第1回戦は僅差で秀吉が勝利した。
「ごめんなさいね。負けてしまったわ」
「大丈夫だ。君が後悔してないならそれで良いと俺は思う。」
「そうよ、良いものを見せてもらったし。
お疲れさま。後は任せなさい。」
「・・・ありがとう」
『第2試合を始めます!代表者は前へ』
強者は挫折を味わってより強者となる。
彼女はこれからもっとずっと強くなることだろう。
「詩乃、頼むよ」
「任せなさい。30秒で片付けてやるわ」
そう言って、詩乃は特設リングへと歩いていく。
「随分と余裕そうじゃない」
「当たり前でしょ、貴女じゃ役不足も良いところよ」
「ふんっ!今に見てなさい!高橋先生、数学でお願いします!」
「承認します」
「「召喚」」
数学
Aクラス 朝田詩乃 ???点
vs.
Fクラス 島田美波 218点
「ふふん!どう?数学はBクラス並はあるんだから!」
「はぁ・・・・。あんたバカでしょ?いえ、愚か者と言い直すべきかしら?バカでも分かることをあんたは分かってないものね。」
遅れて詩乃の点数が表示される。
数学
Aクラス 朝田詩乃 795点
vs.
Fクラス 島田美波 218点
「なっ・・・・!」
「あんたが今相手してるのはAクラス。それも、学年次席よ?Bクラス程度の点数で相手になるわけ無いじゃない。その上、操作技術も大差ないんだから」
「くっ・・・!やぁっ!」
「・・・・・遅い。」
勝敗は静かに決した。
飛び掛かってきた島田の召喚獣が眼前に来た瞬間、体を少し右にずらし透き通るような水色の片手剣を島田の召喚獣の首に添える。
後は簡単だ。島田の召喚獣は勢いを止めれずにそのまま通過。召喚獣の首はキレイに首を舞った。
構えを解いた詩乃の召喚獣は剣を左右に払い、背中の鞘に納刀する。
数学
Aクラス 朝田詩乃 795点
vs.
Fクラス 島田美波 0点
『『・・・・・・・』』
「しょ、勝者Aクラス朝田詩乃」
「ま、当然よね」
いち早く我に返った高橋先生が勝者の名を呼ぶ。さすがに先生も驚いたようだ。
「お疲れ様、詩乃。流石だな」
「お疲れ様と言われる程じゃないけど、その言葉有り難く受け取っておくわ。」
「ははっ、そうしてくれ。」
「ま、待ちなさいよ!」
「何だ?」
「こんなの可笑しいわ!無効よ、無効!」
「それはなぜ?」
「決まってるじゃない。こんな点数、不正でもしない限り有り得ないわ!」
「はぁ、1つ教えてやる。テストを受けた際の監督の先生は西村先生だ。そして、俺達は個別にテストを受けた。」
「なっ!本当ですか!?先生!」
「桐ヶ谷の言う通りだ。不正も何も無い。実力で彼らは先程の点数を出している。教職人生を賭けても良い。正真正銘彼らの実力だ。」
「ちっ・・・・・!覚えてなさい!」
ヤツはそれだけ言うとAクラスから飛び出していった。勝手にキレて、勝手に恨んでご苦労なことだ。
「はぁ・・・・・・。」
「先生も大変ですね」
「ああ・・・・。アイツもあれで前までは正直な生徒だったんだが・・・・。最近の行動は目も当てられん。吉井が絡むと特にな」
「そうですか・・・。ムリは体に毒ですよ?」
「む、そうだな。気遣い感謝する。」
「いえ・・・・。次の試合が始まりますよ」
「・・・・・うむ」
圧倒的な実力と島田の残念さでなんとも言えなくなった雰囲気は消えないまま、第3試合が始まろうとしていた。
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