世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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お待たせしました!1週間空いちゃいました。






昨日書いた分を急いで見直して、家を出る前に投稿してます。


8.普段怒らない奴が怒ると怖いように、普段笑わない子が笑うとめっさカワイイ

前回のあらすじ(毎回はやんないから、今は勘弁して)

 

 

 

エンヤ〜コ〜ラヨット

ドッコイジャンジャンコ〜ラヨッ♪

 

 

タンタラタンタンタランタタンタン♪

タンタラタンタンタンタン♪

 

 

五つ子だョ!全員集合〜〜!!!!!

 

 

はい、回想終わり〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「って全然回想出来てねぇじゃねーかぁぁぁあああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあそんなこんなで、風太郎に連れられてきたマンションでようやく三玖と再会し、五つ子全員と対面した総介。

 

 

五つ子の後に続き、エレベーターに乗り、最上階の30階へ向かう。エレベーターの中で、二乃がまだブツブツ文句を言ってたが、総介は全く聞いておらず、マイペースにあくびをしていた。逆に風太郎はソワソワしっぱなしだった。横から聞こえてくる愚痴の数々、それにまったく気にするそぶりを見せない助っ人、五人の美少女に、ガリ勉に、死んだ魚の目の見た目陰キャ。なんともシュールな空間がエレベーター内に広がっていた。

目的の階に到着し、姉妹が住んでいる部屋へと向かう。一花がドアを開け、ゾロゾロと中へと入っていく。

 

「さ、浅倉さん!どうぞ、入ってください!」

 

「じゃあお邪魔しや〜す」

 

「おい、俺は?」

 

四葉の一声で部屋へと入っていく総介。気が抜けたような返事で入室するが、声がかかるまで動かなかったあたり、それなりの礼儀は弁えている。一方、自分の名前が無かったことに突っ込む風太郎だが、総介の「いいんじゃね?」の呟きで、彼の後に続いて入っていった。

 

 

 

 

 

「いらっしゃい浅倉さん!ささ、どうぞこちらへ〜。ゆっくりくつろいでくださいね〜!」

 

「お、サンキュ〜」

 

「いやだから俺は?」

 

「あ、上杉さん、いたんですね!」

 

「ひどい!扱いのランクが完全に下がってる!」

 

広いリビングにて、四葉に完全にいない子扱いされてしまった風太郎。でもこの子らに勉強させるまで風太郎は泣かないもん。

 

 

四葉に言われて腰を休めようとしたが、いきなりソファに座るのはアレなので、総介は長いソファの正面、大きなテレビを背にした絨毯の上にあぐらをかいて座る。それを見た風太郎も彼の隣にある一人用の椅子に座る。続いて荷物を各部屋に置いてきた姉妹が階段を降りてきて座り始めた。

総介と風太郎の正面には、顔がそっくりな姉妹たちが座っていた。二人の向かって左から、星型の髪飾りをつけたアホ毛の五月、アシンメトリーのショートヘアの一花、緑のリボンをつけたボブカットの四葉、黒いリボンのロングヘアの二乃………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あり?

 

 

 

もう一人、総介の好きな人のヘッドホンの少女、三玖がいない。いや、正確には『姉妹が座っているソファ』にはいない。ならどこにいるのか。それはもう全員知っていた。四人の姉妹の視線が風太郎が座っていない方の総介の隣に向いている。

 

 

 

 

 

「ってなんでアンタはそいつの隣に座ってんのよ!?」

 

堪らず二乃が突っ込んだ。三玖はさりげなく総介の隣まで来て女の子座りで絨毯の上に座っている。しかもこの上なく総介に近づいて。

 

「そっちは狭いから嫌。ここの方が楽」

 

「いやコッチのソファもあるでしょうが!?」

 

「どこに座ろうが私の勝手」

 

二乃は隣にある小さい方のソファを指差すが、三玖は全く聞く耳持たず。まさに『動かざること山の如し』である。

一方、気だるそうな表情を崩さない総介だったが、三玖が隣に座ったことで彼の内心はとんでもないことになっていた。

 

 

 

 

 

(いや待って!?何これ?何コレ!?ナニコレ!!?なんでこの子俺の横に座ってんの!?なんでこんな近いの!?なんで肩と肩当たりそうなの?………待て待て待て待て!!マジで!?何この子?俺のこと好きなの!?……ってなっちゃうよ?勘違いしちゃうよ?勘違いして変な期待して告白して振られちゃうよ!?………って振られんのかい!?イヤイヤイヤイヤ!?でもコレはアレだよね?少なくとも気はあるよね?嫌いでこんなことやんないよね!?もしこの子が演技でやってたら、女優の才能あるよ!薦めるよ女優に!?日本アカデミー賞ぐらい簡単に取れるよコレは!?)

