『戦車道隊長、ラウ・ル・クルーゼ大尉及び副隊長、伊川偲少尉は至急理事長室に出頭してください。繰り返します。戦車道…』
真霧が戦車道部隊で練習をしようと向かっていると急にデュランダルから呼び出しがかかった。真霧と副隊長をしている伊川偲中佐だ。
ん?何で階級があるかって?…うちの学園ってなんか軍隊を元にしてるからそれで決まるんだってさ。…まぁ、階級呼びは一応あるってだけで皆あんまり使わないんだがな。
「隊長、議長が自分達を呼ぶなんて何かあるんですかね?」
理事長室に向かっていると偲が後ろから話しかけてきた。
「さぁ、だがデュランダル議長の事だ。何かは、あるだろうな」
「面倒なことじゃなければいいがな」
「ですね…」
そこには同情する。この戦車道もアイツが起こした事だからな…
そうこうしているうちに理事長室についた。そして真霧が扉をノックする。
『誰かな?』
「戦車道部隊隊長、ラウ・ル・クルーゼ大尉です」
「同じく戦車道副隊長、伊川偲少尉です」
それから中からの返事を聞くと真霧達は理事長室に入っていった。
「「失礼します」」
「やぁ、待っていたよ」
デュランダルが椅子に座りながらそう言ってきた。それを横に真霧は理事長室のソファーに腰かけた。
「で、デュランダル議長。何用ですかな」
そう言うとデュランダルは偲と真霧に一枚の資料を渡してきた。しかもその内容はある戦車道のある女学院の資料だった。真霧は軽く嫌な予感を感じつつ質問した。
「…デュランダル議長?まさかとは思うけどこれは?」
「その資料の女学院と鈴創学園戦車道部隊は5対5の殲滅戦形式で練習試合をしてもらうよ、ラウ」
それを聞いていた偲が横から叫び、反論した。
「デュランダル議長!!無茶ですよ!だいたい先月できた戦車道部隊が全国大会常連で強豪の聖グロリアーナ女学院に敵うとお思いか!!」
「大丈夫だよ。我が学園の隊長殿は聖グロとの試合経験があるからね」
「隊長は聖グロと戦った事があるのなら相手の悪さは分かりますよね!」
偲はそう言って説得しようとした。が、真霧には一歩及ばない。
「大丈夫、どうせデュランダル議長の事だから全国大会常連の力を見てこいよって事だよ。だろ?」
「ああ、さすがはラウだな。まぁ、負けたら負けたで技術が学べてもしも勝ったら自信と技術が得られるからね。一週間後だ。頑張ってくれよ」
それを聞いて偲は前も後ろも塞がれているとわかり、肩を落とした。それから真霧は理事長室を後にし、戦車道部隊隊員に話にいくのだった。