ナイン・レコード   作:オルタンシア

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今回はちょっとしたお遊び要素が入っております。
よろしければ皆さんもお考え下さい。
それでは本編へどうぞ……。


信じる心

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《さあ、往くべき道へ誘ってくれるのは誰?》

 

 

 

 

 

想定していたよりも狭い穴は、身体の小さな最年少でもきつく、上級生達では絶対に通れそうになかった。

両手と両ひざを地面について、交互に出しながら四つん這いになって穴の中を数十メートルほど進んでいくと、縦横高さが1メートルほどの小部屋に出た。

何の素材なのか、黒くて重厚感のある壁に囲まれているその小部屋は、正面だけがぽっかりと空いている。

地下へ続く階段があった。

道はそこしかないので、大輔達は素直に従って階段を降りる。

 

「……あれ?」

『え、何これ?』

 

先導するように先頭を歩いて降りていた大輔とブイモンは、階段の1番下に辿り着いたので、両足でジャンプする。

階段を終えたその先は、等間隔に備え付けられているランタンの仄かな明かりに照らされた廊下があった。先ほどの小部屋と階段と違い、廊下の両側と天井、地面は石畳になっている。

オレンジ色の光は、ランタンを中心に1メートル強の周辺を照らすほどの光源しかなく、奥に行くにつれ光が届いていないために、まるで廊下の奥は真っ暗闇に飲み込まれているようだった。

ゴクリ、と賢は息を飲み、パタモンを抱きしめる腕に力が籠る。

ふと、聞こえてきたさらさらとした音と、微かな水の匂いを嗅ぎつけて、大輔達は走った。

突然走り出した大輔とブイモンに驚いて、ヒカリ達も慌てて追いかける。

暗闇に飲み込まれかけた大輔とブイモンの背中がほどなくして見えた。

何かを覗き込んでいるような姿勢に、賢がどうしたのって尋ねると、大輔は何も言わずに視線の先を指さす。

 

「……え?」

『池?何でこんなとこに……』

 

そこには、池があった。

上下左右を石の煉瓦に囲まれている廊下で、3人と3体合わせてもまだ届かないほど幅がある池があった。

小学2年生でも分かる不思議な現象に、3人と3体は首を傾げる。

 

『これじゃあ渡れないわ』

『パタモンは空飛んでいけるじゃん。あっちに何かないか調べてくるとかできない?』

『やってもいいけど……なんかそれやっちゃダメな気がする……』

「……あれ?ねえ、大輔くん、賢くん!あそこにボートがあるよ!」

 

辺りを見渡していたヒカリが、壁際にボートを見つけた。

しかしそのボートは小さく、どう頑張っても2人しか乗れないほどの大きさしかなかった。

 

『ダイスケ!ここに何か書いてある!』

 

ブイモンが指を指した箇所に、確かに何かが書かれていた。

仄かな明かりのせいで読むのに一苦労したが、何とか解読する。

そこには日本語で、こう書かれていた。

 

《1隻の船に乗れるのは人間2人か人間1人とデジモン1体。

 船を漕げるのは人間のみ。

 パートナーデジモンは、パートナーの人間としか一緒に乗れない。

 さあ、どうやって渡る?》

 

「……これって、川渡りパズル?」

「そうみたい」

「?なんだ、川渡りパズルって」

 

ヒカリと賢は知っているようだが、大輔は知らなかったので2人に尋ねる。

デジモン達もキョトンとしていたので、恐らく知らないのだろう。

川渡りパズルというのは有名な論理的パズルの1つで、川岸にいる一団を様々な条件の下で川の向こうに渡らせるというパズルだ。

有名な問題として、農夫と山羊とキャベツと狼の組み合わせがある。

キャベツを持った農夫が山羊と狼を連れて川の向こうに渡りたいのだが、船を漕げるのは農夫のみで農夫以外の船に乗せることが出来るのはいずれかの1つだけ。

おまけに農夫が一緒にいなければ山羊はキャベツを、狼は山羊を食べてしまう。

全員が無事に渡り切るにはどういう組み合わせで川を渡ればよいか、という問題になっている。

山羊とキャベツと狼がキツネとガチョウと豆袋になっているなど様々な組み合わせがあるが、どの問題にも共通しているのが“Aがいない状態でBとCを一緒にしてはいけない”ということである。

今回の場合、パートナーデジモンは船を漕ぐことが出来ず、人間同士が一緒に船に乗ることはできるが、デジモンはパートナーの人間と一緒に乗ることが出来ない、という条件がつく。

つまり、大輔はヒカリや賢と一緒に船に乗ることはできるが、パートナーであるブイモンは大輔としか一緒に乗ることができないのである。

 

「……えーと?」

『つ、つまり……?』

 

