世界でたった一人の花嫁と銀ノ魂を持つ男   作:ハムハム様

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修学旅行編、ついに最終日イベントです!


ちなみに、総介、風太郎、一花、三玖がコース選択で行く『太秦映画村』は、映画『銀魂』実写版のロケ地の一つでもあります!そしてその次作の『銀魂2〜掟は破るためにこそある〜』の時にも、作品内の江戸の街並みを再現したイベントをしてましたね!



これを利用しない手はありません!詳細は次回!


85.大勢の前で告白とかやんない方がいいよ

修学旅行最終日三日目。

 

 

 

コース別体験学習の日である。その日はあさから選択したコース毎に行動を行う予定なので、違うコースを選択した者と会うことはまず無い。

そのまま体験学習をした後に、帰りの新幹線に乗るために京都駅までバスで直行することとなるのだ。

 

 

「…………」

 

「五月さん、どうされましたか?先ほどから仕切りに周りを気にされてるようですが……」

 

「い、いえ。大丈夫です!」

 

「………」

 

少し忙しない様子の五月をアイナが心配するが、四葉は妹を少し怪しんでいた。

 

修学旅行初日から、五月の挙動がおかしい。行きの新幹線に乗る前から、いきなり風太郎と行動しようと、彼女らしくない積極的なアプローチが続いたのだ。何を企んでいるのだろうか………

 

「……五月、ちょっといい?」

 

「?、どうしました?」

 

四葉は気になったので、思い切って彼女の手を引いて、集団から少し離れた場所に移動する。

 

 

「ど、どうしたんですか、四葉?」

 

「五月………

 

 

 

私に何か隠してる?」

 

 

「…………っ」

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

(………四葉さんが五月さんを連れて行かれましたが……一体どうされたのでしょうか?)

 

1人残されたアイナ。もうすぐバスの出発する時間だというのに、どうしたのだろうかとしばらく考えていると、2人が戻ってきた。

 

 

「渡辺さん、少しご相談があります」

 

「?どういう事でしょうか?」

 

戻ってきて開口一番に、五月がアイナに相談を持ちかけた。そして、それは五月だけではなく………

 

 

「アイナちゃん、私からもお願いします。協力して欲しいんです!」

 

四葉が顔の前で手を合わせながら頭を下げてお願いをする。2人の顔を見るに、よほどのことなのだろうと感じたアイナは、とりあえず2人の話を聞くことにした。

 

 

 

………………………………

 

 

 

一方、こちらは二乃と海斗の選んだコースのバスの中………

バスは既に出発しており、生徒達は各々の席に座りながら到着を待っていた。

 

その中で、倍率が難関大学以上に高い海斗の隣の席は、見事に二乃が手に入れていた。

2人は姉妹以外では総介や風太郎、アイナ以外の生徒達には恋人同士であることは内緒にしているため、二乃が海斗の隣の席だと分かったら『羨ましいな〜』や『中野さんか……強敵だね』とか『海斗様の隣はこの私こそ相応しいというのに!』などと、バスが走っている羨望や嫉妬の視線に晒されることとなるが、いちいち気にしていては埒があかないので、二乃は小声で話かける。

 

 

 

「………海斗君」

 

「どうしたんだい、二乃ちゃん?」

 

「少し聞いて欲しいことがあるの」

 

「………話してごらん」

 

「バスが着いたら………」

 

そして二乃は、海斗にとある『お願い』をした。

 

 

 

 

 

 

 

「………というわけなの。手伝ってくれないかしら?」

 

「………ふふっ、君という子は………」

 

窓側の席なので、外の景色を見ながら笑う海斗。それは決して二乃を馬鹿にした笑いではなく、むしろワクワクしているような表情だった。

 

「いいよ。二乃ちゃんがどうしてもやりたいということなら、僕も手伝うよ」

 

「ほ、ホント?ありがとう」

 