 

 

なんかもう訳わかんないことも考えてしまうほどにテンパっていた。

とりあえず心を落ち着かせ、頭の中でエリザベスと定春という巨大な犬を想像しながら、総介は三玖へと顔を向ける。

 

「あ、あの、中野さん?なんで俺の隣に「誰?」……へ?」

 

「中野さんはここに五人いる。誰のことを言ってるの?」

 

食い気味で言葉を挟んだ三玖が、ジト目で総介を睨んでくる。彼からすればそんな彼女さえ可愛く見えてしまうため、全く怖くはないのだが……そんなことより、彼女の訴えは、名前で呼んで欲しいとのことらしい。総介はいち早く察知した。したのだが……

 

「じゃあ、ええっと…………」

 

「…………」

 

「……………三玖、さん……」

 

「『さん』はいらない」

 

三玖は余計に目を細めて、さらには頬っぺたを膨らませながら総介を睨む。しかしコレも、総介にとってはさらに可愛く見えてしまうので全くの逆効果である。

 

(か、可愛すぎる……)

 

頬をプクーっと膨らませた三玖は、総介からすればものっそい可愛かった。もう愛玩動物とか、そんなもんがかなうぐらいのレベルでは無い。ある種の兵器だ。『対浅倉総介用兵器、中野三玖の頬っぺたプクー』により総介は、自身の頬も熱くなるのを感じて思わず顔を逸らしてしまう。何とか気を取り直して、彼女が望むものを届けまいと心を落ち着かせた。

そもそも好きな人を名前で呼ぶのは、彼にとってはとてつもなくハードルの高いものだった。数日前までは完全な一目惚れの、完全な片想いだったにもかかわらず、今その対象が、もう触れるほど近くにおり、自分を名前で呼べと言っている。例えるなら、信仰してる神様がいきなり近くにきて「俺のこと呼び捨てでいいわ。なんか他人行儀なの嫌いだし」と肩を組んで信者に向かって言ってるようなもんである。まあさすがの総介も彼女を信仰する程までには至ってはいないのだが……

 

 

「………………三玖」

 

「!!なに、ソースケ?」

 

どうにか勇気を出して名前(呼び捨て)で呼んでみた。すると初めて名前を呼ばれた三玖は、あまりの嬉しさからパァーッと子供のような笑顔を見せて返事を返した。この笑顔を見た総介の反応は……

 

 

 

 

 

 

 

 

(かわええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!)

 

 

奇跡的相性(マリアーーーーージュ)!!!!!!!

 

 

 

 

普段表情の乏しい子が見せる笑顔ほど、男を落とすに最適なものはない。ましてや好きな人の笑顔ともなれば、その効果は倍、否!二乗となろう!この笑顔は総介を完全に落とすには十二分過ぎた。最初は理性を保ち、別の場所へ移ってもらおうと思っていた総介だったが………

 

「………別に好きな場所に座っていいと思うよ」

 

「!!!!……うん!」

 

そんなものあっさりと切り捨てた。テンパりが過ぎて一周回って冷静になった総介は、この果てしなく可愛い存在を自分の近くに座らせておくことを選択。彼も一人の男子高校生。欲望には忠実に従う時もある!

