世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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『銀魂 THE FINAL』観に行ってきました!
笑いまみれのギャグとパロディ、熱くも盛り上がるバトルシーン、そして『師』であり『宿敵』であり『友』との切ない決戦、全てのシーンで『銀魂』らしさがこれでもかと詰まっていた最後のバカ騒ぎでした。
一言で言うと『最高です!』。
お金と時間に余裕ある皆さん、是非映画館へお急ぎを!これはスクリーンで見てこそ楽しめる作品です!
映画館で今のうちに観とかないと、DVDやブルーレイ化の際に、あの、権利とか、そういう問題で色々と編集されちゃうかもしれないですから!
そうなる前に、原型のヤツをとにかく映画館で観て!お願い!300円あげるから(by銀さん)


………あ、忘れてた。第七章、スタートで〜す。


第七章『漫画の修学旅行先は大体京都』
80.パンはパンでも食べられないパンはお妙さんの『暗黒物質(ダークマター)


『銀魂 THE FINAL』という、最高の余韻に浸っていた作者が、ようやく執筆意欲が湧いて画面と向き合い始めた今日この頃………

 

 

 

 

 

 

……もそうだけど、こっちはこっちで、全国模試の後の自由な時間を楽しんでいた。

 

 

 

風太郎は話によると、あの後マルオに、改めて家庭教師の仕事を頼まれた。

そのことについて頼まれた本人は、

 

「……俺もそうですが、大門寺も一位のはずじゃ……」

 

今回の全国模試、風太郎、海斗、武田の三つ巴の戦いでの勝者の得るものは、『五つ子の家庭教師としての立場』。それを奪い合った3人だが、結果で言えば、風太郎と海斗は両者満点で同率一位。引き分けに終わった。風太郎もそうだが、その権利は海斗にもある。

それを聞いてはみたが、それにマルオはこう答えた。

 

 

 

 

 

「……僕も大門寺君に尋ねてみたが、彼はその申し出を断ったよ」

 

「!?」

 

「彼によると、

 

 

『僕なんかよりも、上杉君が彼女たちに相応しいのは明白です。わざわざこれ以上横やりを入れる必要は無いでしょう。それに、今の彼なら、あの子達を卒業だけでなく、それ以上にもっと大切な事を知ることへと導いてくれますよ、中野先生。総介もついておりますので、それは保証します』

 

 

だそうだ」

 

 

マルオは風太郎の目の前に現れる前、海斗と会って冗談半分で五つ子の家庭教師をやってみないか?と確認をとってみたのだが、上記の理由で断られてしまった。

まるで未来でも見えているのかと言わんばかりのような、確信にも似たことを言う海斗には、マルオも「……そうか。貴重な時間をとらせてしまい、本当に申し訳ない」と答えるしかなかった。

 

 

というわけで、家庭教師としての仕事は、五つ子が卒業するまで無事風太郎が受け持つこととなった。

 

 

 

 

 

 

「だが忘れないでほしい。君はあくまで『家庭教師』。娘たちには紳士的に接してくれると信じているよ」

 

「も、もちろん一線を引いてます!俺は!俺はね!!」

 

最後に、ものすごい形相で迫ってくるマルオに気圧されてしまう風太郎。やたらと『俺は』を強調するあたり、もう1人の方は一線も何もも、他人の家の飯を勝手に食って帰る『ハイエナ』ことノリスケばりに超えてしまっている、心当たりのある奴が頭に浮かんでいるらしい。

いずれにせよ、マルオにとって総介は、この上なく複雑な存在であることは間違いないようだ………

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

それから少し時は経ち………

 

 

 

 

ボロッ……

 

 

 

「………えーっと………三玖、ここってパン屋さんだったよね?石屋じゃなくて?」

 

「………」

 

ここは、三玖が新しくバイトを始めたパン屋『こむぎや』。場所は、以前二乃がバイトを始めたケーキ屋『REVIVAL』の向かいに位置している。そのせいか、『REVIVAL』の店長はこの店を幾分か客を持っていかれるせいで『糞パン屋』と呼んで敵視している。

