「この試合……何かあったか?」
真霧は走る戦車の車長席に座り、そう呟いた。
「クルーゼ隊長、伊川隊から暗号文です」
「内容は?」
「はい、これです」
そこで通信手が伊川隊から暗号電文の紙をを渡してきた。
「ええ~、『北北東空中ノアドバルーンハ、敵ノ策略カ問ウ』か?」
そう言って真霧は戦車から顔を出し、そのアドバルーンを見た。
「あれか……アリサかな?」
「フッ…偲に返電『見事ナリ、此ヨリ此方カラ真意ヲ突キ錯乱サス』、平文でだ」
真霧がそう言うと通信手が確認する。
「平文で良いんです?」
「ああ、敵は翻弄せねばな!」
そう答えると直ぐに偲に電文を打つ。するとすぐさま『了解ス』と返答された。それから直ぐに真霧は無線機に手をかけた。
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「あれ?通信が止んだの?」
アリサは無線傍受していた鈴創学園の通信が止んだのを不思議がり、周波数を再度合わす。
『やぁ、この無線を傍受しているアリサ君?』
「!?」(バレている…!)
アリサは驚きを隠せない。
『残念だがね、これは我が方の作戦の一部なりて愚の骨頂なり…だな』
そう言って真霧は無線を切った。切られた数秒は理解できなかったアリサも次第に分かりだし、顔が青くなってから苛立ちが出たのかそこが戦車の中というのを忘れて味方の無線機に向けて叫んだ。
「あんにゃろォ…!」
「サンダース戦車隊各員!よく聞きなさい!新興チームを叩き潰してやりなさい!!」
『『『『『イエッサー!!』』』』』
サンダースの隊員達は元気よく返事をした。
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その頃、鈴創学園側では
「う~ん?あれはフラッグ車か?北西の森の中から…北東か?」
偵察の為、木の上でフラッグ車を探していた疾風が見つけ、すぐさま真霧に暗号電文を打つ。
「『北西ノ森カラ東進、虎ハキタル』か…」
「よし、伊川隊を向かわせる!電文をそのまま打て!」
真霧は直ぐに届いた電文をそのまま伊川隊に流させた。
伊川隊side
「分隊長、クルーゼ隊長車から暗号電文です」
偵察に出ているとクルーゼ隊長車から暗号電文が届いた。
「内容は?」
「はい、『北西ノ森カラ東進、虎ハキタル』です」
それを聞いた偲は考えを巡らす。
「虎…フラッグ車が此方にきている、か…」
「敵が来るぞ?」
偲は息を殺して敵フラッグ車が来るのを待った。そして、その数分後。時は…来た!!
「撃てェエ~!!」
偲がそう叫ぶ。そしてSU-85から二つの砲弾が敵フラッグ車に続けて直撃する。
シュポ!!
すると敵フラッグ車は停車し、白旗を掲げた。
『サンダース大学付属高校フラッグ車、走行不能。よって、鈴創学園の勝利!』
こうして、鈴創学園の公式な初陣は勝利で幕をおろした。