スーパーロボット大戦MAX (一時更新停止中)   作:クリスヴェクター

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ども、インフルにかかってグロッキーだったクリス=ヴェクターです。やっと、原作一話終了間際です。・・・・・・こんな感じですが、頑張っていきます!


第二話 「堕ちてきた男・下」

 

 

 

 

――数分前。

 

 

「うぅ………レモ、ン…。ん……俺は?」

 

 アクセルは眼を覚ます。開いた目蓋が重く感じる。意識が朦朧とし、霧の中にいる気分だった。

 

(俺は、何を――――っ!)

 

 記憶を辿ろうとした瞬間、酷い頭痛がアクセルを襲う。

 

「~~っ!?」

 

 荒い呼吸を繰り返し、頭を抑える。

 僅かに痛みが治まってきた。

 

「はぁ……はぁ……駄目だ、思い出せん。そもそも、俺は………」

 

 そこで、アクセルはハッと気が付く。

 

 

「俺は……………誰だ?」

 

 

「(おいおい、嘘だろ...。)ちっ。記憶喪失って奴か、これが……」

 

 自身に関する記憶がまったく思い出せず、焦りが否でも感じ取れる。

 

「落ち着け、まず………どうやらここはコクピットの中みたいだな。 ……なら俺はこの人型兵器のパイロット、ってところか?」

 

 フルスクリーンに表示されたモニターを操作し、情報を引き出す。

 

 と、一つのウィンドウににロボットの全体像と各部詳細が映し出される。

 

「機体名『ソウルゲイン』それがコイツの名か……。素手による近接戦闘主体の特機。 ……ん?」

 

 アクセルの目があるウィンドウに止まる。

 

「搭乗者『アクセル・アルマー』……ってことは、アクセルというのか、俺は?」

 

 腕を組んで悩むが、いまいち要領を得ない状況が続く。

 

 

 《Beep!Beep!Beep!》

 

「っ!」

 

 突然コクピットにアラートが鳴り響き、アクセルを現実に引き戻す。

 

 表示されたレーダーには、上空から接近するものを告げる。

 

 アクセルが見上げると、雲を掻き分けて-アクセルが知る由もないが-大型移動要塞“デモニカ”が姿を現し、目の前に降下する。

 

「何だ・・・・・・ありゃ?」

 

 アクセルが呆然としていると、外部マイクがデモニカから音声を拾う。

 

『あれだな。情報にあった戦闘ロボットというのは』

 

 モニターがデモニカの上部甲板を、そこに立っている者を映し出す。

 その風貌は鬼か悪魔に黒い西洋甲冑を着せたようなもので、見るものを圧倒させる雰囲気を持っていた。

 

 アクセルは回線を開き、目の前に君臨する者に尋ねる。

 

「誰だい、アンタ?」

 

 その問いに、男は豪快に笑い返答する。

 

『クククッ。我の名を知らぬ奴がまだこの地にいるとは、愉快愉快! ならば聞けぃ! 我が名は暗黒大将軍。いずれ世界を我がものにする者だ!』

 

「・・・・・・暗黒大将軍ねぇ、風体に見合った名だことで。んで?そんな大将軍様がこの俺に何の御用で?」

 

『そのロボットをこちらによこせ。素直に渡せば痛い思いをする事はないぞ』

 

「あっそう。・・・なら断らせて貰うぜ」

 

 アクセルは迷うことなく暗黒大将軍の問いを切り捨てる。暗黒大将軍が「ほぅ」と口角をつり上げる。

 

「なんせ、コイツは俺の記憶の手がかりなんでなぁ」

 

 そう言うとソウルゲインを立ち上がらせる。

 

『そんな状態で我らに挑むか・・・・・・まあいい、多少傷ついても構わん。行けい、戦闘獣ども!』

 

 暗黒大将軍の号令の下、デモニカの下部ハッチから“戦闘獣ドガイダー”“戦闘獣ギラン”数十機降りてくる。

 

「燃料チェック・・・けっこう消費してるな。・・・・・・機体損傷、小破。自動修復開始、DMS、DALRS正常作動。全然動けそうだな、こいつは」

 

 無意識の内に慣れた手付きで機体コンディションを確認し、次々とシステムを立ち上げていく。

 

 ソウルゲインのツインアイが光り、破損箇所が時間を戻す様に元の形に戻って行く。

 

(戦うしかなかろう。・・・・・・只で済む雰囲気でも無さそうだしな。数の不利は否めないが・・・・・・・・・)

 

 前から迫って来ている敵に向けられた目には、恐怖も自棄もなく、闘志が宿っていた。

 

