世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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銀魂完結…………本当の本当の本当に完結………





空知英秋先生、長い間、本当にお疲れ様でした!


そして今回の最後、人によっては不快になる描写がございますので、ご注意下さい。


17.(わら)う門には鬼来たる

総介と三玖は不良集団から辛くも逃げ切り、総介の体力の回復と、三玖が落ち着くまでの間、2人はベンチで休んで過ごしていた。

 

 

それまで抱き締め合っていた2人は、ハグこそ解いたものの、肩をくっつけあい、三玖は頭を総介の肩の上に寄せて乗せている。そして2人の手は、自然と握り合う形となっていた。側から見ればどう考えてもラブラブな恋人同士である。

しかし三玖は体の震えは止まったとはいえ、総介が握る手がまだわずかに震えていた。

逃げ切ったとはいえ、不良たちを挑発し、そのうちの1人をアッパーカットでノックアウトさせたのだ。メンツを潰された奴らは必ず復讐のために総介を血眼になって探しているに違いない。ああ言う連中は、自分の顔に泥を塗られることを人一倍嫌う奴らだ。メンツを汚したものはどんな奴だろうと容赦はしないだろう。

それらのことを考えているのか、三玖の顔から未だ不安の色は拭いきれず、総介は険しい表情のまま周りに対して警戒を一切怠っていなかった。

 

 

 

 

「………ねぇ、ソースケ」

 

「どうしたの?」

 

 

黙り込んだままの空気が嫌だったのか、三玖が口を開く。

 

 

「ソースケって、喧嘩とか強いの?」

 

三玖が肩に頭を乗せたまま、ソースケに尋ねた。

 

 

「…………どうして?」

 

「だって、さっきの人たちが殴ってくるのを避けて、1人倒してたし、走るの凄く速かったから、強いのかなって……」

 

「…………」

 

その問いに総介は黙り込んでしまった。何かを考えるように少し目を閉じた後、再び開いて話を始める。

 

「……………道場に通っててね」

 

「道場?」

 

「うん、まあ、護身術の道場かな?主に剣術を教わる場所だったけど、基本的な格闘術もちらほらやってたから………小さい頃に、そこに入って、鍛えてたんだ……」

 

「……剣術って、剣道の?」

 

三玖が剣術に興味を示したのか、さらに聞いてきた。戦国武将好きの彼女らしいことなのだが、総介からすれば今回はあまり深く聞いて欲しいことではなかった。

 

「………うん、基本剣道だけど、………俺が銀魂が好きって言ったっけ?」

 

「うん、さっき四葉と話しているのを聞いた」

 

先程の四葉との会話を思い出してから、総介は話を続けた。

 

「その漫画を小さい頃に、初めて読んでから好きになってね。子供ながらに刀でチャンバラするシーンと、何より『普段はダラけたちゃらんぽらんでも、決める時は決める主人公』に憧れて、自分もこんな風になりたいって思って、親に駄々をこねて道場に通わせてもらったんだ。そこで、今でも付き合いのある腐れ縁とも出会って、そいつと鍛え続けてたけど、互いに中学卒業を機ににやめちゃった……」

 

 

「そうなんだ……」

 

総介にとって『銀魂』は、今の自分を作り上げたきっかけであって、彼にとって『坂田銀時』という男は、幼い頃からの憧れなのだ。ちょうど子供たちが戦隊ヒーローや、虫の仮面を被ったライダーに変身するヒーローを見るような目で、彼は漫画を見て、アニメを見て、その世界の侍たちに思いを馳せていた。

見るだけでは飽き足らず、自分も銀時のような強くて皆を守れる男になりたいと、たまたま道を通ったところにあった道場に入ったことが、幼馴染みの大門寺海斗との出会いにも繋がった。銀時の背中を追うあまり、銀髪にもしたいと思った時期もあったが、天然物の銀髪持ちの海斗が側にいたため、そちらは譲ることにしたのは別の話。

 

 

「ま、そんな感じで、道場で鍛えてた成果が今回あのブタ野郎をぶっ飛ばす形で現れたってわけ。はい、話終わり!」

 

少々強引だが、総介はここで話を切ることにした。これ以上は流石に話したくないし、話せない(・・・・)……。

 

 