二つ返事でOKしてくれた海斗に、二乃は顔を明るくさせながら礼を言った。

 

 

(………面白くなってきたね)

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

そしてこちらは、一花、三玖、風太郎、総介が選択したコースの行き先である『太秦映画村』。江戸時代の街並みを再現した建物が敷地内に並んでおり、その名の通り時折映画やドラマのロケ地として撮影も行われる。

 

「修学旅行旅行最終日、Eコースを選択された皆さま、本日の目的地、映画村に到着でございます」

 

入り口で軽い諸注意を受けた生徒達は、その後は映画村内を自由に散策可能であり、各々が散り散りになって行動し始める。

 

「本当によかったの、三玖?君ならDコースの『織田信長ゆかりの地巡り』を行きたいと思ってたんだけど……」

 

「うん、いいの。ここも面白そうだし、最終日もソースケと一緒に周れるなら、それだけでも思い出になるから………それに、織田信長ゆかりの地はまた京都に来た時に、自分のペースで周りたいから」

 

「………そうか。じゃあ、その時は俺も一緒について行っていい?」

 

「う、うん!一緒に行こう、ソースケ!」

 

と、初っ端からラブラブ度全開のバカップル(総介爆発しろ!)

 

「………」

 

その横で、一花は風太郎の方をチラチラと見ていた。風太郎は前田、武田とどこに行こうか相談しているようだ。

 

「一花?」

 

「………えっ?」

 

そんな彼女に、三玖が声をかける。

 

「大丈夫?」

 

「えっ、な、何が?」

 

「フータローのこと、なんでしょ?」

 

「!………うん。これじゃあ2人にはなれないなぁって」

 

「手伝う?」

 

「ううん、いいよ。私のことだし、なんとかするよ。それよりも三玖は浅倉君と楽しんできなよ」

 

「………うん

 

 

 

 

頑張って」

 

「………ありがと」

 

三玖からの激励を受けて、一花は先に歩き出した風太郎達の後をこっそりと付いていった。大体の事情を察している総介も、一花が遠のくのを見ている三玖に確認をとる。

 

 

「………よかったの?」

 

「………うん。一花なら、大丈夫だって、そう思うから」

 

「………そう」

 

一花の背中を見ながら、三玖は彼女の武運を祈った。

 

「私たちも行こう、ソースケ」

 

「………うん、そうだね」

 

そう言って2人は、いつものデートのように手を繋ぎ合いながら、映画村内を見て周るのだった。

 

 

 

 

 

 

総介爆発しろ!

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

「…………一花は、上杉を追って行ったわね」

 

「そうだね……やはり、二乃ちゃんが睨んだ通り……」

 

「ええ、こっちに来て正解だったわ」

 

映画村内の敷地の茂みの中に、隠れるように一花を見つめる二つの影。それは、この場所にいない筈の二乃と海斗だった。

2人はAコースの目的地に到着した後、仮病を使ってこの場所まで来ていた。その際、海斗が二乃を引率するという形となり、海斗に絶対の信頼を置いている教師も、彼に二乃を任せることにした。その後、映画村に近い場所が幸いし、そのままタクシーを捕まえてここまで来たというわけである。2人は先回りし、怪しまれないように着物に着替えて変装をし、海斗は銀髪が目立つので、ほっかむりをして隠している。

 

「初日から、一花は少し様子がおかしかったし、見てて上杉を意識しているのは明らかだったわ。五月もそうだったけど、あの子はなんか違う気がする……」

 

「……一花ちゃんは、この旅行で上杉君に告白する。と言いたいのかな?」

 

「!!………ええ、その可能性が高いわ。上杉の方はどうでもいいけど、やっぱり一花が心配だわ。もし告白した時に上杉がデリカシーの無い返事でもするもんなら、アイツのキ◯タマ蹴り潰してやるんだから」

 

「コラコラ、そんな下品なことは言わないの」

 

