世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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眠たすぎて


5.思春期のテンションは、時に取り返しのつかないことになる

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、総介は風太郎との話し合いで昼休みを費やした。主に風太郎の話で。

 

家庭に借金があったり、妹が可愛かったり、いつも『焼肉定食 焼肉抜き』を頼むほど節約しないと家庭がどーたらこーたらだったり、妹が可愛かったり………何回妹の話すんだよ。

 

そんなわけで、風太郎の妹自慢話を総介が止める頃には、昼休みも残り五分という時間になっており、今食堂へ向かっても『ヘッドホンさん』はいないだろうと諦めて教室へ戻ることにした。

 

「じゃあ、放課後に校門で。あいつらには俺から言っとくから」

 

「その姉妹(あいつら)に嫌われてんじゃなかったかお前?」

 

「うぐっ!……で、でも一人が一緒のクラスなんだ。そいつに言って他の連中にも連絡するように説得するから大丈夫だ。多分」

 

「あっそ。んじゃ頼まー」

 

適当な返事で背中を向けて手をひらひらと振りながら廊下から教室へ戻る総介。

彼の机は、窓側の後ろから二番目にある。その場所はゆったりと戻ると、彼の真後ろの席で銀髪イケメン野郎が余裕の笑みを浮かべて(総介にはそう見える)待っていた。ムカつく。

 

「長かったね、話。『ヘッドホンさん』という子に会いに行かなくて良かったのかい?」

 

「うっせーよリア充野郎。色々あんだよ」

 

「へぇ。この前までいの一番にその子に会いたがっていたのに、随分と余裕だね?」

 

「………まあ、気が向いたら教えてやらなくもねー。あ、俺放課後用事あっから、遊ぶの無しで」

 

「そうかい、残念。わかったよ」

 

椅子に座りながら海斗と軽いやりとりをしてから、総介は授業が始まるまで考えに耽った。

 

 

 

思わぬところから『ヘッドホンさん』に会える事は総介からしたら願ったり叶ったりの嬉しい出来事であった。

上杉風太郎という少年の介入により、ただ話をするだけの仲ではなく、勉強を教えることのできる仲まで一気にレベルアップすることが出来る。凄まじい進歩である。まぁ勉強嫌いだと聞いてしまってその辺をどうしようか考えないといけないが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここで冷静になって考えてみると、物事は別の角度から見ることもできる。それは……

 

 

 

(………『ヘッドホンさん』はどう思ってんだろうな……)

 

総介は、今までは自分の思うがままに『ヘッドホンさん』と接触すべく行動してきた。思春期特有のテンションで、後先あまり考えずにやってきたことを、客観的に省みる。

 

彼が今までしてきたことをメチャクチャ短く要約すると『抹茶ソーダを2日連続押し付けて、ナンパして、知って欲しくない秘密を知ってしまって、それのフォローでいっちょまえの台詞吐いて逃げてきた奴』である。

 

(………大丈夫かコレ?大丈夫なのか俺?)

 

完全に不審者である。物の見方によっては変態、最悪ストーカーにもなってしまう。

好きな人を探して、好きな人を見つけてナンパ紛いのことをして、好きな人とテキトーにした約束で会いに行こうとして、好きな人がいると知った家庭教師の手伝いをすると言って………

 

 

 

 

 

(………………ホントに大丈夫か?)

 

 

 

 

 

幸い真意を知っているのは自分の後ろの席の海斗だけで、他に知る人はいない。え?読者の皆様?ソンナモノハコノセカイニハソンザイシマセン。

 

さらに、総介から見たら、彼女から嫌われているようには少なくとも見えなかった。お昼の誘いにしても何にしても、嫌だと思えば直接、婉曲問わず断ってくるものが女子なのだ。世の中の男性諸君には経験があるのではなかろうか?

