とあるギンガのPartiality Vivid   作:瑠和

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何とか完成させました…。あと2~」3話でいったん切ります。(何回言ってんだこれ)
コロナやらなんやらで世間は大変ですが皆さんは大丈夫でしょうか。私は少々忙しいです。次回を上げるのも少々時間がかかるかもしれません。

次回もお楽しみに!


第二十九話 堂々!アキラの力!

私の生まれた家は、宗教にご熱心な家族だった。

 

まぁ、それだけならただの、「少し変わった家族」くらいだったろう。私自身家族に不満を持ったことはなかった。

 

私の家族が変わったのは、私が12歳の時。

 

私の両親は、「ダズマ」を信仰していた。個人的な信仰で、どこの宗教組織にも所属していなかった。そんなとき、一人の男が家にやってきた。

 

男はダズマを信仰する巨大な宗教組織の一員だった。僕の両親は、当然その組織に入った。いや、入ってしまった。その宗教を仕切っている男は、ダズマを身に宿したなんていう嘘で、人を…金を集めてる男だった。

 

俺の両親も騙され、金を貢ぎ続け、金を稼ぐために危ない仕事に手を出して捕まった。

 

そうして最終的に家族は崩壊。幸せなはずだった家族はバラバラになった。僕は男に復讐を誓った。

 

しかし、男とその組織はすぐに捕まった。信者に犯罪侵させてまで金を貢がさせたことが露見して。復讐の相手を失った僕は、家族が崩壊した根底のダズマに復讐することを決意したんだ。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「お前………そんな理由で、不特定多数の人々を巻き込んでいいと思ってんのか!!」

 

アキラは憤るが、アレスは少し切なそうな顔をした。

 

「……アキラ・ナカジマだったね。君は、何か心の支えになるような物はあるかい?」

 

「なに?」

 

唐突な質問だった。アキラが反応に困っているのをみてアレスは続ける。

 

「察するに、君のそばにいたあ紫色の髪の女性……だろうか?僕にとっては家族だった。例え、宗教にハマってようが、狂ってようが………家族さえいてくれればそれで…」

 

「…」

 

「その家族も……復讐の相手も失った。生きる意味を全部失ってしまったんだ。だから、これは僕の復讐なんだ。世界に対する…」

 

「今すぐこんな馬鹿な真似は止せ……」

 

アキラは何とかアレスを止めようとするが聞く耳は持たない様だ。

 

「もう遅い!ここまでやったんだ!いまさら引き下がれるか!」

 

アレスは腕を前に出し、魔力を集束し始めた。その手の狙う先は、アキラではない。管理局地上本部だ。

 

「よせ!!」

 

「世界の全てを破壊し!ルールを作り変える!!誰もが平等の世界は私が作る!消え去れ管理局!!!」

 

魔力集束率は明らかに一発で管理局の本局の建物を消滅させるには十分な魔力量だった。ここで阻止すれば飽和しきれないエネルギーが爆発を起こすだろう。

 

「クソったれぇ!!!」

 

アキラは射線上に向かって飛び出した。翼をだして海上を可能な限り速く管理局に向けて飛んだ。

 

「防げるものか!管理局諸とも消えるがいい!」

 

アレスはアキラごと消すつもりで高密度魔力弾を放つ。アキラは出発前にセッテに持ってこさせた刀を構える。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

魔力弾は海上のアキラに命中したと同時に大爆発を起こした。着弾地点真下の海の表面は蒸発するほどの高熱が発生していた。

 

(思ったより爆発が小さいな……まぁいい。あの男は死んだだろう)

 

「アキラさん!?」

 

そこにファビアを背負い、ファンタジーツリーから逃げ回っていたアインハルトが現れた。急にファンタジーツリーの枝が折って来なくなったため、様子を見に来たのだが、それをアレスに見られてしまう。

 

「ああ、まだ無事だったのか」

 

「!」

 

アレスの様子がおかしいことにアインハルトはすぐに気づいた。さらに、血を流しながら倒れているノーリ、及びダズマにも気づいてすべてを察する。

 

「ノーリさん…」

 

「どうするんだい?クラウスの末裔。大人しく私に従うなら、手荒く扱うのはよそう」

 

「逃げろ………クラウスの末裔!」

 

苦しそうな声で誰かが言った。それはダズマだった。腹部を貫かれ、力のほとんどを奪われながらもダズマは起き上がり、アインハルトをかばうように立ち上がった。

 

「なんのつもりだ?ダズマ」

 

「我は誰の死も望んでいない。私の力が悪用されることもな。だから貴様を倒し、力を返してもらう!」

 

なんとか起き上がるも、ダズマはすぐに倒れかける。それをアインハルトが支えた。

 

「私より魔力量がないのになに言ってるんですか…。それに、「それ」は貴方の身体じゃありません。それ以上その身体を使うのは、私が絶対許しません!」

 

