とあるギンガのPartiality Vivid   作:瑠和

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割と速いペースで出せました。ちょっと自分でも驚いています。
ちなみに今回は子供組メインで話を作りましたがその裏で何が起きていたかをR-18版であとで出します。
それはどちらかというと「とあるギンガのPartiality」本編のお話なので新しくVivid版のR-18は作らずR-18版とあるギンガのPartialityに掲載します。お楽しみに!

感想お待ちしてまーす!


第十一話 決心!ノーリの決断

「オリヴィエ!…オリヴィエ!…」

 

「クラウス!」

 

 

 

 

「ん………はっ!?」

 

模擬戦が終わりアインハルトと相討ちとなって意識を失っていたノーリが目を覚ました。

 

「ノ、ノーリさん?」

 

目を開けて最初に視界に入ったのは頬を赤らめているヴィヴィオだった。なぜヴィヴィオが頬を赤くしているのか、その理由はすぐにわかった。

 

いつの間にかノーリの腕がヴィヴィオの手を掴んでいたのだ。どうやら目を覚ます直前に掴んだようだ。

 

「……す、すまん」

 

「いえ…」

 

その場には二人しかいなかった。試合が終了してから各々が自由に休憩を取っている中、中々目覚めないノーリの看護をヴィヴィオが引き受けたのだ。

 

「おう、起きたか」

 

なんとなく気まずい雰囲気になっていたところにノーヴェが来た。

 

「ノーヴェ」

 

「一回集合してから休みに入るぞ。立てるか?」

 

「ああ…」

 

少しふらつきながらもノーリは立ち上がって皆が待つ場所まで向かった。

 

 

 

 

「ありがとうございましたー!!」

 

一斉に挨拶をしてとりあえず一回戦は終了を迎えた。皆でわいわいやっている中、アインハルトだけ少し不満そうな顔をしていた。

 

(合宿2日目のメインイベント、合同陸戦試合は最後の最後、生き残っていたギンガさんがいたことで赤組…私たちのチームの勝ち。あのときは目の前の相手に夢中になってしまったからギンガさんがいることに気づけなかった…。まぁ、たぶんギンガさんが残った一番の理由は…)

 

アインハルトはちらりとアキラをみた。アキラは今少しなのはたちの説教を受けている。

 

理由はもちろん敵チームのギンガを助けたことにあった。アキラは夫として当然の行為かつ集束砲同士のぶつかり合いの中での救助は中々できないと主張。まぁ当然なのはは聞き入れないのだが。

 

アインハルトはようやくアキラという男を少し理解しつつ目を背けた。

 

(まぁ、勝ったことですし良しとしましょう。本当はもっと戦いたかったけど…)

 

「じゃ、おやつ休憩と陸戦場の再構築したら2戦目いくからねー」

 

「2時間後にまた集合!」

 

「はーい!」

 

「え?え?」

 

アインハルトはなのはたちの知らせにキョトンとしていた。

 

「2戦目?」

 

「ん?聞いてなかったか?」

 

その様子に気づいたノーリが今回の模擬戦の内容をより詳細に伝える。今日1日で3戦やること、その中で作戦を組み直したりメンバーの入れ換えを行うこと。

 

「まぁあと2戦は確実にやるってワケダ」

 

(またやれる…!もっと戦える!)

 

アインハルトの瞳に輝きが宿ったことを確認すると、ノーリは少し苦笑いになった。

 

(生粋のバトルマニアだな…)

 

「よかったです。もっとやりたかったので」

 

「あーそうかい。よかったな」

 

ノーリは伝えるべきことを伝えたと思い、その場を去ろうとすると、アインハルトが引き止めた。

 

「待ってください」

 

「んぁ?」

 

「あの………さっきの試合中に使った技、どこで覚えたんですか?」

 

「技ぁ?」

 

「はい」

 

アインハルトが言ったのは、最後の戦闘の時にノーリが使った「旋衝破」と「断空拳」のようなもののことだ。

 

「教えてください」

 

(最後に受けた技…あれは正直記憶が曖昧で断空拳かどうかというのはわからない。でもあの私が投げ返した技をさらに投げ返したあの技……あれは一朝一夕で覚えられる技なんかじゃ………)

 

「……昔から練習してた。それだけさ」

 

「…………そうですか」

 

アインハルトはそういうとノーリに背を向け、歩き始めた。

 

 

はぐらかした

 

 

アインハルトはなんとなくわかってしまった。ノーリは、良くも悪くもまっすぐな人間だということを短い付き合いながらもアインハルトは理解していた。

 

だからこそすぐにわかった。

 

(なぜだろう、彼に対してなにか不安を感じている。うまく言葉にできない…なにか)

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

そして、その後の試合は展開を変え、マッチアップ相手も少し変わって、3戦目はチーム構成もトレードで入れ替わって。熱く、激しく、陸戦試合は過ぎていって……

 

 

 

-子供組-

 

 

「あ~う~」

 