例「お昼ごはん?あ、ごめんね。友達と約束してて、また今度空いてたらね」(訳:キモいんだよてめー。お前みたいなカスと食う飯なんざねーんだよ。二度と近づいてくんじゃねーよ死ね)………作者はロクでもない青春を送ったんだな、と決めつけないでいただきたい。

 

まあそれはそれとして、大概は会って間もない見た目陰キャのお昼の誘いなど、速攻で撃沈するはずなのだが、それを彼女はお昼を一緒にするどころか、総介が詳しく知っている趣味を教えて欲しいと言ってきた。

 

 

 

 

『……教えて、欲しい。新撰組の、こと』

 

 

 

 

(………ネガティブすぎるか?………いや、それでも最悪の事態は想定してないといけないな)

 

 

万が一あの子にストーカー認定されてたらたまったものではない。その子どころか、他の姉妹からも嫌われてしまう可能性も大アリだ。そうなったら家庭教師の手伝いどころではない。上杉にも迷惑をかけてしまう。………流石に詰む。

 

(……とにかく、会ってまずは金曜のことを謝んないとな……。それと事態の経緯も説明しねーと駄目だ……)

 

なるべく他の姉妹より、『ヘッドホンさん』に会って、『自分は無害』ですという認識をしてもらわなくちゃいけない。良い人ではなくとも、悪い人ではないアピールだ。流石に『好きです』なんて言えないので、五つ子ときいて彼女がいると知ったことと、金曜日に『また明日』というヘマをしでかしたこと、勉強とはいえ何か力になれればと思って手伝いを受けたこと。この3つが伝えるべきことだろう。無論これらは総介の本音でもある。

 

 

(………それでも駄目なら仕方ない。諦めるしかねーな)

 

嫌われてもなお彼女に付きまとってしまえば、いよいよストーカーで停学、退学、もしくはブタ箱行きである。そこまで陰湿なことをしたくない。ゴリラ局長みたいに。ただ自分の学生としての思い出に『失恋』が刻まれる程度のことである。それで今後の人生が守られるのならかすり傷にもなりはしないだろう。あとは年月が経てば思い出してみるのも一興なものだ。

 

 

(……まあ何にせよ、会ってみないと始まらねーな)

 

総介はそう結論を出し、放課後のことを一旦頭の片隅へとしまうことにした。昼休みの終了を知らせる予鈴が鳴ったのはその直後だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、校門で待っていた風太郎と合流し、彼に五つ子の家へと連れて行ってもらう総介。その道中、会話をしながら歩いていた。

 

「……なあ、浅倉」

 

「んだよ?」

 

「ほ、本当にいいのか?給料の話」

 

「いいも悪いも、お前ん家貧乏なんだろ?借金返すためにお前が家庭教師やって稼ごうとしてんだろうが。そんな話聞いてお前から金取ろうって、俺は悪魔か?」

 

昼休みの会話で、2人は給料の話になった。今回、風太郎は雇い主を通さずに総介に助けを求めた。よって支払われる給料は風太郎一人分となる。風太郎にとってはこの話はなんとしても総介としておきたかった。

家計が苦しい上杉家。それの支えともなる家庭教師のアルバイト。しかし、生徒の五つ子は極度の勉強嫌い、かつ自分は彼女たちにとっては目の上のタンコブ。給料を貰う前に自分がノイローゼになると察知した風太郎は幾らかの折半も覚悟のつもりで総介に助っ人の話をもちかけた。だが……

 

「で、でも……」

 

「俺は別に金には困ってねーし、時間もヒマな時が多かった方だ。別にボランティアみてーな感じでも構わん。そりゃお前の家の話がなきゃ幾らかせびるつもりだったが、そんな気も今はねーよ。俺に金渡すぐれーなら、大好きな妹に服でも買ってあげやがれシスコン」

 

なおこの時の総介の考えは[『ヘッドホンさん』に毎回勉強を教えることができたら、それはそれで給料みたいなもの]である。

 

「…………済まない、本当に」

 

「謝んじゃねーよ。それに言っただろうが。給料はお前一人でもらう代わりに結果が出なかったらお前の責任になるって。俺は存在しない扱いだって。それなりにリスクも背負ってんだぞ」

 

「で、でも浅倉は『勉強を教える天才』だって……」

 

 

「んなわけねーだろ」

 

 

 

「………え?」

 

 

総介の言葉に、風太郎は固まってしまう。

 

「俺は人にもの教えんのはうまいと思ってるが、『天才』なんてもんじゃねー。勝手に尾ひれがついたんだろ、それ?」

 

気だるげに頭をわしゃわしゃかきながら総介は答える。

 

