世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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20000UA、本当にありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

今回から第二章に突入です。



総介をはじめとしたオリキャラ達は一体何者なのか。
その正体は、この章で明らかになります。


第二章『好きな女のためならキャッホーしちゃうのが男って生き物』
15.銀魂好きに悪い奴はいない


 

 

 

 

 

日曜日、サンデー。

 

 

 

 

 

ジャンプでもマガジンでもチャンピオンでもない。サンデーである。あ、週刊誌じゃない方ね。ある中学テニス界の俺様部長はこう言った。

 

 

 

 

 

 

"日曜日(サンデー)じゃねぇの!!!"

 

 

 

 

 

 

 

まぁそれは置いといて、学生にとっての日曜日は、部活か、休みかのどちらかがほとんどである。

浅倉総介の場合は後者で、普段の予定の無い日曜日と同じく、朝は適当にテレビのローカルニュースを見ながら簡単な朝食を作り、 食べながらのんびり見ていた。

 

 

『〜さて、続いては本日開催される東町での花火大会の特集です』

 

アナウンサーの声に耳を傾けて自らが作ったトーストと目玉焼き、ベーコンを口へと運んでいく総介。その時、 彼のスマホが鳴った。メールだ。

 

 

「ん?」

 

 

テーブルに置いてあるそれを手に取り、タップして差出人を確認する。

 

「………♪」

 

今まで無気力そのものだった彼の表情が、一気に喜びを弾ませているような顔になる。内容を見てでは無い。差出人を見ただけで彼は一瞬でハッピーになった。画面に表示された『中野三玖』という名前だけでこれである。どれだけ彼女に惚れてるかが手に取るように分かる。

 

『おはよう。今日東町の花火大会、みんなで見に行くんだけど、もし予定が無かったらソースケも一緒に行かない?』

彼は三玖から送られてきたこの内容に即効で文字を打って返信をする。

 

『おはよう。今日は予定も特に無いから、一緒に行けるなら行きたい』

 

送信ボタンを押して1分も経たずして、返信が返ってくる。そこからはたった数分間のメールの応酬である。

 

『わかった。じゃあ16時にマンションまで来て欲しい』

 

『了解。着いたら連絡するね』

 

『わかった。待ってる』

 

「………♬」

 

何も予定のなかった日に、初恋の人物と花火大会を見に行けることにさらに喜びを弾ませる総介。普段なにを考えているかわからないと言われる彼だが、三玖のこととなるととんでもなく分かり易くなる。と、

 

『〜〜〜♪』

 

先程とは違うメロディーがスマホから流れた。電話だ。スマホを取り相手を確認した総介は、一気に顔をしかめた。画面には彼の幼馴染の名前である『大門寺海斗』と表示されていた。

 

「………」

 

切ってやろうかと思ったが、とりあえず通話ボタンを押してみる。

 

「………何の用だ?」

 

『おはよう、総介。元気かい?』

 

「じゃあな」

 

『待った待った!せめて要件くらい言わせて欲しいな』

 

「じゃあさっさと言え。くだらねー挨拶なんかすんじゃねーよ」

 

『すまないね。じゃあ早速本題だよ。今日、東町の花火大会があるんだけど、それに行く予定はあるかい?』

 

「ああ、たった今行くところが決まったところだ」

 

『………その口ぶりだと、どうやら君のお気に入りの子と行けるようだね?』

 

嫌味ったらしく言ったことが逆に海斗に答えを与えてしまったようで、彼に余裕の返しをされた総介は、怒りマークを二つほど頭に露わにする。

 

「だったら何だ?テメーとは行かねーぞ?切るぞ?」

 

『待って待って。今日は僕も父が参加するパーティに行かなきゃいけないんだ。僕は行く予定はないよ』

 

「行かねーなら何でそんなこと言うんだ?あれか?嫌味か?『庶民はタコ焼き食ってるけど僕らはフォアグラですが何か』か?ブチ殺されるか斬られるか、どっちか選べ。俺が直々に介錯してやらぁ」

 

『どっちも死んでるじゃないか……そうじゃなくて、もし君が花火大会に行くなら、君の耳に入れておきたいことが一つあって、それを伝えるために電話したんだよ』

 

「伝えること?んだよそれ?」

 

『ああ。今日の花火大会なんだけど…………。…………、…………。』

 

