世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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タイトルの○○○(ピー)の部分は読者の皆様のご想像にお任せします。ものすごく下品な言葉でもいいですし、健全なものでも構いません。最初に思いついたものが、あなたのこの話のサブタイトルとなります。


57.ラッキースケベで○○○(ピー)まくり!!!

「もうこんな生活うんざり!!」

 

 

 

という二乃の叫び声で始まった朝。

ここは中野家の五つ子姉妹が新しく住み始めたアパート。当然、大きさは以前住んでいた『PENTAGON』よりも大分狭く、姉妹は一つの部屋に布団をぎゅうぎゅうに並べて寝ていた。が、早速トラブルが起こった。というのも……

 

「なんで私の布団に潜り込んでくんのよ!」

 

「さ、寒くって……」

 

「………」

 

「………」

 

自身の寝ている布団に潜り込んできた五月に文句を垂れる二乃。その様子を、家庭教師の仕事でやって来た風太郎と総介は遠目で見つめている。

 

「あんたの髪がくすぐったいのよ、さっぱり切っちゃいなさい!」

 

「あー!自分が切ったからってずるいです!」

 

「お前ら、一部屋で寝てたのか……」

 

「そりゃ前と比べて小せえから仕方ねぇだろ。5人なんてほぼギリギリなんだしよ」

 

「まぁそうだが……」

 

五月の跳ね上がった癖のある長髪にブーブー文句を言う二乃とそれに反論する五月。さらにこれだけではなく……

 

「でもお布団は久々でまだぐっすり寝れません」

 

「四葉はもう少し寝付けない方がいいと思う……」

 

既に起きている四葉を睨みながら言い返す三玖。見ると、右頬に赤い跡がついていた。

聞けば、四葉の寝相があまりにも悪く、上に乗っかられるわ、拳が頬に当たるわで、三玖も大分迷惑しているようだ。

 

「何才だよお前……」

 

総介の冷ややかなツッコミもあったが四葉は特に気にしてないようだ。いや気にしなさいよ……

 

「ふかふかのベッドが恋しいわ〜」

 

「そうですね、私もお布団は久々……」

 

「…………」

 

「……というわけではありませんが、慣れるまで我慢しましょう」

 

考えると期末試験前に、風太郎の家でお世話になったのを思い出していた。てか貴様ら、林間学校初日に急遽泊まった旅館の布団のことはどうした?

 

「私はソースケの家もベッドだったから……」

 

「そうだね……お!」

 

総介はピコン!と何か閃いたのか、そのまま布団に横になり……

 

「なんなら、俺と一緒に寝てみるかい三玖さんや?もしかしたらぐっすり眠れるかもよ?」

 

肘をついて頭を手で支えながら、もう一方の手で「カモ〜ン」と手招きをする総介。それを見た三玖は………

 

 

 

「……試してみる価値有り」

 

「試すな!!」

 

そのまま総介の横になる布団に潜り込もうとしたところを、二乃に阻止された。2人は頬を膨らましながら二乃をジト目で睨む。

 

三玖かわいい。

総介かわいくない。

 

「でも私の布団が消えたのは不思議です……」

 

「本当に不思議」

 

「ベッドから落ちなくなったのはいいよね!」

 

「四葉、あんただけよ」

 

「……はぁ、新生活始まって早々これか……」

 

「そもそもここ5人用の部屋じゃねーし、仕方ねぇよな」

 

と、ここまで全く会話に参加していない人物が1人いた。それは……

 

 

 

「これだけの騒ぎの中、ぐっすり寝てる一花を見習え!」

 

風太郎が未だ布団の中で夢の世界にいる一花を指差して言うが……

 

「見習えって……」

 

「既に汚部屋の片鱗が見えてますが……」

 

「よくまぁこんな散らかして寝れるもんだな。駆け出しの漫画家かよ」

 

「例えがよくわかりません……」

 

そう、一花の布団の周りは、服やら紙袋やら帽子やら、あらゆるものが散らかっていた。総介も以前、『PENTAGON』の彼女の部屋を見せてもらったことがあるが………

 

「生活感とかそんな話じゃなくてさ……何コレ?空き巣にでもあったの?」

 

と言うおおよそ女子の部屋にしてはならない評価を下したことがあった。彼女の布団の周りには、既にその第一歩を進み始めていた。

 

「一花!朝だ!早く起きて勉強するぞ!」

 

「あ!上杉君!」

 

と、ここで見かねた風太郎が、強引に一花を起こしにかかった。一花のことを知っている五月が止めようとするが、時すでに遅し……

 