考えるよりも先に身体が動く大輔とブイモンには、論理的パズルを解くのは少々難しかったようで、頭上に沢山の疑問符が浮かんでいる。

仕方ない、大輔はなぞなぞよりも外で遊ぶ方が好きなのだから。

 

「……まあ、実際にやってみた方が早いよね」

『え?ケン、もう分かったの?』

 

頭から煙を吹き出している大輔とブイモンを苦笑しながらフォローした賢の言葉に、パタモンは目を丸くする。

まだ問題文を見て数分も経っていないが、賢は大輔とは反対でなぞなぞやクイズが大好きである。

暇さえあればクイズの本を読んでいるし、たまにお兄ちゃんと逢うと2人でクイズやなぞなぞを出して遊んだりしている。

このタイプのなぞなぞは、前に治に出してもらってあっさり解いたことがあったので、自信があった。

ヒカリもちょっと考えて解くことが出来たらしい。

 

「えっ、えっ!?2人とも分かったの!?」

『お、俺全然分かんない……!』

「大丈夫だよ」

 

自分だけ理解していないことに焦る大輔とブイモンだが、賢とヒカリは優しかった。

大丈夫、パタモンとプロットモンも理解できていないから、となかなかに辛辣なことを言うヒカリ。

引き合いに出されて解せぬという表情を浮かべている2体と一緒に、大輔とブイモンはヒカリからレクチャーを受ける。

 

1.大輔とブイモンが船に乗る。

2.大輔だけが戻ってくる。

3.大輔とヒカリが乗る。

4.ヒカリだけが戻ってくる。

5.ヒカリとプロットモンが乗る。

6.ヒカリだけが戻ってくる。

7.ヒカリと賢が乗る。

8.賢だけが戻ってくる。

9.賢とパタモンが乗る。

 

「これで全員渡れるよ」

「………………」

「……とにかく、今ヒカリちゃんが言った組み合わせで乗ろう?」

 

ヒカリからレクチャーを受けたものの、1人と3体は目が点になってしまっているので、これは説明するよりも実際にやって見せた方が早いと判断した賢により、大きな池を無事渡り切ることが出来た。

 

 

 

 

 

ほの暗い廊下を真っ直ぐ進むこと、約数分。

石煉瓦の廊下は終わり、目の前には観音開きの重厚な扉が現れる。

他に道はないし、大輔とブイモンは躊躇なく扉に手をかけ、踏ん張りながら開けた。

 

「……うわあっ!」

『すごーい!』

 

扉を開けて部屋に入ると、ヒカリとプロットモンは感嘆の声を漏らす。

そこは、大きな大きな空間になっていて、先ほどの石煉瓦の廊下とは全く違う、ガラスのように透き通った壁に囲まれていた。

そのガラスの壁の向こうはキラキラと煌めいていて、ただでさえ眩いのに、部屋の中には絢爛豪華な調度品が乱雑に置かれていたのである。

アメリカで人気の長編アニメーションを作っている会社が出した、魔法のランプが収められている洞窟の中のようだ、と大輔は思った。

光を反射して煌めいている金銀財宝、丸や四角、三角、星の形をした宝石類。

見る人が見れば、お宝に目が眩んで手を伸ばしていただろうが、生憎大輔達は宝石などに興味はない。

自分達が今探しているのは、紋章なのだ。

大輔達は誘うように煌めいている金銀財宝に見向きもせず、そのまま真っ直ぐ突っ切って行く。

しかし……。

 

「ん~……!」

『ふんぐぐぐぐ……!』

 

見つけた扉は固く閉ざされており、3人と3体が力を合わせてもびくともしなかった。

ブイモンが、進化して無理やりこじ開けようかと提案するが、賢が待ったをかける。

 

「きっとここも、さっきみたいになぞなぞを解かないと前に進めないんだ。何かないか探そう」

 

そう賢が言った途端、背後で歯車がかみ合ったような音が聞こえた。

振り返ると、何もなかったはずの1本道に、台座のようなものが現れていた。

駆け寄る3人と3体。

その台座には足がなく、反重力装置のようなものがついているのか、数十センチほど浮いていた。

とはいっても、小さな最年少達が余裕で覗き込めるほどの高さだった。

全員で囲うように台座を覗き込んでみると、そこに窪みが1つあった。

その窪みには爪のような金属がついており、そこに“何か”をはめ込めるようになっていた。

 

『……これが、あの扉を開く鍵なのかな?』

「多分……」

 

扉を見ながら呟いたパタモンを肯定する賢の言葉は、何処か自信がなさそうだった。

何かをはめ込むのは間違いないだろうが、それが何なのか、ヒントも手がかりも見つけていない。

どうしよう、と顔を見合わせる賢とヒカリ、パタモンとプロットモンに発破をかけたのは大輔とブイモンだった。

 

