「なんだ、これ...」
彼が郵便受けを開けると、そこには封筒があった。
差出人はこのクレイドルを管理している大企業『レイレナード』である。
(はて、何かお咎め受ける事をしただろうか...)
彼はここ最近の記憶を辿るが、全くもってそんな覚えは無い。
彼は『レイレナード』の子会社の平社員であるのだが、これまでそんなお上の方から通達が来るなど初めての出来事だ。
(そんな覚えはないしな。部署配置換えの通達か...?)
そんな事を考えつつ彼は鞄に封筒を突っ込むと鍵を取り出す。自分の部屋の鍵を開けると、部屋に入りモニターとそれに繋いだ古い据え置き型ゲーム機を起動した。
(飯は...まだいいか)
洗面所へ行き手洗いうがいを済ませて仕事着から部屋着へと着替えると、ゲーム機のコントローラーを持つ。
ーーー
(やっぱACZEROは神ゲーだな...pixyの生き様というか、各エース達の生き様というか...)
数時間後、彼はゲームに没頭していた。
彼はこの手のゲームが好きなのだが、特に今やっているシリーズのこのナンバリングが大好きなのだ。
(そういや封筒の中身、見てなかったな...)
そう思うと彼は一時ゲームを中断する。そして鞄をひっくり返し封筒を探し出す。かなり乱雑にいれたのだが、封筒には皺一つなかった。
「さてと、なになに...健康診断のお知らせ?」
封筒の中身には『健康診断のお知らせ』の文字がデカデカと掲載された紙と、実施場所の案内用紙、電子カルテ用と思われるICチップのバンド、アンケート用紙が入っていた。
(健康診断ってこの前やったよな?)
何処か怪しいと彼は感じていた。一ヶ月ほど前にも一回健康診断は行われている。それなのにこれは一体どういう事なのだろうか。
(そういや、前の健康診断って...)
彼は一ヶ月前の健康診断の様子を思い返す。その時に行われた診断内容は通常の人間ドックに加えて、何か体のあちこちに電極を貼り付けて測定していた。
(あれと何か関係があるのか?んでアンケートも内容は同じか...)
封筒内のアンケート用紙に書かれていた質問内容は、一ヶ月前に行った時の健康診断のアンケートと同じてあったほとんど同じであった。
(いったい何なんだ...)
そして実施場所の案内用紙には実施する日付まで記入されていた。その日付は来週の週末である。
(休み潰す事になるけどしょうがない...行かなかったら大目玉食うだろうし)
彼はそう思うと来週の予定を確認する。その日は特に予定は無く、いつも通りの休日だ。
(はぁ...行くしかないか)
そう彼は腹をくくった。
これから彼の身に降りかかる事と比べれば、こんな物は極々先触れに過ぎなかった。
ISFFはハードがまだ買えておりませんので、しばらくお待ちを...