機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ~戦乙女と血と海と~   作:Seacool

8 / 10
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#8 悪魔の新たな力

 

 

提督が大本営に連絡している頃

執務室を退室した三日月と大和は、どこに行こうかと考えた時、

廊下を歩く小さな影があるのが見えた。

「大和、なにあれ」

三日月は小さな影に指を指して言った。

「ああ、あれは妖精です」

「よう…せい?」

三日月は、頭の上にハテナマークをだした。

「えっと、妖精っていうのは…」

大和は三日月に妖精のことを話した。大和が話してくれたことを要約すると

妖精とは艦娘たちが装着する艤装の操作及び艤装の整備を行う者たちで

みなそろって小さく、一見非力そうに見えるが能力は高く様々な役職をもっている

ちなみに妖精たちは深海棲艦が現れたあと艦娘が歴史の表舞台に出てきたと同時に出現した存在でどこから来たかは誰も知らない。

「ということです」

「…」

三日月は大和が教えてくれたことに感謝した。があまりの量でそのときは半分も理解していなかった。

大和はひざを折り、妖精と話しだした。三日月には小さい鳴き声の様にしか聞こえないが艦娘にはわかる。

「ついてきてほしいそうです」

妖精が大和の指を引っ張ろうとしていた。

「じゃあ妖精についてってみましょうか」

「うん」

三日月と大和の二人は、妖精の後をついて行った。

 

ついて行った先にあったのは妖精たちが主に作業する工廠だった。

ちなみに先ほどガンダムバルバトスを置いた場所は工廠ではなく整備が終わった

艤装などを出撃に備え準備する格納庫である。格納庫と工廠は繋がっており

物資や艤装の搬入のため巨大な荷台とそれを乗せるレールが敷かれている。

工廠に入ると中は、機械音があちこちから聞こえ様々な薬品や機械油の臭いが充満していた。

(…同じ匂いがするな…)

三日月が一番最初に抱いた感情はその臭いに対する感想だった。その匂いは鉄華団のモビルスーツ格納庫や機材置き場に漂っていたものに似ていた。

だがその考えはあるものを見てすぐにかき消された。

それは先ほど格納庫に駐機させたガンダムバルバトスだった。

三日月は自身の愛機であるバルバトスに駆け寄った。見たところ戦闘で機体が損傷している場所はなかった。バルバトスが無事だったため三日月は一息ついた。

「大切な機体なんですね」

大和が歩み寄りながら言った。

「こいつと一緒に色々な所行ったからな」

三日月は思い出を思い出しながら感傷に浸っていると

「おめーが、こいつのパイロットか」

どこから声がかけられた。男性のものだった。しかし声が聞こえた方には、男性はおろか人もいなかった。

辺りを探しているとバルバトスの足元から誰かが出てきた。

出てきたのは人間ではなかった。顔や持っている整備工具の大きさから妖精だというのはわかった。しかし

「なんかでかくない?」

三日月の目の前に現れた妖精は先ほど見た妖精よりも大きかった。先ほどの妖精が手のひらに乗るぐらいの大きさだったのに対し、目の前にいる妖精は車のタイヤと同じぐらいの大きさだった。しかも先ほどの妖精は艦娘にしかわからない言葉で話していたのに対し、目の前の妖精は三日月にもわかる言葉で話していた。

「なんだ、でかくちゃ悪いかよ」

目の前にいる妖精(?)は三日月の言葉に反応し言い返した。

「あっ、おやっさん」

大和が目の前にいる妖精、おやっさんに声をかけた。

「大和の嬢ちゃんか」

ゲンジは大和に気づき返事した。どうやら知っている仲のようだ。

「大和、その人誰?」

「この工廠及び格納庫の責任者の」

「ゲンジだ みんなからはおやっさんって呼ばれてる」

「…」

三日月はその姿とあだ名からある人物を思い出した。

ナディ・雪之丞・カッサパ

彼が鉄華団になる前の組織CGSからの付き合いのある人物だ。腹に腹巻をつけ両足が義足のメカニックだ。そしてみんなからおやっさんと呼ばれていた。目の前にいるゲンジのように…