「何だよ、2人とも!考え込むよりも、とりあえずそれらしい奴見つけて、持ってこようぜ!」

『そうだよ、考えてたって仕方ないじゃん!あれだけお宝がいっぱいあるんだし、ここに来るまでにそれらしいのはなかったんだろ?』

「ぜってーここのどっかにあるって!探そうぜ!」

『おう!』

「あ、ちょ……」

 

2人と2体の返事も聞かずに、大輔とブイモンは部屋中に溢れているお宝目掛けて走り出した。

触った途端に何か罠が発動したり、間違ったものを置いたら何かが起こるかもしれない、という考えは全く持っていなさそうだった。

慎重にことを進める人がいたら、間違いなく大輔は叱られるだろうが……。

 

「……そうだよね、考えたって仕方ないよね」

『ナノモンも命を脅かすようなトラップはないって言ってたし、大丈夫じゃないかな?』

『何かあったら、私達が進化して何とかすればいいのよ!ヒカリも行きましょ!』

「……うん、そうだね」

 

大輔の言う通りだ。ヒントや手がかりが見つからない以上、考えていたって窪みにはまるものが転がってくるわけもなし。

ならばまずは行動した方がいいだろう、ということで賢とパタモン、ヒカリとプロットモンも手分けをして探すことにした。

 

とは言うものの、全くのヒントも手がかりもなし、というのは高難易度の問題である。

 

大小さまざまな形をした宝石が、この金銀財宝で溢れている部屋に一体幾つあるのか、それすら分かっていない。

あの台座にピッタリとはまるものだとしたら、窪みは円を描いていたので丸い形状のものだろうが、爪のような金属もその窪みにあるので、窪みの形に合わせるべきなのか、爪に乗せられるようなものなのかすら分からないのである。

とりあえず目についた宝石は全て手に取って、台座に持って行ってみるが、どれも決定打に欠けているようで、3人と3体は早速手詰まりを感じてしまった。

 

「うーん……これでもねぇし……」

『ダイスケェ、これ1個ずつ全部試してくのぉ?』

 

ブイモンの指摘に、う、と言葉を詰まらせる大輔。

その両手には1つずつ形の違う宝石があった。

面倒になったらしい大輔は、持ってきた宝石を1つずつ台座に収めて正解を探そうとしていたようだが、ざっと集めただけでも50個以上はある。

周りの財宝の山にはまだまだ宝石が埋まっているから、全て試していたら時間がいくらあっても足りないのは、大輔でも分かっていた。

賢とパタモンは宝石を集めるついでに、何処かにヒントがないかと壁をぺたぺた触ってみたり、金貨の山に埋もれている別の金の台座を調べたりしている。

ヒカリとプロットモンはガラスの壁の向こうを覗き込んでいた。

やはりヒントがなければ解けないのだろうか。

先程池を渡った時のように、何処かにヒントが書かれていて、それに気づいていないだけなのだろうか。

あの時はヒントの近くに小舟があったが、今回はどうだろう。

大輔は両手に持った宝石をぽいっと投げ捨てて、台座を覗き込んでみたものの、窪みが1つある以外は特に何もない。

浮かんでいる台座の下に何かないかと覗き込んでみたが、影になっているのと大輔の顔が潜り込めるほど浮いていないために、確認するのは難しかった。

頬を膨らませてむくれながら台座から顔を上げると、ブイモンがいないことに気づく。

何処行った、と辺りを見渡すと、3人と3体で押してもびくともしなかった扉の前にいた。

ブイモンも流石にヒントや手がかりがないのは無理だと思ったのだろうか、扉の前をうろうろしているのが見えた。

 

『……あれ?ねえ、ダイスケ!』

 

金色に彩られた扉には大輔達が集めた宝石よりも小粒の宝石が、扉の縁をなぞるように並べられていて、天井から照らしている灯りを反射して眩い光を放っているために、目を細めながらそちらを振り返る。

どうした、と大輔がブイモンの下まで駆け寄ると、ブイモンの声を聞きつけた賢達も扉の前に集合した。

全員が集まったところで、ブイモンが見て、と扉の真ん中を指さす。

扉は両開きとなっており、中心は当然縦に線が入っているのだが、その中心を押さえるように銀色のプレートがはめ込まれていた。

さっきは気づかなかったなぁ、と思いながらブイモンが指さしているプレートに目をやると、何かが書いてある。

しかし。

 

「……何これ?」

「何て書いてあるんだろ……?」

 

賢とヒカリが首を傾げたのは、プレートに書かれている文字が日本語ではなかったために読めなかったからである。

しかしデジモン達から教えてもらったデジ文字でもなさそうだった。

ブイモンとパタモンとプロットモンもきょとんとしていたからだ。

この文字を読めたのは、ただ1人だけだった。

 

「俺読める!これ、英語だ!」

 

