世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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UA100000突破しました!たくさんの人に見ていただき、本当にありがとうございます!
はい、というわけで、サブタイトルから分かる通り(分かるか!)、今回はなんと2本立てです!!
しかし一本は………





まあとりあえずご覧ください。


45.こんなこといいなできたらいいなあんな夢こんな夢いっぱいあるけどみんなみんなみんな自分で努力して叶えなさい

1本目……『ポニテ女子が髪下ろした姿は鼻血モンでかわいい』

 

 

「………おい、上杉」

 

「どうした、浅倉?」

 

「………なにこの状況?」

 

総介がそう疑問を呈するのも無理はない。

本日は風太郎の家庭教師の日であり、総介もその助っ人としての責務を全うすべく、五つ子の住むマンション『PENTAGON』を訪れていたのだが、少し遅れてやってきた総介の目の前に広がっていた光景は、少し異様なものだった。

 

風太郎の正面には、ほとんど同じ長い髪を後頭部で一つにまとめられた髪型、所謂『ポニーテール』をした中野家の五つ子が全員、リビングに集結して立って並んでいた。

ちなみに『ほとんど同じ』とは、長女の一花のみショートヘアの髪型なので、彼女だけうなじのあたりで小さくゴムで留めているのみである。

 

それはさておき、総介には一つ気になることがあった。それは……

 

 

(三玖、ポニーテールもすげぇかわいいな……)

 

5人のうちの三女であり、総介の恋人である三玖に見惚れながら、彼の頭の中は彼女のポニーテール姿で埋まっていた。

一見、ほとんど同じ髪型で見分けがつかなさそうだが、総介は三玖が関連している場合のみ、彼女が他の姉妹の誰かに、または誰かが三玖に変装しているといった時だけ、秒足らずで見分けることができるのだ。本人曰く「見たらすぐに分かる」らしい。

と、総介の熱い視線を受けていることをすぐに察した三玖が、自分をすぐに見分けてくれることを嬉しく思うも少し頬を赤くさせながら(かわいい)風太郎に本題を聞いた。

 

「急にどうしたの?同じ髪型にしろって……今日は家庭教師の日じゃなかったの?」

 

どうやら、姉妹は風太郎の指示で髪型を統一させられたようだ。

 

「何だ二乃、らしくもなく前のめりじゃないか」

 

「……」

 

「二乃は私よ」

 

三玖を見ながら二乃に話しかけているつもりの風太郎。もはや末期なんじゃないかと思う。と、ここで彼が目をギラつかせて、左の人物から順番に名前を呼んで行った。

 

「一花、二乃、四葉、三玖、五月!!」

 

「二乃、三玖、五月、四葉、一花よ!!!髪を見ればわかるでしょ!」

 

見事に全て間違える風太郎。てか、三玖は分からなくとも、せめて一花は当てろや。1人だけポニーテールじゃないんだから……

 

(……コイツは勉強以外の頭は本当に使いもんになんのか?)

 

風太郎の勉強脳を心配する総介。もうここまでくれば、わざと間違えてるのかと疑いたくなるほどだった。

 

「………と、このようになんのヒントもなければ誰が誰だかわからない。最近のアイドルのようにな」

 

「それはフータロー君が無関心なだけでしょ」

 

一花が冷静にツッコむも、風太郎はそのまま流して、テーブルの上に5枚の用紙を置いた。

 

「これは10分前の話なんだが………」

 

そう切り出してから、風太郎は10分前の話をし始めた。

 

聞くと、マンションに着いた直後、風呂上りで体がバスタオル姿の『五つ子の誰か』に遭遇し、

 

『変態!』

 

と持っていた紙袋を投げつけられた。その場でその人物には逃げられたのだが、投げつけられた紙袋に入っていたものが……

 

 

 

 

国、数、英、理、社、それぞれの小テストの『0点』の用紙だった。しかも……

 

「全教科0点……奇跡だ。ご丁寧に名前は破られている」

 

そう、名前の部分だけは、見事に引き裂かれており、誰の答案用紙か分からないようになっているのだ。

 

「バスタオル姿で分からなかったが、犯人はこの中にいる!」

 