海斗が総介に説明を始めると、総介の表情から気だるげな雰囲気が一切消えた。眉間に皺を寄せて、真剣な顔でスマホに耳を傾ける。

 

「…………それ、本当なのか?」

 

『うん、確かだと思う。ルートもこっちに近づいてきているようだしね…………』

 

「………」

 

『君一人なら大丈夫だとは確信してるけど、誰かと行くなら気をつけたほうがいいと思ってね……』

 

「………そうか、わかった。すまねーな」

 

『いいよ。でも一応言っておくよ。気をつけて……』

 

「ああ」

 

『………でも、万が一彼女が』

 

「そんなことはさせねー。絶対にだ」

 

海斗の言葉を、総介はすぐさま断ち切った。

 

『………そうだね』

 

「ああ。………ありがとな。教えてくれて」

 

『構わないさ………健闘を祈るよ』

 

「あいよ、じゃあな」

 

その言葉を最後に、海斗との電話を切った。

 

「…………」

 

総介スマホをテーブルへと置くと、しばらく天井を見上げ、考え事に浸る。何を思っているのか、それは彼しか知らないことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16時になる5分前、総介は五つ子の住んでいるマンション『PENTAGON』までやって来た。彼は一応私服で、ズボンは学生服ではなく紺色のチノパンなのだが、相変わらず上は薄手の黒パーカーである。違うとすれば、中がカッターシャツでは無い事くらいだろう。

オートロックの前まで行き、三玖へと『エントランスまで着いたよ』とメールをする。送信して間も無く、三玖から返信が来た。

 

『ドアを開けるから部屋まで上がってきていいよ』

 

そのメールを見た数秒後に、オートロックが解除されて、ドアがスライドした。

 

(しかしまあ、こうも簡単に男を入れていいのかねぇ、あの子も……)

 

総介はそんなことを考えながらオートロックのドアを通過する。

 

三玖が自分に特別な感情を持ってくれていることは、彼女を見ていれば分かることだ。それは総介にとっては嬉しいことなのだが、こうも簡単に行き過ぎていると逆に不安になる。ドッキリとか…………いや、それは無いかさすがに……

 

(まぁ、現実なんてラブコメの作品とかと違うんだし、こんなもんなんだろうな)

 

ラブコメみたいに全員から好意を寄せられたりしないし、それに全く気づかない鈍感主人公でも無い。そこから繰り広げられる主人公の取り合いや、修羅場なんぞもってのほかだ。現実を生きている以上、恋愛というものはハマればこうも簡単に進んでいくものなのかもしれない。

 

(………普通の恋愛ってのも何だかわかんねーけど)

 

百人いれば百通りの恋愛がある。それのどれが普通なのかは、本人たちしか知らないものなのだろう。今更普通の事は?と考えたとこで、野暮な事である。

 

エレベーターに乗り、最上階へと向かっていく総介。ドアが開き、姉妹のいる部屋の前へと行き、インターホンを押す。しばらくしてドアが開いた。開いたのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい、ソースケ」

 

 

「…………」

 

 

中から出てきた三玖の姿に、総介は言葉を失った。

なぜかというと、彼女の服装がいつもと違ったからだ。

 

首元のヘッドホンはいつも通りなのだが、水色をベースに、白い二本の細い縦縞、全体にまんべんなく青い燕の模様があしらわれた浴衣姿なのだ。

 

「………ど、どうかな?」

 

総介の視線に気づいた三玖が、自信なさげに尋ねてきた。総介に見られるのが恥ずかしいのか、顔がほんのり赤い。

 

 

 

 

 

 

 

「………綺麗だ」

 

「え?」

 

「綺麗だ。本当に、凄く似合ってる」

 

「………そ、そう?」

 

「本当だよ。色も模様も、ていうか浴衣自体が三玖にあっていて、とても素敵だよ」

 

「す、素敵……あうぅ」

 

三玖は総介からの褒め倒しにあってしまい、嬉しさと恥ずかしさで顔全体を真っ赤にしてしまう。

 

(………やべぇ、綺麗過ぎて何も考えなかった)

 

総介の方は完全に口から先に本音が溢れてしまっていた。もっといい褒め方もあったはずなのだが、彼にはありきたりな言葉しか持ち合わせていなかった。しかし、三玖にとってはそのストレートな褒め言葉が、何よりも嬉しかった。ていうか、お前らさっさと付き合えやボケ。

 

「ま、まだ、みんな時間かかるから、上がって待ってて」

 