「………むにゃ」

 

彼女はそのまま寝返りをうって目を覚ました。そこには……

 

 

 

「……あ、フータロー君おっはー」

 

 

なんと、一花の首から下は、一切衣服を着ていなかったのだ。白い肩を覗かせもう少しで五つ子全員が持つ豊満な胸が見え………

 

「ウワォ♡」

 

「ソースケ!見ちゃだめ!」

 

「うおっ!ラッキースケベが寸前で阻止された!」

 

……てしまうところで、三玖が後ろから総介の目を両手で覆った。が……

 

「……しかし、これはこれで良きものよ」

 

そのまま、背中に感じる恋人の柔らかい乳房の感触を味わう。パジャマ姿なので下着をつけてない分、より柔らかさと弾力がダイレクトに伝わってくる。どう転んでも総介の勝利は揺るがない。

 

 

爆発しろ!

 

 

「っていうか……」

 

と、ここで二乃が口を開き……

 

 

 

 

 

 

「仮にも乙女の寝室に勝手に入ってくんな!!!」

 

 

 

と、風太郎と総介の両者は彼女の怒鳴り声で追い出されてしまった。

 

そりゃあそうじゃ(オー○ド博士風)。

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

で、姉妹は着替えを終え、一同は小さなこたつを囲んで勉強を始めようとしたのだが……

 

「………」うとうと

 

「一花」

 

「……あっ、ごめん」

 

寝起きのせいか、一花はこたつに入っても夢の世界へと旅立つ寸前だった。

 

「フータロー君も先程はお見苦しいものをお見せして申し訳ない」

 

一花は、先程あられも無い姿を風太郎に見せてしまったことを謝罪する。総介?三玖が寸前で目隠ししたので必要なし。

 

「それともご褒美だったかな?」

 

「冬くらい服着て寝ろ」

 

目を逸らしながら注意する風太郎。

 

「いや〜、習慣とは恐ろしいもので、寝てる間に着た服を脱いじゃってるんだよ」

 

「え!授業中とか大丈夫?」

 

「あはは、家限定だから」

 

「授業中に寝る前提で話が進んでる……」

 

「………なんだと?」

 

「あ、あはは、安心して」

 

授業中寝てる発言を聞いて、風太郎がメラメラと反応したが、一花がなんとか止める。

 

一方、総介と三玖は……

 

「………」

 

「………」

 

珍しく黙り込んでいた。総介はどこか別の方向を向いて頬杖をつき、三玖は頬を真っ赤にて俯いている。というのも……

 

 

 

 

 

 

(そりゃまぁ……ねぇ〜……)

 

(………い、言えない……)

 

総介の家で2人で過ごす夜は、大概『そうなる』ので、彼らにも一花の気持ちは少し理解できるのだった。いや、さすがに一人で寝る時はしてないよ。

 

ていうか総介爆発しろ!

 

「これからは、勉強に集中できるように仕事をセーブさせてもらってるんだ」

 

女優の仕事をしている一花も、前回の試験で赤点は回避できたものの、まだまだ予断を許さない状況だ。ここでちょうしに乗ってサボってしまえばまた赤点の世界へと逆戻り。彼女とてそうなるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

「次こそみんなで赤点回避して、お父さんをギャフンと言わせたいもんね」

 

「………」

 

「うん」

 

「私も今度こそ!」

 

「そうですね

 

 

 

 

全員で合格して

 

 

 

お父さんに上杉君をちゃんと認めさせましょう!」

 

姉妹の決意を聞いた風太郎。そんな彼はというと、

 

「………ふん、赤点なんて低いハードルに苦しめられるとは思わなかった……しかし、三学期末こそ正真正銘のラストチャンス

 

 

 

 

早速始めよう!

 

 

 

まずは俺と一緒に冬休みの課題を片付けるぞ!」

 

 

 

「え?」

 

「え?」

 

風太郎が力強く言ったことに、五月が一文字で答え、風太郎もおうむ返し。やがて、姉妹が笑い出す。

 

「ふふっ」

 

「あはは」

 

「フータロー……」

 

「あんた舐めすぎ

 

 

 

 

 

 

課題なんて、とっくに終わってるわ」

 

 

 

「………あっ…そう……」

 

二乃の言葉に、風太郎はしばらく固まってしまう。そして力の無い声で続けた。

 

 

「じゃあ、通常通りで……」

 

「あなたは今まで何をやってたのですか?」

 

「………」

 

「私たちが手伝ってあげましょーか?」

 

「う、うっせー!」

 