「そ、そうなのか?」

 

「ったく、そんな感じで噂になってんのかよ。はた迷惑もいいとこだぜチクショー。だいたい天才なんてもんはな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………浅倉?」

 

「………いや、何でもない。忘れてくれ」

 

 

 

 

言葉を急に止めて、会話を一方的に切る総介。彼が考えたのは、『天才』という言葉で真っ先に連想した海斗のこと。そしてその先の『忘れたくても忘れられない過去(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………とにかくだ。俺を『天才』なんて思わないでくれ。人に教えるのが人より上手いってだけだ」

 

「………ああ、わかった。すまん」

 

 

 

風太郎は一瞬ヒヤッとしたが、総介がただ『天才』じゃないだけと聞いて一安心した。

 

 

 

 

 

そうこうしている内に、2人は目的の場所に到着した。

 

 

 

「ここがそうなのか?」

 

「ああ」

 

 

到着した場所はこの辺りでは1番高いタワーマンション『PENTAGON(ペンタゴン)』。そのエントランスである。

そして風太郎はその……

 

 

 

 

 

 

 

 

「………おかしい。何で開かないんだ?」

 

「何してんだてめー?」

 

ガラスのドアの前に立っていた。自動ドアだと思っているのだろうか?総介が呆れながらツッコミ、横にある文字盤を指差す。

 

「オートロックだっつーの。ほら、このボタン。知らねーのかよ?」

 

「い、いや〜〜知ってた知ってた。今のは浅倉を試したんだあははは(棒)」

 

風太郎は冷や汗を流しながら目を右往左往させる。明らかにオートロックを知らないようだ。

 

「あっそ」

 

相手にするのも面倒なので、総介はボタンの前に立った。

 

「………部屋番」

 

「へ?」

 

「部屋番教えろ。ここで打ち込めば部屋に繋がるから」

 

「……あ、ああ。部屋は30階の……」

 

風太郎に指示された部屋番を押していく総介。それが最上階だと気づくも、特に意味も無かったため考えもそれまでにした。

部屋番と呼び出しボタンを押して、待つ。すると………

 

「………いねーみてーだな」

 

「は?……嘘だろ?」

 

「だって出ねーもん」

 

反応が返って来ず。呼び出し中の電子音だけがエントランスに響き続けた。

 

「嘘だろ……五月にわざわざ全員にメールさせのに……先に帰って待ってろって……」

 

「お前相当嫌われてんな」

 

うなだれる風太郎を見て、改めて彼の人望の無さを知った総介。『五月』という子が『ヘッドホンさん』かどうか知らないが、少なくともその少女が彼のクラスメイトなのだろう。その子すら帰ってきていないとなると、よっぽど風太郎が嫌いらしい。もしくは居留守しているか………

 

「どーすっかな……」

 

と、総介が呟いた瞬間、後ろから声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえちょっと」

 

 

うなだれる風太郎と、総介が同時に振り向くと、そこには1人の少女がいた。

 

ピンクに近い赤く腰まで届く長い髪、その頭に二つついた黒いリボン、学生服だが黒っぽい上着を着て、白いニーソックスらしきものを履いて、胸の前で腕を組んで、強気な目つきでこちらを睨んでいる。

 

そして総介はその少女の顔立ちを見て、すぐに確信した。雰囲気や装飾は全く違うが、顔や体格がほとんど同じ……

 

(………なるほど。五つ子のうちのひとりか)

 

「に、二乃⁈」

 

「五月から家庭教師の助っ人が来るって聞いたわ。何勝手に知らない奴呼んでるのよ?」

 

二乃と呼ばれた少女は風太郎をキッと睨みながら言う。

 

「し、しょうがないだろ?ただでさえ五人相手にしなきゃいけないんだ。それにお前達全員俺のいうこと全然聞かないし……」

 

「『あんなこと』されてまだやる気でいるんだ?んでビビって今度は助っ人?ただのチキンじゃん。ウケる」

 

「うぐっ」

 

二乃は鼻で笑いながら風太郎に見下した言動をする。総介はここで確信した。この子は『ヘッドホンさん』ではないこと。そして……

 

 

 

(……ああ、コイツ俺の1番嫌いなタイプの女だわ)