「あ、ああ。それじゃあ、お邪魔します……」

 

互いに恥ずかしさで顔を赤くしながらも、なんとか持ち直して部屋へと入る。

リビングに入ると、本当に誰もいない。どうやらそれぞれの部屋で浴衣を着ているのか……

 

 

「アイツらは部屋で浴衣着てるの?」

 

「うん、お互いに着付けしあってる」

 

「ほう。着物とは中々めんどくさいものですな」

 

「ふふっ、そうだね。でも、ソースケに褒められるなら、時間かけた甲斐、あった」

 

「…………」

 

三玖の言葉に、総介は再び頬を赤く染めて黙ってしまった。喜んでくれたから良かったが、とんでもなく恥ずかしいことと、自分のボキャブラリーの無さに呆れてしまう。ていうか、三玖も中々に心臓をえぐってくることを言う。

 

「花火っていつから上がるの?」

 

「19時からだって」

 

「じゃあだいぶ時間あるね」

 

「うん、だから屋台で色々食べる予定」

 

「なるほど」

 

三玖と祭りの話をしていると、階段上のドアが開く音がした。

 

「ふぅー、やっと終わったわ。三玖ー、準備でき………ってなんでアンタがいるのよ!?」

 

「あれ、浅倉君じゃん。来てたんだね〜」

 

「ええ!?浅倉さん、いつの間に!?」

 

二乃、一花、四葉が上から降りてきた。それぞれ皆浴衣姿なのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな浴衣を着てるかは割愛させていただく。

 

 

「待たんかいいいい!!!なにこの扱い!!なんであたしたちだけなんも無いのよ!?」

 

「作者がいちいち全員分の浴衣紹介すんのめんどくせーんだとよ」

 

「いやしなさいよ紹介!すれば結構な文字数稼げるはずよ!?」

 

「いやこれ以外にも書くことあるんだっての。どうでもいいことに時間割きたくねーんだよって言ってた」

 

「どうでもいいって何よ!?こんなかわいい姉妹の浴衣姿、特にあたしは需要あるはずよ!!なんせ今は三玖に次いで人気なんだからね!!」

 

「それ、てめーで言うかね………わかった。じゃあこうしよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五つ子の浴衣姿は、原作、又はアニメDVDをお買い上げの上、ご確認ください」

 

 

「いや結局手抜きじゃないの!!!」

 

「なに言ってんだよ。ちゃんと原作とアニメの宣伝してんだろうが。これで売り上げ向上したら、お前ら更に人気上がんぞ?」

 

 

「だとしても、それぞれどんな服装してんのか言わないとわかんないじゃないのよ!」

 

「ったくしょうがねーな。服装を紹介すりゃいいんだろ?じゃあこうだな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二乃はフリルのついたピンクの裸エプロン。一花はうさ耳のついたバニーガール姿。

そして四葉は真ん中に『よつば』と書かれたスクール水着の姿で、階段を降りてきた」

 

 

 

 

「大ウソついてんじゃないわよ!!!アンタ何アタシ裸エプロンにしてんのよ!!!ただの変態じゃないの!!!」

 

「メンクイの時点で変態みたいなもんだろ?」

 

「アンタの想像力の方が変態だわ!変態の極み三銃士だわ!!」

 

「………二乃、裸エプロン、俺はいいと思うぞ?」

 

「そこおおおおおお!!?よりによってアタシの名前を初めて呼ぶのそこおおおおお!?もっとシリアスなシーンとかあったでしょうがぁ!!」

 

「………じゃあ、私も裸エプロンに」

 

と、ここで三玖がまさかの参戦。

 

「三玖!?アンタまでボケに行ったら処理しきれないから!!頼むからボケはコイツだけにしてちょうだい!!」

 

「いや、三玖は白無垢姿で頼む。俺もちょいと袴の準備してくるわ」

 

「アンタはなにこのボケにかこつけて三玖と結婚しようとしてんのよ!?てかもう完全にコスプレ大会になってるわよ!!」

 

「………チッ、バレたか」

 

「………ソースケと、結婚……」

 

「私、クロールなら自信あります!!」

 

「流石に私は、そんな露出高い衣装は恥ずかしいかな〜。でも一度はやってみたいよね〜」

 

「………もういくらでもボケなさい……」

 

二乃がツッコミを放棄したところで、話を元に戻そう。ズレすぎたら修正でき無さそうだし……

 