大輔だった。

プレートに書かれていたのは、僅か1年前まで大輔達家族が住んでいたアメリカで公用語として使われていた英語だったのである。

普段は日本語を喋っている大輔だが、興奮したり咄嗟の時は英語が飛び出してしまうほどには、まだ身近な存在だった。

読める人がいてよかった、と賢達はほっと胸を撫で下ろす。

 

「何て書いてあるの?」

「ちょっと、待って。えーっと……」

 

プレートは大輔達の頭1個分高い場所にあった上に、天井の照明を反射しているせいでとてもではないが読みにくかった。

踏み台になりそうなものを探して、みんなでそれを運んで台に乗り、プレートの文字を読み取る。

そこには、こう書かれていた。

 

“Humpty Dumpty sat on a wall,

Humpty Dumpty had a great fall.

All the king's horses and all the king's men

Couldn't put Humpty together again.”

 

それは、アメリカにいた大輔にはとても馴染みのある詩であった。

アメリカに住む子どもなら、誰でも知っている“なぞなぞ唄”だった。

知っている詩が書かれていることに若干困惑している大輔は、その下にも1文を見つけて声に出して読んでみる。

 

“Spring has come. Happy Easter!”

 

「……はあ?」

「大輔くん?どうしたの?」

「これ、どういう意味なの?」

『ダイスケだけで納得してないで、教えてくれよぉ』

『そうだよ!』

『どういう意味なの、それ!』

 

最後の1文に唖然としていると、賢達が急かしてきたので我に返り、踏み台から降りて書かれている文章の説明をし始める。

 

「えっとさ、賢とヒカリちゃん、マザーグースって知ってる?」

 

当然、2人と3体は首を振る。マザーグース、というのはイギリスやアメリカで伝承されてきた童謡や歌謡の総称であり、小説などでもよく引用されて親しまれている。

有名なのは、不思議の国のアリスである。

著者はチャールズ・ラトウィッジ・ドドソンというイギリスの数学者なのだが、ルイス・キャロルと言った方が分かりやすいだろう。

かねてから親交があったリデル家の三姉妹はルイスのお気に入りだったのだが、その中でも一等可愛がっていたのが次女のアリスという女の子で、不思議の国のアリスは彼女のために書いたものだ。

その不思議の国のアリス……正確には続編である鏡の国のアリスにはマザーグースをモチーフにしたキャラクターが沢山登場しており、ハンプティ・ダンプティもアリスに出てくるキャラクターの1つである。

さて、そのハンプティ・ダンプティであるが、鏡の国のアリスでは卵に手足が生えたような姿で登場している。

というのも、ハンプティ・ダンプティはもともと卵を答えとしたなぞなぞ詩として作られたものだと考えられていたからだ。

今ではその答えが知れ渡っているために、なぞなぞとして引用されることは殆どなくなったし、大輔もアメリカのお友達やお姉ちゃんに教えてもらったから、当然知っている。

だからこれがこの扉を開くためのヒントだとすると、少々簡単すぎないか、と逆に疑惑が浮かび上がってしまった。

最後に書いてある1文、“Spring has come. Happy easter!”も、ハンプティ・ダンプティの詩を読んだ後なら、それが卵を意味するヒントだと容易に考えられることだ。

イースター、基復活祭は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念する、キリスト教に置いて重要な祭りで、装飾された卵を家の彼方此方に隠して宝さがしをする。

大輔もアメリカにいた時、お姉ちゃんのお友達や近所の優しいお爺ちゃんお婆ちゃんに招かれて、イースターのお祭りをやったことがあったが、今はそれは置いておくとして。

 

「……だから、多分答えは卵、だと思うんだけど……」

『だけど?』

「そのまんま過ぎて、ヒントにもなってない、っていうか……」

「そうかなぁ?十分だと思うけど」

『そうだよー。だってダイスケが読めなかったら、僕達ずーっとここで止まってたよ?』

「んー……」

 

賢とパタモンにフォローされるが、それでも大輔は納得できないようだ。

 

「大丈夫だよ、大輔くん」

 

そんな大輔に発破をかけたのは、ヒカリであった。

 

「大輔くん、さっき宝石を集めるときに言ってたじゃない。考えるよりもとりあえず集めようって。だからまずは試してみて、違ったらまた考えようよ、ね?」

『そうよね、やってみなきゃ分からないもの。卵を探せばいいんでしょ?』

「……そう、だな。よし、やってみようぜ!」

「うん!」

『そうこなくっちゃ!』

『探そう、探そう!』

 