 

総介の好きな女性のタイプは『大人しくて素直な子』

そして嫌いなタイプはその全く逆で『ガミガミやかましくて上から目線のツンデレ』である。二乃はまだデレてはいないが、ほとんどが総介の嫌いなタイプに合致していたため、総介は早々に察知した。

 

(同じ腹から生まれてこうも違うかね……)

 

五つ子とはいえ、一人一人が違う人間なので、性格が違うのも無理はないのだが、流石にこれは真逆ではないか、と総介は考えていた。

 

「それで、この人が例の助っ人ってヤツ?」

 

「あ、ああそうだ。」

 

「ふ〜ん」

 

どうやら考えている最中に話が進んでたようだ。総介が気づくと、二乃が品定めをするかのように彼を見ていた。

 

「…………陰キャじゃん!!」

 

二乃は盛大に叫んだ。そして続ける。

 

「キモ!何コイツ?ほんとに助っ人?髪もボッサボサで、メガネかけてて、死んだ魚の目してて、まぁ背が高いのは評価できるけどそれ以外全然ダメ!てかキモ!オタクってヤツ?嫌よこんなヤツ!とっとと帰って!」

 

出てくる言葉は毒まみれの悪口ばかりであった。

 

「二乃!初対面の人に向かってそれはないだろ!」

 

流石の風太郎も、ボロクソに言われる総介に同情し、二乃に怒鳴りつける。

 

「アンタは黙ってて!てかアンタでしょコイツ連れてきたの?早く帰らせてよ!」

 

「なんでだよ!?だいたい浅倉は助っ人で」

 

「そんなの頼んでないし、アンタが家庭教師なのも認めてない!いいから2人まとめてここから出てい「ギャーギャーギャーギャー、やかましいんだよ。発情期ですかコノヤロー?」っ⁈」

 

二乃と風太郎が言い争いをしている中、総介は頭をかきながら『銀さんこと坂田銀時が初めて行った台詞』を二乃にぶつけた。

 

「……何よ?何か文句でもあるの陰キャくん?」

 

二乃が総介を睨みつけ、高圧的な態度で迫るが、そんなものは総介にとっては全く意味をなさなかった。

 

「さっきからブーブー文句たれてんのはてめーだろーがヒス女。黙って聞いてりゃ口から毒ばっか吐きまくりやがって。あれか?てめーの口の中は毒キノコでも栽培してんのか?キノコ栽培所ですか?それとも自然に生えてきたってヤツですか?だったら歯磨けコノヤロー。口くせーぞ」

 

「なっ⁈」

 

二乃は総介を陰キャだと勝手に決めつけ、何も言い返してこないと勝手に思い込んでいた。ところが彼から帰ってきたのは、まさに皮肉を皮肉ったような彼女に対しての罵倒だった。

 

「な、何よ!?死んだ魚の目なんかしちゃって。アンタこそその目も毒みたいなものじゃないの!目から毒垂れ流してんじゃないの!」

 

「いいんだよ。いざという時きらめくから」

 

「んなわけあるか!もう既に手遅れっぽいわ!」

 

「んなことねえ、俺は信じてる。俺にはいつかこの目が聖闘士星矢みたいにキラキラときらめく目になったらいいのになぁ」

 

「後半ただの願望じゃないのよ!?」

 

「夢をつかんだ奴より夢を追ってる奴の方が時に力を発揮するもんだ」

 

「意味わかんないわよ!」

 

完全に総介のペースとなった。ああ言えばああ言う。こう言えばこう言う。総介は伊達に『銀魂』を読んではいない。あの世界で繰り出される軽快なボケ&ツッコミのやりとりは、彼が作中で好きなものの一つであり、その口車のうまさにも見事に彼の力となっている。二乃は完全にそんな総介の手玉に取られていた。

 

「だいたいてめー、初対面の人に向かってなんだその口の利き方は?あぁ?張り倒されてーのか?それともその巨大な胸ん中になんかつっかえてんのか?なら俺が確かめてやろう、どれ、お兄さんに見せてみ?」

 

「初対面でセクハラしてくるアンタに口の利き方なんて言われたくないわ!その言葉そのまま返すわ!!」

 