「これ以上はいくら三玖でも喋らないよ。ていうか、人の過去はそう簡単に語るもんじゃないし、聞くもんでもないよ?」

 

「………わかった」

 

なんとか諦めてくれたようだと、総介は内心安堵した。

 

 

 

………………………

 

 

 

 

「………花火、終わっちゃった」

 

「………ごめん、本当に……」

 

2人がこのベンチに腰掛けた頃には花火はクライマックスとなっており、抱き合ってすぐに花火は上がらなくなった。

 

「毎年五人で見るって言ってたのに、今年は三玖だけはぐれちゃって………なんと言ったらいいか……本当に申し訳ない……」

 

他の4人がどうなったのか分からないが、少なくとも三玖が一人いない状況に変わりはない。総介は彼女から花火への思いを聞いていた分、一層申し訳ない気持ちになってしまい謝罪をした。

 

「…………いいよ、ソースケのせいじゃないから」

 

「………でも」

 

「ソースケがいなかったら、私は一人になってたし、あの人たちから逃げられなかった。……でも、ソースケがいてくれたから、足も手当してくれた。守ってくれた。それに………」

 

そこまで言って、三玖一旦言葉を切ってから、話を続けた。その時、若干彼女の頬が赤くなった。

 

「………少しだけど、ソースケと花火、見れたから……」

 

総介が三玖を背負って手当をするために歩いていた時、ちょうど花火が打ち上がり始めた。あの時、ソースケは早く三玖を手当して合流することを考えていたのだが、三玖は別のことを考えていた。

 

 

『もう少し、ソースケと花火を見たい』

 

 

もちろん、皆で集まって花火をみるのが一番だったのだが、初恋の人と2人で花火を見れる……それだけでも三玖は充分だった。

 

「………ありがとう」

 

三玖の優しさに、総介は礼を言うことしかできなかった。それを三玖は、彼を最初から責める気などさらさらなかった。

 

「ううん、私も助けてもらったから………ねぇ、ソースケ……」

 

三玖は総介と握り合っていた手を動かし、指の間に入れて握り合う形へと変えた。総介もそれに合わせて指を動かし、自分と比べて彼女の小さな手の指と絡める。よく道を歩くカップルがしている『恋人繋ぎ』の完成である。この繋ぎ方が何故恋人繋ぎと言われるのか、それは、一度握り合ったら、この繋ぎ方では簡単に離れないのである。息を合わせて互いが力を緩めない限り、片方が握り続けていれば、恋人同士が離れることができない故に、『恋人繋ぎ』と呼ばれるているんじゃないかなぁ?まぁ知らんけど……

 

「………三玖……」

 

彼女が握り方を変えてきた理由を、総介はなんとなく察していた。それを止めようとしなかったのは、同じ想い故なのかもしれない。もう彼の中でも、覚悟は決まっていた。

 

 

 

 

 

 

彼女が頬を赤くしながら、想いを告げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私ね………ソースケが」

 

 

 

prrrrrrr♪

 

 

prrrrrrr♪

 

 

 

 

「……………」

 

「……………」

 

 

 

……と言う場面で、電話である。

 

 

 

「………電話だね」

 

「………うん」

 

 

三玖のスマホが鳴り響いている。おそらく、というか間違いなく姉妹からの電話だろう。花火が終わっても合流できない姉妹を心配しているのも無理はない。

 

仕方ない、と、総介は握る手を離そうとしたが、三玖は全く緩めなかった。それどころか、更に強く握ってくる。

 

「………ダメ」

それを言う彼女は、真剣な表情で総介に訴えかけた。まだ、離れたくない、と。その想いは総介にも届いたのだが、これではスマホをどうやってとるのか……

 

 

と思っていたら、三玖は器用にも空いている方の手で、体を捻らせてスマホを取り出した。そして、片手でタップし、電話へと出る。

 

「………もしもし?」

 

『三玖!?やっと出た!あんた今どこにいるのよ!?』

 

 

甲高い声が、総介にも少し聞こえた。二乃だ。こう言う時は決まって彼女な気がする。

 

 

 

「二乃、落ち着いて。これから話を」

 

『あいつに連れてかれたの!?せっかくみんなで見る花火だったのに、信じられない!アイツ三玖を独占したかっただけじゃない!!あの男!』

 