いつもと違い、姉妹にたしなめられる風太郎。今回ばかりは彼女達の方が一枚上だったようだ。

 

 

ちなみに………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、俺3日前からブーストかけるタイプなんで」

 

「勉強教えるの上手いっていう設定やめちまえ!!」

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

とまぁ、少々サプライズが起こりつつも、勉強は滞りなく進んでいた。

 

「フータロー……ここわかんないんだけど」

 

「どれ」

 

風太郎は三玖の横まで行き、わからない部分を教える。彼女はすでに、総介からこれでもかというほど基本や普通の問題の部分を教わっており、それらをこなせる部分まで大きく成長していた。ただ、難しい応用の部分は今ひとつなので、そこはより詳しい風太郎の方に教わることにしていた。

 

「ここの問題は……ここの公式を当てはめて……」

 

淡々と教える風太郎だったが……

 

「フータロー」

 

「ん、どうした?」

 

「近すぎ。もう少し離れて」

 

「………はい」

 

デリカシーという言葉がどこかに飛んでいる風太郎は、遠慮せず三玖の顔からわずか数センチのところにまで近づいて説明していた。いくらなんでも近すぎると注意をされ、少し距離を置いて教え始めた瞬間、はっ!っと思い、ゆっくりと総介の方を振り向く。すると………

 

「だからここは……ってなわけだ」

 

「おお!浅倉さんは物知りですね!すごいです!」

 

「高一で習ったところの復習だっつーの」

 

「あ、あはは、でもまた一つ賢くなれました!」

 

「後いくつ賢くなりゃいいんだコノヤロー」

 

と、意外にも普通に四葉を教えていた。

 

み、見られてなかったか………

 

と、少し安心する風太郎に、あるものが思い浮かんでくる。

 

総介は、右手で四葉のノートを指差しながら教えている。ならば左手は………

 

 

 

「!!!」

 

彼の左手は、四葉の背中へと回り、手の甲を風太郎にしか見えないように、中指を突き立てていた。そのまま、四葉に勉強を教えている。

 

 

「………」

 

風太郎が恋愛をよく思わず、自身もそのようなことは必要無いと言ってる人間とはいえ、それがいくら偶然でも、異性に何のデリカシーも無く至近距離まで近づきすぎるというのは良いものではない。ましてや、恋人がいる人物ならば尚更だ。それで良い感情を持つ者はそうそういないだろう。

 

「………き、気をつけます……」

 

そう風太郎が呟くと、総介は左手を四葉の背中から元に戻す。ようやく安心して、フータローは少し周りを見渡す。と、

 

「おい、一花起きろ」

 

「あ………」

 

三玖の左隣にいた一花が、再びうとうとし出し始めていた。

 

「いやーごめん………

 

 

 

寝て………

 

 

 

ない………

 

 

 

よお………

 

 

 

……………」

 

 

 

 

「寝てる!」

 

そのまま一花は、座りながら夢の世界にフライアウェイしてしまった。

 

 

「この野郎……何がギャフンと言わせるだ……赤点を回避したからって油断しやがって」

 

風太郎の目が怪しく光りながら、再び一花を起こそうとするが、

 

「少しは寝させてあげなさい」

 

「は!?」

 

二乃が止めた。そして、彼女は一花について話し出す。

 

 

 

 

 

「一花、さっきはあんな風に言ってたけど、

 

 

 

本当は前より仕事増やしてるみたいなの」

 

「!」

 

「………」

 

「生活費を払ってくれてますもんね」

 

「貯金があるから気にしなくていいって本人は言ってたけど……」

 

今五つ子がいるアパートで暮らしていくには、どうしても家賃や光熱費、食事代諸々がかかる。それらは今は、ほとんどは一花の女優としての仕事で得た収入で工面し、支えてもらっている状態だ。

 

 

つまり……

 

「こうやってソースケとフータローに教えてもらえてるのも全て、一花のおかげ」

 

「………ま、そりゃわかるけどな……」

 

「………だからって無理して勉強に身が入らなきゃ本末転倒だ」

 

いくら彼女が頑張ってくれているとはいえ、そもそもの目的である勉学が疎かになってしまっては元も子もない。

 

「おい、起き……」

 

「あの」

 

風太郎が一花を起こそうとしたとき、五月が手を上げて意見を述べた。

 

「私たちも働きませんか?」

 

「!」

 

「え?」

 

「も、もちろん勉強の邪魔にならないように」

 

五月が言い出したことは、どちらかというと姉妹に向けて言われた事だった。

 