そりゃまぁ、ここは五つ子の住む家なんだから、姉妹の誰かなのは当然だし、0点にしても、その人物が所持していた物であるのだから、理論的には姉妹の内の誰かということになる。

 

しかし……

 

「私が犯人だよーってひ………イデデデデデデ!」

 

途端に、風太郎の顔が、男の手によって覆い隠される。

 

「バスタオル姿〜?上杉テメ〜、もしそれが三玖だったとしたら、なぁに人の女のあられもない姿を見ちゃってくれてんですかぁコノヤロー?」

 

「イダダダ!あざぐら!ギブ!ギブゥ!!」

 

総介からすれば、0点の答案用紙が誰のものなのかはどうでも良くて、『風太郎が三玖の半裸姿を見たかもしれない』ということが重要なのである。彼は右手で風太郎にアイアンクロー(手加減)をかまして、やりすぎと言えなくもないクソ理不尽な尋問する。

すると……

 

「そ、ソースケ、落ち着いて!」

 

三玖が彼の手を掴み、説得する。

 

「お風呂に入っていたのは、私じゃない。証拠もあるから、ちょっと待ってて」

 

そう言って三玖は、一旦自身の部屋に戻り、しばらくして手に紙を5枚持って戻ってきた。それを総介に見せる。

 

「ほら、私は全部持ってるし、0点じゃない。だから、フータローに会ったのは私じゃない」

 

彼女の手には、三玖の名前が書かれた同じテストの答案用紙があった。それも、社会は高得点、それ以外の教科も、中の下が最低ラインの点数である。

 

「……ほんとだ。じゃあ、この5枚は……」

 

「私以外の誰か……」

 

「……そうか、よかったぁ」

 

とりあえず、恋人が他の男に目撃されたという事態は回避出来たことに安堵した総介。

 

 

「わかったならはなじでぐれぇ!!!」

 

………そのまま風太郎にアイアンクローを決めたままだったのを忘れてました。テヘ、失敗失敗☆。

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

と、何とか仕切り直して、犯人探しを継続する。三玖が容疑者から外れ、残りは4人なのだが……

 

「四葉、白状しろ」

 

「当然のように疑われてる!」

 

やはり、第一に疑われるのは姉妹きってのアホの子、四葉である。

 

「それでこの髪型だったんだ」

 

と、どこか納得した三玖。

 

「顔さえ見分けられるようになれば今回のこともスキーの時みたいな一件もおきないだろうからな」

 

「反省してます……」

 

林間学校で、五月が一花に変装して行方不明を装った事件。あの件は何とか風太郎の起点で解決したものの、見た目では完全に分からず終いだった。

 

「あの五月はマスクさえなければ私たちもわかったんだけど……」

 

「!」

 

二乃の一言に、風太郎はふと疑問が浮かび上がった。

 

「そういえば、なんでお前らは顔だけで判別がつくんだ?」

 

「は?なんでって……」

 

そう聞かれた二乃は、隣にいた三玖と目を合わせる。2人は互いに指を差しながらこう答えた。

 

「こんな薄い顔三玖しかいないわ」

「こんなうるさい顔二乃しかいない」

 

「………」

 

「薄いって何?」

 

「うるさいこそ何よ!」

 

「うるさい顔w」

 

「あんたは黙ってなさい!!」

 

総介が二乃を見てゲラゲラ笑う。そんな彼に、二乃も怒りマークを頭に浮かべて怒鳴る。

 

呆然と見ている風太郎に、四葉が話しかけた。

 

「良いこと教えてあげます。私たちの見分け方は、お母さんが昔言ってました。

 

 

 

 

『愛』さえあれば、自然とわかるって」

 

「……道理で分からないはずだ」

 

「お前ならドブに捨てそうだよな、んなモン」

 

「俺をなんだと思ってんだよ……」

 

「そのうち『愛?ああそれコンビニに売ってたわ、298円で』って言いそうでもある」

 

「それどこの八九寺?」

 

風太郎はともかく、総介には三玖に対する絶対的な『愛』があるので、対象や形はどうあれ四葉の言っていたことも多少は理解していた。

 

「やはり顔は同じ……」

 

それでも、風太郎からすれば5人全く同じなのは変わらない。

 

「もう戻してもいいかなー」

 

一花のその一言で、5人はいつもの髪型に戻し始めた。

 

(……もうちょい見ときたかったな)

 

総介だけ、三玖がポニーテールからいつものヘッドホンをしたセミロングに戻すのを見て、少し残念がっていたが、今度頼めば良いかと思い、切り替えることにした。こんな髪型やってみてって、彼女持ちの特権だったりするよね?