完全に俺が三玖を独占しようとわざとはぐれたと誤解している。全く短気ってもんは怖いねぇ。

 

「だから違うの。話を聞いて」

 

『許せないわ!!アイツ今いるんでしょ!?今すぐ代わって!!今日という今日は怒ったわ!!アイツにガツンと』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二乃!!!!!」

 

『っ!!!!』

 

「っっ!!!!!」

 

今まで聞いたことないような、三玖の大きな声が辺りにこだました。

その衝撃に総介もビクンっと少し跳ねてしまい、電話の向こうの二乃も、普段三玖が発さないような怒鳴り声に黙り込んでしまった。

 

「………話を聞いてって何度言ったらわかるの?」

 

『……わ、わかった。わかったから怒らないで……』

 

「怒らせたのは二乃でしょ?」

 

『う、ご、ごめん。いや、ごめんなさい……』

 

完全に縮んでいるのが電話越しでもわかる。三玖の表情も、勝手に早とちりして勝手に話を進めた二乃に対してイラついていたのが爆発したようだった。まあ彼女の場合、総介への告白を邪魔されたという理由の方が大きいが………

 

(………三玖を本気で怒らせるのはやめよう)

 

総介は一人、心の中で密かに誓った。大人しい子が本気で怒ったら、マジ怖いですはい………

 

 

 

 

 

 

それから、三玖は事の経緯を順を追って説明していった。足を踏まれて総介に手当てを受けた事、連絡しようとした途端に悪質な集団ナンパにあった事、総介が自分のために自分を担いで逃げ続けてくれた事、そこまでを事細かに説明した。二乃は怒鳴られたせいか、三玖が説明を終えるまで黙って聞いていた。

 

 

「………だから、ソースケは私を助けてくれた。ソースケがいなかったらどうなってたか、わからない……」

 

『………三玖、ソイツに代わってくれない?』

 

「二乃、だから」

 

『違うの。ちゃんと別に言いたいこと、あるから……』

 

「………」

 

三玖は少し考えたが、姉妹の言うことを信じて総介へとスマホを差し出す。

 

「二乃が代わってって」

 

「俺に?」

 

「多分、変なことは言わないと思う……」

 

「…………」

総介は自分を一番嫌っている二乃のことだから、何か文句でもあるのかと一瞬思ったが、三玖の口ぶりからすると、どうやら文句ではないようだ。それを信じて、空いている方の手でスマホを受け取り、耳に当てた。

 

「…………代わったぞ」

 

『………三玖に怪我なんてさせてないでしょうね?』

 

「足踏まれたとこ以外は無傷だ。連中も撒いたが、そっちにいる可能性もある。変な奴らは見てないか?」

 

『見てないわ。ていうか、さっきからパトカーが凄く通ってんだけど、アンタ警察呼んだ?』

 

「パトカー?いや、俺は通報してない」

 

『なんでも、逃げる男女を追いかける10人近くのヤンキーがいたって通行人が話をしてたわ。これアンタ達じゃないの?』

 

「…………それ、俺らだわ」

 

総介は思考を回転させて、ひとまず結論を出した。

自分が三玖を抱えて人混みを利用して逃げてたところを、ただ事ではないと思った見知らぬ一般人が通報したようだ。その影響か、今二乃たちがいるところには、不審な連中は現れていないようだ。これは助かる。

 

『やっぱりね……三玖から話を聞いて、まさかとは思ったけど……本当に逃げ切れたんでしょうね?』

 

「めちゃくちゃややこしい道や、人混みを存分に利用したからな。オマケに警察が出てきてるんじゃ、表立った行動は出来ねーだろうよ」

 

『………じゃあ、本当にアンタのせいじゃないのね……』

 

「三玖がそう言うんなら、そうだろうな」

 

『………一度しか言わないわよ………』

 

「は?」

 

二乃はその後に、少し黙り込んでから、おそらく二度と総介に言わないであろう言葉を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……………ありがとう…………三玖を守ってくれて………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを総介は黙って聞き返事の代わりにこう言った。

 

 

 

 

 

 

「…………俺からも一度しか言わねーぞ。耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すまなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………もういいわよ。アンタのせいじゃないんだし……』

