西住姉妹の弟―西住流の島田―   作:如月 霊

16 / 26
第十五話 プラウダ戦その弐

「偲、聞こえるな。敵フラッグ車はDa-1の北北東50mにいる。護衛は3輌だ」

 

『隊長!!無事なんですか?』

 

連絡するなり心配された。偲はやはりいいやつだ。戸惑いつつも本題に移ろうとする。

 

「あ、ああ。だが中村隊は撃破されて早野隊とフラッグ車だけだ。でだ、本題に入るぞ?」

 

『はい』

 

「まずこっちから壁を撃ち抜いて護衛の二輌を潰すから敵フラッグを撃て」

 

『む、無茶ですよ!!』

 

偲は真霧の作戦を聞くなり叫んだ。

 

「無茶もへちまもあるか!!何のために二号戦車をH型に改装したと思ってる!こっちはできる」

 

「やれ、いいな?」

 

実は真霧はプラウダ戦のために二号戦車の主砲をH型の物に改装していたのだ。

 

『わ、わかりました』

 

「そんで…今はどこにいる?」

 

それから重要な偲達の現在位置を聞く。これが何処かによっては作戦を帰る必要がある。

 

『Db-5地点に向かってます』

 

Db-5…ってそこは…

 

「ってことは崖の上に向かってるのか!!」

 

『は、はい。そうですが』

 

「よし、よくやってる。偲達はそのままDb-5に向かってくれ。着いたら連絡してくれ」

 

『了解しました』

 

そう言って通信を切った。それから真霧はキャノピーから上半身を乗り出し、戦車を動かす。

 

「砲塔左回頭80°ゆっくりとだ」

 

そうすると砲塔がゆっくりと回る。

 

「左回頭70…75…80!左回頭80°!」

 

回頭が完了すると真霧は仰角を合わせる。

 

「仰角上げ10!いや、2°-…よし!」

 

仰角が合わせ終わると丁度伊川達から通信が入り、真霧は作戦開始の指示を出した。

 

『こちら伊川達、目標地点に付きました』

 

「よし。では、作戦開始だ」

 

そう言ってから真霧は手をあげて下ろした。砲撃の合図だ。すると主砲が火を吹き壁に砲弾が炸裂した。

 

「誤差修正!」

 

「誤差修正…よし!誤差修正完了!」

 

「次弾よーい!!撃て!」

 

すかさず次弾を装填し、発射する。すると今度は壁では炸裂せずに外で―敵に当たって炸裂した。見事に壁の穴を通って命中したのだ。そして偲にも合図を出した。

 

「今だ!!」

 

そうすると外で新たな爆音と共に終了のブザーがなった。

 

『プラウダ高校フラッグ車走行不能。よって、鈴創学園の勝利!』

 

偲は見事に命中させたようだ。

 

 

 

―――――――

 

試合が終わってから片付けが終わった所に丁度プラウダのカチューシャがノンナに肩車されながらやって来た。

 

「おや、どうもカチューシャさん、ノンナさん」

 

「楽しかったわよ!!クルーシャ!」

 

カチューシャはそう言って指をさしてきた。

 

「く、クルーシャ?」

 

「カチューシャはあなたの事が気に入ったようですね」

 

すかさずノンナが解説してきた。

 

「うわっ!ビックリした……(いっつもノンナは急に出てくるから驚くよ)…」

 

「あら?私はあなたと面識があったかしら?」

 

ヤバ、聞かれてたか…

 

「い、いえ。ハツタイメンデスヨ」

 

「何やってるの?」

 

カチューシャが話しかけてきた。それによって何とか視線がずれた。

 

「戻るわよ!ノンナ!」

 

「はい、カチューシャ」

 

そう言ってカチューシャとノンナは自分の学園の所に向かっていく。

 

(クルーゼ隊長…いや、真霧さん、生きていてよかったですよ)

 

が、ノンナが帰り際に真霧の耳元で爆弾を残していった。

 

「ば、バレたか…」

 

真霧はその場でそう呟くしかなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。