そうだ、やってみなければ分からない。

違ったときは、後で考えればいいのだ。

3人と3体は頷き合い、卵を探す。と言っても、きっとただの卵ではないはずだ。

こんな金銀財宝で溢れている部屋に普通の卵があったら逆に浮いてしまって、見つかりやすくなってしまう。

恐らく卵型の何かだろう、と言う賢の推理に、まずは集めた宝石を片っ端から確かめてみた。

しかしそれらしい形の宝石はない。

まだ集めていない、金貨に埋もれている宝石は沢山ある。

時間もないのに、こんな沢山ある宝石からたった1つを見つけ出すなんて、本当に出来るのだろうか……。

やってみようと言い出したのはヒカリだが、1つ1つ手に取っては脇に避けるという行動を繰り返して、もう10分近く経とうとしている。

このまま時間だけが過ぎて行ったらどうしよう……ヒカリの心に一点の曇りが浮かび上がった時である。

 

 

──……こっちよ。

 

 

声が聞こえた。

え、とヒカリは顔を上げて辺りを見渡す。

いつも一緒にいるプロットモンは、少し離れたところで卵型の宝石を探していた。

ということは、今の声はプロットモンではない。

気のせいかな、と宝石探しを再開させようとした時、再び声が聞こえる。

 

 

──こっちよ。

 

 

今度ははっきりと聞こえた。

しかしヒカリは何故か驚いたり怯えたりすることなく、宝石を探すその手を止めて、静かに立ち上がる。

それはまるで何かに導かれるように、何かに操られているかのように、ヒカリの足は真っ直ぐあるところに向かって行った。

宝石を探すのに夢中になっていたプロットモンは、ヒカリが離れていくことに気づいて慌てて後を追う。

ヒカリが向かって行った先は、ガラス張りの壁だった。

この部屋の壁は全面ガラス張りで、四角い枠に囲まれたガラスの板が1枚1枚はめ込まれていた。

そのガラスの壁の向こうにもキラキラとした宝石や金貨、財宝などが氷の中に閉じ込められているように浮かんでいる。

沢山あるガラス板のパネルのうちの1枚に、ヒカリはぼうっとした目で見つめながら向かって行った。

ヒカリが辿り着いたのと、プロットモンが追いついたのは、ほぼ同時だった。

 

『ヒカリ?どうしたの?』

「……見つけた」

 

ぴと、とガラス板に手をつき、ガラスの壁の向こうをじっと見据えている姿は、いつものヒカリではない感じがしてプロットモンは寒気がした。

ヒカリッ!と大きな声を上げて彼女の名を呼べば、ヒカリはようやっと我に返ったようで、目をぱちぱちさせた後、辺りをきょろきょろと見回した。

プロットモンがもう1度ヒカリの名を呼ぶと、ヒカリは今プロットモンに気づいたようで、きょとんと見下ろしていた。

 

『ヒカリ、見つけたって、何を見つけたの?』

「え?………あ!」

 

プロットモンの言っていることが理解できず、頭上に沢山の疑問符を浮かべながら視線を再びガラスの壁の向こうに向ける。

そこに、それはあった。

ガラスの壁の向こうに沢山浮かんでいる宝石や金貨、財宝の中に紛れるように、卵の形をした宝石が、1つ。

別の場所を探していた大輔達を呼び、ガラスの向こうにある卵の宝石を確認する。

見つけたのはヒカリだとプロットモンが自慢げに言うと、大輔達は褒めてくれたが、ヒカリは素直に喜べなかった。

 

「どうやって取り出すんだ?」

 

大輔が言う。ガラスに顔を近づけてみたところ、板と言っても水族館の一番大きな水槽のように分厚かった。

最年少3人と成長期3体が体当たりしたって、罅すら入らないだろう。

ということは。

 

「………………」

「……賢くん、大丈夫?」

「……大丈夫」

 

腰に付けたデジヴァイスを手に取り、黙って見降ろす賢。

心配したヒカリが声をかけるが、賢の目にもう迷いはなかった。

もう逃げないと決めたのだ。ここに来る時も、お兄ちゃんにそう言って許してもらったのだ。

傷ついた少年は、もう逃げない。

 

「やろう、パタモン!」

『うん!』

 

もう迷わない。そう決めた少年のデジヴァイスからは、暖かい光があふれ出した。

大輔とヒカリも頷き合い、デジヴァイスを手に取る。

聖なる光がパートナーを包み込み、0と1に変換されてその姿形が書き換えられていく。

 

『エクスレイザー!』

 

胸から腹部にかけて描かれているエックスの文字から、オレンジの光線が放たれ、ガラスに罅が入る。

 

『ネコパンチ!!』

 

思いっきり振るった拳が、更に罅を大きくする。

 

『ヘブンズナックル!!』

 