 

 

 

 

 

 

「で、何でアンタここにいんの?今すぐ出てってくれない?今日はアタシたち予定あるの」

 

「私が呼んだ。ソースケも一緒に花火見に行こうって」

 

「はぁ!!何勝手なことやってんのアンタ!?」

 

三玖が総介を呼んだことに驚きを隠せない二乃。それに反論する三玖。

 

「別に一人増えてもいいでしょう?」

 

「いい訳ないわよ!?毎年五人で見る花火なのよ!それを、なんで今年はこんな奴入れてまで見なきゃいけないのよ!?」

 

「まぁまぁ、別にいいじゃん、人数多いと面白いし、一緒に行こうよ

 

「私も、浅倉さんと一緒に花火見に行きたいです!」

 

「あ、アンタらねぇ……」

 

一花と四葉も問題無いようだ。とここで、総介が気づく。

 

「………あれ、そういや、肉まん娘がいねーな」

 

「………五月は、フータローの家」

 

独り言のつもりで言ったが、三玖には聞こえていたようだ。

 

「上杉?あいつも誘ってんのか?」

 

「違う。五月は、フータローにお給料を渡しに行ってる」

 

「………ああ、なるほどね」

 

そういやアイツ、金もらって家庭教師やってんだったなと、今更ながら総介は思い出していた。ここで、一花が口を開く。

 

「それじゃあ、みんな準備できたみたいだから、行こうか」

 

「………肉まん娘はどうするよ?」

 

「五月ちゃんは後で合流することになってるからね〜」

 

「あっそ」

 

「浅倉さん!私、射的すごく得意なんですよ!勝負しませんか!?」

 

「ああいいぞ。とりあえずてめーの脳天ブチ抜けば100点な」

 

「こ、怖いですぅ!!」

 

そう言い合いながら、先に一花、四葉、総介が玄関へと向かっていった。

 

「………ぐぬぬぬ」

 

そんな姉妹と完全に打ち解けた総介を見て、悔しさをにじませる二乃。

 

「二乃、諦めも肝心。ソースケは何か悪さをする人じゃない」

 

三玖がそんな彼女を見て一言物申す。

 

「………何で」

 

「?」

 

「何でアンタはアイツを信じれるのよ……」

 

「………」

 

何で?そういえば、何でなんだろう?

優しいから?でも、たまに叱る時もある。少し怖い。

じゃあ頼りになるから?でも、それは家庭教師のことだけ。他のことは全く知らない。

かっこいいから?でも、普段の彼は、やる気なさげな暗い人って言う印象。じゃあどうして彼を信じれるのか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………好きだから?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

「ちょっと?三玖?三玖ー!?」

 

「………はっ!な、何?」

 

「何?じゃないでしょ!顔真っ赤じゃないの!」

 

「………ここ暑い」

 

「冷房きいてるわよ!惚れたんか!?アイツに惚れたんか!?」

 

「早とちりは良くない」

 

「どー見てもそーとしか見えないわ!」

 

「ちゃうちゃう。ほんまに、ほんまに」

 

「なぜに関西弁!?」

 

「さ、花火見に行こー」

 

「あ、ちょっ、待ちなさいよー!!」

 

結局、三玖から肝心なことは何も聞けずじまいだった二乃も、慌てて玄関へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花火大会へと向かう途中、総介は一花と四葉と話をしていた。彼とて何も三玖とばっかり話をしているわけではない。友好的な四葉や、話題を振ってくる一花ともそれなりに話はする。

 

 

「そう言えば、浅倉君は何かテレビとか見たりしないの?」

 

「見ててもほとんど流してるな」

 

「ドラマとか見ないの?」

 

「あんまりだな。ニュースとかをずっと流して聞いてる」

 

「………へえ、そうなんだ」

 

一花が何かを含んだかのような返事をする。何だ今の間?と思ったが、間髪入れずに次は四葉が話しかけてきた。

 

「アニメとかは見てないんですか?」

 

「銀魂の放送は全部見てる」

 

「銀魂ですかー!あれ面白いですよねー!」

 

「お、まさかあれを見てる女子高生がいるとは、わかってんじゃねーか」

 

四葉、まさかの銀魂を見ているということが判明する。それに反応しない総介ではない。

 

「私は神楽ちゃんが好きなんですよー!可愛くて、強いところとか、凄く憧れます!」

 