 

「なんで今日はそんなに真剣になってるんだろ?」

 

「……!」

 

風太郎からすれば、早く勉強に取り掛かりたいところだと一花は思うのだが、五月には少し心当たりがあった。

 

(……まさか、この前の話を)

 

風太郎が入院している際、五月は風太郎が過去に京都で会ったことのある『5年前の女の子』の話を聞いていた。まさかと、彼女は疑っていると……

 

「!」

 

風太郎が何かを感じとる。

 

「シャンプーの匂い……」

 

「えっえっ」

 

「なんかキモッ」

 

「デリカシーねーぞ上杉」

 

「アンタが言うな!」

 

クンカクンカと二乃の匂いを嗅ぐ。そんな行為を見て、三玖と総介が軽く引いていると、風太郎の脳裏にあるものが思い浮かび上がった。

 

『変態!!』

 

 

「これだ!お前たちに頼みがある!」

 

その後に、風太郎から衝撃的な一言が飛び出してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺を変態と罵ってくれ!」

 

「」

 

「」

 

「」

 

「」

 

「」

 

「………勉強のしすぎで脳みそどっかにフライアウェイしたかコイツ?」

 

5人が風太郎にドン引きする中、総介がいつもの倍の腐った目で、風太郎を見ながら呟いた。

風太郎としては、姉妹の中であのとき言われた『変態!』と同じ感じの人物が犯人だと推察してのことだったのだが、何も知らない人からすれば、完全にマゾヒスティックを拗らせた変態の発言である。なので……

 

 

 

 

 

「あんた……手の施しようのない変態だわ……」

 

「違う、そういう心にくる言い方じゃない」

 

「てか本音だろそれ」

 

二乃にもの凄い軽蔑の視線を向けられて言われても仕方がないのである。

 

「うーん、じゃあ誰が……」

 

「………フータロー君」

 

捜査が暗礁に乗り上げた風太郎を見て、一花が口を開いた。

 

「もしかしたら、犯人はこの中にいないかもしれないよ」

 

「……は?」

 

「………どういうことだ?」

 

犯人探しを根底から覆すようなことを、一花が言い出したので、風太郎と総介は顔を合わせてから、一花に目を向けて説明を待った。

 

「落ち着いて聞いてね」

 

神妙な面持ちをしたまま、一花はゆっくりと説明を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私たちには隠された6人目の姉妹……『六海(むつみ)』がいるんだよ」

 

「!」

 

「なんだってー!!」

 

「アホか……」

 

とんでもないことを言い出した一花に、風太郎は絶句し、何故か四葉は驚きの声を上げ、総介は呆れ果てる。

以前海斗に姉妹の周りを調べさせた際にも、そのような人物は出てこなかったし、例えいたとしても今まで出てこなかったこと自体おかしい。何より、総介が『鬼童』として感じる人の気配はこの場の人物とちゃんと一致している。どう考えても一花のでっち上げである。この時点で、総介は一花を捜査を撹乱させたということで、彼女を犯人と断定した。

 

「む……『六海』は今どこに……?」

 

「ふふふ……あの子がいるのはこの家の誰も知らない秘密の部屋……」

 

「勝手にやってろ」

 

流れに乗ってるだけなのか、本気で騙されているのか、四葉は一花に居もしない妹の居場所を聞くというミニコントを続けており、流石の風太郎も呆れていた。

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

あの後、拉致が開かないので、風太郎が例の0点のテストの問題を集めた問題集を出し、一番成績が悪い者を犯人とするという横暴な案を出した。総介も、いい加減勉強が出来なくなるので、そのまま風太郎の案に賛成。三玖は容疑者から外れていたものの、復習ということで一応参加することに。と、真犯人はこの状況を、内心ほくそ笑んでいた。

 

 

 

(ふっふっふ…………

 

 

 

 

 

追い詰められたね、フータロー君)

 

やはりというか、フータローとバッタリタオル姿で会ったのは一花だった。彼女としては、風太郎が何故こんなにも犯人探しにこだわるのかは謎のままだが、この場をうまくうやむやに出来る絶好の機会なので、このまま他の姉妹に押し付けてしまえば、解決する。そう思っていたが………

 

(………!待って!)

