世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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というわけで、第五章の前に、第四章の番外編です。ゆる〜くいきますので、あまり真剣に読まなくても大丈夫です。かぐや様ロスが私のやる気を削いでおりますので……アニメ3期待ってるぜ。


あと今回、後書き長いのでそちらの話にも興味があれば感想等でお待ちしてます。


55.番外編…物持ちの良さは性格に表れる

クリスマスイブ、総介は五つ子が新しく住むことになったアパートで皆でケーキを食べて小さなパーティーを楽しんだ後、三玖を自宅にお持ち帰りして(本人も行きたいと言ってたので)、その夜を共に過ごした。

無論、ナニがあったのかは、リア充のたしなみなので、お察しください。総介爆発しろ。

 

「ソースケ、起きて。ソースケ」

 

「ん、んん……ふぁ〜、おはよ、三玖」

 

「ふふっ、おはよう、ソースケ」

 

 

その翌朝、先に目を覚ました三玖に起こされた総介。ぼんやりとしたまま、三玖に顔を近づけて朝の口づけを行い、同じベッドから起床した2人は、三玖の手伝いもあって作った朝ごはんを食べた後、リビングでまったりと過ごしていた。そんな時に、それは起こった。

 

 

 

「………あれ?」

 

「?どうしたの?」

 

「……右側が…聞こえない……」

 

ふと、総介が三玖の方を見ると、どうやらスマホで動画を見ていた三玖が、自身のヘッドホンの不調に気づいたらしい。

ヘッドホンを使っている三玖も珍しいと思いながら、彼女からヘッドホンを受け取り、耳に当ててみる。

 

「……ほんとだ。右側が音流れないね」

 

「うん……」

 

「見たところ何年か前のモデルだけど……結構使ってる?」

 

「うん、中学のときから……」

 

「三玖物持ち良いね。俺なんて毎日音楽聴きすぎて一年でオシャカにしたんだけど……うーん、修理するにもそれなりに金かかるし……」

 

「どうしよう……」

 

しゅん、と落ち込んでしまう三玖。それを見た総介が、彼女のために何もしないはずもなく……

 

「………よし!今から三玖の新しヘッドホン探しに行こう」

 

「え?……い、いいの?」

 

「いいも悪いも、ちょうど今日は特に予定無かったし、デートがてらに、いっちょ街中回ってみようよ」

 

「う、うん!ありがとう」

 

こうして、2人はすぐに出かける準備を行い、自宅から街へと駆り出した。その際、いろんなところを回りたいということもあったので、総介は自身の愛車の『ベスパ』のキーを取って、駐車スペースからそれに乗って、三玖を待たせている場所に向かった。

 

「お待たせ。はい、ヘルメット」

 

「ありがとう……私、乗るの初めて……」

 

総介に乗りたいとは言ってたものの、オートバイに乗るのが初めてな三玖は、どうやら不安な様子だ。

 

「大丈夫だよ。スピードはそんなに出さないし、俺にしっかり捕まってたら落ちることないから」

 

「う、うん……」

 

三玖は総介からグレーの半帽タイプのヘルメットを受け取り、慣れない手つきで装着してから、総介の後ろへと乗り込む。

 

「じゃ、しっかり俺の腹につかまっててね。不安だったらベルト握ってもいいから

 

「う、うん……」

 

そう言われて、三玖は、総介の腹へと手を回す。彼の硬い腹筋の感触を手で感じながらも、絶対に離すまいと彼の身体をギュウっと抱きしめる。

 

一方、総介の方は三玖に抱きつかれた拍子に、彼女の胸部の柔らかい感触に大変満足しながら(総介爆発しろ)、アクセルをかけて、ゆっくりと『ベスパ』を発進させた。

 

「じゃ、しゅっぱーつ」

 

「うん……きゃっ!」

 

「ん?どうしたの?」

 

「な、なんでもない。少しびっくりしただけ」

 