そんなことはさておき、そのパン屋の中で、パン屋の制服を来て帽子を被り、ヘッドホンをしていない髪を後ろで結び、前髪をピンで留めた店員の格好をした三玖(かわいい)は向かいに座っている四葉に、自身が作ったパン(クロワッサン)を見せていた……

 

 

三玖がパンを作って四葉へと見せる理由。

それは彼女が、『修学旅行in京都』で総介に食べもらうためだった。

先日、四葉に自分が作ったパンを食べてもらったところ、

 

「おいしいっ!」

 

と絶賛された。そこから、四葉は三玖からおいしいパンを作って総介に食べてもらう経緯を聞かせてもらった。

今回のパンを食べてもらうのは、総介には一切話していない。100%三玖自身のサプライズだ。

バレンタインの時は、事前に好みを聞いていたので、サプライズではなかったのだが、今回はまさしく不意打ち、奇襲、突然の襲撃である。

できれば、半端なものではなく、自分の作った美味しいパンを食べてもらいたい。それを成功させるために、三玖は日々特訓し、この日もパン屋で自作したクロワッサンを見せていた、

 

 

 

 

 

見せていたのだが………

 

 

 

 

 

 

ボロッ………

 

 

 

 

以前のコロッケの時と同じように、四葉の目の前には黒焦げになったクロワッサン、通称『暗黒物質(ダークマター)』が異様な存在感を放ちながらプレートの中に佇んでいた。

 

 

「ま、まぁ中野さんはバイト始めたばかりだし……パン作りは難しいから、最初は誰でもこうなるよ。幸運にも向かいのケーキ屋はそれほど脅威じゃない」

 

と、奥から店長の女性が現れた。こんな三玖を抱えながらも、向かいのケーキ屋『REVIVAL』に対して余裕の発言をする店長、恐るべし……

 

「私もできる限り教えていくから、上達していこう!」

 

「はい!」

 

こうして、三玖の『総介に修学旅行で美味しいパンを食べてもらう作戦』への特訓は続くのだった。

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

別の日………

 

 

 

 

トロォ………

 

 

 

 

「………なんかベチャッとしてる………」

 

「…………」

 

「おかしい……手順通りに作らせているのに不思議な力で失敗する……」

 

 

壁に手をつき項垂れる店長。プレートに置かれているクロワッサンは、ベチャベチャというか、トロットロとしている。まるで溶けているような………

 

「最近向かいの店調子良さげだなぁ……」

 

そう呟いた声を聞いて……

 

「……やっぱり才能ないのかなぁ……」

 

「じ、自信持って!」

 

と、落ち込む三玖を励ます四葉。

 

「前より食べ物に近づいてる気がする!この調子だよ!」

 

「うん………」

 

 

こうして、美味しいパンを作る特訓はまだまだ続くのだった………

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

また別の日………

 

 

 

 

 

コゲ………

 

 

 

「パンだ……この前食べたのは幻じゃなかったんだ……」

 

「………(ドヤ顔)」(かわいい)

 

プレートの中には、表面が多少焦げているとはいえ、ドヤ顔をする三玖の前には、正真正銘、れっきとしたクロワッサンが置かれていた。

 

「まだお店に出せるレベルじゃないけどね。三玖ちゃんがここまで作れるようになれて私も嬉しいよ」

 

そう評する店長は、何故か顔色が悪そうだ。それほどまでに、壮絶な死闘だったのだろう………パン作るだけなのに……

 

「店長さん、ありがとうございます」

 

ペコリと頭を下げて礼を言う三玖。と、ここで四葉が……

 

「やっぱりすぐ浅倉さんに食べてもらおうよ。きっと驚くよ」

 

と三玖に提案するが……

 

「まだ美味しいパンじゃない」

 

と、あくまで美味しいパンをたべてもらおうとすることに拘る三玖は、その提案を断った。

 

「三玖ちゃん、修学旅行までに、とか言ってなかったっけ?」

 

「はい、1日目のお昼が自由昼食のはず……」

 

どうやら、初日のお昼に総介に作ったパンを食べてもらおうとのことらしい。

 

 

 

 

羨ましいことこの上なし。総介爆発しろ!

