とあるギンガのPartiality Vivid   作:瑠和

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後2話か1話ほどで終わり、Vivid本編に戻ります。それでもここのストーリーは大切なんで是非読んでくださいw

感想、投票、評価随時募集中です!!


第二十七話 降臨!神を継ぐもの!

無限書庫内で起きた襲撃事件。敵の撤退から30分経った現在。アキラはギンガをバイクの後ろに乗せてバイク専用装備、ブラックレイランサーを装備させて発進準備を整えていた。

 

誘拐されたアインハルトが持っていた通信機によって既に敵組織「アーク」のアジトは掴んでいる。敵が追跡を捲くために様々な次元を転移したが、最終的にミッド西部の海に浮かぶ島で止まった。もう向かうだけであったがアキラはとある人物を待っていた。

 

「アキラさん!」

 

アキラを呼ぶ声と共に車が到着した。運転手はメグで助手席には待っていた人物、セッテが乗っている。セッテは車から降りると、アキラに向かって駆けた。

 

セッテはその手に柄が白い刀を持っている。

 

「お待たせしました」

 

「ああ。そっちに事件に関わった連中がいる。事情聴取やらなんやらは頼んだ」

 

セッテから刀を受け得取るとアキラはそれを背負い、無限書庫から出た少女たちを指さす。

 

「了解しました」

 

アキラはセッテにあとを頼むと、バイクのエンジンを入れた。

 

「行くぞギンガ!」

 

「うん!」

 

「「ウィング!ロード!!」」

 

バイクからウィングロードが発生し、アキラとギンガは海の上を走っていった。

 

「お嬢様!」

 

二人が去ったあと車からヴィクターの執事、エドガーが下りてくる。

 

「ご無事で…」

 

「ええ。まだちょっと、くらくらするけど。それよりエドガー、大会は今どんな感じ?」

 

頭を押さえつつもヴィクターはエドガーに訪ねた。

 

「大会……ですか?」

 

「ノーリ選手をどうするか、大会そのものをどうするかって話よ」

 

意外な話題だったが、エドガーは言われた情報を取り出すために端末を取り出した。

 

「大会側は、なるべく早く再開させる考えのようです。恐らくノーリ選手は棄権扱いにされるかと」

 

話を聞いたヴィクターは小さくため息をついた。

 

「………行くわよエドガー」

 

「どこにですか?」

 

「大会主催者グループに。不良娘、エルスさん、それからミカヤさん。あなた方にも協力してもらってもよろしいかしら」

 

指名された三人は顔を見合わせる。

 

「ん?俺達が?」

 

「それからエドガー、声をかけられるなるべく上位のDASS選手を集められるだけ集めて頂戴」

 

エドガーはなぜそんなことを言ってくるのか分からなかったが、とにかく言われた通り連絡先のデータを開いた。

 

ヴィクターは自身の肩をそっと触った。さっきのアキラに助けられた時の触感がまだ残ってる。

 

(良かった………大丈夫か?)

 

「ダールグリュン家たるもの、受けた恩は何十倍にもして返しますわ」

 

 

 

-ミッド西部 海上-

 

 

 

アキラはアークのアジトに向けてバイクを走らせていた。そこにはやてから通信が入る。

 

『ギンガ、アキラ君。無限書庫でエレミアの手記を見付けたよ』

 

「本当ですか!?」

 

「なんかダズマに関する情報はあったか!?」

 

『時間もないからまとめると、ダズマはかつて存在していた神に等しい力を持った人物で、諸国の王とも接触があったらしい。そして古代ベルカの戦乱の時代、この星を壊滅させるほど巨大な隕石からこの星を護り散ったらしいんよ。ダズマは放浪者で、同じ放浪の一族だったエレミアと友好的な関係だったらしくて、ダズマの死に際にも立ち会ったらしいわ』

 

「………結局被害をいたずらに増やしただけでそれしか情報は得られないのかよ…っ!!」

 

アキラは苛立ちを感じた。子供たちを危険にさらしておいて大切な情報を手に入れられなかった。罪悪感がアキラを襲う。

 

『アキラ君にそこまで罪はないよ。行きたいって言ったのはあの子らやし、うちらもすぐに動けんかったのも問題やった』

 

「そうだよ…アキラ君はみんなを助けてくれたんだし、むしろ一番頑張ったって…」

 

「そういうことにしておこう。さぁ、目的地が見えたぜ」

 

島が近づいてきた。どこから突入すべきか考えていたとき、島からなにか飛んできた。

 

「しゃぁ!」

 

「!!」

 

飛んできたのは人間だった。その男はアキラのバイクに刃をむけたが、バイクに装備されたブラックレイランサーの鎧に弾かれた。

 

「ぐぅぅぅぅ!!!」

 

「へぇ、硬いじゃん。そのバイク」

 

攻撃を弾かれた男はウィングロードの上に降り立った。

 

「…アークか」

 

「当たりじゃん?俺はシエン。はぁ!!」

 

シエンと名乗った男はウィングロードの上でいきなり切りかかってくる。アキラはすぐにエンジンを入れた。

 