オートバイが発進し、足を浮かせた感覚に、三玖は少し驚いたものの、そのま総介の体にしがみつき、遅い速度ではあるが、普段とは違う、前から来る風を感じながら、目的地へと走って行くのだった。

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

というわけで、ショッピングセンター内の家電量販店へと着いた2人。早速家電量販店てと向かい、イヤホン、ヘッドホンのコーナーで物を漁る。

 

「何か欲しいものに条件とかある?」

 

「うん、できれば同じメーカーのもので……」

 

「なるほど…………あ、ここだね、三玖のと同じメーカーのやつ」

 

総介がある場所を指差すと、そこには三玖のヘッドホンにもあった同じマークのメーカーのものがいくつか並んでいた。

彼女はいつかを物色し、サンプル品などをつけて試したりと、真剣な表情で選ぶ彼女を、総介は後ろからそっと見守る。しばらくそして、三玖があるヘッドホンを手にとった。

 

「これ……これにする」

 

そう言って彼女が手に持ったものは、以前のシンプルなものとは違い、少しメカニカルなヘッドホンだった。無論、色は青色である。三玖は以前のヘッドホンを首元から外し、サンプル品をつけてみる。

 

「オッケー……うん、似合ってるよ」

 

「そ、そう?」

 

「もちろん……じゃあ、会計行こうか」

 

「うん」

 

買うものが決まったところで、サンプル品を戻して、番号札と同じ商品の箱をレジカウンターへと持っていく。

 

 

ピッ

 

 

「ありがとうございます。こちらの商品お会計××××円となります」

 

「はい……」

 

「じゃあこれで」

 

「えっ!?」

 

三玖が財布を出そうとしたとき、横にいた総介が、一切表示を変えることなく、カウンターにお札を出した。

 

「そ、ソースケっ、いいよそんな!これ、結構高いし、何もここまで……」

 

さすがの三玖も、高校生にとっては中々に高い値段のため、総介にお金を返そうとするが……

 

「いいのいいの。ここは俺が払うから。三玖もアパートに引っ越したから、お金持っといた方がいいでしょ?」

 

「で、でも……」

 

「それに、昨日ゴタゴタしてたから、まだ渡せてなかったしね」

 

「………?」

 

最後の総介が言ってる意味が、三玖には分からなかったが、彼はそのままトントン拍子に会計を進めてしまい、お釣りとレシートを受け取って、袋に入れられたヘッドホンを彼女に差し出す。

 

「はい、これは三玖の」

 

「……あ、ありがとう」

 

そのまま、流れのまま総介にヘッドホンを買ってもらう形となり、店を後にした2人は、そのままショッピングセンター内を歩いていく。

 

無論、手を繋ぎながら。

 

総介爆発しろ!

 

 

「……ソースケ」

 

「?」

 

「その……本当にいいの?」

 

三玖は、繋いでいる反対の手に持った袋を持ち上げ、それを皆が心配そうに声をかけるが、総介は少し笑いながら返す。

 

「いいよ。元々俺が出すつもりだったし、それなりに貯金は持ってるから、大丈夫だよ」

 

「そ、そう……」

 

総介は『刀』に所属している間、何もタダ働きをしていたわけではない。危険が伴う仕事である故、貰える給料も高く、それに加えて出来高での臨時報酬も与えられる。

無論、『異名持ち』である総介が、生半可な金額を渡されるはずもなく、『刀』をしばらく休養いているとはいえ、彼の貯蓄額は3000万円を余裕で超えている。さらに、ここ数ヵ月で幾度か『鬼童』として復帰して仕事をこなしたため、ついこの間に休養中の固定給とボーナスをもらった彼の手持ちの現金は数百万ほどある(無論、多くは家の金庫に保管している)。

仕事の内容が内容ではあるが、総介は高校2年生にして、その辺のサラリーマンを軽く凌ぐ収入を得ているのだ。もっとも、彼はどっかの銀髪侍とは違って金に執着するような男ではないが(時々ポーズで演じる時もある)……。