 

 

 

 

 

「『侵掠すること火の如し』

 

 

 

 

そこで私のとっておきをあげる」

 

 

「……そっか!浅倉さんなら絶対喜んでくれるよ!」

 

武田信玄の『風林火山』の一つを口にして、決意を露わにする三玖。それを見て四葉も、三玖を応援することを改めて決めた。しかし………

 

 

 

「………でも、問題が一つ………」

 

「?」

 

三玖が言う問題。それは………

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

時と所変わって、ここは3年1組の教室。本日の授業を全て終えて、終わりのホームルームを行っていた生徒たち。四葉と風太郎は学級長のため、教壇に立って進行役をしている。

 

「え〜、全国模試も無事終わったということで、修学旅行の話に本格的に入りたいと思います」

 

カンペを見ながら進行していく風太郎。いくら勉強の虫とはいえ、さすがに模試が終わったので、一大イベントの修学旅行の話をしないわけにはいかない。

 

「事前に配られたパンフレットに3日間の流れは書かれていますが、

 

 

 

 

皆さんは明日までに班を決めておいてください」

 

その一言で、クラス中がざわざわとし始める。

 

 

班決め。これが三玖の言ってた問題だった。

修学旅行では、基本的には班行動が原則となっている。これで一緒の班になれば、晴れてその3日間、同じ行動がとれるのだ。

三玖は後ろの方から総介の席を見るが、彼は相変わらず『週刊少年ジャンプ』の見開きをアイマスクに、上を向いた顔に被せながら寝ている。

そんな彼も、可愛く思えてしまうのが恋人としての色目なのだろう。

しかし、彼女はこの班決めで、総介と同じ班にならなければ、一日目の昼食を共にできず、せっかく作ったパンを渡すこともできなくなってしまう。

とはいえ、互いに想い合う者同士、三玖が懸念するよりも結構すんなりといくはずなのだが……

 

 

 

「当日はこの班ごとの行動となります。なお定員は五人までです」

 

「………」

 

風太郎の話も片耳で聞きながら、三玖は先日のパン屋でのことを思い出していた。

 

 

 

 

『同じ班じゃなきゃ、お昼を一緒にできないかもしれない。

 

何より、一緒に京都を回りたい』

 

 

 

それを聞いた四葉は………

 

『三玖!私にまかせて!』

 

『?』

 

『私と三玖と浅倉さんで班になろうよ。私から浅倉さんに言っておくからさ!』

 

『えっ、いいの?』

 

三玖のために、ここは四葉が人肌脱ぐことにした。

 

 

というわけで、放課後………

 

 

「えーっと、浅倉さん、浅倉さん………

 

 

 

 

あれ?どこ行ったんだろう?」

 

 

放課後になり、総介を探す四葉だが、既に教室にはおらず、周りを見渡しても見つからない。

 

と、そこに………

 

 

 

 

 

 

 

「四葉さん、少しよろしいでしょうか?」

 

「?、アイナちゃん、どうしたんですか?」

 

珍しく四葉に、総介の幼馴染であり、海斗の侍女(学校では秘密)の渡辺アイナが声を掛けた。どうやら四葉に話があるようだ。

 

その内容は…………

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってかよぉ、こういう学園モノの修学旅行先って、何で毎回京都なんだよ?山村美紗ばりに」

 

「う〜ん、そのコメント、若い読者の何割が理解してくれるだろうか?」

 

第七章のっけからメタ発言をかます二人、浅倉総介と大門寺海斗。二人はいつものように屋上にて話をしていた。

 

「『けいおん!』なんてモデルになった学校が隣の滋賀にあんのに、修学旅行先が何故か京都だぞ?電車で日帰りで出来る範囲が修学旅行先とか、どんだけ規模小せえんだよ」

 

「一応新幹線で富士山を見るシーンがあるから、舞台は関東あたりという設定じゃないのかな?」

 

「だとしても、そんなホイホイ関東圏の学生全員京都に修学旅行いってたら、京都が学生でパンクすっぞ?