 

一花は、風太郎の目論見に気付いてしまった。何故同じテストをもう一回させるのか……それは……

 

(筆跡!!)

 

そう、五つ子といえど、書く文字それぞれに特徴が存在する。その筆跡から、風太郎は犯人を割り出そうとしてることを、一花は間一髪で気づいたのである。

 

(何食わぬ顔で筆跡を比べようとしてる……やるね、フータロー君!)

 

少なくとも、風太郎はこの中で誰よりも成績は良いのだから、一花が言えた義理では無いと思う。てか無い。

一方、総介はというと……

 

(………こりゃ長女さんで確定だな)

 

真っ先に一花に疑いの目を向けていたことで、彼女のテスト中の行動に注目していた総介は、一花が消しゴムで解答を全て消して、違う字体に書き直したところを見て、彼女が犯人だと確信していた。それも、彼女が気づかない程度に、三玖を中心に周りを見渡す一瞬の動作で確認しているので、

 

(浅倉君は三玖に夢中だし……今回はいける!)

 

と、当の一花本人はタカを括っていた。仮に彼女が風太郎を騙せたとしても、総介はほとんどを把握しているので、完全に詰みであることにも気づかずに……

 

「はーい、一番乗り!」

 

そうとも知らずに、獲物(一花)はまんまと餌に引っかかって食いついてきた。顔には我慢できないのか、勝利と余裕の笑みが溢れている。

 

(あの短時間で髪を乾かせるのは私だけ……服を着る余裕はもう少し欲しかったけど……

 

 

 

 

 

君の敗因は女の子をちゃんと見てあげないところだよ……

あと、浅倉君が一番恐かったけど、三玖以外に目を向けて無いのも、今回はプラスになったね♪)

 

一花は過去の出来事から、総介を一番警戒していたが、それも恋人以外に興味が無いということもあり、自分は彼にとって終始アウトオブ眼中であると決めつけていた。しかし実際は、真っ先に総介に警戒され、横目から彼女の動作は全て見られているので、逃げ場はない。風太郎はスルーできても、浅倉総介という受け皿で、一花は完全にシャットアウトなのだ。

 

もっとも……

 

 

「ふむ……

 

 

 

 

 

 

 

お前が犯人だ」

 

 

それは『風太郎を騙せたら』の話なのだが……

 

「……あれっ?」

 

まさかの一発目で当てられたことに、流石の一花も驚きを隠せなかった。

 

「なんで……筆跡だって変えたのに……」

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

2人のやりとりをを固唾を飲んで見守る二乃、四葉、五月と、

 

「……私も終わった」

 

「オッケー。じゃあ採点するね」

 

「うん……自信ある」

 

そんなの知ったこっちゃないと、2人だけで進めるフリーダムバカップル。もうこの2人はどうにもならないと、風太郎は諦めたようで、一花に説明を始める。

 

「ここ………bの書き方」

 

「あ……」

 

見ると、彼女の書いたbは、筆記体になっていた。

 

「1人だけ筆記体で書くことは覚えていた。俺はお前たちの顔を見分けられるほど知らないが………

 

 

お前たちの文字は嫌というほど見てるからな」

 

 

 

「………や

 

 

 

やられた〜〜〜」

 

「フハハハハハ!」

 

その場にガクッと項垂れる一花に、それを見下して高笑いする風太郎。コレ原作見てるけど、あまり綺麗な絵面ではない。

まぁ何度も言うように、もし仮に風太郎をごまかせたとしても、その先には総介が待っていたので、一花に逃げ場はなかったのだが……

 

 

一方、その総介はというと……

 

「……うん、65点。2回目とはいえ、上々だよ」

 

「そ、そうかな?」

 

「このまま復習と授業で受けたところを継続していけば、次の期末も赤点回避できるし、前より良い成績が出ると思うよ?」

 

「ほ、本当に?」

 

「うん。三玖今までの積み重ねが出ている証拠だよ。頑張ったね」

 

「……うん。ソースケが、いっぱい教えてくれたから、私も、覚えることが出来た」

 

三玖の成績が上がっていることを素直に褒め、彼女の頭を撫でる総介に、それに顔を赤くしながらも、総介に褒められた嬉しさで少しだけ笑いながら答える三玖(かわいい)。まさしくフリーダムフライアウェイバカップル。総介爆発しろ!