 

「それに……」

 

「?」

 

と、話を続けている総介に、三玖は歩きながら彼を見上げた。

 

 

 

 

「まだ、三玖にクリスマスプレゼント渡せてなかったしね。その場でっていう形になっちゃったけど、機会が今しか無かったから……こんな形だけど、お気に召したかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ありがとう、すごく嬉しい」

 

総介の想いを聞き、三玖は彼の手をギュッと握りしめながらお礼を言う。それと同時に、いつも自分は、彼に与えられてばかりだということも自覚してしまう。が、せっかくのクリスマスだ。こうしてショッピングセンターでデートしているので、自分も何かプレゼントを買おうと総介に提案しようとした矢先、彼が足を止めた。

 

「?ソースケ?」

 

手を繋いでいるので、自然と三玖も歩みを止める。不思議に思い、彼の顔を見上げると、総介の視線は一直線に前を向いていた。その視線をゆっくりと辿った先には………

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんであんた達までいるのよ……」

 

 

 

 

 

 

二乃と、その隣には金髪碧眼のサイドテールの少女(・・・・・・・・・・・・・・)がいた。

 

 

「二乃……」

 

三玖も、目の前の二乃に気づいて、少し気まずくなりかけてしまうが、そうなる前に総介が口を開いた。

 

「何でって……せっかくキリスト大明神がカップル同士いちゃいちゃデートぐれぇしやがれっつった日なんだからよ、あやかってイチャラブデートしてんだっての、悪ぃかよ」

 

「色々と間違えてるわよ!」

 

二乃がそう突っ込む。と、すぐに横にいた少女が彼女に話しかけた。

 

「二乃……こちらのお二人は?」

 

「え?ああ、そうね、アイナは会うの初めてだったかしら?……まぁ、紹介するわ。私の姉妹の1人で、三玖よ」

 

二乃は隣にいた少女……『渡辺アイナ』に妹の三玖を紹介する。

 

「そうだったのですか……初めまして、中野三玖さん。私は二乃の友人の『渡辺アイナ』と申します。以後、よろしくお願いします」

 

アイナは三玖に向かって、ペコリと頭を下げて挨拶をする。すると、三玖もつられて挨拶を返す。

 

「は、はじめまして、中野三玖です。二乃の姉妹の1人です。よろしくお願いします…………あ、こっちは、私の恋人の浅倉総介です……」

 

ペコペコと頭を下げていると、横にいた総介に気づいた三玖が、アイナに総介を紹介する。

 

「ちょっと、そいつは紹介しなくていいわよ」

 

「でも、2人は?って言ったから」

 

「こんな奴、アイナに関係無いんだから別にいいでしょ」

 

「二乃、構いません……初めまして、渡辺アイナです」

 

「ん〜、あ〜、浅倉総介、よろしく〜……」

 

非常に素っ気ない挨拶をした2人だったが、2人は目線を合わせると、それだけで会話を始めた。

 

『まさかお前とここで会うとはな。今日仕事じゃなかったか?』

 

『そうでしたが、急遽オフになりました。本日若様は、旦那様、奥様のお二人と、家族水入らずの時間を過ごされてます。私は不要となったところを、二乃から連絡を受けて、ここに来たまでです』

 

『……なるほどな、そりゃ[あの2人]が帰ってきてんのなら、海斗もそうしてぇだろうな』

 

『総介さんこそ、クリスマスの日に手を繋いでデートとは……随分と変わられたものですね』

 

『かわいいだろ〜三玖。お前の横にいるヒス女とは大違いだぜコノヤロー』

 

『まったく……』

 

「ちょっと!アイナに向かって何よそのやる気の無い態度は!」

 

2人が視線だけで会話をしていたのはほんの数秒だったので、途中で二乃が割って入ってきてしまう。

 

