素人ですが頑張っていきます。
1.男とは、女に惚れて半人前、女を手に入れて一人前である
一つの出会いがその後の全てを決めるのなら
一つの違いは、その後の全てを変える………
これはもしも
この世界に彼が
彼らが存在したら
そんなお話
「Zzz………Zzz………じゃんぷはもえるごみでもいいはずだ………だってよんだらなんかもえるもん……Zzz……」
「全く君は……ほら、もう昼休み終わるよ」
「……Zzんぁ?」
浅倉総介《あさくら そうすけ》は腐れ縁と思っている大門寺海斗《だいもんじ かいと》に起こされた。昼休み、通っている高校の屋上で愛読書の『週刊少年ジャンプ』を顔にかぶせて心地よい眠りについていたのに、隣にいた男によってそれは終わりを告げられる。
まぶたを開き、眠たげな目で自身の至福の時を終焉へと導いた犯人を見遣る。
星のように輝く銀髪、
アイドルのように整った顔立ち、
何頭身あんだよという高身長、
大学生と間違われてもおかしくない大人な雰囲気、
穏やかな口調、
多分こいつ『アイドリッシュセブン』に出てたんじゃね?と思われる程の美貌を辺りに撒き散らかしている。とりあえず、総介はこう言った。
「死ね」
「起きて始めにそんな事を言うのは君ぐらいだよ」
「じゃあ爆発しろ」
「どうやって⁈」
「親父さんにダイナマイト買ってもらって火点けて抱きかかえたままイッちまいな」
「一本だけ君の口の中にも突っ込んでからにするよ」
「やめろ殺すぞ」
こんな物騒なことを目の前のイケメンに容赦なく言い放つ総介だが、さすがに昼休みの終わりと聞いては起き上がるしかなく、「どっこいしょ〜いちっと」と寝て硬くなった体を起こして、海斗と並んで教室へと戻る。
あまりセットされていない無造作な髪に、目元が隠れるほどの長さの前髪
彼の横顔の表情を隠す黒縁眼鏡
顔立ちや身体は細身で、これと言った特徴もなく
常に気だるげで、眉から離れた目元
周りと比べると高い身長も、海斗の横では小さく見えてしまう
カッターシャツの上に着ている黒いパーカー
それが総介の普段の出で立ち、要は見た目は完全に『陰キャ』である
『陰キャ』である
「お〜い何で2回言った〜?っていうか、なんか俺らの紹介格差ありすぎじゃね?主人公俺なのに海斗の方が主人公ぽくね?」
「メタ発言はほどほどにしときなよ。しつこ過ぎたら読者に飽きられちゃうからね」
「構うもんかよ。こちとら作者の趣味で作られたオリキャラなんだ。どうせなら好き勝手言いまくってやらぁ」
「………もう僕は何も喋らないことにするよ」
のっけから世界観ぶち壊しの会話しかしてない二人。こんなんでこの作品本当に大丈夫なのだろうか………
「そういえば、面白い情報をクラスの友達から聞いたんだけど」
教室へと戻る道すがら、海斗は思い出したかのように言う。
「ん?」
「近々違うクラスに転校生が来るらしいよ
それも5人」
「5人だぁ⁈随分大所帯じゃねーか」
総介もさすがにその5人の多さには驚く。
「それが、その転校生達はみんな『きょうだい』らしいんだよ。要は五つ子」
「……………何それ?どこの『おそ松くん』?いや、今は『おそ松さん』か?」
「まあまあ、そう思うのも無理はないよ。五つ子なんて珍しいからね」
「……………全員横並びにさせて『シェーー!!』てさせてみてえ」
「それはイヤミだよ……」
「ま、俺らの教室にはこねーんだろ?だったら関係ないだろ?情報としちゃおもしれーけど」
「まぁね。配属されたクラスも、僕たちのいるクラスだけには来なかったみたいだし、出会う機会も少ないだろうね」
「じゃーいーや。すぐ忘れるだろ。」
総介の無関心な態度に、海斗も毎度の事ながら呆れてしまう。昔からこうだ。彼は自分に関係無いと判断したらすぐに関心を示さなくなるし、すぐに忘れる。
「全くきみは……そうだ、斎藤君がまた、君に教えてもらいたい所があるって言ってたよ」
「斎藤?あいつこの前日本史のやつ教えたばっかだろ?」
「それが国語でも教えてほしい場所があるんだって。是非君に!とも言ってたよ」
「ったくよ〜。世話焼かせやがって……」
それでも、優しい。口では文句を垂れつつも、彼に関わって来る少ない人に対してはちゃんと対応する。これは最近になってから、かな?
