「魔理沙さん、楽しんでるかなぁ...」
私は今、魔理沙さんの家を綺麗に片付けて、家の外に椅子を置き休憩がてらに粗茶を飲んでいる。
私も出来る事なら着いて行きたかった。霊夢さんがどんな人か見たかったからだ。
まあ、あの自由奔放な魔理沙さんが親友と言うレベルだ。相当個性的なことには違いない。
そして
「出て来て下さい、そんな所で見てないで私とお話でもしましょう!」
すると、その木の影から「やっぱすごいぜ、犬さん」と言う声が聞こえた。
私のことを犬さんなんてあだ名で呼ぶのはただ一人
「あれ!?魔理沙さん!!?どうしてここに!?」
そう聞くと彼女はちょっと照れながら
「いや~霊夢がさ、犬さんに会いたいって言ってたから...」
そう言って魔理沙さんは巫女服を着た少女を指差した。
「おお、あなたが霊夢さんですか!」
「...そうだけど」
彼女は何か不満げな様子だ。私、何もしてないはずですが...。
「...妖怪でしょ。アンタ。」
「はい、そうですが、お気に触りましたか?」
「どうして妖怪があんなにおいしい大福を作れるのよ...!!」
「ああ、そういえば魔理沙さんに大福持たせてましたね。気に入ってくれた様子で何よりです。」
人様の家に上がるんだからと持たせておいた大福がまさか彼女達をここへ連れてくるとは...
世の中何が起こるかわかりませんね。
「...アンタ、妖怪なら何か能力が使えるんでしょ。」
「......魔理沙さんが使うあの不思議な力ですか」
そう、魔理沙さんは人間だが、奇妙な力を使う。持ってる箒で空を飛ぶし、お札みたいなものを使って魔法のようなものも使う。
そういうことなら
「
「じゃあ以前私が見たあの霊魂はどう説明するんだぜ!?」
「私が使うのは能力ではないんです。」
そう言って私は周りに霊魂を発生させる
「妖力です。私の場合は...」
言いかけ途中で魔理沙さん達が先程隠れていた木に霊魂を漂着させる。
漂着した所からじわじわと白くなっていき、やがてその木の葉先までの全てを覆い尽くしてしまった
「全てを凍て付かせる地獄の氷、ですかね。」
もはや芸術作品といえるまで綺麗に凍り尽くされたそれが私の妖力の精密さを物語っていた
「...とんでもないわね...」
「こんなの、私の魔法でも再現できないぜ。」
「アンタの魔法は単純だからね。」
「むぅ...」
「まあまあ、魔理沙さんならいつか出来ますよ。」
そう言って魔理沙さんの頭をなでる
すると魔理沙さんは顔を真っ赤にして俯いた。
こういう素直な反応する子は可愛い。
「あら、照れてるの魔理沙?」
「てっ...照れてない!!」
「可愛いですねぇ。魔理沙さん...」
もっと反応を楽しみたくて、両手で髪の毛をわしゃわしゃと...
「や、やめるんだぜ犬さん!!」
「ああ...癒される...」
こういう子が女の子の反応をすると余計に可愛く見えるのだ。
「あはは、魔理沙がおもちゃにされてるの始めて見たわぁ」
「うるさいうるさい!!」
おっと、いつもの男っぽい言葉が消えている。本気で嫌がってそうだから止めましょうか。
「...で、霊夢さんと言いましたね。本題は何ですか。」
「......今のなごやかな雰囲気を見て、本題なんてもうどうでもよくなったわよ。まあ、一応魔理沙の家に居候する奴がどんな相手か見ておきたくてね。」
「そうですか。」
「...だけどアンタ。その姿は本来の姿じゃないでしょう。」
彼女が私にそう言うと、魔理沙さんは驚いた表情をして
「え!!犬さんそれ本当なのか!?」
「...本当ですよ。しかし、よくわかりましたね。」
素直に感心する。これはどんな人間にも見破られた事が無かったからだ。
「さっき霊魂出した時に違和感を感じたのよ、アンタは力を極限まで
「...そうですね、本気なんて出せばおそらくこの幻想郷は氷河期を迎えることかと。」
「......あのバカ妖精とは次元が違うわね...アンタが暴走したら私、止められるかしら...」
「怒らせるのだけはやめようぜ...」
「大丈夫ですよ、それよりせっかく来てくださったんです。おもてなしをしなければ...」
作り置きの大福を家の中で冷やしてあるのでそれを取りに行こうと席を立つ
「いいんだぜ!それ以上の気遣いは!絶対霊夢が調子に乗る!!」
「アンタ失礼ね!!消し炭にしてくれようかしら!?」
「そうですよ魔理沙さん。あなたが遊びに行っている間にあなたの部屋も片付けたんですからね。今回は私の言うことを聞いてもらいますよ。」
彼女の部屋はもはや部屋と言うより倉庫だったから片付けるのに苦労した。
「う...こ、今回だけだぞ霊夢!」
「わかってるわよ。さ、さ...」
霊夢さんが急かすので、私は大急ぎで大福を取りに走ったのであった。