「仕方ねぇだろ?俺、三玖以外の女にそんな興味ねぇし」

 

「っ〜〜!あんたね、」

 

「二乃、私は大丈夫です。それよりも、買いたいものがあるのでは無かったのではないのですか?」

 

「っっ………ええそうね。こんな奴に構ってるなんて時間の無駄だわ。さっさと行きましょう」

 

「よく言うよ〜、朝一番で海斗を誘って断られたくせに〜」

 

「何であんたが知ってんのよ!?っていうかそれを言うな!!」

 

今朝にちゃっかり海斗に教えてもらった総介だった。

 

「それでは三玖さん、またどこか出会う機会があれば」

 

「は、はい……」

 

アイナはすれ違いざまに、三玖に声をかけて、二乃と一緒に遠ざかっていき、やがて人混みに紛れて見えなくなった。

 

「……綺麗で、礼儀正しい人だった」

 

「まぁ学年の間じゃ有名らしいからね」

 

「そうなの?」

 

「うん、結構男連中の間でも……!!……ごめん三玖、ちょっとトイレ行ってくる」

 

「え?……う、うん」

 

アイナのことについて話していた総介だったが、ふと『あるもの』が目に飛び込んできたので、三玖にトイレに行くと嘘をついて、その場を離れていく。

 

そして彼が向かった先には………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、何ここでも親バカ発動させてんですか……剛蔵さん」

 

 

「?……うおっ!総介か!?しばらくだな!」

 

そこには、でっかいサングラスとマスク、そして帽子を被り観葉植物の影に隠れているつもりでアイナと二乃を見守……いやもうストーキングしている2メートルにも達する大男でありアイナの父、そして大門寺家対外特別防衛局『刀』局長『渡辺剛蔵』の姿があった。

 

「いや何、アイナちゃんにどこの馬の骨とも知れん輩が近づかないよう、直々に警護していたんだ。まさかその途中でお前に会うとは思わんかったがな!」

 

ガハハハ!っとマスクとサングラスを外して豪快に笑う剛蔵。

 

「いやどう見てもストーカーにしか見えないんスけど?完全に危ない人にしか見えないんですけど?」

 

「安心しろ!アイナちゃんにどこで何かあってもいいように、この建物の全ての監視カメラは掌握済みだ!どこにいようがアイナちゃんをマークして、俺のスマホに映像が届くようにしてある!大門寺の連中のハッキング技術様々ってヤツだな!」

 

「アンタ何大門寺の人間私的に使ってんだ!」

 

「さらに!アイナちゃんが1人になった時を狙う連中もいるかもしれんからな!建物のトイレや試着室の一つ一つ全てに超小型のカメラを設置した!これで下賤なことを企む輩がいれば、すぐにアイナちゃんのもとに駆けつけられるって寸法よ!」

 

「全警備員へ、3階で非常事態だ。実の娘とついでに他の連中の盗撮という下賤な輩が現れた。容疑者は男性、身長2メートル、髪は黒、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」

 

「どこのシュワルツェネッガー!?」

 

剛蔵のぶっ飛んだ親バカっぷりに、総介も呆れてしまう。本来の彼は、『刀』の局長として申し分無いほどの強さと器量を併せ持った武人なのだが、こと娘のアイナの事情となると完全なる犯罪者予備軍、いやもう変態犯罪者に成り果ててしまうのだ。

 

「待て待て待て!これもアイナちゃんのためなんだ!どうか目を瞑ってくれ総介!上司の頼みだ!」

 

「娘のためにトイレやら試着室やらにカメラ仕掛ける変態ゴリラを俺は上司だと思ったこたぁねぇ」

 

「そんなこと言わずに〜……そうだ!後でカメラの映像の一部をお前にも渡そう!それで見逃してくれ!」

 

「だからそんなので………

 

 

 

 

 

 

いや、試着室のは中々……ちなみに、どんなの撮れてんすか?」

 

「えっとな………お、出た出た」

 

そう言って剛蔵は、総介にスマホの映像を見せ、2人はその場でしゃがみこみ急遽観賞会に入る。総介、お前デート中だよな?