 

その言葉を聞いた瞬間、

 

「そうだな!俺のせいじゃないもんな!おめーが姉妹に店の場所教えてなかったのが悪いんだよな!よし、今回は全部お前のせいってことで!」

 

総介は一気に真剣な顔をほぐして、下衆な表情で全ての責任を二乃に押し付けた。

 

『なっ!?ふざけんじゃないわよ!?アンタだって三玖にベッタリついてたくせに、全然違う場所行ってたじゃないの!!』

 

「あれは人混み抜け出すためですぅ!ついてこなかったお前のせいですぅ!」

 

嫌味ったらしく言う総介に、二乃はブチ切れた。

 

『ムキャーーー!!アンタってホントにクソみたいな奴ね!!やっぱ反対!!三玖をアンタなんかに渡すもんか!!』

 

「それは三玖が決めることですぅ!お前が決めることじゃありましぇ〜〜ん!!」

 

『ムカつくーーー!!!殺す!!アンタいつか絶対殺してやるーー!!』

 

電話越しで和解かと思ったが、総介により一気に元の口喧嘩をする仲に戻る2人。

なんだかんだでそう言う距離感が好きなのだろう。二乃も先程とは違い生き生きした声で怒鳴っていた。

 

「…………ほい、あとは三玖がよろしく」

 

総介はスマホを三玖へと返す。

 

「え?……もういいの?」

 

「うん、俺とアイツはこれがちょうどいいから……」

 

「………ふふ、変なの」

 

クスリと笑いながら、三玖はスマホを受け取った。

総介にとっては変に仲良くなるより、二乃と口喧嘩してる方が面白いのだ。

 

「もしもし、代わったよ。…………うん………うん………その公園にいるの?………わかった………じゃあそっちに向かうね……それじゃあ」

 

しばらく二乃と話をして、三玖は通話を切った。

 

 

「家から近くの公園に、みんないるって」

 

「そうか。待たせるわけにはいかないからね。行こうか」

 

「うん………」

 

2人は立ち上がり、二乃と集合する公園へと歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手を繋いだまま……だったのだが

 

「…………あ、あの、ソースケ」

 

「ん、どうしたの?」

 

「…………手」

 

「手?……あ、ああ!ご、ごめん!!」

 

さすがにこのまま公園についてはまずいと思い、一度離すことにした。よくよく考えたら、電話してる時も握り合ったままだったことを思い出し、顔を赤くする2人。ホントなんで付き合わないんだおめぇらよぉ?あ、二乃の邪魔があったからか。なら仕方ない。

 

 

「…………行こうか」

 

「…………うん」

 

互いに手を離しながらも、ピタリと横にくっつきながら歩き出す2人。もはや結ばれるのは時間の問題であった。

 

 

 

 

 

ていうか、とっとと結ばれてください……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総介と三玖が公園まで歩いている道中、二乃の言ってた通り、パトカーが何台も通っていた。どうやらあの連中は警察も必死で探しているようだ。被害も相当出ているのだろうか?……いずれにしても、こうして警戒が続いていると、奴らも下手には動けまい。

 

 

「あれだけパトカーが通ってたら、会うことはなさそうだね」

 

「うん、安心……」

 

そう話していると、目的地の公園へとついた。

 

 

 

 

「あ!三玖!!」

 

二乃が最初に気づいた。急いで三玖へと駆け寄ってくる。

 

「え!本当?よかった〜!大丈夫?」

 

「三玖ーーー!!!」

 

「心配したんですよ、もう!」

 

一花、四葉、五月も続いて駆け寄ってきた。四葉に至ってはよほど心配だったのか、いの一番に抱きついた。

 

「ちょ、四葉。大丈夫だから。何も無かったから」

 

「だって、三玖に何かあったらって思うと……私……わだじ……」

 

遂には泣き出す始末である。

 

「大丈夫。ソースケが助けてくれたから」

 

「浅倉君が?」

 

「…………意外です」

 

おいコラ肉まん娘!人を見た目で判断するんじゃありません!