浅倉総介と大門寺海斗は、幼馴染である。2人の出会いは、10年以上も前で、それ以降は小、中、高校に至るまでずっと一緒にいた。彼らがで汚い言葉で冗談を言い合えるのが、どれほど長く共にいたか証明できよう。男女問わず人気者の海斗と、あまり人との接触をしない総介。別々の道を歩んでそうな2人が、今こうして並んで歩けているのも、腐れ縁としての性なのだろう。それとも、互いが内心ではそれなりに信頼し合っているからか………
キーンコーンカーンコーン
「やっべ、予鈴だ!先急ぐぜ海斗!」
「あ、ちょっと、総介!………もうホント君は」
予鈴を聞いた途端、猛ダッシュで教室へと戻る総介。あんな風に見えて、遅刻や欠席をほとんどしたことが無いのだ。ずぼらな見た目に反して、結構律儀だったりする。しかし、もう1人をあっという間に置き去りにして1人教室へ戻るのはどうなのか………
そんな海斗の思いもすぐに消え、走りながら教室へと戻る。今日も今日とていつも通りの午後を過ごしていく2人なのであった………
チャリーン、チャリーン、ポチっ、ガコン
「…………は?………」
翌日、総介は授業の休みの合間に自販機の前に来ていた。目的は、彼がソウルドリンクと勝手に言っているコーラを買うためである。何のことはない。ここの自販機でコーラを買った回数、計148回。彼からすれば、いつも通りの流れ作業だった。
いつもと同じ自販機で、
いつもと同じ金額を入れ、
いつもと同じボタンを押し、
いつもと同じ赤い缶のジュースを飲む。
それが今回、出てきた缶の色が………緑色………缶を回してみればそこにはこう書かれていた
『抹茶ソーダ』
「…………………」
いや待て、何これ?何コレ?ナニコレ!?
抹茶ソーダってなに!?そんなもんあんのかよ!?何だよ抹茶なソーダって!?抹茶をソーダで割ったってか!?割り切れねぇよ!抹茶も俺の気持ちも割り切れねぇよ!
ボタンはいつもの場所を押した。なのにコーラが出てこない。ふとコーラならボタンの場所を見ると、隣には『抹茶ソーダ』が、(総介にとっては)これ見よがしに並んで立っていた。そして、その抹茶ソーダとコーラのボタンには、仲良く『売切』の文字が表示されていた。
つまりだ、コーラはもう飲めないのである。
(冗談じゃねぇぞー!こちとらお前にどんだけ貢いでやったと思ってんだ!?それの見返りがコレか!?恩を仇で返すってか!?なんて恩知らずなんだこのクソ自販機!!てめえ、もう買ってやらねーからな!!今度からは別の自販機で買ってやらぁ、別の自販機とランデブーしてやらぁ!……チクショー!どうすりゃいいんだコレ!いつもこの時間に愛しのコーラタイムだったのによぉ!こんな飲んだことねぇジュースでどうやって昼まで我慢すりゃぁいいんだヨォォォ!!!?)
言葉には出さないものの、頭を抱えて身悶えする総介。彼にとってコーラとは癒しであり、正義なのである。
「……ねぇ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛………………はい?」
絶望に伏していた総介に、背後から声をかけられた。
「……どいてほしい」
「あ…………はい、すんません」
どうやら自販機の前にいたままで、邪魔をしてしまったようだ。自分に非があるため、振り向いて謝ってから自販機を譲る。どうやら女子らしいと、声である程度判断ついたのだが……
(………あれ?この子………)
見たことが無かった。この場所の自販機を使うのは、ほぼほぼ2年生だけのはず。仮に2年生だったのなら、せめてすれ違っただけでも頭の片隅に「そういやこんな奴いたな」的なことがあるものなのだが、全く覚えがない。よく見たら、制服もこの学校のものでもない。
(………あー、海斗の言ってた、五つ子の転校生か……)
総介は昨日の会話を思い返して、合点がいった。見たこともない生徒。違う制服。どう考えても転校生である。………それか、この世でないものか、ただの侵入者か………
「…………何?」
「………いや、ごめん」
総介は転校生(かもしれない)の女子生徒に謝ると横から少し見てみる。
大人しそうな雰囲気。赤みがかったセミロングの髪。顔に半分ほどかかった前髪。首にかけている青いヘッドホン。整った顔立ちに、眠たげで、あまり開いていない目元。
(………かわいいなおい)
総介のドストライクである。
ジャンプに連載されていた恋愛モノの漫画でも、「小野寺さん」とか「西蓮寺」とか、大人くて素直な子を好む総介。今目の前にいる少女は、見た目と雰囲気なら彼のド真ん中ストレートであった。と、
「………あ」
少女の指が、自販機のボタンの前で止まる。どうやら、買いたかった飲み物が売り切れていたらしい。
(………ん、売切?)