せめて沖縄とかハワイとかにしてくんね〜かな〜?綺麗な浜辺で超高性能双眼鏡を覗きながら、水着美女達のボインやプルンやポロリやキャッキャウフフが堪能できるのによぉ」

 

「三玖ちゃんに怒られるよ?」

 

「………それについては、反省してます」

 

「既に怒らせた後だったか……」

 

相も変わらず、外道な企みを口にする総介だが、三玖も彼の扱いがわかってきたらしく、よく彼女に『めっ!』ってされているようだ。

と、このままでは埒があかないので、海斗が本題を切り出す。

 

「それはそうと、修学旅行先での話だが………」

 

「………なんとまぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………忌々しい場所なこって」

 

 

彼らにとって京都というのは、あまり思い出したくない場所であった。

 

 

 

「春休みに入るまでは、僕達も楽しもうとは思っていたけどね。状況が状況だ。警戒するに越したことはないよ」

 

「………」

 

修学旅行先で行く京都。『五等分の花嫁』サイドからすれば、風太郎と『零奈』が出会った思い出の場所であるが、『嫁魂』サイドの彼らにとって、京都は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつての『大門寺』の宿敵『霞斑(かすみまだら)』の総本山が存在した場所であった

 

 

 

 

 

 

 

 

「既に本部は崩壊して跡形も無くなってはいるけど、残党の存在が確認されている以上、京都に身を置いている可能性は高いからね。いつ何時、あの子達がまた狙われるかもしれないということは、注意しなくちゃいけない」

 

「クソ蛇どもが………大人しく土ん中で死んどきゃよかったのによ……」

 

眉間に皺を寄せながら、愚痴を垂れる総介。彼にとって京都は、霞斑を滅ぼした場所であると同時に、母を殺した仇敵『雅瞠(がどう)』を葬らんとした決戦の場所。しかし、それは叶わず、不本意な形での決着となった。雅瞠は死亡したと言われているが、遺体が見つからなかった。爆発の際に飛散したともいわれているが、真実は不明。大門寺の公式では死亡扱いとなった。

 

 

「一応、先遣の者達の報告では、霞斑らしき者は見つからなかったと聞いているけど、確定した情報でも無い。あるいは、僕達『懐刀』が出てくるのを待っているのかもしれない」

 

「土ん中の棺桶で獲物を待ち伏せってか?死に損ないのゾンビどもがとる常套手段ってワケだなこりゃ。大層笑えるわ」

 

「………残念だけど、僕達は修学旅行当日、かなり動きを制限されそうだね」

 

「…………で、お前の言う『対応』ってのは何なんだよ?」

 

「ああ、それについてなんだけど………」

 

海斗は、総介に修学旅行での『例の話』をした…………

 

 

 

 

 

「…………これで行こうと思う」

 

「………はぁ、やっぱそうすっしかねぇよな」

 

海斗の話を、総介は残念そうにため息を吐きながら了承した。

 

「ここを留守にしている間は、明人や剛蔵さん達に任せればいいさ。僕達の役目はあくまで『五つ子の姉妹と上杉君を護衛すること』だからね」

 

「………まぁな」

 

不本意だが、納得するしかない。

 

 

 

 

それも、三玖や姉妹、風太郎を護るためのこと………

 

「んで、アイツらには何て言うよ?」

 

「アイナが今、姉妹の誰かに説明しているから、家に帰ってからその子から皆に言ってくれるように頼んでいる手筈になっているよ」

 

「………せめてそれが三玖じゃないことを望むが……」

 

 

 

総介にとってこの選択は、少し寂しいものだった。しかし、霞斑の毒牙が健在な以上、野暮なことは言っていられない。

せめてものと、アイナが説明している人物が三玖ではないことを心の中で祈る総介だった…………

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

ここは学校の図書室。姉妹と風太郎は、勉強のために、久々に集まっていた。

 

そんな中で………

 

 

(………どーしよ)

 

四葉は悩んでいた。それは、アイナから言われたこと………

 

 

『姉妹の皆さんで班を組んでくださらないでしょうか?』

 

『え………』

 

 

その後、大雑把な理由を聞いた。『先日、自分達を拐おうとした悪い人たちは京都に本部があって、もしかしたら待ち伏せているかもしれない』これが四葉の認識。いや戦隊ヒーローの敵組織みたいだなオイ!