「…」

 

アインハルトの言葉にダズマは驚いた顔をした。

 

「ファビアさんを、頼めますか…。ファビアさんに手を出しても、ノーリさんの身体をそれ以上酷使しても、私はあなたを許しません!覚えておいてください!」

 

ダズマにファビアを預け、アインハルトはアレスに対峙した。力の差は歴然だ。しかし、アインハルトには引くという選択肢はない。

 

正しくは逃げたところでどうしようもないのが分かっていた。ここは小さな島。逃げる先もない。目の前でアキラが死ぬのを見てしまった。此処で全滅してはアキラが死んだ意味はないと思ったのだ。

 

「力の差は分かっているだろう?なぜ戦おうとする?」

 

「せめてもの時間稼ぎです!覇王!空破断!!」

 

空破断をアレスに向けて放ったがそれは簡単に防がれる。しかし想定内だ。アインハルトは一気に接近し、断空拳をアレスに撃ち込んだ。

 

「断空拳!」

 

「…」

 

断空拳すら片手で防がれる。すぐに後方に飛ぼうとしたが、それより早くアレスが魔力槍をアインハルトの腹部に向けて放っていた。

 

「!!!」

 

死を覚悟した。しかし二人の間に何者かが入り込み、魔力槍を防いでアインハルトを抱えてダズマの前まで飛んだ。

 

「…アキラさん?」

 

「悪い。遅くなった」

 

現れたのは、透き通った紫色の鎧を纏ったアキラだった。

 

「なに?」

 

完全にアキラを殺したと思っていたアキラが現れたことにアレスが驚愕する。

 

「あの爆発をどうやって生き残った…」

 

「悪いな、この鎧は絶対に破られねぇ。例え、神であろうとな」

 

アレスはダズマの力を使ってアキラの纏う鎧を解析しようとした。ダズマの力の最も優良な部分は解析能力にある。

 

ダズマは原初を知っている。原初を知っているということはすべての事象、物体が原初からどのような進化を辿って生まれたかを知ることが出来るということだ。

 

(どんな手品だろうが…このダズマの力の前では何の意味も持たないことを………)

 

しかし、解析は失敗した。原初を辿れないのだ。それはアキラの纏う鎧が少なくともこの星で生まれたわけではないことの証明だった。

 

(馬鹿な………!!)

 

そんな中、ダズマはアキラを見て何かに気づいていた。

 

(そうか………お前が…)

 

「なんなんだお前はぁァァァァ!!」

 

突然逆上したアレスが途方もない数の魔力槍を展開し、アキラに向けて飛ばした。

 

「無駄だ」

 

それに対してアキラが手を前に出すと鎧から紫色の結晶が発生し、剥がれ落ちてアキラの前に飛ぶ。結晶は刺々しい形から盾のような形に姿を変え、アレスの魔力槍を全て防ぎきった。

 

「馬鹿な……馬鹿な…」

 

 

 

-ギンガside-

 

 

 

ファンタジーツリーのを折りに来たギンガたちはその根元へ辿り着いていた。

 

「あれが…」

 

「結構太いですね…どうしましょう、わたし、あんなもの折れる魔法なんて持ってません…」

 

この中でファンタジーツリーに触れられるのはヴィヴィオだけだった。その理由はダズマがファンタジーツリー召喚した時、ファンタジーツリーに触れられる条件に「クローン」を設定したからだ。ダズマの使うノーリの身体がクローンの身体だったので唯一触れられる条件を追加したのだ。

 

どうにかして折ってくれとアキラに頼まれたが、ヴィヴィオ一人の力ではとても折れそうにないのは困った問題だった。

 

「大丈夫。ヴィヴィオちゃんウチに任してや」

 

そう名乗りを上げたのは、ギンガに背負われていたジークだった。ジークはファビアに小さくされたままだったのでギンガに守られていた。

 

「ジークさん、何か手段が?」

 

「いまウチはこんなことくらいしか役に立てんし…」

 

そういってジークは掌に魔力を集中させる。身体が縮んでいるせいか普段は簡単にできることでもかなり労力が必要な様だった。少し時間をかけ、ジークは一つの魔力球を生み出した。

 

「はぁ、はぁ、こ、これにヴィヴィオちゃんの魔力を込めてあの樹に当てて…………触れられんのはヴィヴィオちゃんだけでもほかの魔法にヴィヴィオちゃんの魔力が加わればきっと当たる」

 

ジークが生み出した魔力球はイレイザーの魔法で作り出した魔力球だ。ジークの持てる魔力をほとんど使って作ったこの魔力球なら太すぎる樹の一本や二本破壊するには十分な威力を生み出すだろう。

 

「なるほど!ありがとうございます!」

 

ヴィヴィオは魔力球を受け取り、それを宙に放った。そして自身が込められるだけの魔力を足に込め、魔力球を蹴り飛ばした。

 

