スペインからの帰国子女   作:かるな

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今回は新たにオリキャラが出てきます!
皆さんしっかり覚えてあげてください!


第六話

 海洋学園グラウンドで大海原中を2-1で下した僕たちは、試合が終わった直後に部室でミーティングを行っていた。

 

 皆が集まって床に座っているが、僕は皆の邪魔にならないように後ろの方に座って霧野先生の話を聞いている。

 

 

「この後は解散ですが、皆さんにお知らせがあります。今日から我が海洋学園イレブンになった神矢 ユーリ君です。彼は強化委員としてスペインからやって来ました。ユーリ君、簡単に自己紹介をお願いします。」

 

 

 先生に促されて、僕は前に出てから自己紹介を始めた。

 

 皆からの視線が集中して緊張してしまう。深呼吸をしてから、笑顔を作って話し始めた。

 

 

「皆さん始めまして・・・っていうのも可笑しいかな、さっきまで一緒に試合してたし。僕の名前は神矢ユーリ、スペインから来ました。向こうにいた時のポジションはMFで、主にボランチをやっていました。皆さんこれからよろしくお願いします。それと、何か質問があれば遠慮なく聞いてください」

 

 

 自己紹介は特に問題なく行えたはず。あんまり長話をする必要もないし、皆からの質問は出来るだけ答えるつもりでいる。とにかくゆっくりと皆との距離を縮めていこう。

 

 質問する気配が無かったのか、霧野先生が一回手を叩いて場を仕切りなおした。

 

 

「ユーリ君は雷門イレブンとは別に強化委員として我が海洋学園に来てくれています。それにスペインからの帰国子女でもあるので、向こうのサッカーのこととかを聞いて自分のプレーの参考にしてみてください。では、今日の所はこれで解散とします」

 

 

 『はい!』

 

 

 霧野先生は話を終えると部室から出て行った。皆それを確認すると立ち上がり、部屋から出る者、その場で話を始める者、僕の方へ来てくれる人に分かれた。

 

 

「ねぇねぇ!えーっと・・・神矢くんだっけ?初めまして!僕は浅見 暁(あざみ とおる)、ポジションはDF!小学校の時は野球をやってて、サッカーは中学から始めたんだ!これからよろしくね!」

 

 

 赤い髪で襟足にかかるぐらいのミドルヘアな浅見君。所々髪が跳ねており、ニコニコとした笑顔と明るい雰囲気が印象的だった。

 

 差し出された手を握り返して握手をする。すると浅見君は満足した表情で頷いた。

 

 そしてその浅見君の隣にもう一人茶髪でショートヘアの子がいた。その子は浅見君と入れ替わりで僕の目の前に来た。

 

 

「俺は鉄垣 銑十郎(てつがきせん じゅうろう)って言うんだ。見ての通りGKをやってる。よろしくな」

 

 

 鉄垣君も同様に手を出したので、僕もそれに応じる。

 

 浅見君のような満面の笑みではないが、僕に気を許してくれているのが分かる。

 

 

「二人とも僕に話しかけてくれてありがとう。実は誰も話しかけてくれないんじゃないかって心配してたんだよね・・・」

 

「分からないことは何でも聞いてくれ」

 

「僕はどっちかというと神矢君に色々聞きたいな!まだサッカーに慣れてないし!」

 

 彼らのお陰で結構いいスタートを切れたと思う。二人とも話しやすそうだし、最初に会った銀条さんも口調は厳しいけど結構彼女の方から話しかけてくれてだいぶ助かっていた。

 

 しばらく二人と会話をしていると、部室に残っていたメンバーの一人が僕らの方へと近づいてきた。

 

 

「浅見、鉄垣、少し神矢を借りていいか?」

 

「うんいいよ、銀条!挨拶できたし、僕らは自主練でもしようかな!」

 

「そうだな。今日の試合で反省すべき点はいっぱいあった。少しでも時間を改善に充てるべきだろう」

 

 

 そう言うと、浅見君と鉄垣くんは部室を後にした。

 

 

「今日の試合、お前のパスのお陰で得点できた。ありがとな」

 

「えーっと・・・・・・あっ!10番の!」

 

 

 顔を見ただけでは分からなかっけど、着ていたユニフォームの番号から思い出すことが出来た。

 

 今日の試合で度々連携を取ったFWの子だ。

 

 

「お前ならあの場所にパスを出すと思って走りこんだんだよ。後半最後のプレーも、お前と目が合った瞬間分かった気がした。これからもどんどん俺にボールを回してくれ」

 

「こっちこそありがとう。事前の打ち合わせをしてなかったから成功するか分からなかったけど、上手くいってよかった。ところで・・・君の事はなんて呼べばいいかな?」

 

 

 二人で試合の振り返りをしている最中、ふと気になったことを聞いてみた。

 

 これから積極的に連携をしていくかもしれない相手ということもあり、名前を知ることは重要である。

 

 

「そうだな・・・・・・とりあえず俺の名前だが、銀条蓮基(ぎんじょうれんき)だ。他のやつらはよく蓮基って呼んでるよ」

 

「銀条蓮基君・・・銀条・・・・・・あれ?どっかで聞いたような・・・」

 

 

 どこかで聞いたような苗字だと思い必死に思い出す。もちろんスペインの方で聞くことは無いので、おそらく日本にいた頃か戻ってきた後に聞いた名前だろう。

 

 

「銀条はアタシの苗字!そして蓮基はアタシの兄よ」

 

 

 蓮基君の後ろから銀条さんが現れる。

 

 

「そういえばセツナ、今日の試合にはユーリと一緒に来ていたな」

 

「霧野先生に頼まれたのよ。ユーリ君は絶対に寝坊するから、迎えに行ってあげてください~って。案の定寝坊してたんだけどね・・・!」

 

「その節はごめんなさい・・・」

 

「セツナは世話好きな所があるからな。多分勝手に部屋に上がって色々漁ったと思う。すまないな」

 

 

 蓮基君が今朝の銀条さんの行動をピッタリと言い当てた上で謝ってくる。すると隣にいたが顔を真っ赤にして蓮基君に怒鳴り始めた。

 

 

「怒鳴るってことは、図星だな?」

 

「そうだけど・・・言いかた!漁ってなんかないわよ!神矢の支度を手伝ってあげただけ!そうでしょ神矢!?」

 

「え?あ・・・うん」

 

「そこはしっかり肯定しなさいよ!!」

 

 

 今度は僕の方へ言い寄るセツナさん。とは言え結構漁ってたように見えていたので、これからその片づけをするのは気が引ける。

 

 かと言って支度を手伝ってくれたのは素直にありがたかったし、事実助かっていた。

 

 

「なぁユーリ、この後お前の家に行ってもいいか?セツナが迷惑かけただろうし、その後始末ってことで。それに色々と話したいこともあるしな。あと呼び方の話だが、銀条だとセツナと被るからな。出来れば名前で呼んでくれ」

 

「迷惑かけられたのはア・タ・シ!!」

 

「そこまでしてもらうわけには・・・セツナさんのお陰で試合に間に合ったのも事実だし・・・」

 

「ほら!神矢もこう言ってるし・・・!」

 

 

 セツナさんがしつこく食い下がるが、結局僕の家に行くということで話が纏まり、着替えなどの身支度のためいったんそれぞれの家へ戻った。

 

 




キャラ紹介

・浅見 暁(あさみ とおる)

 髪色:赤
 髪型:襟足が肩にかからないぐらいまで

・鉄垣 銑十郎(てつがき せんじゅうろう)

 髪色:茶
 髪型:短髪(ツーブロック)
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