一花を心配するあまり、下ネタを躊躇しない二乃を諌める海斗。と、彼らの後ろの茂みが、ガサガサと揺れ出し………

 

 

「あれ!二乃と大門寺さんもいる!」

 

「………結局、皆Eコースに集まってしまいましたね………」

 

「四葉、五月、アイナまで………」

 

「申し訳ありません。お二人の熱意と、私自身の興味に負けてしまいまして……」

 

そこには、同じく着物に着替えて隠れていた四葉、五月、アイナがいた。五月はカモフラージュのつもりなのか、両手に木の枝を持っている。

2人も、仮病を使って、アイナと共にここまでやって来たようだ。最も、2人が気になっているのはどちらかと言うと一花より風太郎の方であるが………

 

 

 

 

え、総介?三玖?行くとこまで行ったバカップルの何を気にするんですか、と。

 

 

 

「あんた達まで………

 

 

全く………どこにいても、結局集まっちゃうのね」

 

呆れたように言う二乃だが、その表情はどこか嬉しそうだった。

 

「若様………ふふ、その被り物は……」

 

「……あまり見ないでもらえるかな?」

 

「ふふ、申し訳ありません……ですが、ふふっ……少し、かわいいですね」

 

「…………」

 

普段なら絶対に拝めないであろう、海斗のほっかむり姿に、笑いを堪えるのに必死なアイナ。それを見て、海斗はかなり複雑そうな顔をする。

 

 

 

すると………

 

 

 

「あ!一花が上杉君の手を引っ張ってどこかへ……」

 

「何ですって!………と、とりあえずついていきましょう!」

 

「おー!」

 

「……追われますか?」

 

「彼女たちについて行くまでだよ。たまにはこう言うのも面白いしね」

 

「かしこまりました………ふふっ」

 

「やめてくれないかな」

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

「次どこ行くんだコラ

 

「ああ、次はここにしようか」

 

「どこでもいいぞ」

 

 

(………うぅ、中々隙が無い)

 

 

風太郎、前田、武田の三人をこっそりと追う一花。中々風太郎が2人から離れないので、どうしようかと攻めあぐねていると………

 

 

(………あ、フータロー君、2人の後ろを……)

 

前田と武田が話している後ろを、風太郎一人で歩いている。

 

 

 

ここしかない。

 

 

(多少強引だけど………こうでもしないと………)

 

 

 

一花はそこから、こっそりと風太郎のギリギリ後ろまで近づいて………

 

 

 

そして………

 

 

 

 

「すまん、トイレ行ってくる!」

 

「はっ!?うおっ!」

 

極力低い声で風太郎の声真似をして、彼を引っ張って曲がり角へと消えた。

 

 

 

「「んっ?」」

 

 

2人が後ろを振り向くと、既に風太郎はいなかった。

 

 

「上杉君?」

 

「どこ行ったんだコラ?」

 

「トイレだって言ってたね……それにしても、声が高かったような……」

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、ふぅ………何とか、なったね」

 

「はぁっ、はぁっ、なったね、じゃねぇよ……はぁっ、はぁっ、何の用なんだ、一花……」

 

一花に引っ張られるままに走り続けた風太郎。そのせいで、体力の無い彼は激しく呼吸をしている。

 

一方の一花も、風太郎を連れて走ったことと、いよいよ実行に移してしまったことの緊張で、息が荒い。

 

 

「い、いや〜、一緒に周る子がいなくてね〜、フータロー君と出来たら周りたいな〜って」

 

「はぁっ……はぁ……いや、三玖や浅倉がいるだろ?」

 

「そ、それはほら!2人はラブラブなカップルなんだから、二人っきりにしてあげないと!」

 

「だったらなぜ俺だけを連れてきたんだ。そのまま合流すれば良かったじゃないか」

 

「い、いや〜、私たちもどうせなら2人っきりで周りたいと思っちゃってさ〜、あはは〜………」

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

「いや、普通気付くでしょうが。アイツ一花があそこまでしてまで、あんなこと言ってんの?」

 