そして、その護衛として、海斗、アイナ、風太郎、そして総介が班を組み、姉妹五人で班を作らせて、彼女たちを見守るということ。五人一緒ならば、姉妹がバラバラになる機会が殆ど無いし、護衛がしやすい。

 

しかし、それを行えば、三玖と総介は一緒の班では無くなってしまう。これでは三玖に大見得を切って提案したことが頓挫してしまう。何より………

 

 

「そういえば、修学旅行の班は決めましたか?」

 

「私は当然、海斗君とアイナの2人と組む予定よ!」

 

「私は、ソースケと一緒になる予定」

 

「ふ〜ん。じゃあさフータロー君、お姉さんが一緒に班を組んであげようか?」

 

「ん?いや、俺は……」

 

 

(みんなバラバラ過ぎるよぉぉお!!!!)

 

 

全員が全員、それぞれの思惑を口にしていた。これでは、姉妹全員を同じ班にするなんて、夢のまた夢だ。

 

「四葉はどうするのですか?」

 

と、ここで五月が聞いてくる。

 

「わ、私!?………えーっと……」

 

 

四葉は徐々に、汗をダラダラとかきはじめる。

 

「?どうしたの?」

 

一花が心配そうに見てくるが……

 

「…………」

 

三玖との約束がある手前、中々言い出せない。

 

 

と、その時………

 

 

「うぃ〜す」

 

と、いつものやる気のない挨拶をしながら総介がやって来た。

 

「!」

 

「ソースケ!」

 

彼の声を聞いて、三玖はパアッと明るい表情へと変わる。かわいい。そんな三玖の頭を撫でながら、総介は四葉の方を見た。

 

 

「………」

 

「あ、あははは、浅倉さん、どーも………」

 

その挨拶から、総介は大体察したようで……

 

「………はぁ、アイナがお前に説明したっつってたが、どうやらその様子じゃあ、帰ってから説明できそうにねぇみてぇだな」

 

「あ、あははは!すみません」

 

「?何のこと?」

 

と、三玖が疑問を抱くが………

 

 

 

 

総介はそのまま、四葉に変わって姉妹に説明することにした。

 

 

 

 

 

「あー、修学旅行の班決めだがな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日………

 

 

「はい、これで班分けも決まったということで、各班班長を決めておくように」

 

 

先生のその言葉で、クラスの班は決定した。

 

 

 

 

「………なんでこうなるのよ」

 

二乃が険しい目をしながら呟く。彼女をセンターにして、その両サイドには……

 

「結局いつも通り……」

 

目からハイライトを無くしてドヨ〜ンと落ち込む三玖。

 

「…………」

 

何故か周りの空気が悪い理由に気づかない五月。

 

「………(気まずい!)」

 

最初に真相を知ってただけに申し訳なさが残る四葉。

 

「はは……フータロー君に友達が出来て良かったね……」

 

乾いた笑い声をあげる一花。

 

 

 

見事に姉妹が全員同じ班となった。

 

「やっぱあの5人はそうなるよね」

 

「俺……一花さん狙ってたのに……!」

 

「だけど同じ姉妹でなんてよっぽど仲がいいんだねー」

 

と、事情を知らない周りはそれぞれに言う。中には下心で姉妹と同じ班になりたい男子もいたようだ。

 

 

ちなみにだが、一花が言ってた風太郎の友達はというと……

 

 

 

 

 

「班長、誰がやんだコラ」

 

「お前も一組だったんだな………多串君」

 

「俺は前田だコラ!」

 

「僕を差し置いているまい!……っていうか、君たちは人の名前を覚えられないのか?」

 

かつて、林間学校前に一花(実際は一花に変装した三玖)に告白した多串君こと前田と、全国模試の回ですったもんだあった武田が、風太郎と同じ班だった。

 

 

 

これについては、回想シーンで………

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉妹は全員、同じ班を組んで欲しい」

 

昨日、図書室でそう言った総介。

 

「え………」

 