「アクセル!ブラスト!!!」

 

魔力球は樹の根元に飛び、見事ファンタジーツリーの根元を吹っ飛ばした。

 

「やった!っ痛!わわわ!」

 

ヴィヴィオは着地に失敗し、その場にこけた。

 

「ヴィヴィオ!」

 

「大丈夫!?あっ………」

 

ヴィヴィオの足にはそこそこの傷があった。あくまで他人の作った魔力球を全力で蹴り飛ばしたのだ。ヴィヴィオ得意のセイクリッドガードは足周辺に展開させていたとはいえイレイザーのダメージに耐え切れなかったのだ。

 

「ヴィヴィオちゃんごめん…」

 

「いえ…これしか方法がなかったわけですし…仕方ないですよ!」

 

ヴィヴィオは謝ってきたジークに対し笑顔で返した。お互いが謝罪合戦をしていたところに、アキラが飛んできた。

 

「おう」

 

「アキラ君!」

 

アキラの肩にはノーリとファビアが担がれていた。さらに少し遅れてアインハルトがアキラが結晶で作ったボードに乗って飛んできた。

 

「皆さん!ご無事で!」

 

「アインハルトちゃんも!ノーリってことは、終わったの?」

 

ギンガがアキラに担がれたノーリを見て尋ねるがアキラは首横に振る。

 

「いいや、まだだ。こいつはまだダズマだがもう脅威はない。応急処置は済ませたから」

 

「ノーリさん!」

 

「ノーリ!」

 

アキラはまだノーリのダズマをヴィヴィオに預けた。ダズマは腹部を連れぬかれたことで出血がひどかった。

 

「ひどい………何があったんですか?」

 

「アレスの野郎がこの樹に捕まってなかった。ダズマの隙を突いて力を奪ったんだ………来たぜ」

 

アキラたちを追ってアレスがやってきた。

 

「大層な口叩いた割にはさっきから逃げの一手じゃないか……」

 

「悪いな。テメェを殺さずに捕まえるにはギンガの力が必要なもんでな」

 

そういうとアキラの横にギンガが立った。

 

「頼めるか、ギンガ」

 

「もちろん!」

 

アキラの力は強力過ぎた。加減できないではないが、ちょっとした感情の変化で相手を殺しかねないのがこの鎧の欠点だった。

 

そこでギンガが代わりに戦う方法が考案された。「ギンガを護る」ということに意識を集中させれば相手を殺すこともなく、ギンガが傷付くこともない。

 

「じゃあ…」

 

「待ってください!」

 

戦闘を開始しようとした時、背後からアインハルトがやってきた。

 

「…私にも、戦わせてください!」

 

「…アインハルト」

 

「ノーリさんを傷つけ私たちの過去を、先祖を利用したこと、許せません!」

 

「………ああ。お前は俺が守ってやるから安心してぶっ飛ばしてこい」

 

「っ!はいっ!!」

 

まるで自分は簡単に倒されると言われているようでアレスは完全に頭に来ていた。これまでの言動から、中々感情的になることはない男だと思われたが、身の丈に合わない力のせいか妙に感情的になりやすくなっていた。

 

「私を………なめるなぁァァァァ!!!」

 

「散開!!」

 

アレスが物量に物を言わせた攻撃を放ってきた。アインハルトとギンガはそれぞれ左右に飛んで攻撃を避けた。

 

ギンガが右から攻撃を仕掛ける。アレスは魔力槍をギンガに飛ばすがその前に結晶の盾が出現してギンガを護った。

 

「くっ!」

 

更にギンガはアキラに守られた刹那、盾の下からアレスに接近した。

 

「リボルバーブレイク!!!」

 

アレスはその攻撃をもろに食らい、吹っ飛ばされる。

 

「アインハルト!」

 

「はいっ!砕牙!」

 

アレスが吹っ飛ばされた先にアインハルトが現れ、蹴りを食らわせた。

 

(なぜだ!ダズマの力なら、大抵の攻撃は効かないはず…………………あれは!)

 

アレスはアインアルトの足をみた。アインハルトの足には、薄くアキラの結晶が張られていた。アキラの結晶であれば攻撃は通る。しかもアインハルトもギンガも基本的に格闘技がメインだ。ダズマの攻撃の解析能力で最適な防御がし難かった。

 

(あれの力…………これでは………)

 

成す術もなく、アレスはどんどん追い詰められていく。

 

「馬鹿な…」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「おぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「いっけぇ!ギンガァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

 

「覇王!断空拳!!!」

 

「アサルトライジングインパクト!!!」

 

ギンガとアインハルトは同時に最後の一撃をアレスに撃ち込んだ。アレスの抵抗は全てアキラの結晶で妨害され、抵抗にすらならなかった。

 

「くそ…くそぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

アレスは攻撃を食らって近くの壁に叩きつけられた。

 

 

 

続く

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