 

「フン!礼はもう言わないんだから!一回だけだからね!」

 

はいツンデレのテンプレ乙。

 

「へぇ〜、そうか〜。やるじゃん、浅倉君♪」

 

一花が総介の肩をパンパンと叩いてくる。というか気になった点が一つある……

 

「……それはそうと、何で着替えてんだ、長女さん?」

 

今この場において、浴衣姿でない姉妹は一花だけであった。

 

「いや、これは……色々あってね」

 

「…………あそ」

 

これ以上聞くのも野暮なので、聞かないことにした。

 

「ところで、上杉はどうした?」

 

「ああ、フータロー君なら、あそこ」

 

そう言って一花が指差した先には、ベンチに座り、妹に膝枕をして優しい目を向ける風太郎の姿があった。

 

(………なるほど、あの時の顔は妹の……)

 

少し前のことを思い出しながら、総介は風太郎へと歩いていく。後ろで「よーし、みんなで花火しよう!」と、四葉がらいはのために買った手持ち花火を取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ」

 

「……浅倉」

 

「悪かったな。はぐれちまって」

 

「いや、それはいいんだ。理由も二乃から聞いたし、俺と一花もさっき来たとこだから」

 

「一花?お前長女さんと一緒にいたのか?」

 

「あ、ああ。色々あってな……」

 

風太郎の薄い反応と、一花の先ほどの反応で、総介は察した。『この2人は何か隠している』と……

 

「…………上杉、お前もしかして長女さんとヤンキーどもに絡まれてないよな?」

 

「ち、違う!俺たちはそんなのとは会ってないし、絡まれてもない!ただ、別のことがあっただけだ……」

 

「別のこと………ならいいんだが」

 

風太郎は総介のあっけない態度に顔を上げた。

 

「き、聞かないのか?」

 

「お前らがあのブタどもに絡まれてなきゃそれでいい。それ以外の陳腐なナンパならどうにかできるだろ?」

 

「ぶ、ブタども……」

 

総介の辛辣な言葉に少し動揺する風太郎。彼は前回、総介に冷たい目で見られてからこの調子でであった。集団での彼との会話なら問題ないのだが、一対一だとどうもぎこちない。

 

「気をつけろ。やつらは10人単位でくるから、囲まれたらおしまいだぞお前。せめて妹はちゃんと守ってやれ」

 

「あ、ああ。気をつける…………なあ、浅倉」

 

風太郎は総介に、ずっと聞きたかったことを聞くことにした。

 

「…………なんだ?」

 

「この前のことなんだが……」

 

「ありゃ完全にテメーが悪い」

 

総介はどんなことを聞かれるのか大体予想はついていたので、即答で返した。

 

「や、やっぱ?」

 

「たりめーだろうが。三玖が任せてっつったのに、余計な節介焼いてアイツの火に油注ぎやがって。もうちょい考えてモノ言いやがれ、学年一位のくせに」

 

「うっ………す、すまん」

 

風太郎は謝るしかなかった。あの時、余計な事を言ってしまって二乃に更に嫌われてしまった自覚は自分にもあった。あのまま帰っていれば、三玖がなんとか説得してくれたのかもしれない。しかし、風太郎は残った。残った結果、総介にも飛び火する形となってしまった。

 

「ほ、本当にすまん」

 

「成績は一位でも社交性は赤点だなお前。どっかで見切りつけてやってかねーと、0か100になっちまうぞ。ある程度は踏み込んでもいいが、引くべきところは引け。そんなにポイポイ感情移入せずに、それなりに割り切った関係を築くことも、社会で人間関係を保つコツだ」

 

「…………本当に同い年だよな?」

 

「おっさんって言いてぇのか?喧嘩するかここで?え?」

 

総介がファイティングポーズを軽く構える。

 

「やらねぇっての!らいはもいるんだ!勘弁してくれ……」

 

そう言って2人は兄の太ももでぐっすり眠る少女に目を向ける。

 

「…………まあそうだな。可愛い妹に免じて見逃してやる」

 

「だろ?可愛いだろ?自慢の妹だらいはは!何がいいって兄思いなところがry」

 

「シスコン乙。さて、俺も花火すっか〜」

 

「えー……」

 

そう言って総介は、五つ子の元へとそそくさと歩いて行った。のだが、2人が話している間に、四葉がらいはのために買った花火は残りが三玖の持っている数本の花火のみとなっていた。

 

 

「早!お前らいつの間に全部やったんだ!?」

 