ヴィヴィオ、コロナ、リオ、アインハルトは仲良くベッドの上で倒れ、起き上がれなくなっていた。

 

「無茶しすぎだ」

 

そんな四人をノーリがアリスをあやしながら見ていた。

 

「なんでノーリさんは大丈夫なんですか?」

 

「……まぁ。ペース配分には慣れてる」

 

「…」

 

(また、はぐらかした)

 

アインハルトはノーリの反応がまたごまかしたということがわかった。だが今回はあまり気にならなかった。それよりも、戦いを通して知った少女たちの実力にただ、素直に驚いていた。

 

「アリスちゃーん」

 

「だう」

 

ヴィヴィオ達は身体が動かないながらもアリスを愛でていた。

 

「一緒に寝たら明日元気でそう…」

 

コロナがアリスの頭を撫でながら言った。

 

「ならそうするか?」

 

「………そういえば、ルーちゃんは?」

 

ヴィヴィオがふとこの場にいないルーテシアのことをノーリに訪ねた。

 

「ああ、アイツなら…」

 

 

 

-温泉-

 

 

 

さっきまでスバルたちが入っていた温泉に、アキラは今一人で浸かっていた。

 

「ふぅ…」

 

夜空を見上げながらアキラは自身の右手を見た。ややダメージが残っている。

 

(あいつら…加減したとはいえ、なかなかやるじゃねぇか)

 

その時、入り口が開く音がした。アキラはノーリかエリオがやってきたのだと思い、特に誰かを確認しようとはしなかった。

 

「お疲れ様です♪」

 

「ああ!?」

 

入ってきたのはルーテシアだった。胸にタオルを巻き、おちょこととっくりが乗せたお盆を持っている。

 

「何やってんだお前…」

 

「なのはさんやママ、ギンガさんもお酒飲むみたいだから、アキラさん一人で寂しいかなぁって…」

 

「いらねぇよ。部屋に戻れ」

 

「そういわずに」

 

ルーテシアはアキラを無視してアキラの隣に入って来る。彼女は笑顔だ。その笑顔を見ながらアキラはルーテシアの置かれている立場についてふと考える。昔聞いた話だと物心ついたころには彼女に父はいなかったらしい。そして、少し大きくなってからは母は意識不明、スカリエッティに利用され女の子らしい、普通の生活はできてなかった。

 

甘えたい年に甘えられる存在もいなかったことを考えると彼女に同情してしまう。

 

「……一本だけだ」

 

「…ありがとうございます」

 

アキラはルーテシアにお酌されて夜空を肴に一杯を楽しんだ。

 

「アキラさんは…ギンガさんのどんなところを好きになったんですか?」

 

「んあ?なんだよ、ませたこと聞くじゃねぇか」

 

「そういうお年頃なんです」

 

「…そうだなぁ」

 

 

 

-子供組-

 

 

 

「って感じじゃねぇか」

 

「なるほど…いいタイミング狙ったわけですね」

 

ノーリはルーテシアの一連の行動は見ていた。ヴィヴィオ達も苦笑いしながらなんとなく納得していた。

 

「お待たせしました。栄養補給のドリンクと、アリスさんのミルクです」

 

そこに差し入れを持ったセッテがやってくる。

 

「ありがとうございます」

 

「サンキュー」

 

ドリンクが全員に行き渡ると、セッテはアリスを預かってミルクを与え始めた。

 

「なんか、セッテさんがアリスちゃんのお世話している場面が多く見てる気がしますね」

 

ふと、コロナが思ったことを口にした。

 

「……まぁ、私やノーリさんが世話をすることも多々ありますね」

 

「多分あの二人…特にアキラの方は、親になるってことをちゃんと受け入れられてねぇんだ。二人でいられるときや、自由な時間をどうしても欲しがっちまう……んじゃねぇか。まぁあいつらも子育てで頼れる先輩もいない中頑張ってる方だと思うぜ」

 

「そうなんですか…」

 

なんとなく空気がわるい感じがしたので、この部屋にやってきた本来の目的を果たすことにした。

 

「そうだ、アインハルトさん」

 

「は、はい」

 

セッテに急に話しかけられ、アインハルトは少し驚く。

 

「どうでした?今回の試合は」

 

そう聞かれ、アインハルトは自分の胸に手を当てた。3回にわたる戦いで、知ったことを、見てきたことを思い返して自分の未熟さを反省した。

 

「はい…とても勉強になりました」

 

「スポーツの魔法戦競技も熱くなれるものでしょう」

 

「はい………色々と反省しましたし自分の弱さを知ることもできました。私の見ていた世界は本当に狭かったと」

 

「そうですか…では、こんなのはどうでしょう」

 

楽しんでくれたというアインハルトに対し、セッテはとある映像を表示した。

 

「DSAA公式魔法戦競技会。出場可能年齢10歳から19歳。個人計測LPを使用して限りなく実践に近いスタイルで行われる魔法戦競技。管理世界から集まった若い魔導士たちが魔法戦で覇を競う。インターミドル・チャンピオンシップ」

