うん、今日もいい天気だ。
洗濯物はよく乾くし、外出していても気分がいい。
かく言う俺は、ヒキガヤ ハチマン。ソウブトレーナーズスクールに通う12歳だ。
そして、今は昼休み。普通なら、友人と楽しく過ごしているだろう。しかし、俺の周りには誰もいない。
なぜなら、俺と一緒に食事している相手は皆すべて悪タイプのポケモンだからだ。
後、俺の目が腐っていて目付きが悪いのと、生来のコミュ障が原因だ。
一度、バトル後の女子生徒に傷薬を差し出して、手を払いのけられたのはいい思い出だ。
それと、俺の手持ちは皆俺以外には中々懐かない。数少ない例外は妹のコマチぐらいだ。
そもそも悪タイプとは世間では嫌われ者である。事実街を荒らし、人に危害を加える種もいる。凶暴で好戦的でずる賢い。そんな嫌われ者と仲良くしようとする物好きはそういない。そんなポケモンを好き好んで連れ歩くトレーナーにもだ。
というわけで、現在体育館裏でぼっち飯である。
ふと時計を見ると授業開始15分前。そろそろ行こう。
放課後、俺はヒラツカという教師に呼び出された。だいたい予想はついている。
あの作文のことだろう。
「さて、ヒキガヤ。なぜ呼び出されたのか分かっているな。」
「ええ、心あたりはあります。」
「具体的には?」
「先週の作文でしょうか?」
「その通りだ。このふざけた内容は!私はトレーナーズスクールでの6年間というテーマを出したはずだ!」
「だが、お前は何を書いた?言ってみろ。」
そう言うとヒラツカ先生は作文を突き返してきた。
「要約してでいいでしょうか?私はこう言いたいんです。
つまらない固定概念に縛られて悪タイプを嫌うトレーナー達よ、砕け散れ、と。」
そう言うとヒラツカ先生は大きく溜息をついた。
「ヒキガヤ、お前友人はいるか?」
「いいえ。聞かなくてもわかるでしょう。悪タイプ使いの腐り目に友人だなんて。」
ヒラツカ先生は呆れたような、しかし納得したような顔をした。
「とりあえず、作文は書き直しだ。それと一つ聞きたいことがある。」
「なんでしょう?」
俺が怪訝な声色で答えた。
「君の手持ちは記憶している限りだが、ブラッキー、ヤミカラス、ヘルガー、ニューラだな。」
「あっています。」
「私が常々疑問に思っているのだが、なぜそこまで悪タイプに拘るのだ?」
「単純です。魅了されたからです。誰にも媚びず、馴れ合わず、気高く強かに振る舞う姿にです。
世間では嫌われ者ですが、悪タイプは様々な地方で四天王と呼ばれるトレーナーの専門タイプでもあります。
正直、悪タイプを引き連れ、その座に上り詰めた彼らのことを尊敬しています。」
そこまで言うとヒラツカ先生は意外そうな顔をしていた。多分腐り目ぼっちから真っ当な理由と「尊敬」なんてワードが出たこと自体が意外なのだろう。
更に続ける。
「それとムカついたんです。物事の上っ面だけ見て、ステレオタイプな考えで本物を見つけようとしない世間に。
世間で認められないなら認めさせればいい。その為に俺は上を目指します。最低でもジムリーダー級の高みまで。」
言い終えるとヒラツカ先生の目をじっと見る。何か言ってみろとばかりに。
そして、ヒラツカ先生は口を開いた。
「そうか、お前なりの理由と信念があってのスタンスだったのか。なんというか、見直したぞ。」
「そんな信念とか大層なものじゃなくてガキの癇癪ですよ。ただ、こうして自分の思いを人に吐き出したのが始めてだったんで、熱くなりすぎたんですよ。」
ヒラツカ先生は頷き、少し思案すると再び口を開いた。
「とりあえず、作文の書き直しは無しだ」
意外な言葉に思わず「えっ」と漏らす。
「その代わり、君には春の校内トーナメントに出場してもらう。君は極力バトルを避けるようだから、多くのものが君の実力を知らない。
私は君の手持ちを見る限り相当の実力があると思うのだがね。
とにかく、これは決定事項だ。」
きっぱりと言い切ったヒラツカ先生にゲンナリした顔で質問する。
「仮に出なかったらどうなるんです?」
「その時は私の授業の単位を一切認めない。君に拒否権はないんだ。」
そう言うとヒラツカ先生は「活躍を期待する」と言って教室を出て行った。
面倒なことになったと思い、俺は1人溜息をついた。
それと対照的に腰のモンスターボールは嬉しそうに、待ちきれないといった様子で揺れ動いていた。
とりあえず思いついたので書いてみた初投稿者です。
まだハチマン達がいる地方が何処なのかも決めていません。色々と至らぬ点もありますが、応援して頂ければ幸いです。
それとハチマンが入手する悪タイプもまだ確定していないのでリクエストなどもして頂ければ嬉しい限りです。