総介はその指の先を見てみる、その先には『抹茶ソーダ』のボタンが……
(…………ありゃりゃ……)
抹茶ソーダはもともと売り切れていた。こればっかりはどうしようもない。ていうか、何で最後の一本がコーラんとこあったんだよ?と考えながら、少女の方を見る。
「………………」
哀しそうな目をしていた。どうやらこの少女は、『抹茶ソーダ』がソウルドリンクらしい。総介は『好きなものは人それぞれ』という考え方の持ち主なので、少し変でもそれはそれ、と割り切っている。と、 彼は手の中にある自分の抹茶ソーダを見て、そして、
「…………はい」
「え?」
少女へと差し出す。突然のことに少し驚くヘッドホンの少女。
「最後の一本。これでしょ?よかったらあげるよ」
「…………でも」
遠慮しているのか、言い淀んでしまう少女。
「俺、コーラ買うつもりだったんだけど、コーラじゃなくてこれが出てきてさ。捨てるの勿体無いし、どうしようか考えてたら、ちょうど君が欲しがってたから」
総介は海斗と話すときのは違う優しい口調で、話しかける。元来彼は、初対面の人間に対してはそれなりに礼儀正しい方であり、増してや思春期の男子。女子に優しくしてしまうのは、当然の行動なのである。
「…………いいの?」
「いいの。さ、ほら」
「あ……」
総介は少女の手を取り、抹茶ソーダを渡す。ここで彼の弁明(言い訳)をすると、総介は合法的に女子の手を触れると思ってジュースを渡したのではない。絶対にない(笑)!!!!
「だ、だったらせめて、お金……」
少女が財布を出し、抹茶ソーダ分の料金を渡そうとする。
「いらんいらん。それに、ほら、君、転校生の子でしょ?」
「………う、うん」
「だったら、その、転校祝い?ていうの?とりあえず、そんなもんだから、お金なんてとらないよ……」
「じゃあ、せめてなにかお礼」
とりあえず理由をつけてお金を払うのを断ったのだが、それでも少女は食い下がってきたので、総介は優しく断りを入れる。
「大丈夫だって、たかだか110円程度のことだから。俺は昼に別のところで買えばいいし」
「そう………」
ようやく少女の方も引いてくれたみたいだ。これでいいだろう。かわいい転校生にジュースおごった程度のことだ。コーラは飲めないが、ちょっと良い体験をさせてもらった。またどこかであった時に話でもすれば良い。そう思った総介が、教室へ戻ろうとした時だった。
「……………ありがとう」
総介の時が止まった。
上目遣いで、顔を少し赤らめて、目を潤ませ、胸の真ん中で抹茶ソーダを両手で握りしめながら、その少女はお礼を言ってきた。
「……………ど、どういたしまして」
それは周りからすれば、だったら数秒の出来事だったのかもしれない。しかし、総介からすれば、何分にも、何時間にも感じた瞬間だった。
彼の視界には、床も、壁も、自販機も、何もかもが映らなくなった。ただ、自分を見上げてくる少女だけが、真っ白な空間の中にいた。
キーンコーンカーンコーン
「……………っ!!!!!!」
「あっ………」
チャイムが鳴った瞬間、総介は我に帰り、その場から猛ダッシュで駆け出した。少女が背後から何か言ったような気がするが、もう気にしなかった。いや、何も考えれなかった。
必死に走るが、遅れたくないからではない。顔が熱いが、熱があるからではない。心臓がメッチャ鳴っているが、走っているからではない
総介は走りながら、自身の内側から湧き上がってくるとんでもなく熱い何かに対して疑問をぶつけ続けた。
「………………何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレ何だコレナンダコレェェェェェェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!」
A.一目惚れです
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「………………………優しい人、だった…………」
オリキャラ紹介
浅倉総介(あさくらそうすけ)
高校2年
身長183cm
体重69kg
好きなタイプ『大人しくて素直な子』
長身細身、眼鏡、前髪長い、見た目は完全に『陰キャ』
大門寺海斗(だいもんじかいと)
高校2年
身長191cm
体重77kg
得意科目『全部』
イケメン、成績優秀、スポーツ万能、人が良くて社交的、実家は超大金持ちという『完璧超人』
初めて連載しようと思いました。駄文で申し訳ありません。ゆっくりとやっていきます。よろしくお願いします。