「はぁ!?何でアンタがそれを決めんのよ!」

 

「い、いきなりだね……」

 

「………」

 

「………どうしてなのですか?」

 

と、五人それぞれのリアクションをとる五つ子。そして、最後の五月の質問を聞いた総介は、

 

「ちと待ってろ…………

 

 

 

 

…………ほれ、これ見な」

 

と、誰が聞いているかわからない図書室で無闇に喋るわけにはいかないので、総介はスマホを取り出して、数分間タップし続けた後、画面を一同に見せた。そこには、こう表示されていた。

 

 

 

 

 

・京都は去年まで春休みにお前達姉妹を拐おうとした奴らの黒幕『霞斑』の本部があった場所

・連中の残党が確認されている以上、京都にまだ潜伏してる可能性が高い

・いつ何時奴らがお前たちに近づくかは俺たちでもわからない

・そんな中で姉妹がバラバラになられるのは護衛する側としては非常にリスクが高く厳しい

・俺は海斗とアイナ、上杉と班を組んで、姉妹の班を後ろから見守る予定

 

 

 

 

 

「「「「「「……………」」」」」」

 

スマホの画面を読んだ一同は、黙ることしか出来なかった。

春休み、霞斑は捨て駒を使い、姉妹を拐おうとした。数十人もいた敵を、総介と海斗が撃退してくれたものの、もしも彼らがいなかったら………

そしてその捨て駒をよこした霞斑。その残党が、京都にいるかもしれない……

いくら二乃でも、この文章を読んだ後では、総介に盾突くことは出来なかった。

そして三玖も、総介が自分達を護るためにしてくれてることだと知ると、納得せざるを得ない。

それは、一花、五月、そして四葉も同じ………

 

 

 

しかし、どこかでしこりは残ってしまう。

 

 

……すると、

 

 

「な、なぁ浅倉、ちょっといいか?」

 

風太郎が手を控えめに挙げて、総介に話しかける。

 

「ん?どうした、上杉?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………俺、もうクラスの男子と班を組んだんだが……」

 

「……………まじで?」

 

 

それは完全に、総介にとって寝耳に水だった………

 

 

無論、それは一花も同じである。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

その後、風太郎から事情を聞き、そのことを海斗、アイナと話し合った末に、総介は風太郎が前田、武田と班員になることを了承した。

 

 

霞斑の狙いが姉妹である以上、風太郎が狙われる可能性は極端に低い。風太郎の顔が連中に知れているかもしれないとはいえ、男と女とでは、ターゲットにされるのは断然後者だ。

それに、欲望の権化である霞斑の当主『央冥(おうめい)』。あの欲しか頭にない単細胞の『豚』のことならば、奴らは迷わず姉妹の方を拐おうと行動するだろう。となれば、風太郎を無理やり自身の班に入れておく理由も、殆ど無いとのことで、総介は海斗、アイナと協議した末、特例で風太郎の班分けを許可することに決定した。

 

 

 

 

ちなみに、総介はそのまま、海斗とアイナと班を組むこととなった。

 

 

 

その結果………

 

 

 

「海斗様と同じ班になりたかったのに………渡辺さんはともかくとして、どうしてあんな奴と………」

 

「クソ、浅倉の野郎、中野さんと付き合ってるってのに、何で渡辺さんと……」

 

 

海斗のファンとアイナのファン、両方からのヘイトを集めるハメとなった。

 

 

 

 

 

「………あ゛?」

 

「「ヒィッ!!」」

 

もっとも、そんなこと本人からすれば知ったこっちゃ無いんだけどね。

 

 

 

こうして、修学旅行旅行の班決めは、少ししこりを残しながらも、何とか無事に決めることには成功した。

 

修学旅行当日まで、もう少し………

 

 

 

 

 

 




今回から原作10巻の話に入ります。一応タグにも書いてありますが、原作の部分をかなり端折っていますので、一緒にそちらも読んでいただくと分かり易いかもしれません。
まぁそんなことよりも、銀魂の最終巻を買って読んで、映画観に行ってね!


今回もこんな駄文を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!

銀魂最高!ありがとうきびウンコォォオ!!!
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