「どうした坊主、豆鉄砲くらったみたいな顔して」

ゲンジは三日月がこっちを向いたまま反応がないため話しかけた。

「ん?何でもないよ」

三日月は軽く返事をした。

「?」

ゲンジは「なんだ?」と思い話を続けようとすると大和から声をかけられた。

「おやっさん、実は相談が」

「ん、なんだ」

大和はおやっさんの耳元でヒソヒソと話した。

「なに!本当か!」

「はい、本当です」

「んで今後の方針は…」

「それは…」

そして話し終わったのか大和とゲンジはこっちを向いた。

「おめえ、名前は」とゲンジ

「三日月、三日月・オーガス」

「ほう、同じ名前の艦娘にあったことがあるが、おめえさんなかなかいい面構えだな」

ゲンジは笑いながら言った。

「おめえさん、俺たちと一緒に戦いたいんだってな」

「俺とバルバトスで」

「それはわかってる。でこいつどうする」

「あんたに任せるよ。おやっさん」

三日月はそう返事した。それを聞いたゲンジはため息を一つついた。

「わかったよ。こいつを海の上で戦いやすくしてやる」

「いいんですかそんな簡単に言っちゃって」

大和は不安そうに聞いた。この工廠はあくまで艦娘の艤装の開発及び整備が主な場所で

モビルスーツという未知の兵器を整備 改良を行うのはかなり無茶なのだが。

「なに、軍艦墓場からパーツ取ってくるだけだ。そこにならこいつの追加装甲や武装ぐらいは作れる部品や艤装が山盛りあるさ」

ゲンジはガンダムバルバトスを指で指しながら言った。

「パーツ集めと改修に一週間、調整と動作確認にもう一週間ってとこだな」

ゲンジはバルバトスのおおよその回収期間を伝えた。

「よろしく頼むよ」

そういうとゲンジは手をこっちに伸ばしてきた。

「握手だ」

そう言われると三日月も手を伸ばしゲンジと握手しガンダムバルバトスをゲンジに預け

三日月と大和は工廠を出て行った。

取り残されたゲンジは

「はぁー、やっかいな仕事引き受けちまったな…しかし」

ゲンジはズボンをあげ

「引き受けた仕事はきっちりやるぜ」

そういうと工廠内にいる手の空いている妖精たちを集めるために工房内を歩き始めた。

ゲンジはもう一度ガンダムバルバトスを見た。何かすさまじい気配のようなものをバルバトスから感じた。

「ふっ、相当な奴だなお前」

そういうとゲンジは歩いていった。

 

工廠をでた三日月と大和は次どうするか考えていると大和はあることを思い出す

「そういえば三日月さんって文字が読めないんじゃ」

そこまで言った大和はハッとなり三日月に話しかけた。

「そうじゃないですか! 三日月さん文字読めないんですよね」

「いやちょっとだけわかる」

「書類一枚書けるぐらいですか?」

「…無理」

三日月がそこまで言うと、大和は少し呆れた顔になって言った。

「それじゃ提督の仕事が手につかないじゃないですか」

「う、うん」

三日月は申し訳なさそうに返事した。

「じゃあ、この二週間は勉強ですね」

「え」

「そうですよ。文字が読んだり書けなければ提督の仕事ができませんから丁度二週間は

時間が空きますし」

「…」

そこまで聞いた三日月は大和の顔に何かいや~な物を感じ、大和が向いている方向とは逆を向き、全力疾走で逃げた。

「あっ!こら、まちなさい!」

大和が後ろから追いかけてくる。三日月はCGSにいたころから自己鍛錬に時間を惜しまなかったため、かなりの速度で走れた。だが相手は艦娘 艤装がないとはいえ戦艦クラスになると基礎身体能力が上がり、女性とは考えられない速度で走れる。

結果 三日月は30分ほどは逃げれたがだんだん体力が消耗し、鎮守府内を完全に把握していないためどこに逃げればいいかわからず、最終的に大和に捕まった。

こうして三日月は二週間みっちり勉強することになった。

 

 

 

 

三日月の愛機が新たな力を手に入れようとすると同時に主人は新たな力<知識>

を得ようとしていた。そして二週間後

悪魔は新たな力を得て戻ってきた。

 




いかがだったでしょうか。
次回も見てくれると幸いです
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