「なるほど、神楽に憧れたから、アイツみたいに頭がバカになっちまったんだな」

 

「ヒドイですっ!!」

 

涙目でツッコむ四葉。

 

「それにしても四葉、今度神楽のコスプレでもしたらどうだ?地味にそっくりだぞお前?」

 

「そ、そうですかね?……えへへ」

 

四葉が頭に手を置いて照れ笑いするが

 

「ああそっくりそっくり。バカさ加減がまるで瓜二つだわ」

 

「やっぱりヒドイです!!!」

 

総介の一刀両断により再び涙目でツッコミを入れる。すると、一花が何かを見つけたように前方を指差した。

 

「あれ、五月ちゃんじゃない?フータロー君もいるよ」

 

「あ、ホントだ!おーい、五月ー!上杉さーん!」

 

二人を呼んだ四葉だったが、それに反応したのは、五月でも風太郎でもなかった。その後方にいた小さな少女が振り向いて、こちらを指差した。

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん。五月さんが四人と、変な人がいる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(変な人って俺?)

 

総介、地味にショックを受ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

風太郎が振り向くと、そこには四人の浴衣姿をした残りの五つ子の姉妹と、何故か自分が家庭教師の助っ人を頼んだ人物が一緒にいた。

 

 

 

 

 

 

 

「お、お前ら!?浅倉まで……何で……」

 

 

そう言い合いながら状況を把握出来ていない風太郎を尻目に、総介は少女と風太郎を交互に見たあと、こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上杉…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なに女子小学生誘拐してんだよ?犯罪だぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んな訳あるかぁぁぁああああ!!!!

 

 

 

 

 

 

風太郎のシャウトが辺り一面に響いた。

 

 

 

「集まったし、早くお祭り行こうよ」

 

それに対してマイペースな三玖

 

「デート中にごめんねー」

 

何を勘違いしてるのか、それともからかっているのか一花。

 

「五月!なんでそいつといるのよ!」

 

二人に噛み付く二乃。

 

「………ところで、このお嬢さんは誰なんだ?」

 

と、総介はオーバーオールを着て、頭頂部の髪を小さなリボンで縛った少女を見ながら聞く。と、彼女の方から口を開いた。

 

 

「はじめまして!私は上杉らいはです!お兄ちゃんの妹をしています!」

 

そう元気よく自己紹介すると、少女、らいははお兄ちゃんこと風太郎に抱きついた。風太郎も彼女の頭を撫でる。

 

「妹………………妹?」

 

総介が信じられないような目で、二人を見る。

 

「え、この子が?コレの?妹…………え、コレが兄で、この可愛い子が妹?……え、コレ?コレ兄貴?………え?コレ?」

 

 

「コレコレコレコレうるせぇぇぇぇ!!!!」

 

 

再びシャウトする風太郎。しかし、総介は未だ信じられないようで、

 

 

「イヤイヤイヤイヤ、無い無い!こんな可愛い子の兄貴が、こんな目つき悪いガリ勉野郎なはずない。アレだよ。あったとしても遺伝子の誤作動だよ。なんか悪い感じにDNAの配置が間違って生まれちまったのがコレで、正常に機能して生まれたのがこの子だよ!うん、そうだ!そうに違いない!コレは完全な失敗作だよ!」

 

 

「なんでこんなにボロクソ言われなきゃいけないんですかね、俺?泣いていい?泣いていい?」

 

風太郎は泣きそうになりながらも静かにツッコむ。

 

「あははは、面白い人〜!」

 

一方、らいはには総介の印象は悪くないようだ。

 

「………もう泣くわ」

 

そんな風太郎を無視して、四葉がらいはの前にかがむ。

 

「わー、上杉さんの妹ちゃんですか?これから一緒にお祭りに行きましょう!」

 

「あっ!」

 

四葉がらいはも一緒にと誘う。どうやら子供好きなようだ。

 

「でもお前ら、宿題は……」

 

「………ダメ?」

 

風太郎が余計なことを言うが、らいはが振り向き、涙目で兄に訴える。

 

「もちろんいいさ」

 

妹に勝る兄はなし。今ここに新たな格言が誕生したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時まで勉強のことかよ。空気読め、コレ」

 

 

 

 

 

「だからコレじゃねぇぇぇえええ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から、完全なオリジナル展開となります。そのため、一花の話はほとんど飛ばす予定ですので、悪しからず。




今回もこんな駄文を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!
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