試召戦争はAクラスの勝利となった。だが、まだあと一試合ある。今回は試召戦争でありながらエキシビションでもあるので五回戦まで行うのだ。
「最終試合を始めます。両クラスの代表者は前へ出てきてください。」
落ち着いたのかハキハキとした口調で進めていく高橋先生。Fクラスから坂本雄二がAクラスからは霧島翔子が特設ステージに登る。
「科目選択はどうしますか?」
「総合科目でお願いする」
「承認します!」
「・・・・・・「召喚!!」」
ぽむんと小さな爆発に合わせデフォルメされた二体が幾何学模様の陣から現れる。
総合科目
Aクラス 霧島翔子 4432点
vs.
Fクラス代表 坂本雄二 4359点
「なっ!?」「アイツ本当にFクラスか!?」「な、なぁ坂本って昔神童って言われてたんだよな?」「らしいぜ!」「神童の名は伊達じゃねぇってか」
到底Fクラスとは思えない点数を見せつけられ先程まで針を落とせば大きく響きそうなほど静かだった会場がざわめく。
「流石だな翔子。」
「・・・・・・雄二こそ、数年のブランクがあったとは思えない。」
「はっ!良く言うぜ!それだけの点数を取っておいてよ!」
「・・・・・・点数の差はほとんど無いに等しいし、操作技術だってまだ甘い」
「っ!これで甘いってんなら三年生だってまだまだってことになるぞ!」
会話をしながら和人達には及ばないまでもトップクラスに入るだろう操作を続けている。攻撃の速さといったら一般人がどうにか目で追える程度。
雄二のメリケンサックと翔子の日本刀が高い音を出しながらぶつかり合う。
「おらっ!」
「・・・・・・っ!いつの間にっ!?」
流れが変わった。雄二が翔子を圧した時、持っていた武器はメリケンサックではなかったから。
総合科目
Aクラス 霧島翔子 4293点
vs.
Fクラス代表 坂本雄二 4289点
「点差が更に縮まった!」「見ろよ、アイツが持ってる武器・・・」「あれ?さっきまでメリケンサックじゃなかった?」「だよね?」
「何で両手剣を持ってるの?」
そう。彼の武器は換わっていた。メリケンサックから姫路と同じくらいの大きさの両手剣へと・・・!
「・・・・・・もしかして、それが雄二の腕輪の力?」
「ご明察。オレの能力は武器の交換。30点を引き換えに別の武器へと交換することができる。」
「・・・・・・それが、雄二の本気?」
「ああ!同じ武器のままだとお前にパターンを覚えられて反撃されるのがオチだ!だから、一定のペースで交換しようと思ってな、武器の扱い方はそれぞれ違う。攻撃方法を変えれば簡単にはペースは掴めないだろう?」
「・・・・・・確かに、さっきと違って攻撃のパターンが変化した。攻撃も掴みにくい。でも、私の本気はここから」
そう言って霧島さんは両手剣を強く弾く。
そして、日本刀を掲げ。呟いた。
「・・・・・・腕輪発動。雷撃!」
瞬間、刀と召喚獣に雷がまとわりつく。そして一瞬で雄二の召喚獣に迫る。
「くっ!」
「・・・・・・この雷は一定時間相手に麻痺と持続ダメージを与える。」
先程とは明らかに動きが鈍くなった雄二。点数も少しずつ減少していっている。
「・・・・・・命令権は私がもらう!」
ふんす!と息巻く翔子さんは張り詰めていた空気を一気に弛緩させた。
「え?」「そこなの?」「えぇ・・・!!」
「あー、確かに命令権を志願したの翔子さんだもんな」
「だったわね、このタイミングでそれを言うとは思わなかったけど・・・」
生徒のツッコミや呆れ声を軽やかにスルーした翔子さんはチャキッと刀を握り直して、思い切り振り下ろす。
「・・・・・・えいっ!」
「うおぁ!?」
可愛い掛け声とは裏腹に雷によって強化された刀は先程とは比べ物にならないくらいに素早く雄二の首へ吸い寄せられていく。
が、間一髪で雄二は転がり避ける。麻痺してるとはいえ、動けないわけではないのだ。
「・・・・・・雄二、じっとしてて?」
「できるかぁ!」
必死に抵抗する雄二は徐々に逃げ場を失う。
「・・・浮気した旦那の末路を見せられてるみたいじゃな。」
「はは・・・。激しく同意するよ」
秀吉と明久がポツポツと遠い目をしながら話している。あれだけで済むなら安いものだと思うんだが・・・。
「和人、坂本君麻痺から回復したみたいよ」
「お、ホントだ。」
見れば、雄二は追いかけてくる霧島さんから全力で逃げている。
「くっ!死なばもろともっ!」
「・・・・・・なっ!」
武器をバズーカに替えた雄二は霧島さんに向けて放った。
ドカン!と大きな音の後に霧島さんの召喚獣はパタンと倒れ、召喚された時と同じようにぽむん!という音と共に消えた。
総合科目
Aクラス 霧島翔子 0点
vs.
Fクラス代表 坂本雄二 32点
「しょ、勝者Fクラス!」
妙に静まり返った教室は正気を取り戻した和人が戦後対談の準備を指示するまで破られることはなかった。
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いや、このままで
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