 

「あのー、一応私たちも終わりました」

 

「お、ご苦労」

 

と、他の3人分の用紙を持った五月が、風太郎にそれを渡す。

 

「ひとまず採点を……ん?」

 

渡された用紙を見た風太郎が何かに気づいた。

 

「五月の『そ』、犯人と同じ書き方だ……

 

 

 

よく見たら二乃の『門構え』………

 

 

 

四葉の送り仮名………しかもコレ、2枚分見たぞ………」

 

 

風太郎の背中から、メラメラと炎のようなものが出てくる。そして……

 

 

 

「みんな犯人と同じ……

 

 

お前ら………

 

 

 

 

 

 

 

一人ずつ0点の犯人じゃねーか!!!!」

 

「………」

 

「………」

 

「あはは、バレちゃいました〜……」

 

なんとこいつら、1人1教科ずつ(1人だけ2教科)の0点のテストを1人の点数のように見せて、風太郎と総介を欺こうとしたのである。ちなみに2教科分の0点は言うまでもなく……

 

「しかも四葉に至っては2教科で0点じゃねーか!!」

 

「ご、ごめんなさい〜〜〜!」

 

「地獄絵図だなオイ」

 

「みんな自習してなかった」

 

その光景を見たバカップルも、呆れ果てていた。

 

「何してんのよ一花、こいつが来る前に隠す約束だったでしょ」

 

「ごめーん」

 

二乃はそれに全く悪びれもしない辺り、余計に酷い惨状だ。風太郎はそれを見て、頭を抱えてしまう。

 

「俺が入院した途端これか……三玖はともかく、やっぱこいつら……」

 

「……上杉君」

 

風太郎が4人のバカさ加減にショックを受けているところに、五月が声をかけた。

 

「今日あなたが私たちの顔の判別にこだわったのは、先日話してくれた5年前の女の子と関係があるのでしょう?

 

 

 

 

私たちの中の誰かだと思ってるんですね」

 

「………そうだ」

 

「……え?何これ?今から過去回想シーンに入りそうなこの雰囲気、何コレ?」

 

バカップルの片割れがメタ発言で場を凌ごうとするが、聞き入れて貰えず、風太郎は口を開いた。

 

「……と、思ったが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この中で昔俺に会ったことがあるよって人ー?」

 

 

「「「「「!」」」」」

 

「ねぇ何コレ?このオリ主置いてけぼりなイベント的なやつ?やめてくんない!原作キャラ同士しか知らないエピソードとかやめてくんない!!」

 

総介のメタい発言は全員スルーして、姉妹は風太郎に問い出す。

 

「何よ急に」

 

「どういうこと?」

 

「…………」

 

姉妹の反応を見て、風太郎は少し笑う。

 

「……そりゃそうだ。そんなに都合よく近くにいるわけがねぇ。それに……

 

 

お前らみたいな馬鹿があの子のはずねーわ」

 

「ば、馬鹿とはなんですか!?」

 

風太郎はやはり思い違いかと、5年前に出会った女の子は別の子だと思い、考えることをやめにした。それよりも今は……

 

「間違ってねーだろ五月。よくも0点のテストを隠してたな。今日はみっちり復習するからな………?」

 

風太郎がぽんっと肩に手を置いた先にいたのは……

 

 

 

 

「……もしかして、わざと間違えてる?」

 

顔をプクーっと膨らませた三玖だった。

 

「………」

 

「フータローのことなんてもう知らない」

 

「す、すまん!」

 

「あはは!まずは上杉さんが勉強しないといけませんね」

 

(……こいつらを見分けるのは今は諦めよう)

 

四葉に上手いことを言われてしまい、風太郎は考えることをやめた。今はとにかく、成績を上げることに専念しよう、と………

 

 

 

こうして、また一つ、風太郎の家庭教師としての重荷が増えていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、ソースケは?」

 

 

 

