しくありません。
戻れる日まで、預かっていてください』
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持ち主が消えた緋色の宝石が輝く指輪はどこか輝きが鈍くみえたのは、ユウキだけなのだろうか。