 

「うお、こんなのいいんですか!?完全に丸見えじゃないスか……お、この女の乳デカっ!いや、こっちの紐パンも捨てがたい……」

 

「いいだろういいだろう。だがな、アイナちゃんは今日一度も試着室に入って無いんだ。父としては、近頃の娘の成長過程を見れずに残念でならんのだ……」

 

「アレでしょ?思春期迎えて風呂一緒に入らなくなったり、お父さんのと洗濯物別々にしてくれってヤツでしょ?いいじゃないスか。それすらも娘の成長ってことですよ。あ、パンツ見えた」

 

「しかし、こうも娘が俺の元から離れていくっていうのは、結構悲しいものだぞ?あ、パンツ見えた」

 

「父親なんだからどっしりと構えてていいんスよ。かわいい子には旅ををさせろって言葉、知らないんスか?アイナも何かあったら、剛蔵さんを頼りますって。あ、パンツ見えた」

 

「とは言えなぁ………お、アイナちゃんに動きがあったみたいだぞ!あ、パンツ見えた」

 

「え?どこに向かってんですか?あ、パンツ見えた」

 

「?……だんだんこっちに近づいて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をされているのですか、お父様、総介さん?」

 

 

後ろから何やら、聴き慣れた声がしたと思いきや、剛蔵と総介はギギギ、とブリキロボのように首を振り向かせ、斜め上を向いた。そこには、怒りに燃え、ゴミを見つめる冷たい表情をした剛蔵の愛娘がいた。そんなアイナを見た総介と剛蔵が一言呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「あ、パンツ見えた」」

 

 

 

 

 

 

 

「死んでください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせ〜、三玖」

 

「あ、長かったね、ソー……ソースケ!?どうしたの、その顔!?」

 

あの後、総介は二乃にトイレに行くと言って自分たちのもとにやって来たアイナからキツいビンタをもらい、右のほっぺたには真っ赤な紅葉が咲いた。そして剛蔵は、総介以上にキツ〜いお仕置き(内容は言えないが、剛蔵がトラウマになるレベル)を施され、カメラを全て回収させられ、アイナの連絡で迎えにきた『刀』の副長『片桐刀次』に連行されていった。何でも、本日の業務を全て刀次に押しつけてアイナの後をつけてたらしく、迎えにきた刀次は怒りながらも、毎度のことで呆れていたそうな……

 

 

「いや何、四回転ジャンプの練習をしてたフィギュアスケーターの手が着地時に俺にヒットしたまでの話だよ」

 

「?よ、よくわかんないけど、大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫。さ、せっかくのクリスマスなんだし、いろんなとこ行こうよ。フェアとかで安くなってるとこもあるしね」

 

「う、うん……」

 

こうして、2人は再び手を繋いで、ショッピングセンター内を歩いて回るのだった。

 

 

 

そんな過程で………

 

「お、これいいな」

 

「?、このマフラー?」

 

「うん、今使ってるのがちょいとほつれてるからせっかくだから買おうかな」

 

総介が手に取ったのは、赤を基調として真ん中に黒い線が入ったマフラーだった。

 

「………じゃあ、私が買う」

 

「え、いいよいいよ。三玖もアパートに引っ越したばかりなんだから、お金は持って方が」

 

「ダメ、私が払う」

 

そう言って三玖は総介からマフラーを取り上げる。

 

「私も、ソースケにプレゼントしたい……与えられるだけじゃイヤ」

 

「三玖……」

 

三玖は真剣な表情で、総介を見つめる。思えば、三玖は彼と出会った時から、もらってばかりだった。最初に出会った時の抹茶ソーダから、先ほどのヘッドホンまで、全部自分が与えられてばかりだ。そればかりは、甘えるばかりはもう嫌だ。自分も、彼に返していきたい。例え、彼が納得しなくても……