黄色い光線が真っ直ぐ放たれ、また罅が大きくなる。

後少しでガラスの板は壊れそうだ。

エクスブイモン、テイルモン、そしてエンジェモンは顔を見合わせ、頷く。

エクスブイモンとエンジェモンが同時に光線を放った後、テイルモンが留めのパンチを叩きつけた。

がしゃあああん、と派手な音を立ててガラスが割れた。

ガラスの壁の向こうに閉じ込められていた宝石、金貨、財宝が同時に飛び散ってきたので、デジモン達は自分のパートナーを抱き上げて慌てて避ける。

じゃらじゃらじゃら、と小さくて硬いものが落ちる音が止み、落ち着いた頃にエクスブイモンが大輔を抱えたまま卵型の宝石を手に取った。

 

『ヒカリ、君が見つけたんだ。君が台座にはめ込んでくれ』

『ああ、それがいい』

 

そう言ってエクスブイモンに卵型の宝石を手渡されたヒカリは、一瞬困惑していたが、エンジェモンとテイルモン、それから大輔と賢にも促されたので、おずおずと卵型の宝石を受け取った。

ずっしりと重たい卵型の宝石は、他の宝石と違ってつるりとしていて、向こう側が透けて見えるほどの透明感だった。

 

「……行くよ」

 

その透明感はいつまでも見ていたい、と魅了されるほどの美しさだったが、自分達の目的はこの先にある。

ちょっと名残惜しみながらも、ヒカリは卵型の宝石を窪みに置いた。

窪みにあった三つの爪が卵の重みで開き、ゴトンという音を立てて窪みにピッタリとはまる。

何処からか歯車がかみ合うような音がして、地面が少し揺れた。

ぎ、ぎ、ぎぃ、という蝶番が軋む音がして、扉が開いたのを見た3人と3体は、やったあという歓声を上げて扉をくぐった。

パートナー達は進化させたままである。これから先何があっても対応できるようにだ。

 

そしてそれは、正解だった。

 

次の部屋の扉は、最初の廊下と違って数メートル先に行ったところにあった。

重厚な扉を開けて中に入る。先ほどの部屋と違い、その空間は広かったが輝きはなかった。

部屋の左右の壁は石煉瓦が積み上げられており、正面には6つのトンネルがあった。

それ以外特に何かあるわけではなさそうだったので、3人と3体は何の警戒心も抱かずにトンネルに近づいていく。

 

ぶぅん……

 

トンネルまであと数メートル、というところでトンネルの前に突如として、6つの光が浮かび上がる。

その光の中にいた人物に、大輔達は驚愕の声を上げた。

 

「たっ、太一さん!?丈さん!?」

「空さん、ミミさん!」

「え、お兄ちゃんと光子郎さん!?」

 

ここにいないはずの上級生達の姿が、そこにあった。

入り口が小さいから上級生達は入れないとナノモンに言われていたのに、と大輔とヒカリ、デジモン達が混乱している中、賢はやっぱり冷静だった。

あれは立体映像だ。賢はそう言う。

あそこにいるのは本物の上級生達ではなく、上級生達の姿を映し出したビデオのようなものだと。

なぁんだ、って大輔とヒカリが胸を撫で下ろした時、賢はトンネルの上に文字が書かれているのを見つけた。

 

《2人はウソつき、2人は正直。

 1人は正直でウソつき、

 1人はウソつきで正直、

 さあ、往くべき道へ

 誘ってくれるのは誰?》

 

今度は日本語だった。賢が大輔達に見つけた文章のことを言った直後、異変が起きる。

 

ガコン

 

左右と後ろの壁から等間隔に穴が開いた。

え、と3人と3体が振り返った時、後ろの壁から砲弾が1つ、大輔達に向かって放たれる。

ぎょっとなった大輔達だったが、エクスブイモンが真っ先に動いて、見事な回し蹴りを披露しながら、砲弾を蹴っ飛ばした。

しかしそれで終わらない。

次は右の壁から砲弾が放たれたので、テイルモンが殴りつけてぶっ壊した。

すかさず、左の壁から砲弾が放たれ、今度はエンジェモンが杖をバットの要領で振り、砲弾を吹っ飛ばす。

それを皮切りに、沢山の砲弾が左右と後ろの壁から大輔達を狙って放たれた。

 

『ぐっ……!』

『ちぃっ!』

『このっ……!』

 

子ども達を護るべく、デジモン達は次々放たれる砲弾に向かって行った。

 

「どうなってんだよ、これ!?」

「わ、分かんないよ!」

「と、とりあえず何をしなきゃいけないのか、考えよう!」

 

バキン、ドカ、という砲弾を破壊する音をBGMに、3人はトンネルの方に振り返る。

壁に書かれていた文字は、2人はウソつきで2人は正直、これは……。

 

「これ、多分ウソつきパズルだ……」

「嘘つきパズル?」

 

うん、と頷いた賢は2人に説明する。

これも川渡りパズルと同じく論理パズルで、2人以上の人間の証言を聞き、その証言の中に矛盾がないかを考えるパズルである。

例えば3人の人間がいて、その中の1人だけが本当のことを言っている、という問題文の場合、3人の証言を聞いて矛盾を見つけながら誰が正直者なのかを探し出すのである。

Aが本当のことを言っていた場合、Bはウソをついている。

しかしそうなるとCのこの証言は本当になるから、Aの言っていることは本当ではない……と言ったように、1人1人の証言が矛盾しないように考えていくのだ。

今回の場合は、6人の中で2人が嘘をつき、2人が本当のことを言う、ということだが……。

正直でウソつき、ウソつきで正直、というのはどういうことだろう?