「………あ。アレ?浅倉どこ行った?」

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

 

「ギャァァァ!!」

 

「あ、兄貴ぃ!兄貴ぃぃぃ!!」

 

「何だコイツ!ガキのくせにとんでもなく強えぞ!ぐぁあ!」

 

「がはっ!ゴボッ……」

 

「た、頼む!命だけは!命だけは助けてくれぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっせ〜なぁ。こちとら原作キャラだけのイベントについてけなくてハブられちまった可哀想なオリ主なんだよ。ストレス解消ぐれーさせろコノヤロー」

 

「理由が無茶苦茶過ぎる!てか原作キャラって何!?オリ主って一体何!?」

 

「はいそこのツッコんだ奴、30点。もうちょいあの世でツッコミ道を磨いてきてくださ〜い」

 

「いやだからツッコミ道ってなに……ぐぼぁっ!!」

 

あれから、総介は海斗に電話をして、大門寺に裏でちょっかいをかけようとしていて、近々潰そうとしてる組織は無いかと聞き、いくつか教えてもらった後、その中から一番今いる場所から近いものを一つ、姉妹と風太郎にハブられた寂しさとストレスを発散すべく、自らが直々に赴いて潰すことにして、その組織のアジトで日本刀片手に大暴れしていた。

ドスやら拳銃やらを持ったその道のプロであるはずの連中をいつものような死んだ魚のような目で『片手間』で斬り捨てていく様は、もはや『鬼童』どころか『悪魔』である。

 

「こ、こんなブチのめされ方あんまりだぁ!!……ぐぺっ!!」

 

「はい、ご愁傷様モブキャラども。ギャラはやんねーよ」

 

 

こうして、1人の頭おかしい人格破綻高校生の腹いせによって、おそらく二次小説史上最も理不尽な理由で悪の組織がまた一つ滅びてしまうのであった。

 

ちなみにコレ、ギャグパートですからね………え、遅い?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、三玖が総介の家にハブってしまったことを謝りに行ったところ、彼女はその日、総介の家で腰がガクガクに立てなくなるほど翌朝まで帰してもらえなかったという。あ、そのあとちゃんと総介が原チャで送ってあげました。

 

 

総介爆発しろ!こればっかりは!

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

二本目……『いくらバカップルでも合わない予定はある』

 

 

『明日休日だけど一緒に出かけない?』

 

「あれ、なんかこれデートっぽいかも」

 

「よし、デートっぽい」

 

とある日、一花と三玖は自室で全く同じメールの文章を打っていた。送る相手は、それぞれ違う相手。

 

「二人きり……じゃない方がいいのかな……」

 

「久しぶりに二人きりでデート」

 

ちょっと自信なさげな一花はまだしも、三玖はしばらく総介とデートをしていないため、久しぶりのデートに少し張り切っていた。

 

「送ってもいいよね」

 

「だって明日は」

 

 

「「『勤労感謝の日』だもん!」」

 

そう、この日は『勤労感謝の日』、国民の祝日、即ち学校は休みなのである。

二人はほぼ同じタイミングで、メールを送信。

 

「「送っちゃった!!」」

 

「!?」

 

「?」

 

メールを送信したことで、部屋で思いっきりバタバタする一花と三玖だが、その音は下にいる他の3人に聞こえていた。あ、五月は食べ物に夢中でスルーね。

 

そして、これもまた、二人同時に返信が返ってきた。

 

 

 

その中身はというと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今日は休日だから断る。』

 

『ごめん、今日はどうしても外せない用事が入ってるからデートは出来ない。今度ちゃんと埋め合わせするよ。三玖の好きなところに行こう。今回は本当に申し訳ない。』

 

 

「」

 

「」

 

 

こうしてこの日、一花と三玖は違う相手に同時にデートを断られた寂しさを埋めるかのように、2人仲良くショッピングに出かけたのでした。

 

 

 

 

今回はコレでおわり…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




総介は正義の味方でも、ヒーローでもありません。三玖の味方であり、外道です(笑)。
あと、少し時系列がおかしくなりましたが、ストーリーに支障無いので、このまま行きます。
原作…退院翌日に冒頭
嫁魂…退院して数日後に冒頭
今回もこんな駄文を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
二本目の短さに文句は言わないでください。
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