「いらねーよ、んなもん。当社はクーリングオフは一切受け付けておりません。お客様の自己負担となります。わかったか竹(ピー)彩奈?」

 

「ってそれアニメでの中の人でしょうが!ちゃんと名前で呼びなさいよ名前で!…………………って中の人って言っちゃったわよ!」

 

「二乃……」

 

風太郎も今のはメタ的にやばいんじゃ?と中の人とか言ってる少女を見る。

そんな色々とギリギリなやりとりをしている時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わお!二乃と上杉さん!来てたんですね!」

 

 

 

 

 

 

 

エントランスの入り口のほうから声がした。3人がそちらに目をやると、また1人少女が立っていた。

 

「四葉……先帰ってろってメール来なかったのか?」

 

「えへへ〜。実は携帯見るの忘れちゃってて。帰る途中で三玖から教えてもらったんです」

 

その子は頭を自分で撫でながら言う。

どうやら風太郎の口調からして、この子も五つ子の1人のようだ。

オレンジに近い赤いショートヘア、頭には緑のリボンをつけて、学生服の上からは黄色いベストをきている。二乃と違って明るく元気そうな雰囲気を持った少女だ。顔立ちも二乃や『ヘッドホンさん』とほとんど一緒だ。でもこの子も『ヘッドホンさん』ではない。と、リボンの子……四葉がこちらを向いた。

 

「んん〜?もしかして、この人が『助っ人さん』ですか?」

 

「あ、ああ。彼が家庭教師の助っ人のあさ「そうなんですかーー!!」……聞いてくれよ」

 

四葉は風太郎の話も途中に、総介の前まで来て彼の右手を握る。

 

「私、中野四葉っていいます!助っ人さん、よろしくお願いします〜〜〜!!」

 

ブンブンブンブン!

 

「お、おう、よろしく……あの、そろそろ手離してくれ」

 

四葉は総介と勝手に握手と自己紹介をすると、総介の手を勢いよく上下にブンブンしたが、総介に注意されてようやく離した。

 

「あっ!ご、ごめんなさい!」

 

「い、いや、構わん。助っ人の浅倉総介だ。よろしく頼む」

 

「はい!よろしくおねがいします、浅倉さん!」

 

どうやら四葉は素直な元気っ子のようだ。声も大きいし、体育会系のノリもある。友好的なので、少なくとも二乃よりはだいぶ性格的にもマシだろう。

 

(………バカっぽいけど)

 

さりげなく失礼な総介だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!!アタシはまだ認めてないわよ!」

 

と、そのマシじゃない方の二乃が口を挟んできた。

 

「ん?いたのか中野梓。部活はいいのか?」

 

「いや苗字同じだけどそれ某女子校軽音部アニメの唯一の後輩でしょうが!!」

 

「いくら先輩がやる気ないからってお前まで流されることはないと思うぞ?」

 

「やってやるです!!…………て言わせんな!!」

 

「あははっ!浅倉さんと二乃ったらおもしろーい!!」

 

カオスなやりとりをする総介と二乃、それを見て笑う四葉。風太郎は一瞬この状況にめまいがするが、どうにか持ち直した。

 

「そういや四葉。三玖と一緒に帰ってたんじゃなかったのか?」

 

「え………あ、三玖置いてきちゃいました」

 

四葉は自分で頭をコツンとする。多分『テヘッ』とか言ったらぶりっ子の完成である。

 

「………お前なぁ……」

 

風太郎が四葉に対して呆れてしまう。総介はここで確信した。

 

 

 

この子は『バカ』だ。

 

「だ、大丈夫ですよ〜!私が走ったのはすぐそこですから………あ、ほら、三玖が帰ってきました!」

 

おーい!と四葉はエントランスの入り口に向かって手を大きく振る。

皆がそちらを向き、総介も視線をそちらへと移した。すると

 

 

 

 

 

「三玖ー!遅いよ〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「四葉がいきなり走るから………………………っ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに現れた少女こそ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………うそ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総介が2度会った『ヘッドホンさん』だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、『浅倉総介』とヘッドホンさん改め『中野三玖』は三度出会った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この話を投稿した後、タグを大幅に変更します。




今回もこんな駄文を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回は火曜日に更新予定です。
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