ウソつきパズルも何度かやったことはあるが、この手の問題文は初めてだった。

とりあえず6人の証言を見ないことには始まらない。

問題文のように何処かに書いてあるのだろうか、と思いながらトンネルまで歩み寄ろうとしたら、立体映像が変化する。

 

《正しいのは左から2番目、

左端は危ないから行くな》

 

太一の立体映像に、そんな言葉が現れた。

それを皮切りに、他の子ども達の立体映像にも次々と言葉が現れる。

 

《正解は右から2番目、

 隣の道は行き止まりだ》

 

と、治。

 

《正しい道の右隣りは行き止まりで、

 左隣にはデジモンがいる道になるわよ》

 

と、空。

 

《左から3番目は行き止まりです。

 右から2番目にはデジモンが出ます》

 

と、光子郎。

 

《正しいのは左端よ。

 右から4番目にはデジモンが出るからね》

 

と、ミミ。

 

《右から5番目が正解だよ。

 左から5番目はデジモンが出るよ》

 

最後に、丈。

この証言を元に、2人のウソつきと2人の正直、それから正直でウソつきとウソつきで正直を1人ずつ見つけ出していかなければならない。

何だコレ、と賢の心情には絶望の2文字が浮かんでいた。

確かに何度かうそつきパズルはやったことはあるが、最高でも登場人物は4人だった。

正直者は1人だけ、こんな複雑なものは解いたことがない。

でもこの中でこういうクイズをやったことがあるのは賢だけだ。

大輔は早々に目を回しているし、ヒカリも難解すぎて硬直してしまっている。

 

──僕がやるしかないんだ……!

 

賢は腹を括った。

 

「えっと……まず、太一さんの証言が正しいとして……」

 

“正しいのは左から2番目、左端は危ないから行くな。”

トンネルを左からA、B、C、D、E、Fとして、太一の証言が正しければ、正解はBのトンネル。

となると必然的に、“正しいのは左端”と言っているミミはウソつきになる。

当然、右から2番目、Eのトンネルが正しいと言っている治もウソつきになる。

隣のトンネルがどちらを指しているのかは分からないので、この際置いておくとして、次は空だ。

正しい道の右隣りは行き止まりで、左隣はデジモンがいる。

太一が正しいとすれは、Bの右隣りであるCは行き止まりで、Aにはデジモンがいるということになる。

少なくとも、空の下段の証言は正しい。

次は光子郎だ。左から3番目、つまりCは行き止まりで、右から2番目にはデジモンが出る。

上段の文は空の証言と一致しているので、これが正しいとするのなら、Eにデジモンが出ると言うことになるが……。

 

「……ああ、違う!太一さんは正直者じゃない!」

「え?」

「どういうこと?」

 

賢の推理を黙って聞いていた大輔とヒカリが思わずと言った形で口を挟む。

尊敬している先輩が、大好きなお兄ちゃんが正直者じゃないなんて、どういうこと、と咎めるような眼差しを向けてくる2人に、根本的なことを説明していなかったことを思い出した賢は、慌てて弁明した。

 

「2人とも、これはクイズなんだよ。なぞなぞなんだよ。現実の太一さんはウソつきじゃないのは分かってるけど、これはゲームとしてのキャラクターなんだ。現実の太一さんとは無関係なんだよ」

 

恐らく、大輔達にも親しみやすくするために太一達を登場させただけなのだろう。

納得いかない、と言った様子の2人だが、今はそれよりも問題を解く方が先なので、2人は無理にでも納得してもらうとして。

もしも太一が正直者なら、これまでの証言により治とミミが嘘つき、太一と光子郎が正直者となる。

しかしそうなると、矛盾が生じるのだ。

 

「太一さんと光子郎さんが言っていることが本当だとすると、空さんの言っていることも正しいってことになる。これじゃあ正直者が3人になっちゃうんだ」

 

ウソつきも正直者も2人ずつしかいないのだ。

だから太一が正直者という可能性はここでなくなった。

それだけではない。

 

「丈さんも違うこと言ってるみたいだけど、これって言葉のトリックだよ。だって左から2番目と右から5番目、右から2番目と左から5番目は同じ意味なんだもの」

 

右から5番目と左から5番目は“正直者”の太一が言っている左から2番目で、“正直者”の光子郎が言っている右から2番目になる。

これでは正直者が4人になってしまう。

 