「えへへ、実はフライングでやっちゃってて、残ってたのがわずかだったんですよ……」

 

すみません、と四葉が謝って一花も続く。

 

「遅かったから、三玖の分だけしか残してなかったんだよねー。ごめんね?」

 

「いや、仕方ないことだが、一本ぐれーやりたかった……」

 

「…………はい、ソースケ」

 

少し落ち込むソースケだったが、三玖が自分の持っていた線香花火、ではなく、手持ち花火を渡す。

 

「三玖、いいの?」

 

 

 

 

 

 

 

「うん、いいよ。一緒に花火しよう」

 

そう言ってくれる三玖に総介はもう何回目かわからないほどに、彼女に惚れ直した。しかし、今回はそんなインパクトのあるものではない。胸の奥に、じんわり、ゆっくりと言葉という形になって浮き出てくるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『少しでも長く、この子と一緒にいたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ありがとう」

 

総介は三玖から花火をもらい、四葉の持つライターにつけてもらった。総介の花火に火が点き、一気に吹き出す。それを三玖の線香花火へと移す。すると、他の姉妹はなぜか風太郎の元へと行ってしまった。二乃はぶつぶつ文句を言いながらだが。まあ気を遣ってくれていることぐらい、2人にはすぐに分かった。ならば今は甘えよう。

 

 

「はい、三玖」

 

「ありがとう、ソースケ」

 

総介の花火から火をもらい、三玖の線香花火にも火がつく。総介は勢いのある派手な花火。三玖は控えめであるが、綺麗な形の線香花火。

 

 

 

 

 

 

「…………三玖」

 

 

「…………何、ソースケ?」

 

 

互いに花火を見ながら、話をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………待ってるから」

 

「え?……」

 

「あの時、三玖が言おうとした言葉、待ってるから。ずっと……」

 

 

 

 

 

「…………ソースケ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、さすがに我慢できなくなったら、俺から言うかもしれないよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………じゃあ、私も待とうかな……」

 

 

 

「いやそれはさすがに……」

 

 

「…………ふふっ冗談………ソースケ」

 

 

 

「…………何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………待ってて、欲しい。必ず、もう一度………言うから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………じゃあ、待ってる……」

 

「…………うん」

 

 

 

 

 

 

 

そうして、2人の花火はやがて終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園での花火を終えて、皆は五つ子のマンションまで到着したところだった。

 

「送ってくれてありがとね、2人とも」

 

一花が姉妹を代表して礼を言う。

 

「気にするな。パトカーが回ってるとはいえ、女だけで帰らせるのは危ないからな」

 

「ま、無事につけて何よりってことで」

 

「上杉さん、浅倉さん、ありがとうございました!」

 

「まぁ、食べ物は美味しかったですから、問題はありませんでしたけどね」

 

「フン!三玖を守ってくれたこと『だけ』は感謝してるわ!それ以外は嫌いだけどね!」

 

「あそ、じゃあ帰れ」

 

ムキーー!!と騒ぐ二乃を四葉が抑えてエントランスへと向かっていく。それを合図に、姉妹もぞろぞろと帰って行ったが、

 

 

 

「…………ソースケ」

 

三玖だけは、最後まで残っていた。他の皆は例のごとく気を遣ってくれて、離れて行った。

 

「…………じゃあな、浅倉、お疲れ」

 

「…………おう、お疲れさん、気をつけて帰れよ」

 

「ああ、ありがとな」

 

風太郎も、眠るらいはをおんぶしながら家路に着いて行った。

 

「…………今日は本当にありがとう」

 

「…………三玖………」

 

「…………また、来年一緒に花火、見に行ってくれる?」

 

三玖の問いに総介は、ノーと答えるはずがなかった。

 

「もちろん、三玖の綺麗な浴衣姿、また見たいからね……」

 

「…………う、うん、ありがと……」

 

 

もはや全く照れずに口説き文句を言えるようになってる総介。まじ一回爆破してやろうかコイツ?と、ここで顔を赤くした三玖が、何かに気づいたように、総介の頭を見つめる。

 

 

 

 

 

「あ、ソースケ、髪に何かついてるよ?」

 

 

「え、まじ?どっち?」

 

 

