こうして無事に幻想郷にやってこれた私だが、一つ確認しなければならない事がある。
それはここで私が力を使えるか、だ。この世界に妖気が存在するのかどうかは私の力が使えるかどうかで決まる。
私はいつもの様に指を鳴らした、
「...多くないですか...」
そう、いつもなら指を鳴らす要領で一つの霊魂を出すのだが、指を鳴らしただけで尋常じゃない数の霊魂が出た。
つまり、私の住む世界より何十倍も多くの妖気をこの世界は持つということだ。
「...この数だと人里にまで影響を及ぼすかもしれませんね......」
私は被害がでる前に霊魂を消した。
今ので誰かに気付かれてなければいいが...
まあ、気付かれていても妖怪相手なら凍らせればそれでいいか。
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私がいつもの様にキノコ採集に近所を探索していたら、突然スキマが現れた為、近くの木に身を潜めて(紫がまた異変を起こそうとしてるのか)と思いながらその様子を伺っていた。
以前スキマから出て来た妖怪は私と霊夢でコテンパンにしたから今は悪さをしていないが、今回の妖怪はどうだろうか。
しかし、そのスキマから出てきたのは白い着物を着た少女だった。
何か力を隠してるかもしれないと思い、少し様子を見たら、彼女の周りに人魂のような何かが複数現れた。その一つ一つからこの世のものとは思えない冷気を感じ取り、(本気でやらなきゃ死ぬかも)と思いながら魔法の詠唱準備をした
異世界から来た者はスペルカードのルールを知らない。なら殺傷能力のある魔法で何かを起こす前に消してしまえばいい。
だが、私はその詠唱準備をすぐやめる事になる。彼女が里にまで影響を及ぼすかもしれないと言って霊魂を全て消したからだ。
今回来た妖怪は友好的なのかもしれない
私はそう思い、妖怪へと近づいていった
「別世界から来た妖怪さんよ!こんにちはだぜ!!」
おっと、私の方から人里へ向かおうとしていたのに、お出迎えがあるなんて親切だな。
しかも初対面なのに挨拶まで返してくれるとは、こちらも丁寧に挨拶を返そう
「これはどうもご丁寧に、私はとある世界の大妖怪『犬神』と申します。敵対するつもりは微塵もございませんので以後よろしくお願いいたします。」
敵意無いですよアピール。これ重要。
「そうか!本来なら妖怪退治する所だったんだが、私一人じゃ勝てないし、何より友好的な妖怪を退治するのも気が引ける。あ、私は霧雨魔理沙だぜ!よろしく!とりあえず私の家にいこうぜ!」
「は、はい。」
なんとも強情そうな女性だ。私の世界ではあまり見ないタイプだな。
彼女の家は少し歩けばすぐの所にあった
見た目は完全にごみ屋敷。正直どうすればここまで汚く出来るのか知りたいほどのごみ屋敷
「ちょっと汚いけど、上がっていってくれだぜ。」
いやちょっとってレベルじゃない。これがちょっとって言える魔理沙さんどうかしてる。
けどせっかく招待してもらったからな。入らないわけにはいかない。
中もごみ屋敷なんだろうなぁと思いつつドアノブに手を掛ける
「おお...これはまた...」
予想通り、彼女の家の中は物であふれかえっていた。日用品なんてものはどこにも見当たらず、あるのは何に使うかわからないようなガラクタとキノコばかり。
まあキノコは食べるでしょうが。
「私は拾ったものを捨てる事が出来なくてな...」
彼女は照れくさそうにそう言った。そんな人間、見たことがない。
―この霧雨魔理沙という女に興味が沸いた。
「...あの、魔理沙さん?」
「な、なんだぜ...!?」
彼女はさんづけで呼ばれる事が少ないのか、少し動揺した様子。
「しばらくこちらでお世話になってもよろしいですか?」
「え...あ...こ、こんな汚い部屋でよければ...いいぜ...」
彼女は顔を紅くしてそう言ったまま黙り込んでしまった。
何でしょう?まさか
仮にそうだとしたら好都合、間違っても殺される事はなくなりました。...言っておくが私はノーマルです。...本当ですからね!
「ありがとうございます。あなたの力になれるようがんばります。」
さて、まずはこの家の掃除からですね......
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私の住む魔法の森からちょっと離れた林
そこの奥に、私の親友が住む神社、『博麗神社』がある。
「霊夢ー!!遊びに来たぜー!!」
「...アンタ、ここは遊びに来るような所じゃないんだけど」
そしてそこではいつも一匹狼を気取る私の親友、博麗霊夢が私を迎えてくれる。
「まあまあ、そんな事言わずに!今日は差し入れを持ってきたんだぜ!」
私は手に下げていたある物を霊夢に見せる。
「歓迎するわ、さあさあ中へ」
差し入れを持ってきたってだけでこの変わり様。彼女はチョロい。
「で、それは何なの。」
霊夢は私が手に持つ小さな小包に反応する
「これは
そう、これは彼女に「霊夢さんに会うまでこの包みを開けてはいけませんよ!」と言われたから私も中身を知らない
「...その犬さんが誰かは知らないけど、ありがたく貰う事にするわ。」
霊夢はそう言って私の手からひょいっとその小包を取った。
「霊夢!今ココで中身を開けて欲しいぜ!」
「なんでよ、これは私にくれたんでしょ。」
「犬さんが霊夢さんといっしょに開けてねって言ってたぜ!」
「本当なの?」
「も、もちろんだぜ!」
嘘だけど。
「ふーん...まあいいわ。その犬さんに免じて開けてあげる。」
「おお!」
本当に楽しみだ。彼女は何をお土産にするのだろうかと。
霊夢がその小包を丁寧に開けるとソレが姿を現した。
「「こ、これは...!!」」
白く輝く表面、ほのかに香る甘い匂い、かすかに伝わる冷気。
間違いない...これは!
「「大福!」」
犬さん。料理が作れたのか!!ちょっと驚きだぜ!
しかも私達が取り合わないように四つ入ってる。
今日にでもお礼をしておこう。
「まあ、見た目より味よ。人の家に差し入れとして持っていくくらいだからおいしいんでしょうね。」
霊夢はそう言って大福を一つ口に入れた。
するとどんどん霊夢の口角が緩んでいった
「お、おいしぃ~...」
その反応を見て耐え切れなくなった私も大福を口に入れる
程よく冷たい皮の中に冷え冷えの餡子とシャキシャキ食感の甘い何かが口の中で暴れだした。
まあ、一言で言うなら
「うますぎる!!」
口の中で租借する度に甘味が広がっていく。今までこんなにおいしいものを私は食べた事があっただろうか。
その感動に浸っていると突然血相変えた霊夢が私の胸倉をつかんできた。
「ど、どうしたんだぜ、霊夢!?」
「今からアンタの家に直行するわよ!!その犬さんって人を見に!!」
え、えぇ~...せっかくここまで来たのに...
まあ私が霊夢を止められるわけもなく、来たばっかりの道を逆走する事となった。
なんか展開がはやいのは許してください