西住姉妹の弟―西住流の島田―   作:如月 霊

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第一話 転生と練習戦

「(転生完了したか…さて、動きましょう…か?)」

 

響は動こうとしても自分の体が動かない事に気づくと直ぐに自分の体を見た。

 

「オギャァー!」(なんじゃこりゃあぁぁあ!)

 

体を見ると自分が赤ん坊になっていたのがわかった。そして、自分の横には寝ているもう一人の赤ん坊がいた。するとしばらくして誰かがやって来た。

 

「あら、真霧は起きちゃったの?」

 

「(お母さん?真霧って僕の名前?)」

 

そう言って真霧は抱き上げられた。 

 

「かわいいわね~」

 

そう母親が言っていると奥の部屋から二人の少女が出てきて僕を見るなり少女は母親に話しかけた。

 

「ねぇお母さん!私も真霧達だっこしたい!」

 

「私も!」

 

「まほも?仕方ないわね」

 

「(えっ?まほ?ならこの人は西住しほ…?エッ⁉てことは僕の転生先って西住家なの⁉)」

 

そう考えているうちに真霧はまほに抱き抱えられもう一人はみほに抱き抱えられ、揺られていた。

 

「かわいいな~」

 

「(あ、もうダメ…おやすみ~)」

 

揺られ出して直ぐに真霧は意識を手放した。

 

□■□■□■□■□■□■

 

転生してから十四年が経ち、今はみほとまほにフラッグ戦に付き合わされていた。おわっ!あぶなっ!!

 

戦車の近くに敵戦車の砲弾が着弾した。

 

「車長!どうすれば!」

 

冷静になれ、冷静に。そう心を落ち着かせて指事をする。

 

「回避行動初め!急ぎ森の中に後退!」

 

「りょ、了解!」

 

操縦者が返事をする真霧の戦車はジグザグに後退し、森の中に逃げ込んだ。森に入ってすぐに洞穴を見つけて戦車をその中に入れると真霧は隊長の車輌に通信を入れた。真霧のいる部隊は劣勢という名のもとに負けかけていて残りは私と隊長車両を含む3車輌のみとなっていた。

 

「隊長、こちら西住です。応答願います」

 

『こちら隊長車。どうしましたか?』

 

「自分の搭乗する戦車の独断専行を許可していただきたく思います」

 

『なっ!何を言っているんですか!『変わりなさい』』

 

おっ!隊長さん直々のお出ましですかい

 

「隊長、西住車の独断専行の許可を下さい」

 

『それを出したところで負ける事に変わりわないわ』

 

なんだ?負ける気でいるのか?バカだな。

 

「なら自分が勝って見せますよ」

 

『…わかりました。独断専行を許可します』

 

 

意外に素直…

 

 

「独断専行の許可、ありがとうございます」

 

礼を言ったところで隊長との通信が切れた。それを確認すると真霧は搭乗員に作戦を伝える。

 

「隊長から独断専行の許可が出た。下準備を開始しましょうかね」

 

「砲塔を後ろに向けてからあの塹壕に向けて前進」

 

「だ、だけどそれだと落ちてしまいますよ!」

 

「それでいい!そのまま!!」

 

「わ、わかりました」

 

反論した操縦員はしぶしぶながら戦車を進めて塹壕に落ちた。戦車がへこみに落ちて戦車が斜めに傾いた。斜めに傾いたのを確認した真霧は砲弾を装填してなにやら空を狙いだした。

 

「仰角上げ!+36°!」

 

真霧は狙撃手から席を代わり、発射菅を握って発射体勢を取る。

 

「撃てー!!」

 

しばらくしてから発射菅を握り砲弾を空に向かって発射した。すると真霧は懐中時計をポケットから出して数字を数え始めた。

 

「着弾まで…3…2…1…着弾!、今!」

 

真霧はそう言うと懐中時計の蓋を勢いよく閉めた。それとほぼ同時に崖の上に煙が立ち上ぼり試合終了の合図が鳴った。

 

━━━━━ピィッ!ピィー!━━━━━━

 

 

 

『え、Aチームフラッグ車走行不能!よってBチームの勝利です』

 

すると搭乗員達の喜びの声が上がっていた。やっぱり勝利は戦略次第です!真霧は搭乗員達の喜びを見ながら心の中でそう思っていた。実は真霧、この時までに様々な所にカメラをつけ、相手の行動を把握していたのだった。

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