「ギンガ!掴まれ!」

 

「うん!」

 

二人はバイクでウィングロードから飛び降り、島に着陸した。当然男は追ってくるが、アキラはバイクをすぐに発進させて振り切ろうとする。

 

「ロック!」

 

後ろから追っかけているシエンが叫ぶとアキラたちの前に巨大な何かが降り立つ。

 

「!?」

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

それは巨漢の男だった。敵であることを視認したアキラはブラックレイランサーに搭載された砲塔を起動させ、巨大な魔力砲を男にロックと呼ばれた男に向けて撃った。

 

「ぬるい!」

 

ロックは魔力砲を腕ではじいた。

 

「なんて奴だ!!」

 

アキラは急いで方向を変え、二人からある程度距離を取ったところで止まる。

 

「これ以上は行かせないわけじゃん?」

 

「我らが神の復活の邪魔はさせぬ」

 

二人はアキラたちの前に立ちはだかった。アキラとギンガはバイクを降りてバリアジャケットを装備した。

 

「悪いが邪魔をするのが俺らの仕事でね」

 

「ノーリも、他のみんなも返してもらうわ」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

-アークアジト内-

 

 

 

「きゃあ!!」

 

アジト内でアインハルトは閉じ込められてた瓶から出される。アレスは用意しておいた毛布をアインハルトに渡す。

 

「やぁ、覇王の末裔ちゃん。とりあえずこれでも羽織ってくれたま…」

 

「武装形態!!」

 

すかさずアインハルトはバリアジャケットを身にまとい、アレスに襲い掛かった。

 

「覇王!空破断!!!」

 

「おっと」

 

アレスは空破断を回避し、魔導書を出した。

 

「スリープミスト」

 

「!」

 

魔導書から睡眠作用のある霧を発生させ、アインハルトを包み込む。それを食らったアインハルトはすぐに膝をつき、壁にもたれかかった。

 

「悪いがもう少し眠っててもらえるかな?なぁに、傷はつけないさ。身体にも手を出さない。眠っている間にすべて終わる。そう…全て…」

 

「くっ……ノーリさん…」

 

薄れゆく意識の中、祭壇に寝かされているノーリが視界に映った。助けたいという思いでノーリに手を伸ばす。

 

「ん?ああ、彼か。もう彼には会えないだろうが、なぁに。心配することはない。ダズマ様がもたらす世界の方が、素晴らしいとすぐ理解するだろう」

 

(ああ…だめだ……意識が…ノーリさん…ヴィヴィオさん…チャンピオン………それから、あの魔女の…女の子…私が…………助…け………)

 

「四人…まぁ、足りるだろう。さて、実験を始めようか」

 

アインハルトを生体ポッドに運び、システムを起動させる。ヴィヴィオ、ジーク、ファビア、アインハルトが入った生体ポッドが起動し、四人の記憶の奥の奥に眠る先祖の記憶を掘り起こす。

 

「う…うう…」

 

「ああ!!」

 

「あぁあぁぁ!!」

 

「ぐぅぅぅ…!」

 

先祖の記憶の中の、ダズマと触れ合った記憶を掘り出してそれをノーリの頭の中で繋げ、ダズマの人格を作り出す。

 

「ダズマ様は過去に多くの王と触れ合った、その触れ合った記憶の客観的な人格をベースとして新たな人格を創る…さぁ、我らが王、復活の時です」

 

記憶がノーリに送り込まれた。

 

「う……あぁぁ…ぐぅぅ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ノーリは呻き声を上げながら体を捩る。身体から虹色の魔力が発生し、それが緑に代わり、最終的に黒くなる。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ノーリの身体に黒い模様が入り始める。それが全身に回ると同時にノーリが目を開ける。その瞳は深紅に染まっていた。

 

 

 

-アジト外-

 

 

 

アジトの外でアキラはシエンと、ギンガはロックと戦闘を続けていた。以外にも腕は立つ二人であるのと、早く助けに行きたい気持ちが焦りを生み、うまく戦えてなかった。

 

(くそっ…もう………殺すしかないか!!)

 

殺さないよう戦っていたアキラだったがアキラに限界が来た。一旦刀を収納し距離を取る。

 

「一閃必殺…………」

 

居合切りで首を切り落とそうとしたとき、アジトをカモフラージュした山から魔力で形成された光の柱が発生した。

 

「!?」

 

「なに!?」

 

「おお………我らが王の復活だ…」

 

「残念だったじゃん公僕………復活の儀は成功した!!」

 

「クソったれ…!」

 

復活に成功したことによって二人に生まれた隙。その隙にアキラは抜刀した。

 

「時雨露走」

 

シエンの右足を切り落とし、間髪入れずロックめがけて飛んだ。

 

「獅子皇爪撃」

 

アキラの刀がロックの足も斬り落とす。返り血で赤く染まったアキラを見て、ギンガは少し怯えた表情をした。

 

「アキラ君……」

 

「………悪い。怖がらせたな」

 

「こんなやり方…」

 

「死にゃしねぇよ。急ぐぞ。間に合わなく…!」

 