「とってあげるから、ちょっとしゃがんで?」

 

「う、うん」

 

そう言われて総介は、少し頭を下げた。三玖の手が、総介の髪に伸びて、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、頬に柔らかい感触が当たった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………み、三玖!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ふふ、ほら、とれた」

 

 

 

そう言って、三玖は右手にある小さなゴミを総介に見せた。そして顔が赤い。

 

 

「……ほ、本当にあったんだ……」

 

 

彼が少し呆気にとられていると、

 

 

 

「…………またね、ソースケ」

 

総介の言葉も聞かず、三玖はマンションの方を向いて小走りで帰って行った。あの様子なら足は大丈夫だろう。少し安心した総介は、唇が当たった頬を少し手でさする。

 

 

「…………またね、三玖……」

 

 

 

もう彼女はいないのだが、きっと届いた筈だ。総介には、不思議とそう思えた。

 

9月最後の夜、月明かりが少し赤みを帯びて、夜空を照らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、総介は途中から違和感を感じ始めた。

 

 

 

 

人の足音……それもかなりの数………

 

 

 

 

それを感じた数秒後、正面から10人以上もの男が総介に向かって歩いてきていた。だんだんと近づいていき、その集団は総介を阻むかのように止まる。

 

 

 

 

「よぉ、見つけたぞクソ野郎」

 

 

「てめぇ、ぶっ殺してやるからな、覚悟しろよ」

 

 

「泣き喚いたって許さねーぞ!今度は全員でお前を血祭りにしてやらぁ」

 

 

「あの女の場所を教えろ?じゃなきゃもっと痛い目見るぜ?」

 

 

 

 

 

先ほどのブタどもが、援軍を連れてやってきたようだ。目視で大体20人前後……ほとんどが木刀、鉄パイプ、バタフライナイフ等の武器を持っている。

 

 

 

 

 

しかし、このブタどもは根本的な間違いを犯した。数で仕掛ければ、武器で脅せば、相手はひれ伏す。考えが浅はかすぎた。

 

 

 

 

 

「…………よぉ、クソブタども。エサが欲しいのか?あいにく家畜用のエサは持ってなくてな、他をあたってくれ」

 

恐怖するどころか、余裕の表情すら見せる総介に、先ほど彼に見事にアッパーを決められたピアス男が喚く。てか、生きてたんだお前……。

 

「調子乗ってんじゃねーぞテメェ!こっちは全員で来たんだぞ!!とっとと女の場所吐きやがれ!」

 

「全員?これで全員か?」

 

「そうだぁ。ここにいる全員でテメェを血祭りにあげてやんだよ。女はその後にいただくとしようかぁ」

 

 

「おいてめぇ、10秒やるから裸んなって土下座しろ。そうすりゃ半殺しで許してやるよぉ?ギャハハハ!」

 

 

 

 

 

 

 

ブタどもの言葉に、総介はすぐさま返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、5秒やるからその糞みてぇな面とっととどけて消え失せろ。吐き気がすんだよカス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一言に、ついにブタどもがブチ切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!やっちまええええぇ!!!!!」

 

 

 

「ははぁ!!ぶち殺してやらぁぁぁ!!!」

 

 

「死ねクソやろおおおお!!!!」

 

 

 

「オタクやろおがぁ!!くたばりやがれぇぇえ!!!!」

 

 

 

 

各々が叫びながら武器を振りかざして総介へ飛びかかった。そして彼は最後に一言言って、そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………じゃあ、皆殺しだ、ブタども」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼が、嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

「…………もしもし、海斗、俺だ。昼に言ってた例の件なんだが……ああ、案の定三玖と俺を狙ってきてな。一回は撒いたんだが、んでさっきお礼しに来やがった………んや、殺しちゃいねーよ………ああ……んで、コイツらの携帯見たら、出るわ出るわ、女を無理やり襲ってる動画やら写真やらが大量にな…………ああ、情状酌量なんざ要らねー。大門寺のナワバリでオイタしようとしたんだ。…………ああ、………面倒だが、『(かたな)』を動かしてくれ………すまんな………ああ、コイツらの脳みそはブタ同然だが、それ以外の臓器(モン)なら役に立つだろ………ああ、場所はGPSで………警察が先に来てたら、あとは継ぐように………ああ、急いでくれ………じゃあな」