一方の三玖も、総介にそう言われた嬉しさのあまり顔が綻んでしまったままだった。別の場所へ行けと言われてしまうと覚悟もしていたが、顔を少し赤くさせて隣にいていいと言われてしまえば、そりゃ嬉しくなるもんですよ奥さん。

互いに顔を赤くしながら、二人の間にいい雰囲気が漂いはじめた。

 

 

 

 

 

が、

 

「ちょっと!なにアンタらまた二人の世界に入ってんのよ!」

 

そんな二人を二乃の大声がぶち壊しにする。

 

「黙ってろ中野二乃宮金次郎。別にどこに座ろうが三玖の勝手だろうが、口を挟むんじゃねーよ」

 

「ニ乃、空気読んで(また名前で呼んでくれた……)」

 

「何よその名前!?もはや中の人ネタでも無いじゃないの!!」

 

「言い過ぎるとストックがなくなっちまうからな」

 

「んなもん気にせんでいいわ!っていうか三玖、空気読めってどういうことよ!?」

 

「そのまんまの意味」

 

「わかるか!」

 

「わかれよそこは。バカだろ?お前バカだろ?」

 

「バカバカ言うなこの陰キャメガネ!」

 

総介、三玖と二乃のワーキャーなやりとりをしている中、とある姉妹の二人は三玖を見ながら小さな声で話しをしていた。

 

「(ねぇ一花、もしかして三玖の好きな人って)」

 

「(だろうねぇ〜。三玖のあんな嬉しそうな顔、ほとんど見たこと無いし、もう決まりじゃないかな?)」

 

「(ええ!!じゃあやっぱり浅倉さんが!?)」

 

「(だと思うよ〜。でもいつ知り合ったんだろうね、あの二人?)」

 

「(三玖は転校した時にって言ってた)」

 

「(ふ〜ん)」

 

一花と四葉は先程、昼休みのやりとりを思い出しながらヒソヒソと話をする。二人の中で三玖の好きな人が総介ということで合致したようだ。

 

(………なんだこれ?)

 

残された風太郎は状況について行けなかった。勉強させるために連れてきたはずな助っ人が、姉妹の中に溶け込んでいる。これ悪化してなくね?

 

 

と、ここで

 

「あの、そろそろいいでしょうか?」

 

五つ子の最後の一人、五月が手を上げながら言った。すると全員がそちらに注目する。

 

(ナイスだ、五月!)

 

風太郎は心の中で五月に親指を立てた。この訳の分からない状況から早く抜け出して勉強させよう。五月がそれぞれの会話を止めたことで、リビングは一瞬静寂に包まれた。

 

「浅倉君は私たちの家庭教師の助っ人ということで、ここにやってきたんですよね?」

 

「……ああ」

 

「具体的な事は考えているんですか?」

 

「いや全然」

 

「「即答ですか!(かよ!)」」

 

五月と風太郎が同時に突っ込んだ。

 

「って、上杉には言っただろ。彼女たちがどれほどのものか見極めてから考えるって。今日はそのために来たんだっつーの」

 

「あ、ああ、そういえばそうだったな……」

 

風太郎は昼休みの会話を思い出す。

 

「だからとりあえず、彼女らがどのくらい成績わりーのか、分かるもんねーのか?それが分かんねーと判断のしようもねぇからよ」

 

「あ、ああ。それなら、これを……」

 

「「「「「!!!???」」」」」

 

そう言って風太郎が鞄から取り出したのは、5枚の用紙。それは先日、姉妹の学力を見るために実施したテストだった。さすがにあれを見られるのは……と五人、特に三玖は思ったが、助っ人としてやってきたこと、ここまでの一連のやりとりで総介には逆らえないと感じていたことで、全員動こうとはしなかった。

総介は用紙を受け取り、1人ずつテストの結果を見ていった。

 

 

 

 

(まずは……一花……あのショートヘアの………12点!?……………そんな難しい問題でもねーな。俺だったら……まあ70は取れる取れないかぐれーか。これで12点とか、マジかよ……)

 

総介は一花を見る。本人も自分のテストを見られていると気付いたようで、冷や汗を流しながら顔を逸らす。自覚はあるようだ。

 

(はぁ……んで次は……ああ、住之江あこか。「誰か義弟大好きな双子の姉よ!ってかせめてモノローグくらい本名で呼びなさいよ!!」……うっせーなぁ。モノローグにまで干渉してくんなよ………んでこいつは、と………20点………)

 

総介は二乃に目を向ける。

 

「な、何よ?」

 

