「副隊長命令だ。総員戦車を下車後エリカの部隊と合流せよ」
戸惑う皆に真霧はそう命令をかけた。するとみんなは渋々ながら了解し、下車した。そこで真霧は真理を呼び止めて手に自分が持っていた帽子を手渡した。
「真理。これを持っておいてくれ」
「副隊長…」
「頼んだぞ」
そう言ってから真霧は戦車のハッチを閉じ、操縦席に座った。
「すぅー…よし!行くか!!」
そう意気込み、戦車を発進させた。
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真霧がその川についたのは川岸の戦車に向け砲弾が放たれたすぐあとだった。その砲弾は戦車の下、つまりは氾濫しかけ、土壌が緩んでいる川岸に着弾し、戦車が落ちそうになった。
「やあっ!!」
真霧はその戦車の後部に体当たりし、戦車の軌道をずらして落ちるのを防いだ。そして、ギリギリで敵のフラッグ車に砲弾を放ち撃破すると自分の戦車が川に落ちた。それから真霧はまほに無線を開いた。
「まほ姉さん…」
『真霧、大丈夫か!』
まほはそう叫んだ。どうやらまほの隊長車にも連絡がいっているらしい。
「だめそうだ…戦車のあちこちで火花が出てる。いつ砲弾に移ってもおかしくない」
『なっ!?脱出しろ!!真霧!!』
「一応脱出を試みるが…じゃあな。まほ姉さん」
『おい!真霧!真霧!!』
叫ぶまほを無視し、無線を切った。それから真霧は操縦席上のハッチを開き、戦車から脱出した。そして岸の木の下まで来ると自分の戦車に置いてきた無線器が水によって軽く爆発した。すると戦車内にあった砲弾に引火して戦車は爆発、木っ端微塵に吹き飛び煙の柱を作り上げた。
まほside
『お姉ちゃん!!真霧の戦車が川に落ちて流されちゃってる!!』
大会本部から大会優勝の連絡が入ってすぐにみほが無線を繋げてそう言ってきた。
「何!?何があった!!」
『川岸にいた戦車が下の土壌にプラウダの砲弾が着弾して落ちそうになった所を真霧が戦車で押し出して自分が落ちたの!』
「みほ!大会本部に連絡しろ!!」
『わ、わかった!!』
みほはそう言って無線を切った。そしてそのタイミングで真霧から無線がかかってきた。
『まほ姉さん…』
「真霧、大丈夫か!」
まほは真霧に安否を確認するためにそう叫んだ。
『だめそうだ…戦車のあちこちで火花が出てる。いつ砲弾に移ってもおかしくない』
「なっ!?脱出しろ!!真霧!!」
『一応脱出を試みるが…じゃあな。まほ姉さん』
「おい!真霧!真霧!!」
そこで真霧からの無線が切れた。そしてその数分後、急に大きな爆発音が大会場に響いた。
「な、何が…」
「た、隊長!!真霧副隊長の戦車が爆発!!」
その瞬間まほは意識を失いかけた。しかし、まほは戦車を真霧の捜索に回させた。
「真霧の捜索に移る!前進しろ!」
(生きていろよ…真霧)
それから丸一日探したが真霧は発見できなかった。そして黒森峰は十連覇を達成したが皆浮かない顔をしていた。そして学園艦に戻り、部室で真霧の遺書が見つかりそれを読んでいると部室に真霧の戦車に乗っていた隊員達とエリカが現れた。
「西住隊長、これを」
そう言ってエリカが真霧から渡されていた帽子をまほに差し出した。
「これは…」
「真霧副隊長から預かった物です」
「私達はこれで」
エリカ達は真霧の帽子を手渡すと部室を足早に退出した。
「真霧…うぅ…」
まほは真霧の帽子を握りしめ、泣いているしか無かった。
まほsideout