「どうやら上杉さんには、他人の気持ちを察することが極端に苦手なようですね」

 

「あ、あはは、前に『恋愛は学業において最も愚かな行為』だって言ってましたから」

 

「一花が、まさか上杉君のことを………」

 

「ふふっ、中々に面白くなってきたじゃないか………」

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

その後、今更戻ることも面倒になったのと、2人の連絡先を知らず、そのうち合流するだろうということで、流れのままに一花と周ることになった風太郎。

 

(………何なんだ一体………)

 

と、未だに一花の真意に気づいていない彼の横を歩く一花は………

 

 

(と、とりあえず第一段階成功、ということで………)

 

風太郎と2人きりになることに成功し、安堵する一花。

 

(どうにか2人になれたけど、まだいいかな。今はとりあえず、色々と周って楽しんじゃおうっと)

 

「フータロー君、私、あそこ行ってみたいなぁ」

 

「は?あそこなら俺はもう言ったぞ」

 

「いいからいいから。ちゃんとエスコートしないと、お姉さん泣いちゃうぞ〜」

 

「同い年だろうが……全く、行くぞ」

 

「うん♪」

 

 

それから、2人は映画村内にある施設を見て周り、時には体験したりなど、一花にとっては楽しいひとときを過ごすこととなった。

 

 

 

その途中………

 

 

一花の横を、着物を着たとある人物(・・・・・)が通り過ぎていく。

 

「……あれ、あの人……」

 

少し間を置いてから、彼女は振り向いて確認するが、既にそこには誰もいなかった。

 

 

 

「おい、どうしたんだ?」

 

「え?う、ううん、なんでもないよ!」

 

その直後に風太郎に声をかけられたため、見間違いかと思い、一花はそのまま風太郎と再び歩き始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

「う〜ん♪色々回ったね〜!」

 

「ど、どんだけ………」

 

あれから、風太郎は一花に振り回されるがままに映画村内を駆け回り続けた。一花も、風太郎といれる喜びからか、いつもよりマシマシで楽しめたようで、大きく伸びをしながら、2人は大きな番傘が立ててある長椅子に座っている。

 

すると………

 

 

「……で、何の用なんだ?」

 

「え?」

 

「わざわざ俺を連れ出してまで、お前が何がしたかったんだ?本当の目的を言え」

 

「…………」

 

 

どうやら風太郎には、一花が何かしらの目的を企んで、自分を拉致まがいのことをしたということに気づいていたようだ。

 

 

その何かしらの目的までは、まだ彼は思い至っていないようだが………

 

 

「………いや〜、バレちゃしょうがないね〜」

 

少し冷や汗をかきながらも、一花はこれ以上誤魔化しがきかないということもあって、いよいよ打ち明けることにした。

 

 

 

 

 

 

 

何から言おう………

 

 

 

 

 

やっぱりここは、昔の話からかな?

 

 

 

 

ここは周りから固めて、最後に打ち明けた方がいいよね。

 

 

 

 

そうした方が、いいよね…………

 

 

 

 

 

そう言って、一花は風太郎の方を向いて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フータロー君、好きだよ」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………待って、今のナシ」

 

 

「は!?」

 

 

口に出てしまった言葉が、いきなりのドストレートな告白だった。

いきなりの出来事に、風太郎はそのままポカ〜ンっとアホみたいな面をしながら一花を見て口を開いている。

 

 

 

(え!何で!?何言ってんの私!?まずは昔京都で会った話からしようと思ったのに、いきなり何言ってんの!?

 

ほら、フータロー君顔に力が入ってないよ!突然言われたから目が点になっちゃってるじゃん!思ってたのと全然違うよぉ〜!!!)