しばらく無言で彼女を見た後、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ハッwww」

 

鼻で笑った。

 

「なーに草生やしながら笑っとんじゃコラァァァアア!!」

 

「二乃!落ち着いて!キャラが崩れてるってば!」

 

テーブルを飛び越える勢いで総介に掴みかかろうとする。そんな二乃を隣にいた四葉が必死に制止する。

そんな光景を総介は完全無視し、用紙に目を向け直す。

 

 

 

(まったく………んで次は、………三玖、か…………32点……………今までよりは高い方だが……)

 

総介が横にいる三玖の方を見ると

 

「………うぅ」

 

恥ずかしさからか、落ち込んでいるのか、どよーんという効果音が似合うほどに顔を伏せていた。

 

(………かわいい)

 

もはや彼女の何にでもかわいいと思ってしまうほど、総介の片想いは重症である。しかし、落ち込む想い人を見逃す総介ではない。

 

「……………まぁあれだ。覚えることは多いけど、伸び代は十分あるってことの裏返しだから、そんなに落ち込むことないよ」

 

「………本当?」

 

「もちろん、これからの三玖のやり方次第で、いくらでも成績は伸ばせるんだから。自信持って。ね?」

 

すかさずフォローを入れる。ホント三玖と話すときだけ別人のように優しくなる総介。恋愛とは人を変えてしまうものなのである。

 

「………ソースケが言うなら、頑張る……」

 

三玖が顔を上げながら言ったとき、

 

 

 

 

 

 

「待たんかいいいい!!!なにこの扱いの差!!?三玖とアタシでなんでこんな差ついてんのよ!!?」

 

「ひいきだ、ひいきー」

 

二乃と一花がまた2人の空間に割って入る。一花の方は大分棒読みだったが……

 

「ったく、いちいちうるせーな。てめーに頑張れっつっても素直に頑張るやつじゃねーだろーが」

 

「そりゃそうだけど!ってかアンタ三玖と話すときだけ口調変わってるじゃない!!アホみたいなしゃべり方じゃなくなってるじゃない!!」

 

「アホがアホみたいなとか言うな。お前に三玖と同じ口調で言っても『キモっ!』しか返ってこねーのはわかってんだよこのアホ」

 

「大正解!!そんなんで話されてもキモいわよ!ってアホって何回言うのよ!?」

 

ギャーギャーと騒ぐ二乃を尻目に、総介はテスト用紙に目を戻す。

 

 

(本当にうるさい女だな。話が全然進まねーじゃねーか。まだ原作の一巻だぞここ……次は四葉か……名前ひらがなかよ……………8点……………はい、次)

 

「ちょっと!!?私だけなんも無しですか浅倉さん!?」

 

自分だけ見向きもされなかった四葉が、総介にたまらず突っ込む。

 

「あー、バカだって予想はしてたんですが、それが予想以上だったので、すごく驚きました。アレ、作文?……はい、終わり」

 

「短い!そして酷い!!」

 

落ち込む四葉なんざいざ知らず、総介は最後の一枚へと目をやった。

 

(最後は五月………あの肉まん食ってた子か………28点………全員ヤバイなこりゃ……)

 

とりあえず五月に目をやると、気まずい表情で顔を逸らされた。

 

 

「…………はあ〜」

 

「ど、どうだった、浅倉?」

 

ため息を吐いた総介に風太郎が尋ねてくる。彼が助っ人をするかどうか、かなり気になっているようだ。

 

 

そして暫く黙った後、総介が重い口を開いた。

 

 

 

 

「いや言いたいことは色々あるんだがな、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず上杉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前やめたほうがいいぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………え?」

 

 

 

 

 

 

果たして総介が言った事の真意とは………次回へ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後取ってつけた感満載だなおい」

 

「ソースケ、それは言っちゃダメ」

 

 




まぁ自己満足の限りを尽くしている小説なので、ネガティブな意見もいっぱいあります。直さなければならない部分は勿論直して然るべきですが、自己満足は妥協し過ぎちゃうと自己満足じゃなくなってしまうので、可能な限り頑張りたいと思います。



今回もこんな駄文を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

5月中に10話は行きたいです。
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