「俺はやれそうな気がするだよなぁ、これが!」

 

『クァッハッハハハハ!! 面白い! 回収ついでに、お前を血祭りにしてくれる』

 

 暗黒大将軍がブレードを振り上げ、戦いの火蓋を切る。

 

 それを合図に戦闘獣が雄叫びを上げながら迫る。

 

「(操作方法は・・・・・・いけるな。 武装は“青龍鱗”“光龍鱗”“白虎咬”“玄武鋼弾”他はロックされてるが・・・・・・十分だな)まっ、やってやりますか」

 

 アクセルの動きに同調し、ソウルゲインもファインティングポーズをとる。

 

 手始めに近くにいた二機をマークする。

 

 その内の一機に狙いを着け、助走からの胴回し回転蹴りを顔面に見舞う。

 

 そのまま蹴り落とさず、顔面を足場にソウルゲインをバク転。踏み台にされたドガイダーはバランスを崩し、仰向けに倒れる。

 

 空中で体操選手よろしく回転し、ソウルゲインはもう一体の背後に着地。

 

 右腕のドリルで刺そうと振り向いた瞬間、届くよりも速く、ソウルゲインの左腕が下から相手の頭部を撃つ。

 

 大きくぐらつく所に更に、右左と容赦なく拳の連弾。さらに飛び回し蹴りを喰らわせ、大きく弾き飛ばす。

 

 ドガイダーが落ちるよりも早く、アクセルが動く。

 

 ブースターとダッシュで生まれる爆発的なスピードを生かし一気に距離を詰める。開いた両手は溜めた気がエネルギーに変換され、青く光る。

 

 「喰らえ!白虎咬っ!」

 

 がら空きになった懐に両手のエネルギーを一つにして叩きつける。

 

 《轟っ!!》とエネルギーは装甲に炸裂し、抉り、内部パーツを蹂躙し吹き飛ばす。ドガイダーは空中で四散、爆発。

 

 「まずは一機!」

 

 アクセルがもう一体の方に振り返るのと同時に、周辺にミサイルが着弾する。

 

 「おわっ、と!」

 

 爆風で煽られる機体をバックステップで後退させる。

 

 見ると、先程横転させたドガイダーが起き上がり、左腕の三連ミサイルランチャーで牽制していた。

 

 「へっ、成るように成らねぇ!」

 

 腕を腰まで引き、力を溜めるアクセル。

 

 ソウルゲインも合わせて腕を引き、手首から下が高速で回転する。

 

 「ロケットソウルパンチッ! ってな!」

 

 腕を大きく振りかぶり、ストレートパンチの要領で打ち出す。

 

 弾丸さながらソウルゲインの腕が飛び、ミサイルを吹き飛ばし、ドガイダーの左腕に叩き込まれ、引きちぎる。

 

 後ろに倒れそうになる体を前に踏ん張り、突撃しようとしたドガイダーの目に握り拳が大きく映る。

 

 ドガイダーのカメラが映したのはここまでだった。

 

 後から撃ち出された左腕は顔面にめり込み、数瞬抵抗を受けるが、あっという間に突き進み貫通する。向こう側がはっきりと見える位空いた穴はスパークを散らし、内部から火が噴き爆発する。

 

 「続いて二機目っ!」

 

 爆発の炎をモニターに照らしながら、アクセルは次の相手に目を移す。

 

 そこに炎を突き破って、ブレードを振り上げ、ギランが突撃して来る。と、咄嗟に反射的に腕をクロスさせ、ブレードを防ぐ

 

(しくじった!)

 

 敵は二機だけじゃない。恐らく、ドガイダーの相手をしている内に接近されていたのだろう。

 

(ちっ、こんな初歩的なミスするなんてな、彼奴に笑われちまうな。・・・・・・ん?奴って誰だ?)

 

 思考を打ち消す様にアラートが横入りする。

 首だけを動かすと、アクセルの一瞬の隙を付き二機目のギランが背後から襲い掛かって来る。

 

(コイツは不味いなぁ…)

 

 いくらソウルゲインの装甲が分厚いと言っても、無防備な状態ではどこまで保つか分からない。

それに、今自分は目の前の敵の攻撃を受け止めている状態でもう片方を防ぐには難しい。

 

 アクセルが被弾する覚悟をした瞬間。

 

 〈ロケットパァァァンチッ!〉

 

 突如、ギランが視界から消える。

 

 「なんだっ!? ……! ふッ」

 

 突然の出来事に驚くが、すぐさま持ち直し、ギランに反撃する。

 

 受け止めていた腕を一瞬緩めた為、相手が前につんのめった所に掌打を叩き込む。

 開いた手から青いエネルギーが溢れる。

 