 

「……わかった、じゃあ今回は甘えさせてもらうよ」

 

「うん……じゃあ。買ってくるね」

 

「うん」

 

総介は、彼女の意思を汲み取り、今回は譲ることにした。そして

三玖は、そのままレジまで行き、会計を済ませて戻ってくる。

 

「はい、ソースケ」

 

「ありがとう、三玖。大切に使わせてもらうよ」

 

三玖からマフラーの入った袋を渡され、店を後にした2人。その後も、食事をしたり、ペットショップを回ったりと、デートは続いた。

 

 

 

 

総介爆発しろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、似合ってるよ」

 

「そ、そう?……ソースケも、似合ってる」

 

「ありがとう」

 

そうして、デートを終えた2人は、『ベスパ』に乗って総介の家に戻り、リビングでお互いのプレゼントを身につけて試していた。三玖は今までのヘッドホンを首元から外して、新しいヘッドホンを、総介は三玖に買ってもらったマフラーを首に巻いていた。

三玖はそのままつけていたが、総介はマフラーを外して、三玖の外した古いヘッドホンを手に取る。

 

「三玖、これさ、ここに飾っていいかな?」

 

「?」

 

そう言って総介は、テレビの横にある木製のラック、写真立てが置いてある横に、ヘッドホンを置いた。

 

「うん、いいよ、もう使わないから」

 

「ありがとう。このまま直置きにするのもあれだから、また今度スタンドを買いに行かなくちゃね」

 

そう言って総介はソファに深く座る。それを見た三玖は、総介の方へと近づいていく。それを見た彼も、三玖を見て微笑み、

 

 

「おいで」

 

「うん」

 

座った総介の上に乗り、首に手を回す。総介も、三玖の背中へと手を回し、抱きしめ合う。

 

 

 

 

「幸せ……」

 

「俺も……三玖、愛してる」

 

「うん……私も愛してる」

 

「三玖………」

 

「ソースケ……ん」

 

やがて、至近距離で見つめあった2人は、自然と唇を重ねる。そこからしばらく2人は、ソファで抱き合ったまま何度も重ねるだけのキスを続けていくのだった。

 

 

 

 

 

総介爆発しろ(何回目?)。

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

「…………そろそろ晩ご飯作らなくちゃ」

 

「あ、じゃあ私も手伝う」

 

やがて、2人は抱擁を解いて、軽く口づけをしてから、総介が先にキッチンへと向かった。三玖は、テーブルに置いた物を片付ける。すると、ふと彼女がラックの中の写真立てを見たとき、少し違和感を感じた。

 

 

 

「……あれ?」

 

三玖は近づいて、いくつある写真立ての中の一枚の写真を見る。そこに写っているのは、幼い頃の総介が、竹刀を持って胴着を着て、他の3人と写っている写真。1人は、銀髪の可愛らしい少年。これは間違いなく、海斗だろう。もう1人は、大人で、穏やかそうな雰囲気のある人。おそらくは、総介が通っていた道場の先生なのだろう。そしてもう1人………ポニーテールの、金髪碧眼の少女が写っていた。

 

(………似てる)

 

ショッピングセンターで二乃の隣にいた、同じく金髪碧眼の少女。確か『渡辺アイナ』と言ってた。礼儀正しい美少女。髪型は少し違うが、顔出しが写真とら驚くほどそっくりだ。

 

(………でも、「はじめまして」って……)

 

あのとき2人は、お互いに素っ気ない挨拶をして、それ以上は喋らなかった。別人なのだろうか……

 

 

「三玖ー、料理作るよー」

 

「え!?あ、うん、今行くね」

 

キッチンの向こうから、自分を呼ぶ総介の声がしたので、慌てて彼の元へと向かう。

 

 

(………別人、だよね)

 

 

