文月学園での新たな生活   作:Argo(不定期更新)

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 どもです!遅くなりましたが心の広いお方はお読みください。


A vs.F《第1回戦》

翌日

 

「それでは、試召戦争を開始します!クラス代表は私の前にて、握手を。」

 

 迎えた今日はA vs.Fの試合。他の2年生クラスもこの試合をモニターやタブレット端末で観ている。

両クラスとも負ける気などサラサラなく。むしろギラギラと試合を待ちわびていた。

審判の高橋教諭のもと、戦いの火蓋は切って落とされた。

 

「手を抜くなよ、坂本」

「たりめーだ。桐ヶ谷」

 

 代表の二人が表面上穏やかに握手をかわす。しかし、眼は笑ってなどいない。

数瞬の駆け引きを終え、互いに陣営に戻る。

 

 

「1試合目、両クラス代表者は前へ!」

「はい!」

「分かったのじゃ!」

 

 迎えた1試合目はAクラスからは木下優子が、Fクラスからはその弟の木下秀吉という、姉弟対決となった。

 

「頼んだ、優子さん。」

「任せて、桐ヶ谷くん」

「姉上、負けるつもりは毛頭無いぞ!」

「上等!それでこそ、やりがいがあるわ!」

 

 見た目そっくり、まさに瓜二つの姉弟はその顔に似合わない挑戦的な表情で向き合う。

 

「本当は成長したことを見せるために別の教科にしたいところじゃが、いかんせん、この勝負は負けられん!高橋女史、古典でお願いする!召喚!」

「なめないでよね、秀吉。私だって、Aクラスに来て、自分の小ささを知ったのよ!

だからこそ!それを教えてくれたクラスの為にも負けるわけにはいかない!召喚!」

 

Aクラス 木下優子  413点

          vs.

Fクラス 木下秀吉  420点

 

「驚いたのう、姉上は古典が苦手じゃったろうに。ここまで伸ばすとは」

「ええ、苦手だったわ。苦手だから、勉強するのよ、友人や先生達の手を借りてね」

「それでは、始めて下さい」

 

 話が一段落したのを見計らい、高橋先生が試合解除を宣言する。

 

「姉上!覚悟!」

「喋る暇があるならこっちから行くわ!」

 

先手は優子さんだ。優子さんの召喚獣の獲物はランスだ。ランスの扱いはほぼ細剣と変わらない、つまりは突きがメインで斬撃には向いていない。対して、秀吉の獲物は薙刀、間合いを詰められなければリーチを活かしてじわじわ削れるだろう。

そして、技術は互角だ。どちらが勝っても、どちらが負けてもおかしくはない。

 激しい打ち合いは続く。

優子さんが間を詰めれば秀吉は直ぐ様持ち手を解体し、間合いを調整する。逆に秀吉が連続で斬ろうとすれば優子さんは最小限の動きでいなす。

そんな一進一退の攻防は続き、両者は同時に後ろに下がる。

 

Aクラス 木下優子  375点

          vs.

Fクラス 木下秀吉  380点

 

 完璧に防ぐことはやはり難しいらしく、互いが高得点であるためにかすっただけで少なくない点数が削られている。

 

「やるじゃない。まさかここまでとはね」

「姉上こそ!たった1度しか試召戦争をしてない割には技術は高いようじゃが?」

「・・・・端的に言えば桐ヶ谷君のお陰よ。

ねえ、秀吉。」

「なんじゃ?」

「私はもう出し惜しみしないわ。負けたく無いならあんたも腕輪を使うことね」

「・・・・!受けて立つ!」

「《アイシクルランス》!」

「《模倣・アイシクルランス》!」

 

 優子さんが腕輪を使い、氷の槍を秀吉へと放つ。しかし、秀吉の腕輪能力《模倣》によってそっくりそのまま氷の槍が放たれた。

 

「これは・・・・・」

「削り合いになりそうね。あとは、どれだけ命中するか、数に任せても当たらなければ結局は意味は無いものね。」

「ああ、ま、それがこのままこのスキルを使い続けた場合。だけどな。」

 

 その時、戦局は動いた。

 

「・・・《追跡》」ボソッ

「なっ!追ってきたじゃと!?ハッ!」

「無駄よ、その槍はどこへ逃げようとターゲットを追い続ける。たとえ、召喚獣が戦死したとしても、槍さえ残っていればずっとね」

 

 優子による何らかの技により氷槍が秀吉を追うのだ。氷槍を模倣で相殺させようとするが、的が小さいので当たりにくい。

 

「へぇ・・・。アンタ、もしかして模倣する相手の口から聞き、見た技じゃないと模倣できないのかしら?」

「・・・・流石じゃな。その通り、ワシの技には制限がある。しかし、ワシは1度も『オリジナル技が無い』とは言っておらんぞ!」

「なんですって!?」

「《鎌鼬・焔》」

 

 秀吉から放たれる焔の斬撃は氷槍を次々に破壊していく。

 

Aクラス 木下優子  164点

          vs.

Fクラス 木下秀吉  159点

 

 秀吉のオリジナル技はさすがに消費点数が大きかったらしく、優子よりも僅かに点数は劣っていた。

 

「・・・・やるわね。秀吉、次で決めましょ」

「承った!」

 

 双方、次々に氷槍や焔を用意する。

周囲は白と紅が目立つ異様な空間が広まった。点数のギリギリまでどんどんそれらを生み出していく。

 

「「・・・・・!」」

「《追跡》!」「《鎌鼬》!」

 

 同時にそれらは放たれる。穿ち、斬り。

徐々に数は減少していく。

 

「はぁぁっ!」

「なに!?」

 

 優子の召喚獣本体も秀吉の本体へと襲いかかる。

 

「くっ!なるようになれっ!《追跡》!」

「なっ!」

 

Aクラス 木下優子  0点

          vs.

Fクラス 木下秀吉  9点

 

 秀吉が殺られたかと思われたが最後の悪足掻きが功を奏し、秀吉にランスが当たるよりも早く、優子に斬撃が当たり

 

「勝者、木下秀吉!」

 

秀吉が勝利した。




 追跡はホーミング。鎌鼬・焔はかまいたち・ほむらと、お読みください。
前回、お気に入り登録等をしてくださった皆様ありがとうございます!
では、またの機会に!
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