『うわあっ!!』

『エンジェモン!!』

「っ!!」

 

もう1度考えてみようとした時、エンジェモンの悲鳴が聞こえてきた。

は、と3人が振り返ると、砲弾を避けきれなかったエンジェモンが、黒い羽根を散らしながら吹っ飛ばされていったのが見えた。

エクスブイモンが駆け寄ろうとしていたが、次から次へと撃ち出される砲弾を前に、思うように動くことができないでいた。

賢の目が見開かれ、思考が停止する。

脳裏に浮かんだのは、パタモンが賢を護るために初めて進化を果たした、あの運命の夜。

息が詰まる。足が震え、上手く身体を支えられずにぐらつく。

頭と目の前がぐわんぐわんと揺れる。

もう逃げないと、もう目を背けるのをやめると決意した誓いが、呆気なく崩れそうになった。

 

──仕方ないな。

 

声が、した。

 

──今回だけだよ。

 

誰。そう唇が動く前に、わっと頭の中に流れ込んできた“知識”。

膨大な量の“知識”に、賢は一瞬息が詰まった。

 

「賢?」

「ど、どうしたの?」

 

突然目の前で硬直した賢に、大輔とヒカリが心配そうに声をかけると、呆然とした様子でトンネルを見やる。

 

「……解けた、かも」

「え!?」

「本当!?」

 

突然流れ込んできた膨大な“知識”で、答えは一瞬で閃いた。

しかし、確かに証言に矛盾はないが、これで合っているという自信もない。

間違えたらどうなるか、この証言どおりトンネルの先に続いている外れの道は行き止まりとデジモンが待ち構えているだけなのか。

不安そうにトンネルを見つめている賢を、大輔はじっと見つめ……。

 

──ほら、発破かけてやれよ

 

背中を押された。

 

「……賢」

「っ、大輔くん」

「俺は、賢を信じるぜ」

「え?」

「間違ってたっていいよ。自信がなくたっていい。俺、こういうの苦手で賢に任せちゃったから……だから、信じる」

「……大輔、くん」

 

それは、真っ直ぐな瞳だった。

それは、嘘偽りのない瞳だった。

大丈夫、間違っていてもやり直せばいい、何度だって。

 

「賢とヒカリちゃんと、エクスブイモン達がいるから、怖くねぇよ!」

「……うん、私も、大輔くんに賛成!」

 

きっとエンジェモンも、エクスブイモンもテイルモンも、同じことを言ってくれる。

パートナーがそう言うから、そんな理由で。

 

「……ありがとう」

 

信じてくれる、仲間がいる。

賢も、自分と仲間を信じることにした。

 

「エンジェモン、もう大丈夫だよ!正解は……!」

 

賢が走る。大輔とヒカリも、それに続く。

エンジェモン達も、砲撃が止む一瞬のタイミングを見計らってパートナー達の後を追った。

その姿がトンネルの奥に消えたと同時に、砲撃も止んだ。

 

「……ここ、は……?」

 

トンネルの奥は暗闇に包まれていたはずだったのに、飛び込んだと同時に眩い光に包まれ、3人と3体は思わずその場で顔を庇いながら立ち止まる。

やがて光に慣れてきて、瞼をそっと開けると、先ほどの部屋とは打って変わって、真っ白い部屋にいた。

正面と左右の壁に、大きな大きなレリーフが彫られていた。

向かって左の壁には、太一の紋章によく似た太陽と、その下に太陽を支えている台座のような絵が描かれていた。

向かって右も、太一の紋章のように丸とその丸から放たれる光のような大きいのと小さいひし形が4つずつ交互に並んでおり、中心の丸も小さかった。

そして、正面にあるのはMというアルファベットの文字によく似た模様の上下に大きさの異なるひし形が2つ、下のひし形の左右に逆三角の模様が2つ。

 

「……もしかして、あれが」

「僕達の……」

「紋章……?」

 

大輔、賢、ヒカリの順で呟く。

同時に、3人の腰につけているデジヴァイスが光を放った。

慌てて手に取ると、大輔のデジヴァイスは正面の、賢のは左、そしてヒカリのは右の紋章に反応している。

3人は顔を見合わせ、頷き合った。

それぞれの紋章の前に駆け寄っていき、パートナー達も進化した姿を保ったまま後に続く。

デジヴァイスを掲げる。

壁に描かれた紋章が眩い光を放ち、小さくなっていきながらそれぞれのデジヴァイスに吸い込まれていく。

すーっと、静かに音もなく、デジヴァイスのディスプレイに吸い込まれていった紋章は、やがて光が収まっていく。

光が完全に消え、3人と3体が歓喜に包まれながらデジヴァイスに収まった紋章を確認しようとして………………。

 

 

 

 

 

 

3人は目の前が真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

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