 

 

総介その言葉を最後に電話を切る。総介の足元には、先ほどまでいきがっていたブタどもが、ボロボロな状態で地に伏していた。

 

 

あるものは顔面をボコボコに破壊され、あるものは全身の骨をバキバキにへし折られ、あるものは血の泡を吐きながら意識を飛ばされ、あるものは四肢をグチャグチャに破壊されて変な方向に歪んでいた。しかしただ1人、気を失っていない者がいた。

 

 

 

 

「ば、バケモノ……バケモノ………」

 

その男は、両足を折られて立つこともできない。総介はあえてこの男だけは気絶させなかった。理由は女性を弄んだ証拠を押さえるためである。それも達成した今、この男にはなんの価値も無くなっていた。

総介が男へと近づいていく。

 

 

「…………ひっ、た、頼む!助けて!……見逃してくれ!」

 

立ち上がることが出来ないので、手で這いずるしか出来ない男を、総介は無表情で追いかけ、そして壁へと追い詰める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………助けて?見逃してだぁ?」

 

総介が表情を変えないまま喋る。

 

 

 

 

 

 

 

「お前ら、今までどんだけその頼み言われた?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんだけやめてって懇願された?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんだけ助けてって乞われた?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんだけ見逃してってお願いされた?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前ら助けたのか?見逃したのか?その人たちを?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んなわけねぇよなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

証拠は全部あんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分だけ他人にやっといて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他人にされたら『助けて』『見逃して』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな甘い考え通じるわけねぇよな、えぇ?」

 

 

 

 

 

 

まるで楽しむかのように嗤う。その表情を見て、男は涙や鼻水を出しながらもなお、命乞いをする。

 

 

「お、おねがいだ!たすけて!なんでもするから!いうことなんでもきくから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………じゃあ、社会の役に立ってもらおうか」

 

 

 

そう言って総介は、その場をくるくると歩き出した。

 

 

「し、しゃかい?」

 

 

 

 

「ああ。この世界は、いろんな病気を抱えてる人たちがいんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中には臓器提供者、ドナーを待ってる人たちがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな人たちのために、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会のために内臓全部提供してくれや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テメーらクズのブタでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会にちゃんと役立てるんだぜ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よかったなぁおい」

 

 

 

歯をむき出しにして嗤いながら、総介は淡々と話していく。それは事実上の死刑宣告だった。それを知った男は、総介にすがりついた。

 

 

「たのむ!それだけは、それだけはやめてくれ!しにたくねぇ!まだしにたくねぇよ!しにたくないしにたくないしにたくないしにたく……げふぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

あまりにうるさかったので、総介は男を蹴り上げて引き剝がす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっせぇ黙れよ虫ケラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テメェらは俺の大事な女に手ェ出そうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時点で終わりなんだよ」

 

 

総介の言葉に男は絶望したのか、最後に呟くように吐き捨てた。

 

 

 

「……あくまめ、バケモノめ……」

 

 

 

「俺が正義の味方だとでも思ってたのか?

 

 

 

 

 

 

んなわけねぇだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

テメーらごときにぶつける正義なんざねーし、

 

 

 

 

 

 

 

 

テメーらごときにやる情なんかねぇよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わかったらとっとと死んでろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クソブタ」

 

 

 

 

「…………がふぁっ!!」

 

 

 

 

総介は最後に男の顎を蹴り上げて、完全に気絶させた。これで彼以外に声を上げる者は一人としていなくなった。

 

 

彼の周りにはまさに地獄のような、血みどろの世界が広がっていた。

赤く輝く月が、それらを一層引き立たせる。

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

鬼は道端に転がる肉塊に一瞥もくれることなく、ゆっくりと歩いてその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、日本から20人近くの戸籍が消え去った。しかしそれに気付く者は、ごく僅かしかいなかった。

これと同じタイミングで、日本を中心とした臓器提供者を待つ患者たちのもとへ、適合する健康的な臓器が提供され、50人以上もの人間が救われた。それらの臓器提供者は、一概に『不明』と記されていた。

 

 

 

 

 




一応補足しておきますが、この世界にファンタジーや異能力は存在しません。全て人間対人間です。





今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
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