刹那、アキラはギンガをかばうように抱きかかえた。ギンガの視線の先にあった偽装山が爆散した。アキラはその爆発を察知し、ギンガを抱きかかえたのだ。そして爆発した場所から誰かが空中に浮かび上がっていく。

 

「あれは………」

 

「ノーリ?」

 

浮かび上がっているノーリの上着はなく、髪は全体的に立ち、赤黒く発光してる。

 

「………俺が、また、目覚めてしまうとは…」

 

「ノーリ!!」

 

「ノーリ!!」

 

アキラは翼で、ギンガはウィングロードでノーリに向かって飛ぶ。

 

「………お前たちは」

 

「お前………ダズマか?」

 

「それとも、ノーリ?」

 

質問に対し、ノーリは少し考えてから答える。

 

「………我の名は、ダズマ。神の代行者だ」

 

「ダズマ様!!我らが願いを!どうか、我らに力を!!」

 

ダズマの下でアークの構成員たちが叫んだ。ダズマはそれを瞳だけ動かして見る。

 

「…………ファンタジーツリー」

 

ダズマが呟くと、頭上かにミッドでもベルカでもない複雑な魔法陣が展開されてそこから触手が伸びた。

 

「やめろ!あいつらは…」

 

力を与えるのかと思ったアキラはダズマに静止を呼びかけるが、ダズマは止める様子はない。

 

「心配するな」

 

伸びた枝はアークの構成員を次々と包み込む。それはシエンやロックも例外なく。

 

「…これは……」

 

「彼らの目的は、「悪」とまでは言わないが「善」ではない。故に眠っていてもらう…」

 

「………どうやら話してわからねぇ奴でもなさそうだ。なぁ、アークの言いなりになる気はないんなら、返してくれないか?ノーリの身体を」

 

少なくともアークには肩入れしないとわかったアキラは念のため交渉に出た。もしこちらに味方してくれるなら何も言わずとも返してくれる可能性は高かったが、こちらの味方と決まったわけではない。

 

「それは………できない」

 

「なに?」

 

「私は、私の眼は世界を見た。この世界の全てを。そして知った。世界の醜さを。悪意だ。この世界は悪意が満ちている」

 

なにやら達観した意見を言い始めた時点でアキラは交渉を諦めていた。腰にある刀に手を添えて戦闘態勢に移行していた。

 

「…で?」

 

「少なくとも、我が生きていた古代ベルカの時代。その時代にも戦争はあった。その戦争には少なくとも正義あった互いにな。祖国のため、仲間のため、家族のため。しかし、今の世界の人は多くが己の欲ためにしか動かん」

 

「それでテメェはどうすんだ」

 

「世界を管理する。上に私一人がいて、それ以外が上も下もない平等な世界にする。それが我にできることだ」

 

「そうかい。なら、さっさとまた眠れ。現代にテメェの居場所はねぇよ!」

 

アキラは抜刀してダズマに切りかかった。切るつもりはない。峰打ちで終わらせるつもりだ。しかし、刃が届く前にアキラはダズマの出現させた枝にくるまれた。

 

「!!」

 

アキラは必死に抵抗するがうまく脱出できずにどんどん枝に包まれていく。

 

(なんだこりゃ!斬れねぇのにこっちを確実に捕獲してきやがる!)

 

「アキラ君!きゃぁ!!」

 

アキラを助けようとしたギンガも巻き添えになる。ギンガに被害が出た瞬間、アキラの目つきが急に変わったが、それはすぐに力ないものへ変化した。

 

「ぐ………ギン……ガ」

 

枝に完全に飲み込まれると、アキラは段々意識が薄れていきすぐに意識を完全に失う。その様子を観察しながらつぶやく。

 

「結局どうあがいても、人と人とが争いをなくすことは不可能だ。だから眠れ。その身朽ち果てるまで」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「…」

 

アキラは目を覚ますと、見覚えのある、懐かしい庭園に立っていた。

 

「なんで………ここに」

 

見間違えるはずもない。ここはかつてアキラが護衛し、ミスで死なせてしまった少女、セシルとその家族が住んでいた屋敷の庭園だ。

 

「アキラ!」

 

ぼーっと立っていると背後から声がした。懐かしい声だ。聞いたのは何年ぶりだろうか。ずっと、ずっと聞きたかった元気な声。

 

「セ………セシル」

 

「うん!ほらこっち来て!ギンガも待ってるんだから!」

 

振り向くと、庭園のベンチにはギンガが手を振っていた。

 

「…あ、ああ………」

 

疑問はすぐに消え、アキラはセシルについていった。

 

 

一方、ギンガは自宅の庭で立ち尽くしていた。今、アキラと住んでいる家ではなく、実家の方だ。

 

目の前には、小さい頃のスバルと若いゲンヤ、そして死んだはずの母、クイントとそのクイントに抱っこされた幼いアキラだった。

 

「ギンガ、そんなところで何してるの?」

 

「ギン姉~!!」

 

自身の腕を見ると自分自身も昔の姿に戻っていることに気づいた。だがそんなことはすぐどうでもよくなった。

 

「うん今行くね!」

 

 

 

続く

 

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