 「ゼロ距離ウロコ砲!」

 

 二機の間でエネルギーが弾ける寸前、ギランを押し飛ばす。撃破までには至らないが、当分の間は動けない程のダメージは受けた筈だ。

 

 「大勢で攻めるったぁ、てめぇらしい趣味だなぁ!暗黒大将軍!」

 

 降下してきたロボットに、アクセルの記憶が刺激される。

 

 大きさはソウルゲインより一回り小さいが、微塵にも思わせない程の力強さを感じさせる。

 

 その姿は黒を基調とし、胸には一対の赤いプレートが着けられ、背中からは紅いウィングが出ていた。

 

 その顔は大魔神をおもわせる風貌だが、恐怖が湧く所か逆に安心感を与えるものだった。

 

 

 そんな彼を、人々は“黒鉄の城”と呼ぶ。

 

 そして、その名は…!

 

 『おのれぇ…やはり貴様らかっ!マジンガーZ!兜甲児!』

 

 「あったり前だ!手前らが悪事を働く限り、俺とマジンガーが何度でも食い止めてやるぜ!」

 

 頭部のパイルダーからマジンガーZのパイロット、兜甲児が暗黒大将軍に向けて声を張り上げる。

 

 

 

 

 

 

 第二話 アクセル「堕ちてきた男・下」

 

 

 

 

 ーーーーー現在。

 

 

 

 

「あれが...マジンガー、Z (なんだ?...見たこと、ないのに?)」

 

 記憶がないはずの自分の中で、どこか懐かしいもの感じてしまっていた事に、アクセルは戸惑ってしまう。

 

 『ええい、うっとおしい奴め! 戦闘ロボットの回収は後回しだ! 覚悟しろ、兜甲児!』

 

 暗黒大将軍の声と共に、突然の介入者に動きを止めていた戦闘獣が向かって来る

 

 「そこの見かけないロボット無事か!?」

 

 送られてきた音声に、アクセルは周波数を合わして、プライベート通信に変える

 

 「ああ、なんとかな」

 

 「俺の名は兜甲児。あんたの名は?」

 

 「名前は......多分、アクセルと言うらしい。まぁ取り敢えず、そう呼んでくれ」 

 

 「た、たぶんって...大丈夫なのか?」

 

 「何をごちゃごちゃと! たかがマジンガーZ一機増えただけだ! 捻り潰してしまえ!」

 

 暗黒大将軍の怒声が空間を揺るがし、戦闘獣が目前まで迫る。

 

 「大丈夫かどうかは別として、奴さんら、お待ちかねみたいだぜ?」

 

 「あ、ああ。それじゃあアクセルさん。俺の後に続いて、左側を攻めてくれ!」

 

 「おう、まかされた!」

 

 交わされた言葉は少ない。しかし甲児には、不思議とアクセルを信じる事ができた。

 

 彼の人柄がそうさせるのか、色々気になる点はあるが今考えることではないと、甲児は頭を振り思考の外に追いやり目の前の事に集中する。

 

 そして、2機のスーパーロボットが大地を蹴り、敵陣に飛び込む。

 対する戦闘獣は倍の10機。

 

 第三者の目からしたら、絶望的としか言えない状況の中、突如、嵐が巻き起こる

 

 マジンガーZがロケットパンチで敵の一機を吹き飛ばし、マジンガーの後ろに迫る敵をソウルゲインが光龍鱗で多数を凪払う。

 ソウルゲインが將弧角で素早く切り裂くと、入れ替わりにマジンガーがその箇所からスクランダーカッターで分断し、撃破する。

 

 互いの隙をカバーしあい、敵を一切寄せ付けない。

 

 まだ、会って僅かしか経っていないにもかかわらず、見事な連携に仕上がっていた。

 次々と倒されていく戦闘獣に暗黒大将軍の表情に動揺が現れる。

 

 「やるじゃん、アクセルさん!」

 

 「そう言う甲児こ、そ……ッ、ぐぅッ」

 

 このまま暗黒大将軍にまで迫ろうとした途端、ソウルゲインの動作が鈍くなり、遂には膝を着いてしまう。

 通信越しにくぐもった声が聞こえ、コックピット内ではアクセルの額から大量に出血がしていた。

 

 「アクセルさん! おわっ」

 

 助けに入ろうと、駆けつけたマジンガーの目の前でミサイルが着弾し、爆発が起きる。

 

 「く、くっそぅ。これじゃ近づけやしねぇ」

 

 両腕をクロスし爆風に耐えたものの、マジンガーをその場に釘付けにされ、甲児は忌々しく呟く。

 