 

と、一花の心の中では思いっきりテンパってはいたが、それをなんとか顔には出さず、平静を保とうとするあたりがまさに女優である。

 

 

 

「お、おい、一花………」

 

「………いや〜、今日はいい天気だねフータロー君」

 

「話変えるんかい!」

 

 

「…………」

 

頬を紅くしながらも、一花は至って冷静に対処しようとするも、完全に空回りとなってしまう。

 

 

「………聞いた?」

 

願わくば、原作主人公特有の難聴を発動させてくれと祈りながら、一花は恐る恐る尋ねてみる。

 

 

しかし、こういう時ら聞いて欲しくなかった時に聞いてしまうものが、悲しいかな、世の常というもの………

 

 

 

「…………聞いた」

 

 

「」

 

 

 

 

終わった…………

 

 

………………………………

 

 

 

 

「こ、告白しました!告白しましたよ!」

 

「五月落ち着きなさいってば!……でもまさか、いきなり言い出すなんてね。一花のことだから雰囲気作ってから言うと思ってたんだけど………」

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

「…………」

 

「…………」

 

2人の間に微妙な空気が流れ始めてから、5分ほど経っていた。意図せずに先に告白してしまった一花………気まずいったらありゃあしない。

 

 

 

と、ようやく風太郎が口を開く。

 

「………すまんな」

 

「え?」

 

「いきなりすぎて、何と返せばいいかわからんかった」

 

「い、いや、こっちもいきなりごめん!」

 

「………あの時、俺を強引に連れて行ったのも……」

 

「………うん。フータロー君に伝えるため………」

 

「………そうか」

 

風太郎の方も、まさか告白されるとは微塵も思っていなかったようで、呆気に取られてしまったままだ。

しかし、思い当たる節は所々に存在した。

 

「…………花火大会」

 

「!?」

 

 

 

「………の時か。お前と2人で何かあったといえば」

 

「………うん」

 

「………それから、林間学校で倉庫に閉じ込められたりしたな」

 

「………うん」

 

「タマコちゃんにも会ったり」

 

「それだけは言わないで」

 

「はい………んで、よく俺と朝に偶然会ったりもしたな」

 

「………うん」

 

「………全部そういうこと、だったのか」

 

 

 

 

 

 

「…………うん」

 

 

「………そうか」

 

 

 

全てで合点がいった。振り返ってみれば、風太郎はよく一花と一緒にいる機会があった。その中で彼女は、必死にアピールをしていたわけだ。

 

 

今更になって、それに全部気づくことが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………俺は」

 

「!」

 

 

 

 

 

 

「お前達を所詮は家庭教師の生徒たちとしか思っていなかった」

 

「フータロー君………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………そしてそれは、今でも変わらない」

 

「!」

 

 

 

「………だが、お前や、二乃や、三玖や、四葉や、五月………

 

 

 

 

 

お前達五つ子は、皆違う奴だということは知っている

 

 

 

 

三玖が浅倉を

 

 

 

 

二乃が大門寺を好きになったように

 

 

 

 

お前にも、誰かそういう奴がいるってことも、考えたことはあった

 

 

 

 

 

まさかそれが俺だとは、言われるまで考えもしなかった」

 

「………ごめんね、いきなりあんなこと言っちゃって」

 

 

「いや、俺も一瞬何なのか分からなかった。

 

 

 

言われてからも、まだよく分からん変な感じだ

 

 

 

 

だが、こうなってしまった以上

 

 

 

 

お前のことも、今はただの生徒ってだけじゃ見れないのかもしれないな」

 

 

「………それって、どう捉えて、いいの?」

 

 

 

 

「…………すまん、俺はまだ答えを出せない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや答えたらんかい!!!!」

 

 

ドキャッ!!