不安にも似た疑問を、三玖はそのまま心の奥底にしまい、総介とその日の夕食を作るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヶ月後、彼女はその疑問の答えを知ることとなる………

 

 

 

 

 

 

 




ギャグ回&イチャイチャ回でした。
この日三玖が買った新しいヘッドホンは、原作と同じ7巻から使っているものです。

さて、第四章も終わり、キリが良かったので、この『嫁魂』を作者の知り合い何人かに読ませてみたところ、誤字脱字や文章構成はともかく、ストーリー自体は総じて中々面白いとの評をもらい、結構上機嫌の作者です。そんな中で、気になった点がいくつか挙げられたのですが、主に2つの点でした。

①オリキャラのイメージ声優陣豪華すぎじゃね?
この作品を書く時に、作者は「このキャラの中の人はこの人だな」とイメージしながら書いています。たまたま感想の中の質問であったので、お答えして、それ以降も新キャラが出てくる度にイメージCVを発表していますが、そんなイメージCVを、今一度まとめてみました。
※あくまで作者の脳内イメージですので、読者の皆様それぞれによってイメージCVは異なります。皆様はそれぞれにイメージされた中の人をキャラの声に当ててください。その人が演じられた役まで書いておきますので、気になる方は是非調べてみてください。

浅倉総介……杉○智和(『銀魂』坂田銀時)
大門寺海斗……櫻◯孝宏(『コードギアス 反逆のルルーシュ』枢木スザク)
渡辺アイナ……花○ゆみり(『ゆるキャン△』各務原なでしこ)
渡辺剛蔵……森◯智之(『クレヨンしんちゃん』野原ひろし[二代目])
片桐刀次……諏◯部順一(『テニスの王子様』跡部景吾)
御影明人……鈴◯健一(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』シン・アスカ)
柳宗尊……山◯宏一(『ルパン三世』銭形警部[二代目])
片桐剣一……小◯大輔(『黒執事』セバスチャン・ミカエリス)
大門寺大左衛門……大◯明夫(『ブラックジャック』ブラックジャック先生)
大門寺天城……能◯麻美子(『地獄少女』閻魔あい)

今期待の若手声優から、事務所の社長クラス、そして声優界の重鎮であり、生ける伝説なる方まで、「これどこの戦国BASARA?」と言いたくなるようなオールスターとなっちゃいました。というか、ぶっちゃけ皆さん超人気アニメで主役を張れる方々ばかりです。
※あくまで全部妄想です。

②オリキャラの身長高杉ィ!
というわけで、オリキャラ全員の身長、体重を見ていきましょう、

浅倉総介……183cm、69kg
大門寺海斗……191cm、77kg
渡辺アイナ……162cm、51kg
渡辺剛蔵……200cm、98kg
片桐刀次……188cm、76kg
御影明人……174cm、60kg
柳宗尊……195cm、79kg
片桐剣一……189cm、75kg
大門寺大左衛門……198cm、125kg
大門寺天城……170cm、55kg

ここで、男性陣の平均身長を計算して出してみました。

1人あたりの平均『189.75cm』でした。たっか!?
明人以外が全員180cm越えとかいう、バレーとかバスケとかやらせたらめっちゃ強いですよこれ。
一方で女性陣は、アイナは五つ子より少し高く、天城は高身長になっています。
なんでこんなに野郎どもがタッパあんの?と聞かれました。理由としましては、オリキャラは原作のキャラよりも数段「大人」だという印象を与えやすくしたかったからです。総介から見た風太郎や五つ子もそうですが、文字通り、190台後半ばっかりの剛蔵や大左衛門、宗尊などの中年組から見れば、五つ子や風太郎はもちろん、その総介でさえ、まだまだ小さな子供になっちゃいます。あ、身長が高い人ほど大人というではないのであしからず。そうなったら海斗の説明がめんどくさくなりますので。

今回もこんな駄文を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
次回から第五章が始まります。8月に更新予定です。
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