BFV DOLLS~名も無きドイツ兵の戦場~   作:クリーム

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第3話

アーベルと少女ことMP40は敵との戦闘後、MP40の仲間が待っているとされる合流地点へと向かっていた。

 

アーベルはMP40から2062に至るまで何があったのか聞いた。

 

戦争は1945年にドイツ及び枢軸国陣営の敗北、ドイツはソ連に攻められドイツの首都ベルリンが陥落し、総統のアドルフ=ヒトラーの自殺が切っ掛けで降伏の道を辿り、ナチスの歴史に幕を閉じた。

 

その後のドイツは悲惨だった。

 

ソ連兵士による略奪や強姦等と領内での蛮行を許し、国が東西に別れ、また一つになって国が上手く回ってもその後の悲惨な事件が切っ掛けで起きた第三次世界大戦によって核と言う破壊兵器の踏襲を受け、ドイツは地図から消えてしまった。

 

アーベルは自身が第二次世界大戦で祖国が勝ち、世界から戦争が永遠に終わると信じていた。

 

故にアーベルは道中で聞かされた歴史に絶望する。

 

結果としては戦争は終わったが祖国が悲惨な運命にあると言う事に何の為に命を掛けて仲間と共に戦ったのか分からなくなった。

 

アーベルはトボトボと元気無く歩き、MP40 は歴史の話をして落ち込んだアーベルに戸惑った。

 

「あ、あの!元気を出してください。生きてたら良い事がきっとありますよ!」

 

「・・・良い事などない。祖国が・・・ドイツが負ける未来などと聞かされれば尚更な」

 

「(ど、どうしよう・・・頭打ってこうなったなら対処法はどうにかあるけど頭を打ってないとなると)」

 

MP40 はアーベルは何処かのPMCの所属の傭兵だと考えていた。

 

実際、過去から未来に来るなどあり得ない事と割り切り、頭を打ったか精神面に異常をきたしたからで、自身が第二次世界大戦のドイツ兵だと思い込んでいるだけだと仮説を立てていた。

 

服装こそ古びてはいるが、それこそ所属するPMCの標準的な制服と言う可能性もあるのだ。

 

「あの・・・本当に、1942年から来たのですか?」

 

「何度も言ってるだろ?1942年、北アフリカの戦地でドイツ軍として従軍。イギリスの貴族気取りを相手に戦争していたと」

 

「し、しかし・・・過去から未来に来るなんて」

 

「俺だって信じられん。だが・・・今、目の前にある光景は俺の時代には無かった。見た事のない材質の建物、武器、新たな兵器、そして・・・お前だ。戦う為にいる機械人形・・・しかも、人と区別がつきにくい造りをしているなど。俺から見ればお前達があり得ない存在だ」 

 

アーベルがそう言うと、また黙々と歩き始めた。

 

MP40 は困った表情をしつつ助けられた恩もあってアーベルを捨て置けず道案内し続ける。

 

目標まで近くにやって来たアーベルとMP40 は人目を避ける為に通っていた路地裏を抜けた所で銃声が激しく聞こえていた。

 

「銃声・・・!そんな、彼処には皆が!」

 

MP40 は仲間が敵に襲撃を受けている事を悟ると、自分を責めた。

 

自分が捕まったばかりに敵に感付かれて襲撃を許してしまったとMP40 は思い込み、絶望に当てられていると、アーベルが前に出た。

 

「何をしている。仲間が危ないのだろ?早く行くぞ」

 

「しかし、敵の数も分からないのに私達二人だけで助けに行っても・・・!」

 

MP40 は拳を強く握りしめ、出血する程に爪を食い込ませた。

 

戦況は絶望的、銃声の数は無数に聞こえる事から敵は大軍であるのは間違いなかった。

 

MP40 は仲間を助けに行っても救う事は出来ないと考えていた時、肩を強く握られる感触を受け、前を見るとアーベルがいた。

 

「良いか・・・やる前に、仲間を救えないなどと抜かすな!仲間を少しでも救える可能性があるのなら全力をあげて助けろ!確かに敵は恐らく多い・・・だがそれがどうした?たかだか多いだけだ、上手く戦えば勝てなくとも逃げる事はできる!希望を持ち続けろ!今は仲間を救う事を考えろ!」

 

アーベルの言葉はMP40 の心に深く突き刺さった。

 

「・・・そうよね。助けに行かなきゃ!」

 

「そうだ、その勢いだ。行くぞ!」

 

駆け出して行くアーベルに促され、MP40 も駆け出す。

 

仲間達を救う為、戦場へと入り込む。

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