 

 

 

「ゲプスッッ!??」

 

 

風太郎が答えを出せないと口にした瞬間、二乃が茂みの中から彼に思いっきりドロップキックを腹にかました。その衝撃で、風太郎は後ろにゴロゴロと転がる。

 

 

「に、二乃っ!?何でここに!」

 

「どうでもいいわそんなこと!何アンタ保留しようとしてんのよ!!男ならきっぱりと受けるかフるかしなさいよバカ!!」

 

「い、いや、フられたくはない、かな………」

 

「しょうがないだろうが!!いきなり言われて、すぐに答えられる訳ないだろ!結構大事な選択そうだし!」

 

「アンタ全国一位なんでしょ!これくらいすぐに正解出しなさいよ!」

 

「だからそれは勉強の話でだな!」

 

 

 

 

「ああもう、二乃落ち着いて!」

 

「う、上杉君も、今は抑えてください!」

 

 

「よ、四葉、五月ちゃん!?」

 

2人の言い争いを、四葉と五月が止めようと続いて茂みの中から現れた。

 

「すみません、二乃を止めようとしたのですが……」

 

「わ、渡辺さんに大門寺君まで……」

 

「ごめんね一花ちゃん。今までのは全部隠れて聞かせてもらってたんだ」

 

「ぜ、全部!?」

 

「一応、護衛として任務もございますので……しかし、こういった事態は、全く想定しておりませんでした」

 

「は、はは、なんだか要らぬ苦労をかけちゃったみたいだね。ごめんね」

 

「気にしなくていいよ

 

 

 

 

それよりも、いいのかい?」

 

「え?」

 

「上杉君は、まだ回答を出さないと言ってたけど」

 

海斗にそう言われて、一花は二乃と言い争う風太郎の方へ目を向ける。

 

 

「…………うん、いいんだ」

 

 

最初は焦りからだったのかもしれない

 

 

 

 

妹達がそれぞれに好きな人が出来て

 

 

 

 

自分もそれに続こうと思ったこともある

 

 

 

 

でも、皆んなそれぞれのペースがある

 

 

 

 

別に振られたわけではない

 

 

 

 

だいぶ流れは違ったけど

 

 

 

 

 

 

 

あの一言だけで良かったのかもしれない

 

 

 

 

たった一言で、伝えることができた

 

 

 

 

それに、どこかで『あの子』への思うこともある

 

 

 

 

 

今はまだ、話すべきではないと

 

 

 

 

自分がどこかで思ったから

 

 

 

 

あのような告白になったのかもしれない

 

 

 

 

 

 

「………そうか」

 

「うん………」

 

そのまま一花は、風太郎の方へ歩いていく。

 

「フータロー君」

 

「っ、一花………」

 

正面で向き合う2人。先程までキーキー言ってた二乃も、その場の空気を読んで、一歩下がって見守る。

 

「………すまん、俺はまだ………」

 

「………いいよ」

 

「え?」

 

「フータロー君が決めたら、その時にまた教えて。それまで私、待ってるから」

 

「………一花………」

 

「そのかわり………」

 

 

一花はそのまま、風太郎に近づいていき、そして………

 

 

 

 

「答えを出すまで

 

 

 

いっぱいお姉さんを意識させてあげる♡」

 

 

chu

 

 

「!!?」

 

 

風太郎の頬に唇を付けた。その様に、一同も唖然とし、海斗とアイナも、珍しく目を開いて驚く。

 

 

「っ!上杉コラーーーー!!!」

 

「何で俺!?」

 

「ほえ〜、一花大胆〜」

 

「ふ、不純です〜!!

 

 

 

 

 

「………ははっ、本当に面白いね、彼女たちは」

 

「こ、これも予想外でした………」

 

 

 

かくして、一花の告白大作戦(?)は、なんかよくわかんないところに着地となったが、とりあえずは丸く収まることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、総介と三玖は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ソースケ?」

 

 

「………何でアンタがここにいんだ………」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

『とある人物』と邂逅していた。

 

 




まずは一花サイドの話でした。次回は総介と三玖サイドの話です。
そして次が一番書きたかった回です!なお、クオリティは相変わらずド下手なのでご了承を。



あー、しんどかった………

今回もこんな駄文を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!
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