「少しでも……一花の負担を減らせたらと思いまして……」

 

「………」

 

「いいんじゃねぇの?ちゃんと意義もあるし、俺は反対しねぇよ」

 

総介の方は、五月の意見をそのまま受け入れたが、風太郎はそうはいかない。さながら受験生を待ち受ける面接官の如く質問をする。

 

「今まで働いた経験は?」

 

「あ、ありません……」

 

「勉強と両立できるのか?赤点回避で必死なお前らが」

 

「うっ……」

 

痛いところをついてくる風太郎に、五月は黙ってしまうが、それならと、彼女はこんなことを言い出した。

 

 

「それなら…………

 

 

 

 

私もあなたのように家庭教師をします!」

 

「!?」

 

「はい?」

 

その一言に、風太郎と総介の顔の上に『?』マークが三つほど並んだ。そしてここから、姉妹達のやりたい職業プレゼンテーションが幕を開けた。

 

 

①中野五月……家庭教師

 

「教えながら学ぶ!これなら自分の学力も向上し一石二鳥です」

 

 

「やめてくれ……お前に教えられる生徒がかわいそうだ」

 

「今の肉まん娘じゃせいぜい小学生の『よいこのこくご』『よいこのさんすう』が関の山だな」

 

結論……不採用!!

 

 

 

②中野四葉……スーパーの店員

 

「それならスーパーの店員はどうでしょう?近所にあるのですぐ出勤できますよ!」

 

 

「即クビだな」

 

「レジに行列できるのが目に浮かぶわ」

 

結論……解雇!!

 

 

 

③中野三玖……メイド喫茶

 

「私………メイド喫茶やってみたい」

 

「!?」

 

「い、意外と人気出そう……」

 

「…………(妄想中)」ボタボタボタ……

 

「わあああ!!浅倉さん!鼻血鼻血!今ティッシュを!」

 

「却下却下!!」

 

結論……かわいい!!

 

 

………じゃなくて却下!!(総介限定のメイドならOK)

 

 

 

④中野二乃……女王様

 

「二乃はやっぱ女王様?」

 

「やっぱって何よ!?」

 

「あ、俺調子乗ってる女王様をいじめるコースで。あと本番アリとアフターケアもプラスしといて」

 

「よくわかんないけど死ね」

 

結論………一本1万円コースでお願いします!

 

 

「二乃はお料理関係だよね」

 

「ふん、やるとしたらね」

 

二乃がそう言ってそっぽを向くが、そのまま四葉は続ける。

 

 

「だって二乃は自分のお店を出すのが夢だもん」

 

「!」

 

「……へぇ、初めて聞いたな」

 

 

 

 

 

「………こ、子供の頃の戯言よ

 

 

本気にしないで」

 

二乃が珍しく顔を赤くしながら弁明するが……

 

 

「まあお前のキャラ設定でいい部分って言えば『料理上手』なとこしかねぇからな」

 

「うっさい!!」

 

総介の一言で台無しになったとさ………

 

 

「ソースケとフータローはバイトしてたの?」

 

三玖が2人に聞いてきたことに、まずは総介が答える。

 

「俺は……警備業」

 

「警備業?」

 

「警備って、あの『赤い棒』を持って振り回すやつですか?」

 

「あ〜そうそれ。『赤い棒(血まみれの日本刀)』を持って振り回す(人斬って暴れ回る)やつのことな」

 

「なんか地味ね〜」

 

「ほっとけ」

 

一応、『刀』は表向きは大門寺家専属の警備会社という形であり、業務も本邸にやって来る車の誘導、確認や、敷地内の警備も業務に入っているので、間違いではない。

続いては風太郎。

 

「居酒屋、ファミレス、喫茶店、和食に中華、イタリアン、ラーメンそばピザの配達……様々なバイトを経験してきたが、どれも生半可な気持ちじゃこなせなかった」

 

「食べ物系ばっかり」

 

「まかないが出るからでしょう」

 

食費を抑えることしか考えていないようなバイト歴である。が、姉妹のいちゃもんなぞ一切気にすることなく、風太郎はくわっ!っと目を見開いて一言。

 

 

「仕事を舐めんなってことだ!!」

 

ここの原作の部分見てるけど、完全に目がイッちゃってるよね……

 

「試験を突破しあの家に帰ることができたら全て解決する。そのためにも今は勉強だ!」

 

「結局そこに帰結すんのな」

 

「……一花が女優を目指したい気持ちも分からんでもないが、今回ばかりは無理のない仕事を選んで欲しいもんだ」

 

「………」

 