 

セッテからDSAAの詳細を聞いた時アインハルトの瞳が輝いた。そして、知れば知るほど心が沸き立つのを、アインハルト自身が感じ取っていた。

 

「私たちも今年から参加資格があるので、出たいねって話してたんです」

 

「全世界から魔法戦自慢が続々集まって来るんです!」

 

「数は少ないですが格闘型の人も!」

 

「まぁ…テメェの実力確かめるには、ちょうどいいってこったな」

 

「…ノーリさんも出るんですか?」

 

「ああ。俺はどっちでもよかったんだがヴィヴィオ達がな」

 

ノーリはそっとヴィヴィオ達から目を反らす。

 

「だってせっかく一緒に鍛えてるんですから!一緒にやりたいじゃありませんか!」

 

ヴィヴィオは身を乗り出してノーリに訴えかける。ノーリはめんどくさそうにあしらった。

 

「へーへー。近いっての」

 

「あら、インターミドルの話?」

 

そこに、寝間着に着替えてきたルーテシアがやってきた。満足そうな彼女の表情を見るにアキラとの混浴は終わったようだ。

 

「おう、よく追い出されなかったな」

 

「まぁ、アキラさん昔から優しいから」

 

「ルーちゃんも今回は出るんだよね!」

 

「そう!みんなと出られるの待ってたんだから!インターミドルに出る強い子はほんとに強いからねぇ、自分の力はどこまで通用するか確かめるのはなんだかんだ楽しみよ」

 

ルーテシアが話に加わり、みんなでワイワイとインターミドルのことについての話が盛り上がってきた。そんな中で話を聞いていて、アインハルトは自身の胸の鼓動が高鳴っていくのを感じていた。

 

(…一日戦い続けて身体はもうくたくたなのに、どうしてだろう新しい戦いがあると聞いて、まだ見ぬ強い相手がいると知って、心が沸き立つのを止められない…)

 

その様子を、ノーリは遠目で見ていた。

 

「…………やっぱ…オメェにゃ向いてねぇよ」

 

ノーリはボソッと呟いた。

 

「ん?なにか言った?」

 

ノーリの声をわずかに聞き取ったルーテシアが反応した。ノーリはため息を一つして立ち上がった。

 

「なんでもねぇよ。俺ちょっと外の空気吸ってくら」

 

ノーリはそういって部屋を出て行ってしまった。そんな彼の後ろ姿を見ながら、ルーテシアがヴィヴィオ達に訪ねた。

 

「…なんかノーリ変わった?前はあんなんじゃなかったような…」

 

そういわれ、ヴィヴィオも少し表情を曇らせる。ルーテシアと同じ感想を、ヴィヴィオも少していたようだ。

 

「そうだね…本当にここ最近だよね。どことなくちょっと冷たいっていうか…」

 

 

 

ノーリは廊下に出て、軽く外に出れる場所を求めて月明りがさす廊下を歩いた。

 

(こんなこと、きっと自分勝手なだけだって理解はしている…それでも)

 

「ノーリ?」

 

その時、ギンガを抱きかかえ、自分たちの部屋に向かっているアキラにばったり出くわした。

 

「ん?」

 

「やっぱノーリか。ちょうどよかった。色々事情込みでよ、アリスのこと今晩頼めるか?」

 

ノーリはアキラに抱きかかえられているギンガを見た。強めなアルコールの香り、赤く染まった頬。ノーリは大体事情を察する。

 

「心配しなくても、今夜はヴィヴィオ達がすでに一緒に寝ようとしてる勢いだ。セッテもいるし大丈夫だろう」

 

「悪いな」

 

「ん~早く行こぉ?」

 

ギンガがアキラに甘ったるい声で話かける。酒に酔っているようで、普段は見せない一面を見せている。

 

「ああ。じゃ、ノーリまた明日な」

 

「……アキラ。お前も父親になったんだから少しは自覚持てよ。最も、お前の信条は察するがな」

 

そういわれ、アキラは少し黙ってしまう。なにやらアキラにとって少し意味深な言葉だったようだ。

 

「………わかってるさ」

 

「ならいい」

 

そこで会話を終わらせ、去ろうとしたとき今度はアキラがノーリを引き留めた。

 

「ノーリ」

 

「なんだ?」

 

「体は大丈夫か?」

 

「…ああ」

 

「………あんま、無理すんなよ」

 

「無理はしてねぇし、身体は元気だ。ま、なんかあったらお前が止めてくれや」

 

そう言い残し、ノーリは去って行ってしまった。その場に残されたアキラは小さくため息をついた。

 

「……カラ元気に見えっけどな」

 

 

 

-練習場-

 

 

 

ライトアップされた練習場の真ん中で、ノーリは月を見上げる。

 

「俺は俺のなすべきことをする………たとえ自分勝手な自己満足だったとしても…俺は、あいつの為に…」

 

 

 

 

 

続く

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