 『今だ! あのロボットを確保しろ!』

 

 その好機を暗黒大将軍が見逃す筈がなかった。

 

 「やべぇ! アクセルさん、立って、たってくれ!」

 

 甲児が通信で呼びかけるも無音が返ってくるだけだった。そんな甲児の所にも数体の戦闘獣が迫り来る。

 

 「...っ、邪魔すんじゃねぇっ! ルストハリケェェーンッ!!」

 

 強酸が混じった轟風が戦闘獣に襲いかかり、ものの数秒でただの鉄屑に変える。

 が、しかし。足止めをされるには十分な時間だった。

 見ればソウルゲインの両脇を二機の戦闘獣が押さえ込んでいた。

 

 「ぐっ...うう」

 

 アクセルも振り解こうと抵抗するが、朦朧とする意識の所為で上手く動かせない。

 

 ーーーー間に合わない。

 

 そう感じた甲児の視界がふと暗くなる

 見上げると、先程まで晴れていた空は曇天に変わり、黒く渦巻いていた。

 

 

 そして

 

 

 〈サンダァーブレェェェクッ!〉

 

 

 渦の中心から轟音と共に二筋の雷光が光り、ソウルゲインを押さえていた戦闘獣に電撃が直撃する。

 よく見ると戦闘獣の背中にそれぞれ一本ずつブレードが突き刺さっていた。電撃はそれを避雷針代わりに内部に侵入。内部回路やシステムを容赦なく破壊し蹂躙する。

 

 結果、戦闘獣は紐の切れた操り人形よろしく、プツリとその場に崩れ落ちる。

 急いでソウルゲインの方へマジンガーを動かして、安否を確認すると、案の定無傷だった。

 

 偶然ではない。

 

 こんな人間離れした神業を平然とやってのける者を甲児は知っている。

 

 渦が広がり、暗闇の中、その中心に“彼”はいた。

 

 雷光がその姿を浮かびあげる。

 その姿はマジンガーZと似ているが、こちらは各所が鋭利に尖り攻撃的な雰囲気が出ている。

 

「鉄也さん!」

 

『ぬぅぅ、グレートマジンガー!剣鉄也か!』

 

 彼らの見上げた先にいる“偉大な勇者”は、雷雲を背に不適に笑う。その姿に再びアクセルの中にノイズが走る。

 

  (まただ、俺は)

 

「好き勝手できるのもそこまでだ、暗黒大将軍!」

 

『ほざけっ、剣鉄也! すぐにその首をとってくれるわっ!』

 

『待つのだ暗黒大将軍』

 

 口を歪ませ、宿敵を前にしていた暗黒大将軍に静止の声が入る。

 

『水を差す気かっ、地獄大元師!』

 

『いくら貴様と言えど、グレートにZ、それに未確認機を相手にするのは分が悪かろう。今は引いておくことだな』

 

『・・・・・・ふん、まあいい。剣鉄也! この勝負、いずれ決着をつけるぞ!』

 

 捨て台詞を残し、暗黒大将軍を乗せたデモニカは急速に戦域を離脱する。

 

「相変わらず逃げ足だけは早いな。・・・・・・それより無事か甲児くん?」

 

「へっ、鉄也さんが来なくても俺一人で何とかなってたぜ」

 

「・・・・・・Zと言えど万能じゃないんだ、無茶をされてはこちらが迷惑だ」

 

「出撃にもたついていたクセに、随分な事を言うじゃねか」

 

「甲児くん!」

「兜ぉ!」

「鉄也! そこまでよ!」

 

 一気に険悪なムードになった2人を、後から合流したさやかとボス、鉄也のパートナーの炎ジュンが止めに入る。

 

「さやかさん、ボス・・・」

 

「ジュン・・・」

 

 

 二人の魔神がお互いパートナーに注意されているのを、アクセルは呆れつつ、しかし、懐かしいものを見ているような気分だった。

 

 記憶がない筈の自分に懐かしさを感じさせる、このメンバーに、アクセルは興味が湧いた。それに彼らについて行けば、記憶が戻る可能性も高かった。

 

 そこまで考えたところで、アクセルの視界が暗転する。

 

(ーーーー血流しすぎたか)

 

「・・・・・・?・・・・・・!?・・・・・・・・・!」

 

「・・・!・・・・・・!・・・・・・」

 

 

 甲児たちの声が遠く聞こえる。

 

 

 

 そのまま、

 アクセルの意識は深い闇へと落ちていった..........。

 

 

 

 




感想・批評お待ちしております。

ではでは、クリス=ヴェクターでした!
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