総介は少し考えた。今の時点では、一花は姉妹の中で2番目に赤点を回避した。しかし、女優の仕事の両立もしなければならないことを考えると、ラインで言えば五月と同程度か一歩後を追う形だ。

赤点を回避したからといって、何も彼女が安全圏に入ったわけではない。今のところ、そこにいるのは三玖ただ一人だ。

彼女は勉強へのモチベーションも高く、総介から勉強をずっと教わり、風太郎からも難しいところを教えてもらっているため、姉妹の中での見本だ。是非とも他の4人も続いてもらってほしいところだが、これでは学年末まで間に合うかどうか……

 

(ま、どっかのアホども[二乃四葉五月]と違って長女さんは自分の立場を弁えてるみてぇだしな。今はこのままでいいだろ)

 

補足すると、一花は総介が三玖以外で1番信頼している人物である。勉強する理由はどうあれ、ちゃんと風太郎と総介についていってるのだ。前回の試験の結果も踏まえて、彼は彼女にそれなりに信を置いている。二乃のように目に見えて反抗せず、四葉ほど別のことにのめり込まず、五月のように予測不能な行動を起こさない。その辺りはさすが長女といったところか……と、

 

「んん〜……」

 

一花はこたつに伏したまま、モゾモゾと動き出し………

 

 

 

 

上着を脱ぎ出した

 

 

「!?」

 

当然、一花のスタイルのいい色白の横っ腹と背中が他から丸見えになるわけで、

 

「ウワォ♡次は下からだと!」

 

「そ、ソースケ!!」

 

「ふぐっ!本日二度目のラッキースケベ阻止!」

 

三玖は総介の見せまいと、今度は正面から彼の顔を手で覆う。

が、風太郎は誰にも視界は塞がれてはいないので、

 

「一度ならず二度までも……」

 

「俺!?」

 

「変態!!」

 

当然、五月と二乃から非難を浴びることとなった。

 

 

 

 

 

(この仕事舐めてたぜ……)

 

(ふむ、次は正面からおっぱいが当たって良きかな……)

 

 

いかなる状況にあろうとも、総介の勝利は盤石なのである。

 

 

爆発しろ!(何回目?)

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

そして、かなり先の話となるが………映画館にて

 

 

 

 

 

 

『ここのケーキ屋さん、一度来てみたかったのです〜』

 

『う〜ん、タマコには難しくてよくわからないのです〜』

 

『それよりケーキを食べるのです〜』

 

『う〜ん!おいしいのです〜!』

 

 

 

 

 

「………プッ……クククっ」

 

 

「……ソースケ、笑っちゃ、ダメ……一花が、ふふっ、頑張って……お仕事、してくれたんだから……ふふふっそれを笑うのは……ふふっ」

 

「み、三玖だって……プハッ!……笑っちゃってるじゃん……クフフフっ」

 

「……我慢、ふふっ、して……ふふふっ」

 

一花が出演している映画を見に来た2人は、一花の演じる役『タマコ』がどツボにハマってしまい、さながら『絶対に笑ってはいけない映画鑑賞会』となってしまったのだった。ちなみに、『タマコ』は真っ先に死んだのだが、その前のケーキ屋のシーン

 

 

「………あれ、フータローだよね?」

 

「完全に見切れてんじゃねぇか」

 

事前に風太郎から自らがバイトしているケーキ屋さんにロケに来た話を聞いた2人は、画面の隅でこちらを見る人物が風太郎だと理解できた唯一のカップルであったとさ(他の連中には男の霊に見えて、それが原因で店は心霊スポットとして一部ファンの聖地どなった模様)

 

 

 

その後、

 

「長女さん、そこの出来事の問題は前の問題と同じ人物が起こしたのです〜」

 

「………」

 

「ソースケ、終わったのです〜」

 

「了解、今すぐ採点してみるのです〜」

 

「………」

 

「うん、三玖、これだけできれば次のテストも大丈夫なのです〜」

 

「嬉しいのです〜」

 

 

 

「もうやめてぇぇぇえ!!!!」

 

 

しばらく『タマコ』でイジられ続け、一花は顔を真っ赤にして死にたくなるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り………日本国内の某国際空港

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜〜!やっと着いた〜〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりだな〜日本。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海斗に総君にアイナちゃんに明人君、みんな元気にしてるかな〜?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第五章で数少ない原作をなぞるだけの回でした。
あ、一花の『タマコちゃん回』は飛ばしますので、この話の最後の場面だけでお楽しみください。ご了承ください。

今回もこんな駄文を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
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